このパーティーでダンジョンは間違っているだろうか 作:もっち~!
---シュウ---
孤児院へ向かう。シルと約束してあったから。子供達にマジックを見せる約束だ。マジックショウを開催した。喜ぶ子供達。タネを見つけようとする者、タネを教えてもらおうとする者…概ね成功かな?
「今日はありがとうございました」
シルに礼を言われた。
「これくらいなら、毎日は無理だけど、週1回程度ならいいよ。タネの仕込む時間が必要だからね」
いや、タネなんか無い。魔法だし。ただマジックの構成を考える時間が欲しいんだけど。
「いえ…でも、また…お願いします。この後、お時間はありますか?」
「勿論♪」
そしてシルと二人で、デートに出掛ける。
「あの…洋服を選んでもらえますか?」
と、洋服屋さんに連れて行かれる。う~ん…僕の趣味は…シルに、合わない気がする…
「どういう洋服が好みなんですか?」
「シルなら、何でも似合いそうだよ」
「選んで欲しいんです!えぇ、選んで下さい」
プンプンした顔もかわいい。って、言われてもなぁ…全裸が一番とは言えず…
「気取らない恰好が好きかな。例えば、Tシャツにジーパン、ジージャンとか」
「色はどうですか?」
「黒のシャツに藍染めかな?」
さっそく、僕の言った物を選んで、抱えて試着室へと消えたシル。う~ん…どうなんだろ?試着室から出て来たシルは、結構似合っていたりした。
「うん♪センスいいですね。私ではこんな組み合わせは選ばないし」
って、気に入ったようなので、お代を払い、そのまま、お店を出て来た。お店まで着てきた服は手提げ袋に入れて持っている。
「初めのうちは、下着に色移りするから、注意した方が良いよ」
と、アドバイスをした。
「はい♪」
ヒップを見る限り、ノーパンのようだ。そうきたか…
二人で屋台が立ち並ぶエリアで買い食いをしたり、デメテルの農園で野菜を試食したり歩き回る。そんな時、裏道の方から、闘気を感じた。
「シル、ここにいてくれ」
「はい」
シルを安全そうなお店に置き、闘気を感じた場所へと向かう。そこでは、一人のエルフの女性に、人相の悪そうな野郎共が群がっていた。
「ちょっと、俺達と遊ぼうぜ♪」
「ふざける!」
「ふぜけようぜ。なぁ、俺達とさぁ」
彼女はナイフを構えて、詠唱をし始めた。おぉ、並行詠唱だ。彼女に興味を抱く僕。リトルの先生にどうかなって思ったから。しばらく、様子を見守ることにした。
「はぁ?この人数相手に勝てると思っているのか?」
詠唱が終わる前に、飛びかかる野郎共。女性はナイフで応戦するが、数の暴力の前では無力に等しい。揉みくしゃにされ、強引に四つん這いにされて、ボス格らしき野郎の股間辺りへと、顔を持って行かれる。ここまでだな。彼女へ群がっていた野郎共全員を『強制転移』させた。ロキ・ファミリアのホームの中庭へと…あそこが一番、被害が少ないと思ったから。
「大丈夫か?今のうちに逃げるぞ」
放心状態に近い彼女を抱えて、シルのいる店の前まで逃亡する。ケダモノ達は強制転移させているから、逃げる必要は無いんだけど、シチュエーション的に逃げた僕。いかなる時もシチュエーションは大事だよな。店の中にいるシルに合図をして、シルと合流。
「彼女、怪我しているみたいだから」
一応、デート相手に状況説明をしておく。笑顔で頷いているシル。
「もう、降ろしてくれ。私は大丈夫だ」
僕に抱えられた女性が暴れる。なので、感度アップなしの『身体停止』を掛けて大人しくさせた。
「おい、何をしたんだ?」
突然、身体の自由が奪われた事に、恐怖を抱いたのか、僕を怖がり始めた女性。
「暴れると、怪我に良く無い。だから、動きを封じ込ませた。シル、どこか休める場所あるかな?」
「そのまま、ホームにお持ち帰りとかは?」
あぁ、それは手で有るな。シルとホームへと帰る。途中、
「ミア母さん達に見せたいので、私はここで。今日はありがとうございました。また、よろしくお願いします♪」
って、大家さんのお店に消えていくシル。そして、ホームへ怪我をしたエルフの女性を拉致ってきた。
「リトル、回復術を頼む」
リビングにあるソファに、女性を降ろした。
「はい」
僕がやるより、女の子の方が良いと思い、リトルに頼んだ。あ、術を解除しておこう。女性にかけていた術を解除した。
「レム、彼女へお茶とかお菓子を頼む」
「はい」
少し疲れたので、自分の部屋に戻り、少しうたた寝…
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ドアがノックされる音で目覚めた。
「誰かな?」
「深雪です。お客さんが、お礼を言いたいそうです」
ドアを開けて、深雪と助けた女性を部屋に招き入れた。
「先程はありがとうございました。怪我まで治していただき、お茶までごちそうになってしまって。私、ディオニュソス・ファミリアの団長でフィルヴィス・シャリアと申します」
「僕はメイビス・ファミリアの団長でシュウって言います、よろしくね。で、君は並行詠唱って出来るでしょ」
「えぇ…まぁ…」
突然の質問に戸惑う彼女。
「頼みがあるんだ。さっきの少女、リトルって言うハーフエルフなんだけど、並行詠唱を教えてくれないかな?」
「あぁ、それくらいなら。えぇ、お礼を代わりで、その依頼を受けます」
「いや、クエスト扱いでいいよ。講師料を払うから。お願いします」
彼女に頭を下げて、お願いする。
「え?いや、頭を上げてください。喜んで教えます。団員の為に、頭を下げる団長に会えるとは」
まぁ、下げる団長っていないよな。
「彼女、古い友人達の形見なんだ。ハーフだけど、エルフの魔法を学ばせたいから。お願いします」
彼女と、クエストとして、正式に契約をした。
---リヴェリア---
ホームでレフィーヤが泣きじゃくっている。リトルという少女の教育係を降ろされたそうだった。並行詠唱ができる講師が見付かった為らしい。
「やっと、リトルちゃんが懐いてくれていたのに…」
「しょうがないだろ?お前は並行詠唱が得意では無いから」
「そうですが…」
「で、少女のことは何かわかったのか?」
「それは…言えません。個人情報ですから…」
そうなんだけど…なんで、私の名前が…
「そんなに泣きじゃくるなよ、レフィーヤ」
彼がいつの間にか私の隣に座っていた。いつ、現れたんだ?
「あっ、シュウさん…だって…」
「毎日は来ないから、新しい講師の先生の来ない日に来て、今まで通り教えてくれるか?」
「えっ?いいんですか?」
「日当は出せないけど、食事くらいは出すよ。どうかな?」
「行きます。行かせてください」
レフィーヤに笑顔が戻った。
「で、お前は何故、ここによくいるんだ?」
最近、ホーム内でよく見かける。幹部クラス以外の彼をよく知らない団員達の中には、ここのファミリアの新人と思っている者もいるらしいし。
「えっ?まぁ、ストレス解消って言うか…溜まったモノを出す為というか…」
「誰と会っているんだ?」
「う~ん…」
言い淀む彼。レフィーヤとアイズ以外なのは明白である。
「頼まれたんだよ~」
はぁ?何?意外な言葉に、更に疑問が…おや?レフィーヤは、この場から立ち去っていく。うん?なんでだ?
「ティオネにさぁ、フィンとの濃密なプレイをする為に、そういうテクニックを教えてくれってさぁ…」
はぁい?迂闊にも想像してしまった私の耳は熱くなっていく。真っ赤に染まっているのか?そうか、レフィーヤは、この話を聞くのを避ける為に、足早に去って行ったのか。
「で、暇な時に、ティオネに…で、たまにティオナと…で、時には3人で…」
更に場面を想像していく。うっ、ダメだって…ウブなエルフにはそういう話は…3Pかぁ…不埒な想像をしていく私。
「そんなことを…おい、ここは売春宿では無いぞ!」
「別に買いに来ている訳では無いよ。あくまでもクエスト扱いだよ」
何を言っている?男と女が…それって…顔が熱い…この手の話に抵抗力が無い私。全裸のコイツとティオネ、ティオナが絡み合っている姿が脳裏に浮かぶ。ダメだって…
「はしたない!」
口では冷静に否定はしているが、脳裏では…言えない。知られたくない。
「はぁ?そういう行為があったから、お前が産まれたんだろ?まさか、処女懐妊で産まれたとでも言うのか?」
父と母の絡み合う姿…なんて、破廉恥な…しかし、彼の言う事は事実である。
「そ、そんなことは言わん。だが…ここは神聖なるホームだぞ」
「別に神聖な場所だって、やることはやるんだよ。天界だって神と女神がやることやって、新たな神を産んでいる訳だし」
ロキと男神達が戯れる姿が…妄想が加速していく。平常心でいないと…
「お前…私をどうにかするつもりか?」
「自信過剰すぎだよ。僕はお前を、どうこうしようと思わない。好きだけどね。でも…」
でも?何だ?彼の言葉尻が気になった。
「まぁ、人それぞれ、思いはあるんだ。自分の物差しで測るなよ。じゃなねぇ♪」
目の前から忽然と消えた彼…何だろう…消える寸前の彼の眼差しは、いつもと違った。愛おしい者を見守るような、そんな眼差しに思えた。
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翌日、彼のホームへと向かう。消える寸前の眼差しの真意を知る為だ。気になってしまって、しょうがないのだ。
しかし、彼は留守だった。今日はダンジョン演習の日とかで、皆で潜っているそうだった。彼の代わりに、彼の主神が相手をしてくれた。
「で、どういう御用件でしょうか?」
「彼は何者ですか?」
単刀直入に訊いた。回りくどいのは嫌いだから。
「知ってどうするおつもりですか?」
「気になるんだ…無性にな…」
心の内を正直に伝えた。
「う~ん…言っていいのかな…」
言い淀む彼の主神。
「何かあるんですか?」
次の瞬間、意識が浮かび上がる感覚になった。身体の感覚は無い。ここはどこだ?暗闇の世界にいるようだ。しかし、目の前に映像が流れている。これって…
映像には私が映っている。身体がボロボロである。何に襲われると、こんなにボロボロになるんだ?そこに彼が現れて、私に回復魔法を掛けていく。魔力がなくなると、どこかに休みに行き、魔力が戻ると私に回復魔法を掛けているようだ。これって、並行世界での記憶なのか?
私の身体は所々欠損していた。彼の回復魔法では、修復まで出来無いようだった。いや、アイズには施していた。そうなると、修復術を身に着けたのか?
彼は修復できないことを悩んでいるようだ。映像は彼が部屋を出てどうしているかを追う映像になった。膨大な量の魔法書、魔導書を読み漁っていた。修復術を身に着ける為に…そして、魔力が溜まると、また回復術を掛けに戻っていた。その繰り返し…
あの時、彼の言った「好きだけどね。でも…」は、でも、助けられなかったってことなのか?涙がこみ上げてくる感覚がある。身体が無いのに…目頭が熱くなっていく。映像がぼやけていく。
「シュウ…もういい…私を治療しなくていい」
「でも…」
彼は私の申し出を受け入れられないでいる。
「それよりも、頼みを聞いてくれないか?」
「僕に出来ることならなんでもする。言ってくれ」
私の頼みを叶えようとする気持ちを強く感じる。映像なのに…
「シュウ…お前と交わりたい。お前と肌を合わせながら、逝きたい。後、私の魂を、フィンの彼女に同化吸収させてくれ。お前達の傍にいたいから…なぁ、シュウ…」
「わかった。一度、僕に吸収させて、運ぶ。もう、亜空間移動に耐えられないから…」
うん?意味のわからない単語が多数出て来た。「フィンの彼女」「同化吸収」「亜空間移動」って、何だ?
私と…見るも無惨な肉体になっている私と、彼が全裸で交わる。前戯無しだ。前戯に耐えられない程、私の身体は朽ちているみたいだ。そんな私と愛おしく交わる彼。しかし、彼は私の身体にダメージを与えないように、私への負担を減らすようにしてくれている。
「ごめん…これしかできなくて…」
こんな身体相手では、出来ることは限られるのだろう。彼らの交わりからは、いやらしさは感じられない。二人の交わりからは、愛おしさしか感じない。
「謝らないで…こんな身体に…身体を合わせて…くれただけでも…幸せだ…ねぇ、キスを…」
私は彼に最後の願いをお願いした。荒々しい呼吸でキス…口を塞ぐ行為は死を意味する。私は、並行世界の私は、彼に酷いお願いをしたようだ。彼の手で安楽死を…それをお願いしたのだろう。
呼吸を整え、彼に合図を送る私。彼は意を決して…私の体温が無くなるまで…私の魂は肉体を離れ、彼の周囲を飛び廻る。彼は私の魂に祝福を与え、何かの印を私の遺体の上に刻み込んだ。これは何だ?見た事の無い印だけど…
黙祷をした後、招魂された私の魂は彼の中に吸い込まれて行く。
映像はそこまでだった。
「どうでしたか?説明しにくいので、映像を見て頂きました」
私は身体に戻って来た。彼の主神が、あの映像をみせてくれたようだ。
「あれは、事実なのか?」
「あの世界においては事実。この世界においては妄想です。これでわかりましたか?シュウがあなたに何もしない理由が」
彼は、私を救えなかった負い目があるようだ。この世界においての妄想ではあるが。
「意味のわからない単語があったが」
「ソレは僕が説明しよう、リヴェリア。メイビス、見せたのか?僕の汚点を…」
いつの間にか、彼は私の後ろに立っていた。
「汚点?そうは思わない。あなたはできる限りのことをした。あの時点でね」
「でも、救えなかった。もっと、僕に能力が有れば、救えたのに…」
「今なら、救えるでしょ?」
「今じゃダメなんだよ、メイビス。あの時で無いと…」
とても悔しそうな彼。あの時…あの世界の私は、幸せだっと思う。後悔して欲しくないと思う。もし、私が同じ立場でもそう思う。あんなに愛おしく愛されるなんて、幸せに決まっている。
「で、わからない単語とは?」
「フィンの彼女」「同化吸収」「亜空間移動」について訊いてみた。
「う~ん…1番最初の単語はパスだ。この世界のフィンでは無いからな」
「ちなみに、誰と結ばれたんだ?ティオネか?」
「う~ん…アマゾネスでは無い。同族…だよ」
小人族の彼女なのか?
「で、同化吸収か…これも1番目の単語に関わるから、パスかな…」
うん?どういう意味だ?
「彼女は小人族では無いのか?」
「う~ん…ちょっとねぇ…言いづらいんだけど…」
「あぁ、強引にペアリングしましたよね~」
って、彼の主神が彼に言った。うん?強引にペアリングだと?
「犯罪では無いのか?」
「まぁ、…それに近いかな?だって、フィンに見合う小人族の女性はいないし…」
また、異な事を言う彼。彼女は小人族なのに、見合う者がいないって?えっ…まさか…そんなことも出来るのか?
「まぁ、リヴェリアの想像通りだよ。種族変更をして、ペアリングをして、出来ちゃった結婚したというか…」
種族変更だと?そんな術があるのか?
「う~ん…とねぇ…術では無いんだよ。あれだけは…聖杯の能力を使ったんだよ」
聖杯…そんな物を持っているのか?おい…
「で、3つ目の亜空間移動は、並行世界間を移動することだよ。これは術で持っている」
「なんか、すごいことをさらっと言っていないか?」
「凄くないよ。深く考えない方がいいと思う」
「で、フィンの彼女って誰だ?誰を種族変更…おい、まさか…同化吸収って、そういうことなのか…お前の愛した私の魂が同化するのは、私ってことだよな?」
「正解だよ。流石はハイエルフ様だ♪」
「お前は、別世界の私を小人族に種族変更して、フィンとペアリングしたのか?!」
それはそれで衝撃的なことだ。出来ちゃった婚って言っていたよな。それって、まさか、彼女は…
「それは違う。リトルはリヴェリアの子供では無い」
即答で否定してきた。
「リヴェリアの子供は、フィアナと言う。小人族の女神の名前にあやかったんだ。で、リヴェリアが自分で育て、教育している。メイドにはティオネがついているけど…。で、フィンは単身赴任状態だ」
並行世界の私の行き着いた先を聞けた。
「じゃ、リトルは誰の子なんだ?」
「それは、故人だ。言えない」
「言えない組み合わせなのか?」
母親はレフィーヤで当たりだと思う。では父親は?
「リトルの想い出に踏み込むな!もし、彼女が傷ついたら、お前は僕が陵辱しきってから、殺す。いいな♪」
「私を陵辱?興味無いんだろ?」
「ごめん。僕、陵辱好きなんだよ。相手は拘らない。苦しむ姿が好きなんだよ」
バコッ!
「痛い…」
頭を押さえてしゃがみ込む彼。
「そこまでです。ソレをしたいなら、私をまず襲いなさい。いいですね?」
黒髪の少女が、彼を拳骨1発で制圧した。どういう関係なんだ?
「あっ、初めまして、彼の家内で、深雪・ヨハネ・鬼門って言います♪」
家内?えっ?彼の奥様…
「メイビスさんもそうですよ」
はぁ?主神も奥様?一夫多妻なのか?
「そうですよ。彼が把握しているだけで7人かな?」
そんなに妻がいるのか?
「根は優しいんですけど、性癖の破綻したエロ神なので、そのぉ~陵辱癖があって…」
え…エロ神?って、神なんだ…だから、聖杯が使えて、蘇生術も身に着けられたのか…
「あっ、極秘事項でしたね。忘れてください♪」
深雪さんが笑顔で私に言った。