※この作品はR-18です。

このパーティーでダンジョンは間違っているだろうか   作:もっち~!

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イレギュラー達の再来

---シュウ---

 

各自の因縁にケリをつけ、元凶の魂を消滅させ、失った物を手に入れる為に、あの世界を訪れた。今回は各自の時間軸をひとまとめにして、同じ時間軸内での活動にしたのだが…僕は忘れていた。そう、僕はあの頃に戻ってはいけなかったことを…

 

全員、アストレアと出逢っているので、あのファミリアのある時代での合流することにした。事前に僕だけ何回か訪れ、ジムの仲間達を集め歩いた。当面の拠点として、ジムの昔の仲間のランスロットに、治外法権エリア内に円卓商会なる物を設立して貰い、そこを拠点にしようかと思っている。ランスロット達、ジムの仲間は、ジムと生きる為に、不老不死の呪いを受けたそうだ。好きこのんで呪いを受けるヤツがいたとは…

 

フレイは、あの二人の間に産まれ、すくすくと育つ予定である。

 

あの世界へ転移させられたジムと僕は、出現時点は自由なので、ファルコンと共に時間を旅することにした。ファルコンの飛び込む時間軸は、白いドラゴンと赤いドラゴンとの大ゲンカ時点にした。そこで無いと、ファルコンの失った者は手に入らないから。ファルコンは出現するなり、同化吸収を行い、この時代のファルコンと同一になった。そして、ドラゴン達と聖騎士、バルキリー達の壮絶な戦いに身を投じた、

 

しばらく見ていると邪龍がどこからともなく湧き出て来た。ドラゴン相手なら無敵な僕が相手をする。

 

「おい、戦えない者は撤収しろ!私が時間を稼ぐから。早く!」

 

ファルコンの声が戦場に響いた。ファルコンの言葉で、逃走する者が多数出た。ファルコンと共に戦うと決心した者は、バルキリーのアイリスだけであった。二人でドラゴン達と立ち回り、仲間の逃走時間を稼いでいる。そして、アイリスが一瞬の隙を突かれて、大怪我を負った。

 

「団長!お願いします」

 

ファルコンから声がかかった。僕はアイリスの元に向かい、並行世界から連れて来たアイリスを召喚して、二人を同化吸収させた。

 

「団長…彼女の記憶を引き継ぎます」

 

そういうと、アイリスはファルコンの横に立ち、ドラゴン達に対峙した。僕は、ファルコンに宿るドラゴン達に、対峙しているドラゴン達を同化吸収させた。これでファルコンの失った者は奪還できた。

 

「で、どうします?」

 

「次はアイズのいる村だっけ?」

 

「そうです」

 

4人でファルコンの歩いた時間を、なぞっていく。

 

-------

 

静かな森に入ると小さな村があった。

 

「ここですよ」

 

うん?記憶にひっかかる物がある。

 

「なぁ、帰っていいか?なんか、イヤな予感がするんだよ」

 

変な汗が流れてくる。

 

「団長…何か、やらかしていますか?」

 

アイリスに訊かれた。やらかしているかもしれない。なんだっけ?古い記憶な気がするんだけど…

 

「お父さん!」

 

知らない少女の声が聞こえた。次の瞬間、僕は柔らかな衝撃を受けた。

 

「帰って来てくれたんだ…忘れないで…嬉しい…」

 

金髪で柔らかな髪の少女が、僕に抱きついている。

 

「何をやらかしたんですか?」

 

ファルコン達が呆れた顔で僕を見ている。なんだろうか?う~ん…

 

「ねぇ、お母さんは?」

 

お母さん?何の話だ?この世界で結婚はしていないはず…あっ!三頭一対…そうだった…オラリオが三頭一対に襲われた時に訪れたんだ。この世界の三頭を同化吸収して消滅させたのだが、一緒に英雄らしき男と、風の精霊、神…確かゼウスだったかと一緒のパーティーだったっけかな?

 

「君のお母さんは、あの英雄とどこかに行ってしまったよ」

 

「えっ…」

 

目元に大粒の涙を溜め込んでいる少女が、僕を見上げている。彼女を抱き抱え、同じ目線の位置へと持って来た。

 

「神ゼウスが付き添って、どこかに行ってしまった。僕は一人残されて、そのまま離脱してので分からないんだよ」

 

「そんな…」

 

うん?う~ん…風の精霊、金髪、少女…おぃおぃ…ファルコンを見ると頷いている。この子って…アイズかぁぁぁぁ~。

 

「さすが、『紡縁』持ちですね。ふふふ♪」

 

ジムが含み笑いしているし…

 

「ねぇ…私のお父さんになってくれる約束…覚えていますか?」

 

したっけかな?正直覚えていない。でも、彼女の顔を見ていると、否定は出来そうにない。

 

「うっすらと…」

 

「ありがとう♪」

 

僕の首に腕を回し、抱きついて来た幼子のアイズ…こうして、この世界では、僕はアイズの父親になってしまった。

 

-------

 

彼女を、あの場に一人残していくのは、鬼過ぎるとアイリスが僕を責め立てた結果、アイズも連れて行くことになった。この事が物語に大きく変化を与える気がしないでも無いのだが。

 

次にファルコンの立ち寄った先…ここは立ち寄りたくない。ハイエルフの里だ…

 

「お父さん、顔が蒼いけど、大丈夫?」

 

心配そうに僕に声をかけてくれた娘アイズ…大丈夫な訳が無い。しかし、

 

「大丈夫だよ…」

 

と、心配を掛けないように振る舞う。アイズが居なければ、即転移していたと思う。アイリスはファルコンに寄り添い、先頭を歩いている。僕は中断、アイズを抱っこしている。そして、最後尾のジムからは、押し殺した笑い声が…そんなに、僕の姿は滑稽なのかな?

 

深い森に入った。所々空気が揺らめいている。なんらかの結界が張られている。ファルコンは記憶を思い起こしながら歩を進めていくと…山里に出た。その途端、大勢のハイエルフ、エルフ達に囲まれた。その中には、見覚えのある…僕が知っているよりも若い緑の髪のハイエルフもいた。

 

「お前は何者だ?結界が張ってあっただろう?」

 

得物を手にしたハイエルフが声を掛けていた。詠唱を開始している者達もいるし。こんなに好戦的なのか?

 

「ここって、ハイエルフの隠れ里ですか?すみません…道に迷いました」

 

先頭のファルコンが応対した。しかし、怪訝な顔をされて、警戒は解かれない。

 

「お主…聖騎士か?」

 

長老らしき者が、ファルコンの装備を見て、声を掛けてきた。

 

「はい…彼女はバルキリーです。2匹のドラゴンの討伐に行ったのですが、道に迷いまして…」

 

「いつの話だ?」

 

ファルコンの話を怪訝な顔付きで聞いていた、長老なエルフ。

 

「赤いドラゴンと白いドラゴンの討伐です。大怪我を負った彼女の治療に手間取りまして…」

 

アイリスを指差して説明をするファルコン。

 

「お主達の名前は?」

 

「私はファルコン。相棒はアイリスです。後、娘さんを抱いているのはシュウ・ヨハネで、最後尾にいるのはジーザス・マクシミリアン卿です」

 

ファルコンは、この時代の僕とジムの通り名を伝えた。

 

僕達の名前を聞いて、近くにいたハイエルフ達の顔が驚いているようだ。

 

「何…マクシミリアン卿と、三頭一対を倒したシュウ様…そして、元龍騎士のファルコン殿か…」

 

あれ?なんで知っているんだ?僕はこっそり撤退したはずなのに…ジムとファルコンは有名人だから、しょうがないとしても…

 

ハイエルフの若者達に囲まれて、僕達は大きな屋敷に連れ込まれた。

 

「楽にしてください。あなた方達の話は伝説や童話になっております」

 

と、書物を持って来てくれた。うっ…僕の話はゼウスのヤツが書き残していた…

 

「道に迷われたと言うことですが、ここから少し離れた場所に、オラリオという街があります。そこの街は天界から降臨した神々が治めている街です。そこに行かれてはいかがでしょうか?」

 

緑髪のハイエルフの少女が、教えてくれた。コイツって…

 

「お父さん…落ち着いて♪」

 

娘が僕の耳元で囁いてくれた。

 

「今夜はこの里にお泊まりください。オラリオに向かえるように、結界を構築し直しますので。リヴェリア、シュウ様一行のお世話をして差し上げなさい」

 

長老は、あの緑髪のハイエルフに命じた。それと共に、ジム、アイリス、ファルコンが苦笑した表情で僕を見つめていた。これは、何かの虐めですかぁぁぁぁ~。

 

長老の指示に、少女のリヴェリアは、頭を下げていた。僕達は、彼女の案内で、離れの小屋に連れて行かれ、彼女は僕の為の食事を運んでくれた。その上、僕達が食べ終わるまで、傍に寄り添ってくれていた。

 

「私も一緒にオラリオに行っても良いですか?」

 

食事が終わると、僕の前に進みでて、お願いをしてきた。

 

「娘さんのお守りをいたします。どうか、連れて行ってください」

 

「お父さん…」

 

アイズの目は聞き入れてって、訴えかけているようだ。う~ん…

 

「長老の許しが出ればなぁ…」

 

「はい♪私は、リヴェリア・リヨス・アールヴです。あなたは?」

 

「アイズ…ねぇ、お父さんのラストネームは?」

 

「僕?鬼門…」

 

何も考え無いで正直に答えた僕。

 

「うん♪アイズ・鬼門です」

 

こうしてイレギュラーになっていく娘達…長老からリヴェリアを養女にって頼まれたし…

 

アイリスが生きていることの影響なのか?アイズとシルは、ジムの娘になる筈が…この先も、僕的に良く無いことが起こりそうで恐い。

 

--------

 

翌日、養女の件を了承した結果、長老はリヴェリアに許可を出してしまい…僕達一行は、また予定外のメンバーが増えてしまった。

 

「あれですよ、団長。アイリスさんが生きている反動だと思いますよ」

 

って、ジム。本来はお前の娘になるはずだろうが…。まぁ、確かにファルコンに近寄る女性はいない。アイリスが同性へ、それなりのプレッシャーを掛けているから。アイズは、リヴェリアと直ぐに打ち解けて、一緒に歩いている。どうなるんだ、この先…

 

オラリオに着き、まず街中に拠点を探す。迷った時は、この街の案内所であるギルドだな。ギルドへと向かう。受付で、フレイを呼び出す。

 

「えっ?!ずいぶんと予定外のメンバーを釣りましたねぇ~♪さすが、団長!」

 

釣った訳でも、お持ち帰りした訳でも無い。彼女達はそもそも、まだ出来無いし…

 

「で、アストレア・ファミリアはどこ?」

 

「子連れですよね…まぁ、アストレア様は優しいから大丈夫だと思いますが…」

 

アイツらかぁ…フレイがアストレア・ファミリアのホームへと案内してくれた。

 

「アストレア、入団希望者だよ」

 

「こんなに一杯?え?子連れ…」

 

僕達を凝視しているアストレア。すると、僕達に跪いた。

 

「私なんかの眷属なんて、もったいないです…」

 

何が見えたんだ?

 

「あ…団長とジムさんは眷属に成れないでしょ?僕もダメだったし…」

 

あぁ、神格階位の問題かぁ…

 

「じゃ、僕とジムとフレイは、眷属で無くても良いよ」

 

「そういう問題では無くて…どうして…私なんかのファミリアに?龍騎士様…」

 

はっとしたファルコン…コイツ、因縁持ちだったのか…そうか、僕とジムが問題では無いのは、一安心だ、

 

「アストレア様…私は、彼の眷属です。彼があなたのファミリアに入りたいと望めば、一緒に入ることが大切なんです」

 

「龍騎士様の主様?どなた…え…」

 

僕とジムを見て、顔から血の気が失せていくアストレア。

 

「私よりも…フレイよりも上の階位…それって…」

 

「まぁ、深く考えないで…」

 

アストレアを抱き締め、頭を撫でて緊張を緩ませていく。『安堵』スキルのお陰で、鎮静剤のようになれる僕。

 

「はい…」

 

「眷属になれないけど…まぁ眷属扱いでお願いします。娘と路頭に迷う訳に行かないし…ねぇ♪」

 

「はい♪わかりました。眷属扱いでお願いします」

 

こうしてアストレア・ファミリアのホームには僕、アイズ、リヴェリア、ファルコン、アイリスが住み込むことになった。当初は僕はジムと治外法権エリアに身を置こうと思ったのだけど、アイズとリヴェリアを連れてはいけないので断念した。フレイは、育ての親のヘファイストスの家に姉のシルと暮らしている。

 

-------

 

「子連れ?う~ん…母親は?え?男と逃げた…う~ん…」

 

団長のアリーゼが、唸っていた。子供が苦手のようだった。エルフのリューはリヴェリアと既に打ち解け、アイズとも仲良くしてくれている。

 

「遠征中はアストレア様か、フレイの家に預けますので、心配はいらないかと」

 

「フレイと知り合いなのか?」

 

「まぁ…」

 

どういう知り合いかは、はぐらかす。そうそう、ファルコンとアイリスは、ファミリアのお仕事である、自警団の仕事をこなしている。地上であの二人を袋に出来る輩はいないだろうな。万が一の時は、僕達も乱入するし。

 

「フレイを狙っているんですか?」

 

僕の質問に真っ赤になるアリーゼ。

 

「そんなことは無い…」

 

「アリーゼ…」

 

リューが蒼い顔をして、アリーゼに近寄り、耳元でゴニョゴニョと何かを伝えていた。

 

「マジか?」

 

「うん…アイズとリヴェリアが教えてくれたの…」

 

「おい、お前!」

 

いきなり、僕の顔をガン見したアリーゼ。

 

「はい…」

 

思わず、そのプレッシャーに、驚く僕。

 

「お前…あの三頭一対を倒した英雄なのか…」

 

あぁ~、あの二人喋ったのか…まぁ、隠し事は良く無いと二人には教えているので、隠さずに訊かれたことを答えたんだろうな。

 

「英雄かどうかは知らない。まぁ、そんな感じだ」

 

「なぁ、一緒に潜ってくれないか…」

 

アリーゼが、身を乗り出して訊いてきた。

 

 

 

 

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