このパーティーでダンジョンは間違っているだろうか 作:もっち~!
天界から降臨する神々は増える一方である。この世界の天界は神不足によるデス・パレード状態へと進行していった。また、その事が、激務から逃亡する為、地上への神々の降臨を助長しているようにみえた。ようするに、この世界の天界はシステムがおかしいのだ。
オラリオの街に、降臨していたあの女神が遊び尽くした後、とんがった小人族を団長に、荒くれ者ドワーフを副団長にして、ファミリアを立ち上げ、パワーバランスを変えていった。これに伴い、アストレア・ファミリアは、危険回避の意味で、フレイ・ファミリアの配下に入った。安全を確保する意味でね。
アストレア・ファミリアの団員は、ギルド関係の仕事に就いた。冒険者引退後の道としては、悪く無い選択である。リューはミアの配下に入り、有事の際の要員になった。普段はウェイトレスではあるが…で、アリーゼはというと…
「潜ろうぜ!」
僕達のホームに入り浸りである。まぁ、用心棒って名目で入り浸っている。剣術もそれなりではあるが、前衛タイプではなく、指揮官タイプである。
「はぁ?一人で行けば?」
「シュウ、つれない言葉を言うな。なぁ、潜ろうよ♪」
「まだ、ダメだ。アイズ達が、そのレベルではない。お前、護る自信は有るのか?」
「う~ん…どうだろうな…」
って、感じである。指揮者タイプのコイツは、アイズ達を指揮出来無いのだ。コイツの目からもアイズ達は潜るレベルに達してはいないってことで。
「アイズに剣術を教えてやってくれ。アイツらのレベルがあがらないと、潜れないぞ」
「そうなるよね…」
意気消沈のアリーゼ。子供の扱い、指導が出来ないのだ。
「まぁ、今夜あたり、ヒーヒー言わしてやる」
真っ赤な顔になるアリーゼ。
「お父さん、ヒーヒーって?」
アイズがきょとんとした顔で質問してきた
「大人の女性とのプレイのことだよ。アイズも大人になれば分かる」
「そうなんだ♪」
この世界の僕…なぜか、未婚の子持ちである。子供と言って、総て養女ではあるが…アイズ、リヴェリア、莉愛、リトル、フィアナ…訳有りの少女達が僕の養女である。
---ティオナ・ヒリュテ---
双子の姉ティオネと、迷宮都市オラリオに足を踏み入れた。想像していた以上に、賑やかで、活気のある街であった。
「あぁぁぁぁ~!あの人、良いなぁ…」
姉が小人族と思しき者に駆け寄り、ナンパしている。アイツ、何しに来たんだ?
「ロキ・ファミリアの団長さんだって♪ねぇ、そこに入団しようよ」
笑顔で戻って来た姉。そんなので、入団先を選んでいいのか?まず、ギルドと呼ばれる案内所を目指す。そこで冒険者登録をして、入団申請をする仕組みらしい。
「おぉ、アマゾネスかぁ。なぁ、俺達のファミリアに来いよ!」
「やめてぇぇぇぇ~」
姉が男性達、抱き抱えられて、身体中を弄られていた。
「お前は妹か?まだまだガキ。まぁ、いい。調教のしがいがあるな♪
私も抱き抱えられて、頬ずりをされた。次の瞬間…
ドサッ!
頬ずりをしてきた頭部が…地面へと落下した。
「往来で…小さい女の子に…クソはクソだな!」
剣を手にした男性。剣には、血が滴っていた。私を抱き抱えていた身体が、崩れるようにして倒れていく。
「大丈夫よ。恐かったでしょ?」
赤毛の女性が、地面に叩き付けられる途中で抱き留めてくれた。
「てめぇ!何をしやがる。往来で殺人だと!」
「殺人?ゴミ拾いだよ」
「なんだと?」
私達を襲った輩達は、手に手に得物を構えて、応戦するようだったが…
シュッ!シュッワー
得物を構えた血塗れの男達…首元から鮮血の血柱が立ち昇っていた。
「団長!ダメですよ。こういう仕事は僕の仕事なんですから」
ナイフを二降り手にした男性が、剣を手にした男性に声を掛けた。
「だって、目の間にゴミがあったんだもの。邪魔だろ?」
「そうかもしれないけど…」
「そもそも、こんな奴らを野放しにしているフレイが悪いだろ?」
「うっ…それを言われると…だけど…もぅ、いいです」
反論が出来ずに凹んだ男性。
「大丈夫かい?この街は初めてなのか?」
剣を鞘に収めた男性が、私に声を掛けてきた。
「ありがとうございます…初めて来ました。ギルドって場所を探していたんです」
「あぁ、ギルドかぁ。おい、フレイ、お前の仕事だぞ!」
ナイフ使いの男性が近寄って来た。
「うん?冒険者登録かな?わかった、今から戻るから、一緒においで」
「また、ゾーマのところだよ。まったく…掃除しても掃除しても減らないなぁ」
団長と呼ばれた男性が誰かに言った。
「まったくですね。自警団を強化しないとダメですね」
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フレイと呼ばれた男性と姉の三人で、ギルドに着いた。
「誰か、この子達の申請を頼む」
奥から事務員の方が現れて、書類の書き方を教えてくれた。
「あの…先程の男性は?」
姉、ティオネが訊いた。
「フレイ様です。ギルドのナンバー2ですよ」
エライ人なんだ…あの人…じゃ、
「フレイさんが、団長って呼んでいた方は?」
私も訊いてみた。
「あぁ、シュウさんですね。ファミリアは持っていないけど…そうね、彼のファミリアが良いかもしれないわ」
って、薦められた。持っていない?なのに、薦めるって…
「どう良いんですか?」
矛盾に気づかない姉が訊いた。
「あなた達と同じくらいの女の子ばかりなの。だから、扱いとか躾とか、問題が無いと思いますよ。あなた達はアマゾネスだから、男性から無茶をされる危険性が高いからね」
あぁ、アマゾネスって種族はそうなんだよな…
「私は、そこに入りたいです」
即決した私。
「ちょっと、勝手に決めないでよ~。私はロキ・ファミリアが良いんだから」
「え?ロキですか…無茶されますよ」
「へ?そうなんですか?」
ロキ・ファミリアの団長さん狙いの姉。
「あそこの主神は、無類の酒と少女好きとして有名ですから…」
それは問題有ると思うんだけど…酒のつまみにされるのがオチかな?
「どう?どこか入団したファミリアはあるのかな?」
フレイさんが奥から出て来た。
「ティオナさんはシュウさんのとこで、ティオネさんはロキ様だそうです」
「そうか…シュウさんのとこなら、ここで入団の手続きは出来る。ティオナさんだっけ?奥の部屋に来て。今、入団の手続きをしてあげるから」
「はい♪」
「えっ…ティオナ…一人にしないで…私も…お願いしますぅ~」
心細いのか、声を震わせ、姉も付いて来た。
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シュウさんは、主神としての神の恩恵は与えられないので、フレイさんに神の恩恵を与えてもらった。
「書類上はフレイ・ファミリアだけど、僕のところは冒険系の業務はしないから、実質はシュウさんのファミリアになる。あそこは名目上は、かじ系だけど、ダンジョンに潜るから、経験を積むには良いファミリアだよ」
ホームと呼ばれるファミリアの本拠に、フレイさんに案内してもらった。そこは、ガイドブックにも載っている有名店『豊饒の女主人』の敷地内にあった。
カラン♪
ドアを開けるとドアベルが鳴る洒落た入り口。入り口を入ると刃物類が並んでいる。武器屋さんなのか?いや、包丁や鍬などもあるのか。
「あっ、ジムさん。団長はいますか?入団した者達を連れて参りました」
「中庭にいるよ。今は鍛錬中だよ」
私達は中庭へと向かった。剣と剣がぶつかり合う音…小規模な魔法の破裂音…私達と同じ位の女の子達が、鍛錬をしていた。団長と呼ばれていた人は、かわいい女性と昼寝?をしていた。
「団長!新しく入ったメンバーだそうですよ」
ジムさんが、声を掛けた。
「うん?あぁ、ティオナとティオネか…」
何故か私達の名前を知っていた。どこかで逢ったことあったかな?
「おい、シル。起きろよ…あぁ、ヨダレ…」
「はぁ?レディがヨダレなんか垂らして寝ませんわ。失礼な…あぁぁぁ~!ゴメン…脱いで!洗濯しますから…ねぇ…」
「姉さん、やらかしたの?」
フレイさんが、シルと呼ばれた女性を姉さんと呼んだ。
「え!フレイ…見なかったことにしてね…あぁぁぁ~!新人さんの前で…しくしく…」
脱いだシャツをシルさんに渡した団長さん。
「今、急いで替えのシャツをお持ちします」
「いらない」
彼が指を鳴らすと上半身にシャツが現れた。魔法使いのようだ。
「そうか…うちに来たのか…ジム、彼女達に初心者用の装備を用意してやってくれ。ここで鍛錬を積め、潜れるレベルになったら、一緒に潜ってもらうから」
そういうと、また昼寝を…
ホームに戻ると、私達の部屋を用意してくれた。二人部屋だ。
「困ったことが合ったら、私達に言ってくださいね」
緑髪が綺麗なハイエルフのリヴェリアさんに言われた。
「女の子ばかりなんですか?」
ティオネが訊いた。
「ほとんどはねぇ。でも、お父さんやフレイさん、ジムさんもいるし」
彼女達は、団長さんの養女らしい。種族が違うので、血は繋がっていないけど、本当の親以上に思っているようだ。
「普段は優しいけど、躾ける時は鬼だよ」
って、アイズさん。
「あぁ、外出はお父さんと一緒が基本だからね。この街は危ないから」
と、付け加えてきた。確かに恐い…連れ去られそうになったし。
ジムさんから、ナイフを2振りもらった。ティオネは弓をもらったそうだ。
「まぁ、取り敢えず、それを使いこなせるように。ティオネの方は、剣も練習してもらう。弓は矢が無いと飾りに過ぎないからな」
確かに…
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『豊饒の女主人』が忙しい時間帯は、お手伝いに行き、暇な時間帯に鍛錬をする。かじ系って家事系と鍛冶系を意味することも分かって来た。う~ん、違うようだけど密接していることに驚いたり。料理で使う道具は鍛冶屋さんで生産、修理を行うそうだ。
大人の女性の団員もいた。ルノアさん、クロエさん、リューさん、アイリスさん、アリーゼさんだ。男性の団員はフレイさん、ジムさん、ファルコンさん、ベートという少年だ。
ベート、ファルコンさん、アイリスさん、アリーゼさんは、アストレア・ファミリアで普段活動しているそうで、フレイさんはギルドを取り仕切り、ルノアさん、クロエさん、リューさんは隣でウェイトレスをしているんだとか。鍛冶仕事は、ジムさんと団長が行っていた。
ここでの生活になれてくると、隣の洗い場の手伝い、仕入れの手伝いもするように。団長から、これも鍛錬の内だと言われた。洗い場は忍耐と集中力の育成、仕入れは目利きと体力作りだと言う。
「材料が減って来たなぁ。ジム、潜るか?」
「了解です。18階層を根城にして、しばらく稼ぎますか?」
「莉愛、アイズ達は行けそうか?」
「どうだろ?10階層くらいまでなら、どうかな?」
「そうか…ファルコン、アイリス、アリーゼに連絡を頼む。ジム、装備の点検を頼む」
「了解♪」
ダンジョンデビューが近いらしい。
潜る日が近くなると、ホームへの人の出入りが激しくなってきた。
「ジムさん、装備の改良をお願いします」
ベートが溜めたお金を装備と共に置いた。
「あぁ、足り無い分はファルコンに出してもらうぞ」
「足りませんか?えぇぇぇ~!」
「潜れるようになったら、ファルコンに返せよ♪」
「潜るって聞いたんだど」
「シャクティは団長だろ?」
「アリーゼも潜るんだろ?ねぇ、ジムさん、メンバーに入れて♪」
「私もお願いします♪」
「はぁ?アスフィもか?じゃ、ヘルメス様、ガネーシャ様の許しを貰ってこいよな」
「「はぁ~い♪」」
色々なファミリアの団長クラスが、申し込んできている。なんか、飛んでも無いファミリアに入団したのかな?武者震いが止まらない。
「何?なぁ、ジム…なんか、参加人数が多くないか?」
参加者リストに目を通す団長。
「参加者がちょっとねぇ…昔お世話になった恩返しらしいですよ」
「お世話?していないよ。路頭に迷える子羊を、狼の群れから護った程度だろ?」
あの人達は、私達と同じなんだ。団長に助けられたのだろう。
「団長的には、その程度でも、彼女達にとっては、嬉しかったんでしょ」
「そうなのか?」
「一人前になって、今いるファミリアを紹介してもらって、楽しく生きているのでしょ」
「それだってさぁ、狼のいるファミリアに紹介できないだろ?」
「まぁ、彼女達に、うちの若い子達を指導してもらえれば、良いでしょ?」
「それはそうだな。うん?ティオナ、どうした?」
あっ、立ち聞きをしているのがバレた。
「いえ…」
「寝られないのか?おいで」
団長に抱き抱えられる…心が温かくなっていき、夢うつつになっていき…団長達の声が遠くへと去って行った。