気づけばもう10月。周りの人が次々と大学入試へ行く中、一人で身震いしている今日この頃です。
自分も焦らないといけませんが、なるべく投稿スピードは落とさないようにします。
それでは、久々の駄文をどうぞ。
俺が幻想郷に召喚されて、白玉楼で従者として働くようになってから、一ヶ月が経とうとしていた。
俺は、この世界に満足している。
最初こそ遅かった仕事のスピードも今は格段に上がり、もはや部屋のインテリアと化していたフランベルジュで剣術の勉強など、自分の時間もとれるようになった。
買い出しで人里に行けば、
「天音ちゃん、今日のキャベツはオススメだよ!」
行けばべっぴんさんだからって言って大体まけてくれる八百屋のおじさんや、
「天音ちゃん、今日は何にするかい?」
行けばべっぴんさんだからって言って大体豚肉をサービスしてくれる肉屋のおばちゃんや、
「あーまーねーちゃーん!あーそーぼー!」
なんて言ってじゃれてくる子供たちとか、色んな人に親切にしてもらっている。
ありがたい。べっぴんさんじゃないけど。俺男だけど。
そんなこんなで、俺は幻想郷での生活を自分なりに楽しんでいた。
「あー…疲れた…」
ある日のこと。
昼食の後片付けを終わらせた俺は、自室の畳に身を投げる。
流石にちょっと働きすぎたらしい。
このまま夜まで寝てやろうか…なんて思って目を閉じる。
しかし、そんな期待が到底叶うはずもなく。
「天音さん、夕飯の買い出しに行ってきて欲しいんですけど」
「妖夢さん、あんたって人は……」
再び人里に降りる。
体が怠い。やっぱり疲れている。
何で妖夢はあんなに元気なのか不思議でたまらない。
「はぁぁ…」
「あまねちゃん、ためいきー」
「なにかあったのー?」
声に振り向くと、そこには人里の子供たち。
俺のため息を聞いていたらしい。耳いいなこいつら。
「大丈夫だよ。ちょっと疲れただけ」
「むりしちゃだめだよー?」
「…ああ、わかってるよ」
「ほんとかなー?」
「ほんとだって」
俺ってそんな信用ないのか?
「うーん…あ!そうだ!」
そう言うと、女の子がポケットをまさぐりだす。
「はい!これあげる!」
それは。
「…飴玉?」
「うん!これたべて、げんきだして!」
「…え?」
「あ、じゃあおれもおれも!」
「あたしも!」
子供たちが、俺を元気にさせようと、次から次へと物をくれる。
「何だい天音ちゃん、疲れてるのかい?そんな時こそ肉だよ!ほらこれ、持って行きな!」
「天音ちゃん、うちの野菜も持っていけ!疲れなんか一瞬で飛んでくぞ!」
そして子供たちの声を聞いたのか、八百屋のおじさんや肉屋のおばちゃんまでもが物をくれる。
「ぁ…」
その時、俺は気づいた。
これが、俺が今まで知らなかった、というより、昔の俺のままなら気づくはずもなかった、
「…ありがとう」
人の、温もりなんだということに。
「…拝啓、知りもしない両親へ」
「どこで何やってるのか、そもそもまだ生きてるのかすら知らないけど、お前ら元気にしてるのか?」
「俺は今、どこで何してると思う?」
「分かったからって探しに来られても困るけどさ」
「…俺は、お前らが憎いよ」
「正直、殺してやりたいくらいだ」
「でもな」
「お前らが俺を捨てなきゃ、俺はこの世界に来られなかった」
「お前らが俺を捨てたおかげで、今こうして楽しい人生を送ってる」
「だから、そういう面では」
「捨ててくれて、ありがとう」
「だけど、捨てるのは俺で最後にしろよ」
「これからは、真っ当な人生を歩んでくれ」
「じゃあな」
「…ああ、最後に」
「俺を産んでくれて、ありがとう」
空に向かって呟く少年の姿を、
「…天音さん」
妖夢はただ一人、ずっと見守っていた。
ここ最近、気温の上がり下がりが激しいですね。
皆さんどうか体調には十分に気をつけて…。