塾帰り。遅くまでの居残りを余儀なくされていた俺は、暗い夜道を足早に歩きながら家路についていた。
――くそっ、七夕の夜から礼美先生がずっと俺を目の敵にしてやがる!
主任講師への恨み節を唱えながらズンズンと先を急ぐ。
そして、思ったよりも早い段階で通学路沿いの公園へと差し掛かったその時であった。
「へーイ、ジャパニーズボーイ! 助太刀お願いシマース!」
「うわっ」
ふと背後から羽交い絞めにされて俺は反射的に声を上げてしまう。
「ちょっと待て、よく分かんねーけどまずは離してくれ!」
強引に絡んできた腕を振りほどいてから振り返り、俺は声の主を確認する。
「…………」
そこにいたのは金髪碧眼と褐色肌が印象的で、それ以上に額の赤いビンディーが強烈なインパクトを醸し出している外国人と思しき大人の女性だった。
「で、何者だよアンタ?」
「私、アジャン和倉(わぐら)デース。つい先日ニッポンにやって来た、インディア(インド)からの留学生デース」
女性――アジャン和倉がインチキ臭い日本語で自己紹介を披露する。片言ながらも日本語が話せる上に苗字が和名ということは、ハーフだったりするのだろうか。
「では、あなた誰?」
「え、俺かい? 俺は間瀬優太。この近所の学校に通っている現役の中学生ってヤツだ」
突発的に名前を聞かれたのでとりあえず自己紹介を返しておく。だけど今は、それよりも――
「ところでアンタ、さっき俺に助けを求めていたと思うんだけど……何かあったのか?」
「オー、そーデシた!」
ギュム!
アジャン和倉が何かを思い出したかのように手を叩いてからチンコを握ってくる。
「来るデース! もう限界が近いから、はやく!」
「わ、分かったからそんな手つきで揉んでこないでくれ、エッチ!」
俺はその剣幕に気圧されると、彼女に押し切られる形で同行を余儀なくされてしまうのであった。
「………………」
俺が連れ込まれのは、公園にある男女共用トイレの個室の中だった。
「私、こんなトイレ初めてで、どうやって使えばいいのかサッパリ分からないデース」
目の前の段差型和式トイレを前にアジャン和倉が困惑の表情を浮かべている。
「……つまり、座り式(洋式)のトイレしか使ったことがないから使用法が分からないってことか」
「図星デース。そこでユータさん、あなたに教えてほしいのデース」
「なるほどな。そういうことなら喜んで引き受けてやるぜ」
俺は二つ返事で彼女の頼みを承諾すると、早速レクチャーを開始させることにした。
「まずはその上にあがってソイツに跨ってくれ」
「了解デース」
アジャン和倉が俺の指示通りに段を上って開脚し、便器の上を跨ぐ。
「よし。じゃあ次はその赤いタイトスカートをまくり上げてからパンティをずり下ろすんだ」
「オー、それが……」
何か思うところがあるのかアジャン和倉が戸惑い気味にスカートをまくり上げる。
「ぶはっ!」
すると、俺の視界にすぐさま布切れのコーティングもない彼女の褐色美尻が飛び込んで来たのである。
「ノ、ノノノ、ノーパン……」
「私、健康法の一環で、パンティは穿かない主義なんデース」
アジャン和倉が衝撃的な事実をカミングアウトして俺の股間に刺激を与えてくる。
「ななな、なるほどな……うん、そりゃあアンタみたいな良い女には余計な布切れは必要ねーもんな、うん」
やや動揺を余儀なくされるも俺は再びレクチャーを再開させる。
「つ、次だ次。今度はそのまま便器の上に尻を構えるような感じで屈んでくれ」
「こーデスか?」
アジャン和倉が言葉通りの屈み体勢を取って和式スタイルを完成させる。これで排泄の準備は万端である。
「そう、その姿勢だ。ほら、何と言うか、排泄物が出しやすい気分になってきただろ?」
「オー、確かにこのスタイル、お尻むき出しでヤラしいけど、体内デトックス、促進させてくれそうな気がシマース」
「だったら後は全神経を肛門と膀胱に集中させて、体内の不要物を取り除く!」
俺は最もらしい言葉とともにさり気なく彼女の美尻を愛撫する。
「やりマース出しマース力いっぱいひり出しマース!」
だが彼女はそんな行為には目もくれずに踏ん張り始めると、程なくして腸内に蓄積されていた不要物を産み落としたのであった――
ブリビビビッ!! ビリビリビリュリュ!! ブリブリブリブリブリビチチッ!! ビリビチャッ!!
「出ました出ました、大量デース」
ブゥ~~ッ、ビリブビッ!!
アジャン和倉が大量の下痢便をひり出した後で嬉しそうに放屁する。だがその臭いは当然ながら強烈で、個室の中はすぐに便臭と屁臭で満たされてしまっていた。
「アンタ腹下してたんだな。なかなかの下痢っぷりだったぜ」
俺は目の前で繰り広げられた光景にチンコを大きく膨らませながらもう一度彼女の尻を愛撫する。
「ウ~ム、どーにも『ジャパニーズ・生ガキ』にやられてしまったみたいデース」
プシャァァァァァァ…………
アジャン和倉がそんなことを打ち明けながら放尿を開始する。
「それは災難だったな。俺も知り合いの看護婦が牡蠣にあたって盛大に吐いた現場を見てるから、その気持ちはよく分かるぜ」
同情するような言葉を発しつつ、さり気なく身を乗り出して俺は彼女の前側を覗き込む。
――剃毛、サーモンピンク、黄色……
その局所と尿の色合いをチェックしながら股間が一層熱を帯びてくる。
「……よお、和倉さん。良かったら俺にケツを拭かせてくれねーか?」
気が付けば、俺は興奮のあまりにそんな大胆なことを口走っていた。
「……本気デスか?」
「ああ、本気だ。初見ながら俺の指示通りに動いて和式便所を使いこなしたアンタに、ささやかながらご褒美がしたいんだ」
「オー…………」
数秒間の沈黙が辺りを包み込む。そして――
「ご立派デース。ユータさん、ぜひとも私のお尻をオ〇ンコともどもキレーにフキフキして下サーイ」
彼女の口から出てきたのは、あまりにも嬉し過ぎるお褒めの言葉と肯定の返事だったのである。
「へへ、任しときな。こう見えても俺、女の子の尻だったらそこらの介護士よりも上手に拭けるんだぜ」
俺は早速備え付けのペーパーを引き抜いて彼女の尻を拭き始める。
「ウ~~、ユータさんの手つき、とっても柔らかでエロ気持ち良い気分デース」
「……だったらもっと気持ち良くさせてやるから覚悟しときなよ」
こうして、俺たちは便臭漂う夏のトイレの中でうたかたの情事を満喫したのであった。
「ユータさん、あなたのおかげで今日は素晴らしいお時間を過ごすことが出来マシた。またどこかでお会いしましょう、素敵なジャパニーズボーイ」
トイレでのお楽しみ終了後。アジャン和倉はそんな言葉とともに夜の帳(とばり)の中へと消えて行った。
――チュッ。
去り際に、俺の額へと柔らかな唇を添えて。
「……」
俺はこれまでの出来事にどうにも実感が湧いて来ず、しばらく漠然と惚けていた。
――夢じゃなかったんだよな、和倉さんとのラッキースケベ……
俺は股間に手を伸ばしてその感触を確かめる。
「あっ……」
すると、そこには先ほどの光景を確かに覚えている熱い膨らみが残っていた。
――そうか……やっぱり彼女はそこに存在してたんだよな!
少しずつ意識がハッキリとしてきて気持ちが戻ってくる。
「……よし!」
俺は気を取り直すと公園を出て、改めて家路へとついたのであった。
――和倉さん……今夜はしっかり使わせてもらうからな!
脳裏と股間に、かけがえのない甘やかな記憶を携えて――――