このパーティーでダンジョンは間違っているだろうか 作:もっち~!
---カズマ---
団長は闇墜ちから復帰して、エナジー切れだとかで、安眠中である。女性陣の一部は、団長の放つ『安堵』のオーラにより、凶暴性を失っていったが、また一部は『闇墜ち』の恐怖により震えていた。
それは、ダクネスも例外では無かった。強い敵に陵辱願望を持っていた彼女であったが、考えを改める良い機会になったようだった。
「本当に強い敵って…性的な陵辱なんかしないんだ…肉体的、精神的な陵辱をしてくるんだよ」
ダクネスが何かに怯えて震えていた。彼女の肉体的ダメージは、復帰した団長の手により回復していた。しかし、記憶や精神の負ったダメージは簡単には消えない、いや、消さないそうだ。それは、今後の教訓になるからって、教育的指導らしい。
「団長の前では、鉄壁な防御なんか、紙キレに等しい。ガードを透過して拳が顔面に入るんだよ…それも手加減して、簡単に殺さないように…うっうぅぅぅ…」
膝を抱えて、蹲って泣いているダクネス。
「そうよね。あの傷は尋常じゃなかったわよ。皮膚は裂け、脂肪は引きちぎられ、筋肉は叩き折り、骨は粉々…その上、死なないように不死属性にって…これほどの拷問は聞いた事が無いわ」
アクアの顔も恐怖で歪んでいる。
「魔王だって、そこまで残忍なマネしませんよ」
ウィズの青白い顔が白くなっていく。
「女神にも神にも容赦しないしな…」
アクアの顔からも血の気が失せていく。メイビスさんにも容赦無い躾が与えられたそうだ。俺は見ていないが、現場を見て来たアクアの話では、あの温厚そうなメイビスさんの顔は、人前に出せるレベルで無い位に変貌していたようだった。
「カズマ…団長を闇に染めないようにしようね…」
アクアが珍しく反省しているようだった。それほどのショックをアクアでさえ受けたようだった。
---シュウ---
メイビスが謝罪に来た。でも謝罪して、解決出来る問題は少ない。今回も件も謝罪では解決出来無い。
「で、どうするんだ?イレギュラー化した件は?」
「ごめんなさい…彼女も連れて行くしかないです…」
「なぁ、シルを連れ帰るなんて予定は無かっただろ?」
「すみません…」
まぁ、怒り散らして解決出来る事も少ない。解決策は1つだけだ。シルに駒を入れて、連れ帰ることだけだ。『魅了』持ちの人間、いやシルの場合はハーフ神を放置なんか出来無いから。
「後…リヴェリアか…冒険者を引退しないかな…」
僕が去れば、彼女はいずれ…それは避けたい。それだと…
「ごめんなさい…だから、闇に飲み込まれないで…いつまでも、優しいあなたでいて欲しい」
って、メイビスが抱き縋ってきた。スルーする。そんな僕の気を引こうと、僕のアレに手を掛けてきた。その手を払いのける。
「そんな程度で許すと思うなよ」
メイビスは力無く崩れ落ちていき、床に縋って泣き始めた。
「おい、主神なんだから、もっと威厳を持て!」
「無理です…私なんか、力がそんなに無いし…ヴァイラ様のように、あなたの隣で戦えるって過信しすぎていました。ごめんなさい…」
メイビスは、ただの乙女になってきている。もう、ダメかな。彼女をキャッスルドランへ強制転移させて、休養を命じた。代わりに…フィアナの母親を召喚した。
「私は主神になれないぞ」
「代役だよ。ホームを空に出来無いからな」
「で、この世界の私をどうするつもりだ?」
「どうしたら良いかな?」
この世界のリヴェリアよりも、見た目も歳上である。うっすらと皺があったりする。
「シュウ専用の私にすれば、どうかな?私には、手を出さないんだからな」
キャッスルドランの指揮官に任命してる仲間の嫁に、手を出すほど野暮では無い。まして、フィアナの母親だしなぁ。
「まぁ、もう少し時間はあるから、考えてみるよ」
---リヴェリア---
身体中が痛い…心も…懲りずに、彼のいるホームへと向かう。そこには、私がいた。私よりも顔に年輪が少し刻まれた私がいた。
「お前が、この世界の私か?」
「フィアナの母親か?」
「そうだ…そして、シュウに消えないダメージを、刻み込んだ私の魂を同化吸収している」
目の前の私が…彼の愛した私なのか…
「お前はどうしたいんだ?」
「どう…って…」
答えに詰まる私。答えは1つで有るが…受け入れてくれないだろう。
「シュウは言っただろ?冒険者を辞めろって」
言われた…
「このまま続ければ、お前は死ぬ。それも碌な死に方はしない」
未来が見えるのか?
「私は見えない。シュウはたまに見えるそうだが。あいつは愛情表現が歪んでいる。それに耐えれるのであれば、付いて行け」
歪んでいる?あのエルフ嫌いの件か?
「違う…あいつにとって愛することは虐めることだ」
苦笑いしている目の前の私。
「陵辱も愛情表現の1つだ。耐えられるか?」
あのプレイって…愛情表現なのか?確かに、アンダーヘアを愛おしく大切に愉しんでいたようだけど…
「シュウの好物は柔らかいアンダーヘアだ。それは、アイツなりの愛情表現だと思うぞ。悪ぶっていたかもしれないが。ははは」
豪快に笑っている目の前の私。なんだ、それは…
「豪勢だな…リヴェリアが二人かぁ」
背後から、彼の声がした。
「緑髪コレクションもするのか?」
目の前の私が訊いた。
「しないよ…って、紅髪はコレクションしている訳では無いよ」
困ったような声の彼。彼女には弱いのか?
「で、どうするんだ?」
「ロキに話はしてきた。リヴェリアの希望は通すそうだ」
退団の交渉をしてくれたのか…
「ここの滞在は、残り少ないしなぁ。まぁ、たまには戻って来るよ。カズマ達が心配だからな」
帰っちゃうのか…
「あの…連れて行ってくれないか…あのな…冒険者は辞める…だから…」
涙が溢れて出し胸が痛い。言葉が切れ切れになっている。どうしていいか、わからない…
「わかった、君の願いを叶えよう…供物は出向先での僕のアシストだ。今まで、メイビスが就いていたポジションを与える。リヴェリア、彼女に教育を頼む。ここを撤退するまでにな」
「ふっ…わかった。後、遠征先で、フィアナとリトルの養育と躾を頼みたい」
叶わないと思っていた願いを、受け入れてくれた…頷く私。彼は、私に何かを入れた。
「僕の仲間の印を入れた。寮に戻って、持って行きたい荷物を持って来てくれ」
「ありがとうございます」
涙を拭きながら、ロキ・ファミリアのホームへと向かった。
---シュウ---
シルに逢いに行く。
「どうしたんですか?恐い顔で…」
恐い?真剣な顔をしているつもりなんだけど…
「ミアと女神に話しはして、了承を取り付けた。僕達は、近々、ここの去る。シルは一緒に来て貰いたい」
「ありがとうございます」
まだ、最後まで言い終わっていないのに、抱きついて来たシル。
「持って行きたい荷物は、僕達のホームに運び込んでおいてくれ」
「はい♪」
シルに僕の駒を入れた。
「今のは何ですか?」
身体の異変に直ぐに気づいたシル。危険察知能力は高そうだ。
「僕と同じ時を生きる為のお守りだよ。それがないと、シルだけ老いてしまうから」
「そうなんだ…この姿で永遠を生きられるんですね」
「永遠に近いが正解だよ」
僕の最後の言葉は聞いていないようだ。嬉しそうに、荷物の選別を始めている。う~ん…エミリア系の臭いがする。苦手かも…
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CAD使いのめぐみん、防御よりも命中精度を上げているダクネス、たまにポカをするが冷静に行動するアクア、ウィズの加入で安定した火力を発揮出来るようになったカズマ。目標の18階層への往復が達成できた5名。
彼らのことはロキとフレイヤに託した。
「団長、これでお別れではないですよね?」
って、カズマ。
「アクアを女神に戻す処までが、僕の仕事だ。たまに視察に来て、アクアの反省度を見極める。アクア、僕は記憶が読めるのを忘れるなよ。嘘の報告が判明した時点で、刑期は延びるからな」
アクアは震えて頷いている。僕の闇墜ちの怖さを、身を以て知って以来、僕を恐怖の対象として見ているようだった。
「ダクネス、次に会う時までに、戦えるようになっていろよ」
「一太刀入れられれば…性的な陵辱をお願いします♪」
こいつにはニンジン作戦だ♪
「ウィズ、カズマを頼むぞ」
「はい。私がカズマさんを護ります。今度こそ♪」
コイツは戦力的にも性格的にも問題無いし。問題が有るとすれば、カズマが理不尽な死を迎えた時だけだろうな。
「めぐみん…」
妹枠のコイツに掛ける言葉は無い。それ以前に僕の背中に貼り付いて、安眠中だし…おぃおぃ。
「それなりに、見込める戦力になれば、僕のチームに引き抜く。なれなくて、この世界でおもしろおかしく死なないで生きろよ♪」
カズマ達だけを残し、リヴェリアとシルをお持ち帰りにして、この世界を去る僕達…