※この作品はR-18です。

このパーティーでダンジョンは間違っているだろうか   作:もっち~!

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迫る者、逃げる者

---フィン---

 

見た事の無い破壊力…連絡通路が崩壊って…唖然とするしかない。彼の呼んだ助っ人達はとんでもない奴らだった。中でもアイズに似た人物により、アイズはショックを受けていた。髪の毛以外、アイズにそっくりで、得物はアイズと同じデスペレートで、しかも2本使いだった。アレは誰なんだ?

 

「リトル、あれは一体…」

 

リヴェリアがリトルに訊いた。

 

「あぁ、団長の部隊の戦闘狂トリオです」

 

苦笑いしながら、リトルが口を開いた。

 

「彼の部隊って?」

 

思わず、気になる単語を質問した。

 

「団長の部隊です。あの方達は1軍メンバーです。で、メイビス・ファミリアにいるメンバーは、ほとんど2軍か補欠です」

 

2軍か補欠?充分に強いのだが…いやいや、それ以前に彼の部隊のことが知りたいんだけど。

 

「あのアイズに似た者は?」

 

リヴェリアが畳み掛けるように質問をした。アイズも興味有るのか、リトルを見据えている。僕の知りたいことから遠のいて行く…

 

「あぁ…並行世界のアイズさんですよ。団長からフェニックスの翼を貰い、飛行能力、再生能力を持ち、風と炎の力を使えるんです」

 

はぁ?並行世界?何だ、それは?リヴェリアは納得している表情である。こいつ、事前に知っていたな。

 

「何故、デスペレートが2本なんだ?」

 

リヴェリアは淡々と質問をしている。僕は混乱気味であると言うのに。

 

「アイズさん自体は同化吸収強化しているのですが、団長がデスペレートの同化吸収を防ぎ、二刀流を叩き込んだそうです」

 

同化吸収?なんだ、それは?リヴェリアは頷いているし…

 

「そうか…なるほどな。トップ戦士を送り込んでくれたのか」

 

「それは違います。トップクラスは団長と共にいますから」

 

「うん?どういうことだ?」

 

リトルの表情が崩れていく。哀しそうな顔になっていく。何でだ?

 

「万が一、団長が暴走した時、トップクラスのメンバーが団長を止める任が有ります。先程の5名程度の戦力では止まりませんので」

 

あの5名で止まらないって…アイツ、どれだけ強いんだ?

 

「あの男はどんだけ強いんだ?」

 

ポールが便乗質問をしてきた。

 

「団長ですか?う~ん…本気になれば、宇宙を2、3個纏めて消すくらいかな…あははは」

 

え?僕達は皆、耳を疑う動作をした。宇宙を2、3個纏めて?はぁ?

 

「まぁ、そのくらいの力ありますが、1つ消しただけで、罰を喰らうそうですから、やりませんよ…」

 

苦笑いしているリトル。罰を喰らう?消した実績有りなのか?

 

「団長は温厚ですから、相当キレない限り、そこまではしません。あっ、深雪さん」

 

黒髪の少女が現れた。

 

「団長からの指示です。今崩落現場でガレキを除去しています。コチラからも除去を初めて欲しいそうです。お兄様、大きな欠片から分解除去して欲しいです。性癖が破綻しかけていますので、急いだ方がいいかな」

 

彼女の兄、達也が苦笑いをして作業を始めた。岩を分解できるのか…大きな岩が次々に粉々になっていく。こんな彼でも2軍メンバーなのは驚きである。

 

「あと、トレインの原因もわかりました。対処方法はアスフィさん、ナァーザさん、ちょっと…」

 

三人で何かを検討し始めた。

 

 

 

---シュウ---

 

次に誰を責めるかな。また、飽きてきた。達也に救出されるのを待つのは手だ。あいつ、真面目だから、淡々とこなしてくれるはずだし。なので、気になるヤツらを、ここに転移させた。

 

「ここはどこだ?あっ、シュウ…」

 

緑の髪の女性と金髪の少女が転移してきた。どう、いたぶろうかな♪

 

「あの赤い私は何ですか?」

 

赤くないアイズが訊いてきた。

 

「まぁ、歴代最強なアイズかな。愛情表現が破綻していること以外はまともだ」

 

「はぁい?」

 

「アイツと同等には成れないぞ。造りが違うし」

 

「鍛錬を積めば…」

 

「無理だ。鍛錬だけでは乗り越えられない壁は有る。それに、エアリアルに頼るお前には無理だ。言っているだろう?剣技を磨けと」

 

得物を手にして構えた。ここでやるのか?まぁ、構わないけど。単調な作業で飽きていたし。

 

「来いよ。みんなの目を気にせず、痛めつけてやる♪」

 

アイズはリル・ラファーガで突撃してきた。彼女の攻撃を透過して、彼女に抱きつき、フロントスープレックスで投げ飛ばした。この世界の者にはプロレス技なんか、初めてだったのだろう。受け身を取れずに地面に叩き付けられた。すかさず、腕を極めて、チキンウィングアームロックへ移行した。

 

彼女の背中に載り、右腕と首を極めて、腰を海老反りにしていく。所謂3点極めだ。藻掻けば藻掻くほど、極めは危険な位置へと移動していく。彼女の左腕はダラ~ンと垂れ下がっている。喘ぎ声もしない。堕ちたようだ。彼女から離れると、力無く地面に横たわった。

 

「たわいも無い。で、リヴェリアはどうされたい?」

 

彼女の声を消す。詠唱していた彼女は口をパクパクしているだけだ。詠唱魔法の欠点、言霊を使った発動な為、声を無効化すれば、術は発動できない。

 

「おい、お前は金魚か?口をパクパクさせていて」

 

この世界には金魚がいるのか知らないけど、声が出ないことで、彼女はパニックになっていた。『脱衣』を発動して、二人を全裸にする。

 

リヴェリアの心の声が聞こえるがスルーし、全裸の彼女の姿を観賞する。

 

 

 

---リヴェリア---

 

声が出ない…詠唱が出来無い。これでは…全裸にされ、ただ見ているだけの彼。アイズは、全裸で横たわったまま、微動だにしない。大丈夫か?

 

彼は近づいて来て、私の股間の臭いを嗅いでいる。アンダーヘアに頬ずりをしている。ただ、そんな変態プレイにも関わらず、私の身体は準備が進んでいく。股間は湿り毛を帯び、乳首は固くそそり立っていく。耳も顔も頭も暑い…耳を責めて欲しい…

 

私の心の声が聞こえているはずなのだが、あえてスルーしている彼。私では、彼女、並行世界の私の代わりに成れないのか?同じ、リヴェリアのはずなのに…

 

「成れないよ…記憶が違うんだ。同じには成れない…」

 

そういうと、私に背を向け、アイズに近寄っていく。

 

「どうすればいいんだ!」

 

あ、声が出た。

 

「何もしなくていい」

 

彼が指を鳴らすと、私もアイズも服を着た状態になった。

 

「しかし…」

 

「リトルとフィアナの面倒で充分だ」

 

「私にも鍛錬をして欲しい」

 

哀しそうな顔の彼。

 

「冒険者を辞めちゃえ。もう、死ぬところは見たくない」

 

私とアイズは、彼の元から18階層へと転移させられた。

 

 

 

---シュウ---

 

いかん、リヴェリアを見ていると、過去を思い出してしまう。センチメンタルなんか、僕の辞書には無いはずなのだが。う~ん…ティオナもダメだろうな…かと言って、レフィーヤじゃエムだしなぁ…

 

次の遊び相手を考える僕。中々浮かばない。考え込んでいる僕の前に、リトルとフィアナのコンビが転移してきた。

 

「どうやって、転移座標を割り出したんだ?」

 

転移魔法陣での移動って、転移先の座標を書き込んで転移するのだ。

 

「リヴェリアさんに残っていた、残留魔法陣を解析しました♪」

 

と、リトル。そこまで出来る様になったのか。

 

「なんで、リヴェリアさんに何もしないんですか?」

 

フィアナに訊かれた。

 

「え?う~ん…エルフはもういいって感じかな。そうだな、お前達の熟成待ちかな?」

 

耳を真っ赤にした二人。想像したんだな。

 

「まだまだ先ですよ」

 

まぁ、そうなるよな。

 

「団長、リヴェリアさんとフィルヴィスさん、どっちが本命ですか?」

 

フィアナが訊いてきた。どっちって…

 

「どっちかな?どっちもかわいいと想う。甲乙は付けがたい。って、いうか基本、エルフは僕の性癖に合わない。エム属性が強いから…」

 

更に真っ赤になる二人。

 

「エムじゃないもん…」

 

真っ赤な顔で俯いて、フィアナが否定した。

 

「通常はな。でも、淫乱化させるのは、簡単だ。それだと、僕の性癖は満足できない」

 

「満足しましょうよ!」

 

って、真っ赤な顔のリトル。

 

「レフィーヤでプレイしていい?」

 

リトルにからかうように言ってみた。

 

「ダメに決まっているでしょ!」

 

即答で、レフィーヤを守ろうとするリトル。

 

「エルフはエミリアで手一杯だよ。あいつはハーフだけどな」

 

「あぁ、あの天然プリは最強ですよね」

 

って、フィアナ。そうだと思います。あっ、二人と話していたら、18階層の灯りが見えてきた。達也が黙々と分解してくれたようだ。

 

 

 

---フィン---

 

「どこまで知っているんだ?」

 

リヴェリアに訊いてみた。

 

「知っていることだけだ」

 

「だから、どこまで知っているんだよ!」

 

連絡通路が無事に開通して、彼を救出し、それぞれの部屋で休み始めたのだが、ロキ・ファミリアメンバーだけで集まって、話し合いをしている。アイズは、黙ったまま項垂れている。ガレキの先で、戦いを仕掛けて、またも完敗だったらしい。

 

「なぁ、並行世界って何だ?」

 

ベートが訊いた。

 

「そんなことも知らないのか?ここと同じ世界で、IFな世界だ。重要な局面での選択により、並行世界って言うのが産まれるらしいぞ。まぁ、向こうの世界の現実は、ここでは妄想になるらしいが」

 

知らない間に、詳しい説明を聞いたようだな。

 

「同化吸収とは?」

 

更に質問をするベート。

 

「並行世界にも、この世界と同じキャラがいる。それが同一世界上に二人以上いると、一人に集約されるらしい。まったく同じ者は同一世界上に一人しか存在出来無いそうだ」

 

「じゃ、なんでアイズは二人存在できたんだ?」

 

「あのアイスは、この世界のアイズとは、明らかに違うからだろ?髪の毛の色が違う、能力も特性も違う。同一人物では無いってことだ。逆に言うと、そこにいるアイズは、あのアイズには成れないってことだ」

 

随分と知識をもらっているリヴェリア。では、彼は並行世界から来たのか?

 

「彼は並行世界から来たのか?」

 

「それはわからない。恐くて訊けていない」

 

恐い?何でだ?リヴェリアの表情は寂しそうだ。

 

「本来一緒にいてはいけない存在だった場合、この先一緒に居られないって、早々分かっちゃうのが恐いんだ」

 

本来一緒にいてはいけない存在?

 

「それに…私という存在は彼の記憶にダメージを与えるんだ」

 

リヴェリアが泣きそうな顔になった。何がそんなに哀しいのだ?

 

「彼は…神だよ」

 

ここまで無言だったアイズが呟いた。神?まさか…

 

「じゃなきゃ、蘇生なんかできないでしょ?ねぇ、リヴェリア、レフィーヤ」

 

レフィーヤとリヴェリアが頷いた。そういう事なのか?でも、信じられない。

 

「神以外には、蘇生は出来無いのか?」

 

リヴェリアに訊いた。

 

「いや、彼は神以前に、必死に勉強したんだと思う。私なんかの為に…」

 

僕の言葉により、リヴェリアの涙腺は破壊された。いきなり号泣してしまったのだ。レフィーヤとティオネが彼女を宥めている。彼はリヴェリアの為に何をしたんだ?

 

 

 

---シュウ---

 

無事に地上に戻ってきた。アスフィと達也に、あのパントリー入り口占領モンスターの対策を考えて貰っている。基本、混ぜると危険作戦で良いのだが、あの有毒ガスは、カズマ、ダクネス、めぐみんに対しても危険である。なので、その対応策を考えて貰っている。ナァーザには、混ぜると危険薬の開発と、解毒剤の開発をしてもらっている。

 

戦力的にはウィズが加入したので、18階層への往復までもう一息だと思う。第二部隊の方も、並行詠唱が可能になりつつあるリトルとフィアナ。なので、次の段階に進んで貰った。自分の身は自分で守れだ。これはベートに体術を教えて貰っている。ベートはと言うと妹枠の弟子が二人も出来て、照れまくっている。

 

アイズはアスナと剣術の鍛錬を続けている。アスナの剣術は、ベル以上の速度にアイズの剣技を合わせた感じなので、アイズは手こずっているようだ。

 

次の遠征までの鍛錬メニューを考えて居ると、部屋にフィルヴィスとリヴェリアがやって来た。この二人だと、嫌な予感しかしないのだが…

 

「捧げに参りました♪」

 

って、フィルヴィス。

 

「何を?特に必要な物は無いけど…」

 

逃げる用意をする。

 

「逃げるのか?」

 

リヴェリアに読まれている。バレないように表情を作ってみる。

 

「そんなことはしないよ」

 

「どうだか…まぁ、逃げたら、リトル達を人質に取るか」

 

はぁ?何で?

 

「どうした?顔色が悪いぞ。逃げないなら問題は無いだろ?」

 

今日のリヴェリアはエスキャラか?痛いところを突いてくるなぁ。

 

「私達も、あなたの事を、研究しているんですよ」

 

って、フィルヴィス。研究?無駄なことを…

 

「優しすぎるのが弱点なんでしょ?」

 

僕の背中に、のの字を指で描くフィルヴィス。うっ、誰が黒幕だ?コイツらでこんな戦略は立てないだろうに…

 

「どうなんだ?シュウ…」

 

顔が近いリヴェリア…リヴェリアとフィルヴィスに挟まれた気がする。どこに逃げるか?エデンの園は、この前ナァーザとの件で、出禁にされたしな…『転移』

 

転移した先で、あの二人のオーラを探索する。よし、付いて来ていない。少し安心した。

 

「で、何をしに来たのですか?」

 

女神に訊かれた。

 

「少し匿ってくれない?追われているんだよ」

 

「はぁ~、どこの女にですか?」

 

「え?何故、女と決めるんだ?」

 

「男なら、屠ってお終いでしょ?」

 

まぁ、そうだな…

 

「オッタルと手合わせしてもらえません?」

 

女神フレイアが切り出した。

 

「まぁ、匿ってもらうから、かまわないけど…手加減はしないよ」

 

「困りましたね。殺されても困るし…じゃ、シルの相手を頼めます?」

 

「いいけど…今、外に出られないよ」

 

追っ手が出ていると思う。エルフの女性は結構しつこい。

 

「ですよね…じゃ、ミアの処に匿って貰うのは?」

 

「あそこもエルフがいるだろ?ダメだよ、エルフの居る処は…」

 

「では、ベルを鍛えて貰えますか?」

 

「兎君?」

 

「そうそう」

 

あそこなら、追っ手は来ないか。僕はヘスティア・ファミリアのホームへ転移をした。

 

 

 

 

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