もう片方は夏辺りにでも公開予定なのでおまちくだせぇ
ウロボロスが進化している。
突然集められた風紀委員会のメンバーは、前置きもなくそう告げられた。
長い期間をかけて収集したウロボロスの解析結果から、ここ数ヶ月でウロボロスが急激に進化しているのだという。
白の世界の研究員や黒の世界の魔女など、解析、研究に参加した者たちはみな同意見であった。
「最初期……ウロボロスの存在が確認された時点では、奴らは精々物理的な攻撃を仕掛けてくる程度だった。それが、最近では特殊な能力を持った個体なども観測されている」
研究員の代表として立っているDr.ミハイルは、そう語り始める。
「一番わかりやすく、君たちの記憶にも新しいのは『逆リンク』を行った個体だろう。あれも、ウロボロスの進化の結果と言える」
αドライバーを奇襲によって捕縛、そのαドライバーとリンクを行ったプログレスの精神に影響を与え、闇堕ちさせる。
数ヶ月前に、青蘭学園の主力プログレス達が苦しめられたそれも、ウロボロスが進化しているという証拠。
「そして今回、恐らくはそれに近しい、それでいて強力な能力を持ったウロボロスが現れた可能性が高い」
「そのように考える理由は?」
ただ黙して話を聞いていたメンバーから質問が投げられる。
「先日、ウロボロスが多く目撃されている地点へ数名のプログレスが派遣された。そのメンバーのうち『正常な状態で帰還した』メンバーからの証言、及び『帰還することは出来たが正常な状態ではなかった』メンバーの検査の結果を合わせて推測した」
「正常な……状態?」
誰かが、独り言のように疑問をこぼす。
室内がざわめきに満ちる。
「派遣されたのは三名。そのうち、後方支援を担当していたプログレスのみが正常な状態だった。その証言によると、そのウロボロスと対峙したその瞬間から、前衛二人の戦意が喪失。その場にへたり込み武器を手放したそうだ。その時点で異常を察知して、後衛プログレスが二人を連れてなんとか帰還した。だが、依然として影響を受けた二名は普段とは違う様子だという」
「具体的にはどのような状態なのでしょう?」
「そうだな……もっとも簡潔に、わかりやすく説明するなら『発情している』状態だろう」
あまりに予想外なその説明に、室内のざわめきが大きくなる。
ほのかに頬を赤らめている者もいた。
「恐らくは精神干渉系の能力。しかも、その時の状況から鑑みるに、前回のように『下準備』が必要ないと考えられる」
下準備というのは、αドライバーを捕縛する、という一手間のことだろう。
前回はαドライバーを捕縛する必要があったが、今回はそのような準備が必要ない。
しかも、かなり即効性があるようにも考えられる。
「この存在は驚異だ。対処法を早急に見つけ出す必要がある。ーーアウロラ」
「はい」
名を呼ばれた、赤の世界の女神ーーアウロラがその場で立ち上がる。
「一通り検査の結果は見てもらったが……いけそうか?」
「ええ、問題ないと思うわ。ただ、このレベルの精神干渉を防ぐ結界となると、範囲展開は難しいから、私個人にしか効果は与えられないと思うの」
「となると調査チームの編成も難しいか……」
アウロラの持つエクシードは防御特化であり、こういった未知の相手の調査をしなければならないときは非常に有用である。
しかし、現時点の情報だけでも、アウロラは自身を守るので精一杯だという。
アウロラが自身の持つ力を全てその結界に使用すれば守れないことはないだろうが、そうもいかない。
アウロラの力の大部分は、青蘭島全域を守護するための結界を維持するために使われている。
「一度、私だけで様子を見てきます。実際に見てみないと、正確にはわかりませんから」
「大丈夫か?」
「あのレベルでしたら、私一人だけなら問題ないです」
「……了解した。ただ、無理だけはしないこと。想定外があれば、なによりも離脱を優先するんだ」
「わかりました」
一先ず、アウロラの調査結果を待つ。
それだけが決まり、その場は解散となった。
ーー青蘭島某所
「ここかしらね」
ミハイルから受け取った地図を頼りに、アウロラはウロボロス目撃地点へとやってきた。
物理干渉と精神干渉、両方を防ぐための結界を自身に施し、単身で。
その地点にあったのは、小さな小屋だった。
丸太を組み合わせて作ったコテージのようなもの。かなり老朽化が進んでいるようだった。
「こんなところにウロボロスが……?」
今までにも、建物を住処とするウロボロスは複数確認されていたが、そのどれもコンクリート造りのあまり老朽化していない建物だった。
警戒しながらも、アウロラは建てつけの悪い扉をソッと開いた。
ギィ…………と木造ならではの音を立てて扉が開く。中を覗き込んでみるが、何の気配もない。
「気配は……ないみたいね」
気配はないが、警戒を解くことなく慎重に建物の中へと歩を進める。
床を踏みしめるたびに、ギシギシと音がなった。
「床が抜けないか心配になるわね……」
事実、まわりにはいくつも床が抜けている部分があった。
アウロラが踏みしめた瞬間にその場所が抜ける可能性も高い。
一歩踏み出す毎に、床が抜けないか確認するように少しずつ体重をかけていく。
アウロラは一際大きな穴のそばにしゃがみこみ、その大穴を覗き込んだ。
「暗くてよく見えないわね……」
穴の中は暗闇が広がるのみで、何一つ見えない。何かいるかもしれないという心配からの行動だったが、これでは何かいたとしてもわからない。
一つ小さい溜息をついて、アウロラは立ち上がった。と、そこでアウロラは気付く。
「辺りが暗くなって……まさか!?」
最悪の事態に思い至り、弾かれるように窓の外へと視線を向ける。
先程よりも圧倒的に暗くなっている景色。
目を凝らせば、肉のような質感の壁が見えた。
どの方向を見ても、同じような壁が存在していた。
「いつのまに……」
普段であればエクシードを使って穴を開ければ問題ないのだが、あの壁が例のウロボロスと同種であった場合、結界を解くのは危険過ぎる。
結界を維持しながらでも出せる攻撃で、自身が通れるほどの穴を開けられるかは正直わからなかった。
(この規模の壁なら、青蘭学園からでも見えるはず……応援が来るのを待つのが正解かしら?けれど、応援のプログレスが精神干渉を受けてしまう可能性も捨てきれない……)
顎に手を当てた格好で思案するアウロラ。
しかし想定外の事態であった上に結界を張っていたとはいえ、油断しすぎた。
バキバキ、という音と共に床が抜け、アウロラの身体が一瞬宙に浮く。
と同時に床下から無数の触手が現れた。
「困ったわね……どうしようかしら……」
それでもアウロラは焦ることすらなく、触手の上に着地して思案を続ける。
アウロラに群がろうとした触手は、アウロラに触れる直前で強く弾かれ、触れることすら許されなかった。
念のために張っていた対物理干渉結界が役に立った形だ。
(ひとまず応援を期待するしかなさそうかしら……結界の維持なら数日は問題ないし、この量のウロボロスを一人で相手取るのは無謀ね)
幸い、精神干渉も物理干渉も今の結界で対処出来ている。
これなら駆逐するのは無理でも負けることもないだろう。という考えのもと、アウロラは本来の任務であったウロボロスの調査のために観察を始める。
(形状は触手型……見た目の質感は生物に近い感じね。この無数の触手はまとめて一体の個体なのかしら……それとも別々の個体?)
近くまで顔を寄せて触手を観察していく。
赤黒い触手は時々脈を打ち、表面からは透明な粘液が分泌されていてヌルヌルとしているようだった。
結界を張っている状態では実際に触れることはできないが、触れたくないと思わせる見た目をしている。
(触手は色々な形状があるみたいだけれど……なにかしら、少し変な気分に……)
触手を見ていると、なんだか変な気分になってくる。
(!?いけない、今の感覚……精神干渉の影響が出てる……!?)
自分の感じてしまった違和感に気付き、気を引き締めるアウロラ。
想定よりも精神干渉が強かったのだろう。
少しずつでも影響が出始めたのなら、一刻も早くこの場を離脱しなければならない。
しかし、建物周辺はウロボロスのものであろう壁に包囲され、アウロラ自身は建物の地下に落ちてしまった上で触手に群がられている状態である。
この状態から離脱するのは難しい。
アウロラが離脱方法を思案していると、目の前に一本の触手が現れた。
他のものより太く、アウロラの顔ほどの太さ。さらに先端は球体を半分にしたような、丸さを帯びていた。
(なにかしら……他の触手と違って、私に触れようとはしない……?)
他の触手との挙動の違いが気になり、アウロラは警戒。目を離さないようにすることにした。
すると、触手の丸みを帯びた先端部に切り込みのような線が横向きに入っていき、表皮が上下に開いた。
それは、人間でいう「瞼」だった。
開かれた表皮の下から現れたのはギョロリとした目。
触手の挙動を注視していたアウロラは、触手と目を合わせてしまった。
「…………!!」
アウロラの身体が大きく跳ねる。
声にならない悲鳴のような音とともに、アウロラは絶頂した。
何が起きたかわからぬまま、アウロラは身体を痙攣させる。
「どう、して…………?」
脚の力が抜けてその場にへたり込み、疑問をこぼす。
なにもされていない。ただ目が合っただけだ。
それだけなのに、アウロラはイかされた。
疑問と動揺。
それによってもたらされた隙はほんの少しであったが、致命的なものでもあった。
「やっ…………!」
アウロラの身体に触手が絡みつく。
絶頂によって集中を乱されたその一瞬で、結界に綻びが生じてしまっていたのだ。
一度接触を許してしまえば、もう結界を張り直しても手遅れだ。
アウロラは物理干渉に関しては既に手遅れだと判断し、精神干渉の結界のみに絞り込んで張り直す。
物理干渉対策に割いていた力も加わり、より強力な結界とし、さらにその余力で触手の対処をする。
その予定だった。
「んっ……はぁっ……!」
触手はアウロラの豊満な乳房に巻き付くと、揉みしだくようにウネウネと動き始める。
絶頂直後であるアウロラには、それだけの刺激ですら強烈な快感となる。
エクシードを制御するために集中しなければならないのに、強すぎる快感が集中を阻害する。
このままではマズい、となんとか集中しようとするアウロラの眼前に、さらに多くの触手が迫り来る。
「ちょ、ちょっと待って……?それ、どうするつもり……?」
触手がアウロラの衣服をズラして秘部を露出させる。
絶頂、そして乳房への責めによって、アウロラの秘部はグッショリと濡れていた。
その秘部に向けて、一本の触手が迫っていく。
「んぅっ……!」
秘部を弾くように触手に擦られ、甘い声が漏れる。
更に、別の触手も近付いてくる。
細くはあるが最初のものと同じように先端に目玉があるもの。
触手の目玉に見られている部分が、徐々に熱を帯び始める。
(なに、これ……あの目に見られたところが、熱くて……疼く……)
先程のこともあるため目を合わせないように注意していたが、目を合わせなくても影響はあるらしい。
気付けば目玉触手は何本もアウロラの周りに群がっており、アウロラの身体を舐め回すように見つめている。
「や……そんなに、見ないで……」
身体中が熱くて仕方ない。
アウロラは触手に拘束された身体をくねらせる。
視線が集まる部位ほど熱く疼いてくる。
(いや……見られているだけなのに、こんなに身体が熱くなってくるなんて……まるで変態じゃない……)
そうは思うが、アウロラの身体と精神は確実に疼きに侵食されていく。
一度触れられた後、まるで触れられていない秘部が触りたくてしょうがない。
そんなアウロラの思考を読み取ったのか、ブラシのように細い触手がビッシリと生えた平たい形状の触手が現れる。
ブラシ触手はゆっくりとアウロラの秘部へと近づいていった。
粘液でテラテラと光を反射するその触手を見て、アウロラは生唾を飲み込む。
「んぅぅぅぅぅぅぅ!」
軽く撫でるように、ブラシ触手がアウロラの秘部に触れる。
その瞬間、アウロラの頭の中に火花が散ったような感覚が走った。
一瞬の絶頂。しかしそれは、先程のものとは違う物理的刺激による絶頂であり、全く別物であった。
アウロラは身体をビクビクと断続的に跳ねさせ、それに合わせるように潮を吹き出す。
「はぁ……すご、い……」
完全に脱力し、全体重を触手に預けるアウロラ。すでに結界は消滅していた。
視界の隅で何かが動くのに気付き、アウロラは顔を上げる。
そこにあったのは、最初の一際太い目玉触手。
アウロラは再び、それと目を合わせてしまう。
「あ……ああ……!」
目を合わせた瞬間、力の抜け切った身体が再びガクガクと痙攣する。
すでにグショグショに濡れていた秘部からはブシュブシュと音を立てて潮を吹き出した。
(ダメ……結界が消えてるのに、そんなに見つめられたら……!)
アウロラの表情が蕩けていく。
思考すらも蕩け、塗りつぶされていく。
身体が疼く。快感が欲しい。もっとイきたい。
(ダメ……ダメよ……!こんなこと、考えちゃダメ……なのに……!)
なんとか耐えようとするアウロラだが、結界無しの精神力勝負では耐えきれるものではなく、耐えようとする思考すら掻き消えていく。
(欲しい……ずっと疼いたままのアソコに……!)
すでにアウロラは快楽を得ることしか考えられなくなっていた。
先程から定期的に弄られている秘部が疼いて仕方ない。
自分で触れようにも、手は触手に拘束されたままで自由に動かせない。
と、そう思っていたそのタイミングで、触手の拘束が緩まる。
アウロラを座り込ませるように、ゆっくりと身体を降下させていき、完全に座り込んだところで触手がアウロラから離れる。
(身体が自由に……!これなら逃げられる……!)
脱出の好機になんとか少しだけ戻ってきた理性がそう叫ぶ。
しかし、身体はアウロラの考えとは真逆の行動をとった。
「ん……!」
アウロラは左手で自分の胸を、右手で秘部を慰め始める。
躊躇うことなく指を挿入してかき回し、乳首をクリクリと強く摘む。
そこから与えられる快感は、戻ってきた理性をいとも容易く押し流した。
アウロラは、もう快感を得ることしか考えられなくなっていた。
(ダメ、足りない……もっと、もっと奥まで欲しい……!)
指で届く範囲では満足できない。
更なる快感を求めるアウロラは、視界の隅に捉えた触手に手を伸ばす。
その触手は、表面にいくつも細いスジのようなものが付いていた。
アウロラが握った瞬間、そのスジが開きいくつもの目が現れる。
ギョロリと見開かれたその目は、アウロラのことを一瞥するとすぐに閉じられた。
「これ、を……!」
アウロラが触手を秘部のすぐ近くまで近付けると、そのまま触手が秘部に滑り込む。
アウロラの処女膜を容易く突き破り、鮮血を迸らせる。
「あ……はぁ……♡」
にも関わらず、アウロラの表情に苦痛は見られない。ただただ恍惚の表情を浮かべている。
挿入しただけで、軽く絶頂を迎えたようだ。
けれど、それで終わるはずはない。
「あ……あああ、あっ、あっ……!」
突然、アウロラの身体が大きく痙攣する。
弓なりに身体を反らせ、吐ききった空気を求めるように舌を突き出した無様な姿は、普段の落ち着いた雰囲気からは想像もつかない。
何が起きたか。単純なことだ。
触手の表面にいくつもついていた目が、膣内で一斉に開かれただけ。
見た部位の感度をはね上げる視線を膣内にいくつも受け、触手が動くまでもなく、アウロラは絶頂状態から降りてこられなくなっている。
「……………っ!!あ、が……」
そんな状態だというのに、触手は無情にもピストン運動を開始する。
頭の中で何かが弾けるような感覚がして、声にならない声を上げる。
『気持ちいい』ということしかわからない。ただそれだけが、アウロラの頭を支配していた。
「……っ、おぉ……あ……!」
突然勢いよく触手が引き抜かれる。
それと同時に、アウロラは激しく潮を噴いた。数メートルは噴き出しただろう。
潮を噴き終えたアウロラは力無くその場に手足を投げ出す。
激しい絶頂の余韻で、その身体は未だピクピクと痙攣している。
「はぁ……あ……気持ち、いい……♡」
アウロラの表情は、女神のものとは思えないほどに蕩けている。
すでに逃げようという考えは消え去っているようだ。
「もっと……気持ちよく、して……」
愛しい我が子を撫でるかのような優しさで、アウロラは側にある触手を撫でる。
いや、今のアウロラにとってこの触手は、実際に愛しい存在になっているのだ。
触手はアウロラの求めに応えるように、再びアウロラの身体に巻き付いていく。
「ぁん……♡」
脚、腕、胸……
身体中を触手が這い回り、その摩擦刺激すら激しい快感となる。
気が付けば、アウロラの身体は触手の海に腰まで埋まってしまっていた。
下半身には、常に触手が擦れる快感が走り続ける。
「気持ち、いい……もっと、もっと……」
アウロラは自ら触手の海に身体を埋めていく。
腕が飲み込まれ、胸が飲み込まれ……
そしてついに、頭までもが触手の海に沈んだ。
全身に満遍なく、容赦なく与えられる快楽刺激に、アウロラは恍惚の表情を浮かべた。
これからどれほどの快感を得られるのか、その期待感に満ちたその表情は、元のアウロラを知っている者からすれば見るに耐えないものだろう。
それでも構いはしない。
その表情を誰かに見られることはないのだから。
青蘭島の端、森の中にある小さな小屋には、アウロラのくぐもった喘ぎ声が響き続けた。