あぎりにんぽう、しぼりたて 作: 池田
「あ、あの……本当に良いんですか……?」
「いや、良いも何も……お前が言い出したんだろ」
「いざとなるとなんか恥ずかしくて……」
「……じゃあさっさと終わらすぞ」
夕日があぎりの顔を真っ赤に染めている。
きっと、私の顔も真っ赤になっているんだろう。
空き教室の隅っこで、私達はかたまっている。
椅子に私が座って、その更に上にあぎりが跨る。もちろん向かい合って。
「……誰も来ませんよね?」
「こんな場所に来るヤツなんか私達以外にいるもんか。やすなも帰ったし」
「でも……」
「なんだ、いつになく弱気だな」
「こんなの、誰だって弱気になりますよぅ……」
恥ずかしそうに顔を背けるあぎり。
あまり見たことのない彼女の表情に、私は少しドキリとする。
「やっぱり、これはちょっと……」
「はやくしろって。本当に誰か来るかもしれないぞ」
「わかりましたよ……」
少しの沈黙の後、彼女は覚悟を決めたようだ。
制服のボタンを一つずつ、上から外していく。
ブレザー、Yシャツ。
そして胸が、現れる。
「って、お前……まさか今日一日……」
「だって、合う下着がなくて……」
「一日ノーブラで過ごすほうがよっぽど恥ずかしいと思うんだが……」
「言わないでくださいよ、もう」
彼女が更に胸をはだけさせた。
普段から大きいとは薄々思っていたが……これはなかなかどうして立派なものだ。
豊満と言ってはばかりのないシロモノが、目の前でぷるぷると震えて。
そしてその先端から、一筋の白い雫が垂れている。
雫はそのまま彼女の肌を滑り降りて、ぽたりと私の制服に落ちて小さなシミを作った。
「っはぁ……これで、良いですか……?」
「……まったく、なんでこんな」
「うぅ……」
真っ赤だったあぎりの顔が、更に赤くなる。
そして私は、彼女の胸に顔を埋めたのだった。
その日のあぎりは、朝からなんだか様子がおかしかった。
顔は赤いし、フラフラしてるし。
なにより、あの顔に張り付いた余裕そうな笑みがない。
何事かと聞くと、彼女ははぐらかそうとする。
しかしその後しつこく問い詰めると、昼頃にやっと白状した。
曰く「母乳が止まらなくなった」らしい。
何を馬鹿なと鼻で笑いそうになってしまったが、どうも冗談では無いらしい。
前日、忍法用の薬の調合を間違えたせいだとか。
言われてみると、たしかに胸が張っているように見えた。
とにかく、これでは仕事に支障が出てしまう。
元に戻す方法は無いのかと聞くと、彼女が提示した方法は至極単純だった。
搾れば良い、らしい。
というわけで、私達は放課後の空き教室であぎりの胸を搾る事にした。
……正直自分でも何を言っているのかわからないが。
一瞬これは夢なんじゃないかと思った。
だがこうして抱き合っている状況と、私の目の前にある彼女の胸は紛うことなき事実である。
彼女が呼吸をする度に、大きなそれが上下する。
もう一度言うが、なかなかどうして立派なものだろうか。
「そんなに、見ないでください……」
あまりに立派だったので見惚れていると、彼女が弱々しい声で抗議した。
「あぁ、悪い……」
適当に返事をするが、彼女が身を捩る度に大きく動く胸に私の目は釘付けだ。
ここに一体どれだけ詰まっているのだろうか……。
そんな事を考えながら、私は彼女の乳房に舌を這わせた。
まず、彼女の乳頭から垂れている一筋の母乳を舐めとる。
彼女の肌に引かれたうっすらと白いラインが、私の唾液で上書きされていった。
「んっ……」
あぎりが小さく声をあげる。
薬のせいで神経も過敏になっているのだろうか、彼女の乳首に舌で触れるとすでに固くなっていた。
舌を乳輪の上で一周させた後、彼女の乳首を口に含むと途端に母乳が溢れ出した。
口の中に、不思議な味が広がっていく。
まろやかで、ほんのりと甘いような。
これがあぎりの味……。
吸い付きながら、乳首を弄ぶ。
舌を押し付けてやると、そこから更に母乳が滲み出てくる。
止まる気配が全く感じられない。
「くぅ、んっ……あぅ、あっ……」
「はぁ……ん、むぅっ。んっう……」
教室の片隅で、不規則な呼吸と喘ぎ声。
ついでにぴちゃ、ぴちゃといやらしい音。
ただそれだけが室内に響く。
「ソーニャ……?」
「んっ……なんだ」
「どう、ですか」
「どうって……何が」
「いや、その……味、と言うか」
「はぁ?」
「随分、美味しそうに飲んでるから……」
「……牛乳とは、また違うな」
「はぁ」
「正直よくわからない」
よくわからないけど、美味いとか不味いとか、そう言う次元じゃない。
夢中になってしまう味、と言うか。
感覚、というか。
これよりもよっぽど刺激的で、美味しい物を私は知っているけど。
ただ、なぜかやめられない。
ある種、麻薬に近いような。
そんな事を考えている間にも、あぎりの胸からは相変わらず母乳が分泌されていた。
心なしか、その勢いは衰えるどころかむしろ活発になっているように見える。
行き場をなくした雫がぽたぽたと落下して、私の制服のシミを大きくしていった。
「まだ、出るのか……?」
「んっ!」
乳首を摘むと、母乳が勢い良く吹き出した。
「全然止まる気配がないな……」
「あっ、あんっ!扱いちゃ、だめですっ、んっ!」
指で乳首を弄くりまわすと、呼応するようにぴゅっぴゅっと母乳がほとばしって、顔にかかった。
温かい。
扱いて、吸って、飲んで。
そうやってしばらくしていると、流石に母乳の勢いもだんだんと衰えてきた。
薬の効果が切れ始めたのだろうか。
何にせよ、そろそろ終わりが近いのは明らかだった。
「だんだん落ち着いてきたな」
「そう、みたいですね……」
「じゃあ、仕上げにかかろうか」
「ひゃんっ!」
私は彼女の胸を寄せて、両方の乳首を一気に吸い上げた。
出が悪くなっていた母乳が、少しだけ勢いを取り戻す。
「りょ、両方なんてっ」
「んっむ、まだ出るぞ」
「やっ、あぅ!ん……っ!」
あぎりのことはお構いなしに、私はただひたすら彼女の胸を貪った。
こうなったら、最後の一滴まで搾り尽くしてやる。
強く、激しく、少し乱暴に。
しかし、それら全てをあぎりの体は快感に変換したようだった。
「はぁっ、あんっ!」
彼女の顔はすっかり蕩けきって、とても気持ちが良さそうだ。
母乳の方はもう既に止まっていたが、ここでやめるのも変な話だろう。
「んっ、むぐっ、ぅ」
「やぁっ、だめ、だめぇっ」
水音と彼女の喘ぎ声が激しさを増す。
舌で乳首を弾く度に、彼女の体が一緒に跳ねるのが面白い。
「そ、ソーニャぁっ……はぁんっ!」
「むぐ……」
彼女が私を抱きしめる。
傍から見れば羨ましい状況だが、当の私としては息が苦しくて仕方がない。
少し名残惜しいが、窒息する前に終わらせてしまおう。
彼女の体は、もういっぱいいっぱいのはずだ。
少しの刺激で、すぐに弾けてしまうだろう。
だから私は、彼女の乳首を軽く齧った。
「ああああっ!」
それが引き金となって、彼女は絶頂した。
体を弓のように反らして、全身の筋肉が硬直する。
乳首からは、まるで射精のように母乳がぶちまけられた。
「んっ、ん……んぐ……」
これが本当に最後だ。
私はなるべく味わうように、じっくりとゆっくりと、一口ずつ飲み込んでいく。
でも、やはり味はよくわからなかった。
「はあ……っ、あ……ふぅ……」
「……っんはぁ」
胸から口を離す。
もう溢れ出る母乳はそこには無かった。
やっと、出尽くしたらしい。
快感の余韻に浸るあぎりの顔は、やっぱり緩みきっている。
しかし、いつもの余裕そうな笑顔が戻っているのに気がついた。
無言で彼女はにこりと笑う。
その顔に、私はなぜかドキッとした。
あれから数日が経ったある日。
その日のあぎりも、朝からなんだか様子がおかしかった。
顔は赤いし、フラフラしてるし。
そしてやはり、あの顔に張り付いた余裕そうな笑みがない。
「あ、ソーニャ……」
私に気づいたあぎりが、声をかけてきた。
話を聞くと、また薬の調合を間違ったらしい。
「またか……」
「だから、その……」
「なんだよ」
「また……お願いできませんか?」
切なそうな表情で、彼女はそんなことを言う。
本当なら、あんな厄介事は二度とゴメンだ。
「……仕方ないな」
だけど、どうやらクセになっているのは彼女だけではなかったらしい。
私達はそのまま授業を抜け出して、いつもの空き教室へと向かったのだった。
「くそっ……!少し調子に乗りすぎたか……!」
ちなみにその後、飲み過ぎで腹を思い切り下したのは内緒である。
おわり。