このパーティーでダンジョンは間違っているだろうか 作:もっち~!
---シュウ---
各自の因縁にケリをつけ、元凶の魂を消滅させ、失った物を手に入れる為に、あの世界を訪れた。今回は各自の時間軸をひとまとめにして、同じ時間軸内での活動にしたのだが…僕は忘れていた。そう、僕はあの頃に戻ってはいけなかったことを…
全員、アストレアと出逢っているので、あのファミリアのある時代での合流することにした。事前に僕だけ何回か訪れ、ジムの仲間達を集め歩いた。当面の拠点として、ジムの昔の仲間のランスロットに、治外法権エリア内に円卓商会なる物を設立して貰い、そこを拠点にしようかと思っている。ランスロット達、ジムの仲間は、ジムと生きる為に、不老不死の呪いを受けたそうだ。好きこのんで呪いを受けるヤツがいたとは…
フレイは、あの二人の間に産まれ、すくすくと育つ予定である。
あの世界へ転移させられたジムと僕は、出現時点は自由なので、ファルコンと共に時間を旅することにした。ファルコンの飛び込む時間軸は、白いドラゴンと赤いドラゴンとの大ゲンカ時点にした。そこで無いと、ファルコンの失った者は手に入らないから。ファルコンは出現するなり、同化吸収を行い、この時代のファルコンと同一になった。そして、ドラゴン達と聖騎士、バルキリー達の壮絶な戦いに身を投じた、
しばらく見ていると邪龍がどこからともなく湧き出て来た。ドラゴン相手なら無敵な僕が相手をする。
「おい、戦えない者は撤収しろ!私が時間を稼ぐから。早く!」
ファルコンの声が戦場に響いた。ファルコンの言葉で、逃走する者が多数出た。ファルコンと共に戦うと決心した者は、バルキリーのアイリスだけであった。二人でドラゴン達と立ち回り、仲間の逃走時間を稼いでいる。そして、アイリスが一瞬の隙を突かれて、大怪我を負った。
「団長!お願いします」
ファルコンから声がかかった。僕はアイリスの元に向かい、並行世界から連れて来たアイリスを召喚して、二人を同化吸収させた。
「団長…彼女の記憶を引き継ぎます」
そういうと、アイリスはファルコンの横に立ち、ドラゴン達に対峙した。僕は、ファルコンに宿るドラゴン達に、対峙しているドラゴン達を同化吸収させた。これでファルコンの失った者は奪還できた。
「で、どうします?」
「次はアイズのいる村だっけ?」
「そうです」
4人でファルコンの歩いた時間を、なぞっていく。
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静かな森に入ると小さな村があった。
「ここですよ」
うん?記憶にひっかかる物がある。
「なぁ、帰っていいか?なんか、イヤな予感がするんだよ」
変な汗が流れてくる。
「団長…何か、やらかしていますか?」
アイリスに訊かれた。やらかしているかもしれない。なんだっけ?古い記憶な気がするんだけど…
「お父さん!」
知らない少女の声が聞こえた。次の瞬間、僕は柔らかな衝撃を受けた。
「帰って来てくれたんだ…忘れないで…嬉しい…」
金髪で柔らかな髪の少女が、僕に抱きついている。
「何をやらかしたんですか?」
ファルコン達が呆れた顔で僕を見ている。なんだろうか?う~ん…
「ねぇ、お母さんは?」
お母さん?何の話だ?この世界で結婚はしていないはず…あっ!三頭一対…そうだった…オラリオが三頭一対に襲われた時に訪れたんだ。この世界の三頭を同化吸収して消滅させたのだが、一緒に英雄らしき男と、風の精霊、神…確かゼウスだったかと一緒のパーティーだったっけかな?
「君のお母さんは、あの英雄とどこかに行ってしまったよ」
「えっ…」
目元に大粒の涙を溜め込んでいる少女が、僕を見上げている。彼女を抱き抱え、同じ目線の位置へと持って来た。
「神ゼウスが付き添って、どこかに行ってしまった。僕は一人残されて、そのまま離脱してので分からないんだよ」
「そんな…」
うん?う~ん…風の精霊、金髪、少女…おぃおぃ…ファルコンを見ると頷いている。この子って…アイズかぁぁぁぁ~。
「さすが、『紡縁』持ちですね。ふふふ♪」
ジムが含み笑いしているし…
「ねぇ…私のお父さんになってくれる約束…覚えていますか?」
したっけかな?正直覚えていない。でも、彼女の顔を見ていると、否定は出来そうにない。
「うっすらと…」
「ありがとう♪」
僕の首に腕を回し、抱きついて来た幼子のアイズ…こうして、この世界では、僕はアイズの父親になってしまった。
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彼女を、あの場に一人残していくのは、鬼過ぎるとアイリスが僕を責め立てた結果、アイズも連れて行くことになった。この事が物語に大きく変化を与える気がしないでも無いのだが。
次にファルコンの立ち寄った先…ここは立ち寄りたくない。ハイエルフの里だ…
「お父さん、顔が蒼いけど、大丈夫?」
心配そうに僕に声をかけてくれた娘アイズ…大丈夫な訳が無い。しかし、
「大丈夫だよ…」
と、心配を掛けないように振る舞う。アイズが居なければ、即転移していたと思う。アイリスはファルコンに寄り添い、先頭を歩いている。僕は中断、アイズを抱っこしている。そして、最後尾のジムからは、押し殺した笑い声が…そんなに、僕の姿は滑稽なのかな?
深い森に入った。所々空気が揺らめいている。なんらかの結界が張られている。ファルコンは記憶を思い起こしながら歩を進めていくと…山里に出た。その途端、大勢のハイエルフ、エルフ達に囲まれた。その中には、見覚えのある…僕が知っているよりも若い緑の髪のハイエルフもいた。
「お前は何者だ?結界が張ってあっただろう?」
得物を手にしたハイエルフが声を掛けていた。詠唱を開始している者達もいるし。こんなに好戦的なのか?
「ここって、ハイエルフの隠れ里ですか?すみません…道に迷いました」
先頭のファルコンが応対した。しかし、怪訝な顔をされて、警戒は解かれない。
「お主…聖騎士か?」
長老らしき者が、ファルコンの装備を見て、声を掛けてきた。
「はい…彼女はバルキリーです。2匹のドラゴンの討伐に行ったのですが、道に迷いまして…」
「いつの話だ?」
ファルコンの話を怪訝な顔付きで聞いていた、長老なエルフ。
「赤いドラゴンと白いドラゴンの討伐です。大怪我を負った彼女の治療に手間取りまして…」
アイリスを指差して説明をするファルコン。
「お主達の名前は?」
「私はファルコン。相棒はアイリスです。後、娘さんを抱いているのはシュウ・ヨハネで、最後尾にいるのはジーザス・マクシミリアン卿です」
ファルコンは、この時代の僕とジムの通り名を伝えた。
僕達の名前を聞いて、近くにいたハイエルフ達の顔が驚いているようだ。
「何…マクシミリアン卿と、三頭一対を倒したシュウ様…そして、元龍騎士のファルコン殿か…」
あれ?なんで知っているんだ?僕はこっそり撤退したはずなのに…ジムとファルコンは有名人だから、しょうがないとしても…
ハイエルフの若者達に囲まれて、僕達は大きな屋敷に連れ込まれた。
「楽にしてください。あなた方達の話は伝説や童話になっております」
と、書物を持って来てくれた。うっ…僕の話はゼウスのヤツが書き残していた…
「道に迷われたと言うことですが、ここから少し離れた場所に、オラリオという街があります。そこの街は天界から降臨した神々が治めている街です。そこに行かれてはいかがでしょうか?」
緑髪のハイエルフの少女が、教えてくれた。コイツって…
「お父さん…落ち着いて♪」
娘が僕の耳元で囁いてくれた。
「今夜はこの里にお泊まりください。オラリオに向かえるように、結界を構築し直しますので。リヴェリア、シュウ様一行のお世話をして差し上げなさい」
長老は、あの緑髪のハイエルフに命じた。それと共に、ジム、アイリス、ファルコンが苦笑した表情で僕を見つめていた。これは、何かの虐めですかぁぁぁぁ~。
長老の指示に、少女のリヴェリアは、頭を下げていた。僕達は、彼女の案内で、離れの小屋に連れて行かれ、彼女は僕の為の食事を運んでくれた。その上、僕達が食べ終わるまで、傍に寄り添ってくれていた。
「私も一緒にオラリオに行っても良いですか?」
食事が終わると、僕の前に進みでて、お願いをしてきた。
「娘さんのお守りをいたします。どうか、連れて行ってください」
「お父さん…」
アイズの目は聞き入れてって、訴えかけているようだ。う~ん…
「長老の許しが出ればなぁ…」
「はい♪私は、リヴェリア・リヨス・アールヴです。あなたは?」
「アイズ…ねぇ、お父さんのラストネームは?」
「僕?鬼門…」
何も考え無いで正直に答えた僕。
「うん♪アイズ・鬼門です」
こうしてイレギュラーになっていく娘達…長老からリヴェリアを養女にって頼まれたし…
アイリスが生きていることの影響なのか?アイズとシルは、ジムの娘になる筈が…この先も、僕的に良く無いことが起こりそうで恐い。
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翌日、養女の件を了承した結果、長老はリヴェリアに許可を出してしまい…僕達一行は、また予定外のメンバーが増えてしまった。
「あれですよ、団長。アイリスさんが生きている反動だと思いますよ」
って、ジム。本来はお前の娘になるはずだろうが…。まぁ、確かにファルコンに近寄る女性はいない。アイリスが同性へ、それなりのプレッシャーを掛けているから。アイズは、リヴェリアと直ぐに打ち解けて、一緒に歩いている。どうなるんだ、この先…
オラリオに着き、まず街中に拠点を探す。迷った時は、この街の案内所であるギルドだな。ギルドへと向かう。受付で、フレイを呼び出す。
「えっ?!ずいぶんと予定外のメンバーを釣りましたねぇ~♪さすが、団長!」
釣った訳でも、お持ち帰りした訳でも無い。彼女達はそもそも、まだ出来無いし…
「で、アストレア・ファミリアはどこ?」
「子連れですよね…まぁ、アストレア様は優しいから大丈夫だと思いますが…」
アイツらかぁ…フレイがアストレア・ファミリアのホームへと案内してくれた。
「アストレア、入団希望者だよ」
「こんなに一杯?え?子連れ…」
僕達を凝視しているアストレア。すると、僕達に跪いた。
「私なんかの眷属なんて、もったいないです…」
何が見えたんだ?
「あ…団長とジムさんは眷属に成れないでしょ?僕もダメだったし…」
あぁ、神格階位の問題かぁ…
「じゃ、僕とジムとフレイは、眷属で無くても良いよ」
「そういう問題では無くて…どうして…私なんかのファミリアに?龍騎士様…」
はっとしたファルコン…コイツ、因縁持ちだったのか…そうか、僕とジムが問題では無いのは、一安心だ、
「アストレア様…私は、彼の眷属です。彼があなたのファミリアに入りたいと望めば、一緒に入ることが大切なんです」
「龍騎士様の主様?どなた…え…」
僕とジムを見て、顔から血の気が失せていくアストレア。
「私よりも…フレイよりも上の階位…それって…」
「まぁ、深く考えないで…」
アストレアを抱き締め、頭を撫でて緊張を緩ませていく。『安堵』スキルのお陰で、鎮静剤のようになれる僕。
「はい…」
「眷属になれないけど…まぁ眷属扱いでお願いします。娘と路頭に迷う訳に行かないし…ねぇ♪」
「はい♪わかりました。眷属扱いでお願いします」
こうしてアストレア・ファミリアのホームには僕、アイズ、リヴェリア、ファルコン、アイリスが住み込むことになった。当初は僕はジムと治外法権エリアに身を置こうと思ったのだけど、アイズとリヴェリアを連れてはいけないので断念した。フレイは、育ての親のヘファイストスの家に姉のシルと暮らしている。
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「子連れ?う~ん…母親は?え?男と逃げた…う~ん…」
団長のアリーゼが、唸っていた。子供が苦手のようだった。エルフのリューはリヴェリアと既に打ち解け、アイズとも仲良くしてくれている。
「遠征中はアストレア様か、フレイの家に預けますので、心配はいらないかと」
「フレイと知り合いなのか?」
「まぁ…」
どういう知り合いかは、はぐらかす。そうそう、ファルコンとアイリスは、ファミリアのお仕事である、自警団の仕事をこなしている。地上であの二人を袋に出来る輩はいないだろうな。万が一の時は、僕達も乱入するし。
「フレイを狙っているんですか?」
僕の質問に真っ赤になるアリーゼ。
「そんなことは無い…」
「アリーゼ…」
リューが蒼い顔をして、アリーゼに近寄り、耳元でゴニョゴニョと何かを伝えていた。
「マジか?」
「うん…アイズとリヴェリアが教えてくれたの…」
「おい、お前!」
いきなり、僕の顔をガン見したアリーゼ。
「はい…」
思わず、そのプレッシャーに、驚く僕。
「お前…あの三頭一対を倒した英雄なのか…」
あぁ~、あの二人喋ったのか…まぁ、隠し事は良く無いと二人には教えているので、隠さずに訊かれたことを答えたんだろうな。
「英雄かどうかは知らない。まぁ、そんな感じだ」
「なぁ、一緒に潜ってくれないか…」
アリーゼが、身を乗り出して訊いてきた。