※この作品はR-18です。

ラブライブ!~月の彼方 After Season~   作:ゆるポメラ

7 / 9
ゆるポメラです。
今回は少し暗い描写が入ります。
また自分の連載している小説『Hopeless chain of innocent girl 』のちょっとしたネタバレも入ってますのでご了承ください。
視点は黒ことりになります。

それではどうぞ。


第5話 彼が未だに残してる心の傷

海未ちゃんと璃夢ちゃんとの喧嘩をやめた私達は、

ひとまず晩ご飯をみんなで食べた後、各々リビングで

自由にしてる事に……

 

(ゆーくんがいない……)

 

この家の家主である彼の姿が見えなかった。

表の私はソファーで寝ており、海未ちゃんは大学の課題をやっていた。

璃夢ちゃんは……なんで立ったまま寝てんのよ。どこの傭兵なの?

 

(どうやって捜そうかしらね?)

 

ゆーくんを捜す方法は2つある。

1つは表の私を起こして普通に2人で捜す。

もう1つはこのまま私1人で捜すの2つだ……

考えた結果、私1人で捜す事にした。

理由はゆーくんを1人占めできるからだけど♪

とりあえず私は他のみんなにバレないように気配を消しながら、

リビングを後にした……

 

 

 

ーー水無月家・廊下ーー

 

 

 

 

 

『ここにもいないわね……』

 

ある程度ゆーくんを捜したけど見つからなかった。

昔みたいに隠れてるんじゃないかと思ったけど彼もそういう年じゃないと思う。

最初はお風呂に入ってるのかと思ったけどハズレだった。

…まぁもし入ってたら私も一緒に入るけどね♪

 

『もしかして部屋にいるのかしら?』

 

そう思った私は、

ゆーくんの部屋に向かう事にした。

 

 

 

 

 

ーー悠里の部屋ーー

 

 

 

 

 

 

ゆーくんの部屋に着いた私は、

とりあえず入っていいか声をかける。

 

『ゆーくん、いる?』

 

しかしドアの向こうからは何の返事もない。

寝てるのかと思いつつもドアを通り抜ける……

私は思念体だから普通に扉を通り抜ける事が可能だ。

流石に入る前には声をかけるけどね……そのくらいの常識はあるわよ。

それに好きな人の部屋なら尚更ね。

部屋の中に着くと、ゆーくんの姿はなかった。

 

(ちょっと……どこに行っちゃったのよ)

 

これには私でも焦る。

自室にいるのかと思ったらいないときた。

不安になりながらも辺りを見回すと……

 

『…なんであそこの窓、開いてるのかしら?』

 

少し気になった私は、

窓が開いている場所に近づく。

確かここは簡易的なテラスがあった場所の筈……

小さい頃にゆーくんと遊んだ場所でもあった。

 

『ここにもいないじゃないって……ゆーくん?』

 

何気なく上を見ると彼を見つけた。

ゆーくんは屋根に体育座りをしながら月を眺めていた……

まさかこのテラスから登ったの?

 

(近くに行って声をかけてみたほうがよさそうね……)

 

それにしても、

ゆーくんの家の屋根って結構急斜面ね……

私や璃夢ちゃん、花怜ちゃんは常に浮遊してるから怖くないけど……

表の私や海未ちゃんは怖がりそうね。

 

『ゆーくん』

「……黒ことちゃん?」

 

声をかけると横目で振り向いた。

けど表情はどこか暗かった……

 

『隣、座ってもいい?』

 

そう聞くと彼は何も言わずに頷いた。

私が座ったのを確認した後、再び月を眺め始めた……

そういえば小さい頃の夏、この場所で花火を見たのを思い出した。

私と瑠菜ちゃんとゆーくんの3人で見てたっけ……

 

「僕って疫(・)病(・)神(・)なのかな……」

『え……』

 

突然そう呟いた彼。

私の聞き間違いじゃなければ彼は自分の事を疫病神だと言った……

そんな私の反応をよそに……

 

「ほのちゃん、みーちゃん、ことちゃんの人生を奪った死神だよ……僕なんて」

 

今度は死神だと言い出した。

よく見ると彼の肩は震えており目には涙が僅かに浮かんでいた。

何か嫌な夢でも見てしまったのだろうか……

 

『どうしてそう思うの?』

 

ただこう聞くしかなかった。

下手にゆーくんを問い詰めたら傷つけてしまうのは明白だったから……

私は彼が答えてくれるまで待った。

そしてゆーくんは震えながらも口を開いた……

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕のせいで…ほのちゃんが死んだ、みーちゃんの性格を変えちゃった、ことちゃんに人殺しをさせちゃった……挙句の果てに1人ぼっちにさせちゃった、結局……僕は落ちこぼれで死神なんだよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

その意味は紛れもない今の私(自分)に向けられていた言葉だった。

ゆーくんが死んだ中学1年の時、私と穂乃果ちゃん、海未ちゃんの3人は彼に対して理不尽な事をした人間全てを皆殺しにした……

"気に入らない"、"落ちこぼれの奴なんて死んで当然"という酷い理由だけで私(・)の(・)世(・)界(・)の(・)ゆ(・)ー(・)く(・)ん(・)は殺された。

そして穂乃果ちゃんと海未ちゃんは徐々に壊れていき最終的に2人は死んでしまった……

 

(まさか今日までずっと抱え込んでいたの……?)

 

ずっと気になっていた……

ゆーくんは私達の前では笑っていてくれてるのは何でだろうって……

本当は外傷だけじゃなく心に大きな傷がついてしまった。

そして今の言葉は私に対しての謝罪……

怨んでいるなら落ちこぼれの自分を殺してもいい……そんな表情だった。

 

『どうして……どうしてそんな事言うのよバカッ!!!』

「…………」

 

気づけば私は怒鳴っていた。

 

『怨んでいるなら殺せ? そんな事できるわけないじゃない!! それに私は怨んでなんかいない! どうしてそんなに自分を責めるの!? 私はゆーくんにたまにしか会えなくても嬉しかったんだよ!! なのに……なのに……っ!!!』

 

これじゃ…ゆーくんを責めてる言い方じゃない……

ひょっとしたら私に怨まれているんだろうと今でも思ってるかもしれない。

そう思うと気づかなかった自分に腹が立つ。

 

「…ごめんね」

『ふぇ…?』

 

そう謝りながら、

ゆーくんは私を抱きしめていた。

どうして……どうして……ゆーくんが謝るの?

 

「こういう時じゃないと謝れないと思ったから」

『ど、どういう意味……?』

 

すると彼は、

私の肩を優しく掴む。

そして私の顔を真っ直ぐに見ながら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『…今まで1人で寂しい思いをさせてごめんな。こ(・)と(・)り(・)』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あ……あ……』

 

私の目の前にいる彼は本物なの……?

 

「『…ことり、お前大丈夫か?』」

 

その声を最後に聞いたのはもう何年になるんだろう?

見た目は同じでも違う箇所が1箇所だけ……

それは左(・)目(・)が濃い紫色になっている事。

それが意味する事はたったひとつ……

 

『ゆ、ゆーく……ゆーくん!!! うわぁあああん!!!』

「『…ったく泣き虫なところは変わってないよな、お前』」

『だって……だってぇ……!!』

 

夢じゃない……

紛れもない私(・)の(・)世(・)界(・)の(・)ゆ(・)ー(・)く(・)ん(・)だった。

追っ手に殺されそうになった私をかばって助けてくれた。

でもどうして……?

 

「『なんで?って顔してるが別に大した理由じゃないぞ?』」

 

ゆーくんは目を少し細めながら、

そんなに大した理由じゃないと言った。

 

「『2(・)月(・)の(・)終(・)わ(・)り(・)に(・)同(・)化(・)した。それだけだ』」

 

2月の終わりに同化した?

言ってる事がざっくりし過ぎて全然分からない……

 

「『…まぁ俺(・)がこうやって出てこれるのは滅多にないけど』」

『……カ』

「『え?』」

『ゆーくんのバカッ!!! 私が…どれだけ……っ!!』

 

泣きながら文句を言うと、

何も言わずに私を抱き寄せてきた。

 

『もぅ……私を1人にしないでぇ……』

「『…しないよ、バカだな』」

 

本当の意味でゆーくんに逢えた。

もう辛い思いはさせたくない……

これからはずっと一緒にいられるんだ。

幼馴染みじゃなく恋人として……それに私には……

 

 

 

 

(2人のゆーくんが私の傍にいてくれる……だから私もずっと一緒にいるからね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆーくん……大好きだよ。あなたの事……愛してます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
過去に負った傷というのは中々消えないもんなんですよね……
次回は海未ちゃんとのイチャイチャ回を予定しておりますので
過度な期待はせずにお待ちください。
頑張りますので今後もよろしくお願いします。
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