ラブライブ!~月の彼方 After Season~ 作:ゆるポメラ
今回も少し短いです。
それではどうぞ。
第1話 言いたくても言えない事
自宅を出た僕は、
藍音学院に向かうため道を歩いている。
(みんな元気かな……)
道中そんな事を考える。
実は僕達は進学先が別である。
まぁ休日になるとみんなで集まったりするんだけど……
「ゆーくん~♪」
後ろから声がしたので振り返ろうとしたら
抱きつかれた。
その正体は……
「ことちゃん、びっくりさせないでよ……」
「えへへ…ゆーくんの姿が見えたから我慢できなかったの♡」
ことちゃんだった。
名前は南ことりちゃん、僕が付き合ってる3人の彼女の1人です。
ことちゃんは抱きつくのをやめると代わりに僕の腕を組んできた……
「腕を組むのはやめないんだね……」
「だって私とゆーくんは恋人さんだもん♪」
「ちゃっかりしてるなぁ……」
それにしても、
ことちゃんと一緒に登校するのは新学期で初めてな気がする。
というか初めてだね……
「そういえば……ルーちゃんと一緒じゃないの?」
「あ、えーとね……」
「はぁ……また寝坊か、ルーちゃんらしいけど……」
「あはは……今朝ね?、先に行っててって瑠菜ちゃんからメールがあったから」
ことちゃんに連絡したならいいけど……
あ、学校について説明してなかったよね?
ことちゃんとルーちゃんは衣装関連の専門学校に通ってるとの事。
だから今日みたいに、こうやって一緒に登校するなんて事は滅多にない……
他のみんなについてはまた次の機会に話すよ。
「…ゆーくん元気ない」
「そんな事ない」
「…嘘。顔色が悪いもん、何か悩みでもあるの?」
ことちゃんが僕の顔色が悪いと言った。
別に気分が悪いわけじゃない、ただ悩みがあるだけ……
あーどうしよう……ことちゃんには言いたくても言えないんだよなぁ。
「悩みなんて………別にないよ」
『嘘ね』
すると僕の反対側に、
ことちゃんそっくりの女の子が現れた。
唯一違うのは瞳の色が血に染まった赤色な事と僕と同じ藍音学院の制服を着てる事。
実はこの子の名前は……南ことりちゃん。
姿形もことちゃんそっくりそのままで違うのは性格くらいかな。
僕は『黒ことちゃん』って呼んでいる……
『ゆーくん、私に隠し事してるでしょ?』
「ふーん……ユークン、コトリにカクシゴトをシテルンダァ?」
「…2人共、目が笑ってない」
ことちゃん(黒い方じゃない)は目のハイライトがない。
黒ことちゃんもジト目で見てきた……
というかこの2人に隠し事は絶対にできないんだよね……
何故なら僕の心が読まれてるから。
「隠し事って訳じゃないよ…ただ……」
『ただ?』
「ゴメン。昔のトラウマのせいで話したくても話せないや……」
「ネェナンデ……ナンデハナシテクレナイノ?、ナンデナンデ?」
『落ち着きなさい、このバカ』
「痛っ!?、何するの~!?」
僕がそう言うと黒ことちゃんは、
ことちゃんの頭にチョップをかました。
痛そうだなぁ……
後頭部を手で押さえ、ことちゃん涙目である……可愛い。
「話してくれないの?」
「うん……詳しい話はルーちゃんに聞いて」
『瑠菜ちゃんに?』
「…うん。僕の小さい頃のトラウマって言えば話してくれるから」
それだけ言うと2人は何も言わなかった。
その後は何も喋らずにただ歩く……
気づけば分かれ道に着いてしまった。
ことちゃんと一緒に登校できるのはここまで。
藍音学院に続く道に入ろうとした時……
「あ、あの……ゆーくん///」
「どうしたの?」
「そ、その……ゆーくんと私は恋人さん…だよね」
「…え?、うん」
「こ、
ことちゃんは上目遣いで僕に何かを要求してきた。
あー……なんとなく分かったかも。
ことちゃんを優しく抱き寄せ彼女の唇を重ねる……
「…ん、これで良かった?」
「はぃぃ……♡」
どうやら正解だったみたいです。
それにしても行ってきますのキスをするとは思わなかった……
ことちゃんは幸せそうにうっとりとした表情をしていた。
「うへへェ……ゆーくん、行ってきます♡」
「気をつけてね」
ことちゃんは僕にそう言い残すと、
ルンルンとスキップをしながら学校に向かって行った……
さてと……
「黒ことちゃん、こっちに来て?」
『え?、ゆーくんどうした……んむ!?』
黒ことちゃんにもキスをする。
さっき羨ましそうに僕の事を見てきたから。
彼女は普段は思念体だけど心を許した相手には
僕が高校3年生の時にある出来事で分かった事なんだけどね……
そして唇をゆっくりと離すと……
『も、もぅ……不意打ちはズルいわよ、ゆーくんのバカ///』
「…だって恋人でしょ?」
『あっ………///』
ことちゃんの前に現れたもう1つの人格……というよりも
彼女は平行世界から現れた言わば、その世界のことちゃん。
その世界での僕は中学1年の時に死んでしまい、更には親や大切な友人も失い絶望した彼女は1人で生き抜いてきた……
そして僕が倒れた高校3年の7月に彼女は再び現れ、ことちゃんを殺そうとしていた。
その時の件は僕は分からないけど、目が覚めた時には僕は2人のことちゃんが視えた……
だから僕にとっては黒ことちゃんも大切な人だ。
『ねぇ……もう1回だけキス…して?』
上目遣いでおねだりされる。
こういうところは元のことちゃんと同じ……
たとえ性格が違っても心の奥底ではかつての優しさがあるから……
「うん。いいよ」
『えへへ……ゆーくん♪』
黒ことちゃんともう1回キスをした後、
彼女はまた後でねと言い残しその場から消えた。
2人のことちゃんと合計で3回キスをするとは思わなかった……
それも通学途中の朝から……
「…さて、僕も急がないと」
今日も1日、頑張ろうっと。
読んでいただきありがとうございます。
次回は、ことりちゃん視点になります。
まだまだR-18描写には見えないかもしれませんが、
頑張りますのでよろしくお願いします。