このパーティーでダンジョンは間違っているだろうか 作:もっち~!
潜入捜査 その2
---カズマ--
アスフィさん作のトレーニングマシンが完成した。3x3の9つのマス目があり、そこに撃ち込むか、斬り込むそうだ。
「ランダムでマス目が点滅する。点滅したマス目をヒットすれば、次のマス目が点滅する。ルールは簡単だろ?」
団長から説明がされた。初級者モードはそんな感じで、中級者モードはスクワットをしながら、上級者モードは反復横跳びをしながらだそうだ。う~ん、筋力とスタミナ勝負か?
この装置は僕とアクアとめぐみん用らしい。ダクネス用は考え中とか。
で、僕に新しい武器が与えられた。今までの物よりも大きくて重い。
「頑丈さと切れ味をアップしている。ソレを使いこなせれば、中級者くらいだ」
と、団長から説明があった。中級者か…ダクネスが使い物にならないので、俺ががんばらないと…新しい剣練習用の木刀も、与えられた。重さ、重心バランスなど同じにしてあるそうだ。
---フィン---
アイズがエム奴隷調教されたと聞いたベートが、あのファミリアに乗り込み、返り討ちにされた。それもアイズにだそうだ。何をやっているんだ?
「アイズ…剣だけで無くて、格闘も出来るなんて…」
得意の格闘戦で負けたことによる、ダメージが大きいベート。
「もう関わらない方がいいな。アイズが強くなっているんだし、問題無いだろ」
「あのレフィーヤ似の者の正体はどうするのだ?」
リヴェリアは諦めていない。しかし、どう探るんだ?ティオナもベートも、そしてリヴェリアも僕もダメだったんだし。
「レフィーヤ、行って来い!」
この件にまだ関わっていない彼女へ、命令するリヴェリア。
「えぇぇぇぇぇ~!」
まぁ、彼女しか無いよな。
---レフィーヤ---
出稽古に行くアイズさんに付いて行く。
「レフィーヤはどうして付いて来るんだ?」
アイズさんの眼光が鋭い。ティオナさんのことで、私を疑っているようだ。
「アイズさんの練習を見たいんです」
「剣士では無いレフィーヤの役に立たないぞ」
そうだけど…本来の目的を言ったら、問答無用で斬られそうだよ~。私を見る目が、獲物を狩る目になっているアイズさん。恐いよ~。
そして、目的のファミリアのホームに潜入した。見た目は和気藹々とした雰囲気ではある。
「ねぇ、私に詠唱を教えてください」
って、私に似た…ショートカットでボーイッシュな少女にお願いをされた。この子だね。
「いいわよ」
彼女は私に笑顔を見せて、教本を持って来た。この教本は、私が小さい頃に使っていた物と同じだけど…何で持っているんだろうか?
「この本はどうしたの?」
私の問いに哀しそうな表情をした彼女。
「う…母さんの形見…」
消えそうな声で、そう呟いた。
「おい、リトルを泣かすなよ!」
見知らぬ男性に、言われた。彼女の肩を抱き、頭を優しく撫でている。彼女は、彼に抱きつき泣いてしまった。
「レフィーヤ!何で、来て早々問題を起こすの!」
アイズさんの視線が冷たい。地雷を踏んでしまった気分だ。いや、踏んだんだけど。
「団長…大丈夫です…ねぇ、教えて…ください」
私の服の裾を掴み、哀しそうな少女。私が悪者みたいだよ~
「そうだ、お前は悪者だ。今日1日の行い次第で、お前の処遇を決める」
先程の男性から言われた。処遇って?生きて帰れないのかな?兎に角、彼女に魔法を教えよう。それが私が生きて帰れる道だと信じて。
先程の男性とアイズさんが、打ち合いをしている。彼は二刀流で、アイズさんの攻撃を総て防ぎ、攻撃を仕掛けていく。アイズさんの方が打ち負けているようだ。
しばらくすると、信じられない声がしてきた。
「ダメ…止めて~あぁ~ん」
アイズさんの甘い声。え?目を向けると、木刀の先で、胸をつつかれているアイズさん。
「グリグリしないでぇ~」
おへその辺りをグリグリされている。アイズさんの耳は紅く染まり、太股が震えている。
「イヤなら、避ける努力をしろよ!」
男性から怒号が飛ぶが、
「イヤじゃない…でも、みんなの前ではダメ…やめてください」
って…みんなの前では?って…って…二人ならいいのかな?えぇぇぇぇ~そういう関係なのか?エム奴隷調教の意味を知った気がした。
「ねぇ、教えてください」
少女に促されるが、アイズさんのことが気になる。
「そこは…つつかないで…あっ!」
両膝を地面に付けるアイズさん。木刀が手から落ちていく。目付きには、鋭さが無くなっている。
「少し休憩だ。クールダウンしておけ、アイズ!」
「はい…」
肩で息をしているようだ。こんなに疲れ切ったアイスさんは、初めて見る。気を取り直して、この隙に少女に詠唱方法を教えていく。彼女は、ポイントをメモしている。熱心だな。って、この子は誰なんだろうか?
「リトル、お前も休め」
「はい!」
彼女の声に反応したのか、放心状態に近かったアイズさんが、ヨロヨロと立ち上がり、建物の方へと歩いて行く。しかし、声に反応したのでは無かった。
「あぁ、じゃが丸君だぁ♪」
そう言えば、じゃが丸君の香りがしている。リトルと呼ばれた少女も、じゃが丸君へと走って行く。ふと、教本に視線を落として、裏表紙の裏を確認した。そこには、二人の名前が書かれていた。
『レフィーヤ・ウィリディス リヴェリア・リトル・ウィリディス』
と…え…?どういう事かな?何で私の名前が…そして、リヴェリアさんの名前も…いや、違う。姓は私と同じだ。あの子の名前が、リヴェリア・リトル・ウィリディス…だからリトルと呼ばれているのかもしれない。で、母親の形見って…あの子の母親って、私なの?え~!子供を産んだ覚えが無い。誰との子供なんだ?
「おい、お前!他人の物を調べる趣味があるのか?」
アイズさんをしごいていた男性に、見付かってしまった。
「これで、どういう意味ですか?」
「お前は知らなくていい」
「でも、私の名前が…」
「同姓同名だ。お前では無い。お前は処女だろ?子供を産める訳が無い。それとも処女懐妊したとでも言うのか?産んだ記憶が有るのか。どうなんだ?!」
出産した記憶は無い。いや、身籠もった記憶も無い…同姓同名なのか…
「うん?処女を捨てたいのか?相手をしてやろうか?」
彼が私に抱きついて来た。が、
「団長、やめてください…私が代わりに罰を受けますから…」
先程の少女が、処女喪失の危機から、私を助けてくれた。
「リトルを罰する訳ないだろ。僕の古い友人達の忘れ形見なんだから」
私を睨み付けて去って行く男性。その後をアイズさんが追っていった。
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ホームに生きて帰り、フィンさんに報告をした。
「うん?その子の名前は、リヴェリア・リトル・ウィリディスって言うのか」
「なんで、私の名前が付いているのだ?」
リヴェリアさんに訊かれた。しかし、今の私には答えは持ち合わせていない。
「レフィーヤと同姓同名の母親で、リヴェリアの名前かぁ…」
フィンさんが何かを考え込んでいる。
「可能性の話だが…まさかな…でも、これなら辻褄は合う。もしかすると、並行世界から来たのかもしれないな」
並行世界?
「そうか…それならあり得る」
リヴェリアさんは納得をしたようだ。
「並行世界って、なんですか?」
「こことは違う、この街の世界だよ」
うん?分からない…
「レフィーヤが誰かと結婚をして、子供を産んだ世界から来た、レフィーヤの子供の可能性があるんだよ」
私が誰かと結婚を…で、子供を…えぇぇぇぇぇ~!
「そうなると、時空を操れる神もいるのか。わかっただけで3柱いるのか、能力の制限をされていない神が、あのファミリアには…」
能力の制限をされていない神様…
「逆らうと危険だな。僕達なんか簡単に消されるぞ」
「そうなるな。神相手では勝て無い」
「レフィーヤは引き続き、探ってくれ。何の目的でこの世界に来たかを知る必要があるからな」
---シュウ---
豊饒の女主人で食事…ミアがおごってくれると言うので来たのだが…
「オーダーはどうします?」
シルがオーダーを取りに来た。う~ん…食べたいメニューが無い。リューの女体盛りなんて言ったら、ミアに殺されそうだし。
「シルにまかせるよ」
「あの~好みは…」
ここで、ティオナとか言ったら、ミアに殴られそうだ。
「焼きトウモロコシ…イカのゴロ焼き…」
シルは困った顔をする。
「ごめんなさい…メニューに無いんです…」
いや、知っているよ。
「だから、シルにまかせるよ」
シルの頭を優しく撫でた。すると嬉しそうにミアの元へと返っていった。好きな食べ物が無いから、ホームで自炊をしているのに…ミアは何をしたいんだ?
シルがやって来た。
「あの…焼きトウモロコシは料理では無いって…ミア母さんが…」
僕に取っては料理であるけど。
「で、イカのゴロ焼きって言う料理は知らないって…」
たぶん、この世界には無いだろうな。
「どうします?」
さっきから言っているオーダーを繰り返す。
「シルにまかせるよ。シルが僕に食べさせたい料理を頼めるかな?」
「はい♪」
これで、オーダーは通ったのかな?
「うん?貴様、どうして!」
誰かに声を掛けられた。入り口を見ると、フィン、リヴェリア、ティオネ、ティオナがいた。そういえば、ここって、ロキ・ファミリアの御用達な店だものな。
「あぁ、ジャマなんだな」
僕は席を立ち、裏口へと向かう。途中、厨房にいるシルとミアに声を掛けた。
「上得意様に毛嫌いされているから、帰るよ」
僕は裏口から出て、中庭を抜けてホームへと向かう。
「待ってください!」
シルが追ってきた。
「何か?」
「何で帰ってしまうのですか?」
「僕なんかより、上得意様を大事にした方がいいよ。ミアも喜ぶと思うし」
僕の背中に抱きつくシル。
「帰らないで…私の部屋で待っていてください。食事を運びますから」
って…う~ん…ミアに頼まれたしなぁ。
「わかった」
シルの部屋で食べることにした。店の2階に住居スペースが有る。そこのシルの部屋で待つことにした。でも、この部屋でシルは寝泊まりをしていない。孤児院を手伝う為に、そこで寝泊まりをしているのだ。なので、ここはシルが休憩時間に過ごすだけの部屋である。
---フィン---
僕達の姿を見て、店から出て行った彼。なんか、追い出した格好で申し訳ない。
「アイツは何者だ?」
リヴェリアは、彼が気になるみたいだ。
「神ではないと想うよ。アイズに、あんなエロいマネする神なんかロキくらいだろう」
と、ティオナ。アイズの出稽古を直で見た一人だ。アイズの剣筋を避けて、彼女の懐に入り、彼女の身体に悪戯をしていたそうだ。これは、レフィーヤの証言から事実のようだった。
「もし、神だとしたら、エロ神ですね、団長。まぁ、そんな神はいないだろうけど」
ティオネはそう言うけど。実際どうなんだ?アイズの剣技を交わして、懐に入るって、言葉では簡単であるが、実際にそんなマネは無理な気がする。神でも無い限り…
ふと、気づくとティオナとティオネの姉妹がいない。
「リヴェリア、ティオネ達は?」
「あれ?どこに行ったんだ?先に帰ったか?」
---シュウ---
シルの部屋に書き置きを残す。
『すまん、侵入者を見つけたので、帰る』
と。そして、ホームの中庭側の入り口の前に転移した。突然、僕が転移してきた事に驚く、侵入者達。
「なぁ、勝手に敷地に入るって、どういうことだ?」
侵入者は僕に対して格闘戦を挑んできた。僕は同じ土俵には載らない主義である。『脱衣緊縛』と『催淫』の術を発動させた。前者は全裸にして亀甲縛りをし、後者は5秒に1度のペースで絶頂へ導き、エナジードレンをするエロ系術式だ。
侵入者の歌声で、ホームから仲間が出て来た。
「シュウさん、どうしたのですか?」
深雪に訊かれた。
「店の裏口から侵入してきた輩を捕獲したよ。この為に、店に食事に来たのか?まったく、あのファミリアは禄でも無いなぁ」
「今に始まったことではないでしょ」
メイビスは冷ややかな言葉を吐いた。
「そうだね。どうするかな。廃人まで持っていくか?」
深雪の前でティオナを食するのは控えたい僕。
「そのまま、強制転移で良いんじゃないですか?」
深雪も少しキレ気味ではある。なので、ロキの部屋へ強制転移の刑を執行した。
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ごたごたをかたづけて、シルの部屋に戻ると、シルが寂しそうに体育館座りをしていた。
「すまない。緊急事態だったんだ」
僕の声に反応しない。拗ねているのかな?う~ん、どうすれば良いかな?僕に出来る事、僕にしか出来無いことを考える。そうだ♪
「シル、夜空を飛んでみないか?」
えっ!って表情で僕を見るシル。泣いていたのか、目の周りが腫れている。回復術で腫れを治す。
「飛ぶって?マジックですか?」
「タネは言わないよ。どうする?」
「お願いします♪」
シルを抱き寄せて、窓際に立ち、窓を全開にして、そこから飛び出す。飛び出すと同時に翼を展開して、上空を目指す。
「本当だ…飛んでいる…あれ?翼があるんですか?」
「タネは言わない。約束だよ、シル」
「そうでしたね♪」
月明かりの下、二人で空中散歩をする。泣き疲れていたのか、夜風が気持ち良かったのか、シルが寝てしまった。う~ん、そうだ。彼女の寝泊まりする部屋のベッドに、彼女を寝かせて、ホームへと帰った。ミアの店の休憩用の部屋にはベッドが無かったから。
---フィン----
豊饒の女主人のミアさんが、ホームに怒鳴り込んで来た。店の裏口から、敷地に侵入して店子を襲うとはどういうことだと。昨晩、アマゾネス姉妹がやらかしてしまった。ロキが代表して謝っている。それ以前にも、僕とリヴェリアの件、ベートの件もあったから。
「いい加減にしないと、出入り禁止にするよ!いいな、ロキ!」
ロキもタジタジの迫力でミアさんが、怒りを振りまいていた。ミアさんが帰った後、ロキから今度は僕達が怒られた。まぁ、しょうがない。無断侵入したのは事実だし。
問題はもう1つあった。アマゾネス姉妹を縛っている縄が、どうやっても外れないのだ。
「団長、見ないでください…恥ずかしいですわ」
って、ティオネ。全裸で手足の自由を完全に奪う縛り方。この世界では見た事がない。
「か、身体の芯が熱い…どうにかなっちゃうよ~」
ティオナの声は苦しそうで、弱々しい。
「どうするよ、フィン…」
リヴェリアが呟くように言った。彼女も妙な術を受けた感覚が蘇っているようで、顔も耳も真っ赤である。
「どうってなぁ…術を解いて貰うしか無いだろうな」
この縄って、たぶん術で縛ったんだと思う。だから、どうやっても外れないんだろう。
「はぁ…はぁ…謝罪しないとダメだな。はぁ…はぁ…」
息遣いの荒いリヴェリアが、苦しそうに言ってきた。う~ん、僕だけで行くか。アイズとレフィーヤは出稽古で、既にお邪魔しているし。
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例のファミリアのホームを訪れた。メイドさんが応対に出て来たので、主神に会いたいと伝えた。しばらくすると、女神が現れた。
「どういった御用件ですか?」
「昨晩の件を含めて、謝罪に参りました」
丁重に頭を下げる僕。
「はぁ?あなた方の主神は、謝罪に来ないのでか?そういうのは、心からの謝罪と言いがたいですね。お帰りください。それに謝罪なんて、望んでいませんので、今後も要りません。ただ、徐々に罰は重くなるとお考えください」
「せめて、彼女達の縛りを解いてくださいませんか?」
アマゾネス姉妹への罰の解除を懇願した。
「はぁ?謝罪が無いのに?う~ん、どうしましょうね。少しお待ちください」
女神は部屋から出て行った。もう一人の神に相談しに行ったのだろうか?しばらくすると戻って来た。
「3日くらいすれば、解除されるようです。なので、静観してください」
「あなたは、一体、何の神なのですか?」
「味方で無い者に、正体は明かせません。お帰りください」
次の瞬間、僕は僕達のホームにいた。なんだ?あの術は?