今回からリリンク次元準拠の話になってきます。
1発目はせっかくなので新キャラからヒメガミノミコト様。
可愛いよヒメ様。ヒメ様可愛い。
人の縁というものは、奇妙なものだ。
初対面の者同士でも簡単に打ち解けられる、そんな事もあれば、長年付き添った者同士でも突然縁が切れる事もある。
(だから、面白いのだけど)
青蘭学園のカフェテリア。
その片隅にある席で、1人の少女が微笑む。
学園のカフェテリアにはおよそ似つかわしくない、イブニングドレスのような赤い衣装に身を包んだ金髪の少女。
青蘭学園生徒会の長であり、赤の世界テラ・ルビリ・アウロラにおける七女神の一柱。
人と人との『縁』を司る女神──ヒメガミノミコト。
ヒメガミノミコトは普段多忙を極めているが、暇を見つけてはこうしてカフェテリアでお茶をする事がある。
生徒会長としてではなく、一生徒としての視点で生徒達の生活を観察しているのだ。
「かいちょー」
そんな彼女にかけられる、なんとなく間伸びしたような声。
その声を聞いて、ヒメガミノミコトは小さく溜息をついた。
声の主は、濃い緑を基調とした軍服を着た銀髪の獣人──ナクル=クルルシファー。
生徒会の一員で、カフェテリアで休息を取っているヒメガミノミコトを呼びに来るのは大抵が彼女だ。
「かいちょーにお客さんですよー。センパイ達が生徒会室で待ってますー」
「ああ、ありがとう。すぐに向かうよ」
残っていたコーヒーを飲み干すと、ヒメガミノミコトは立ち上がり生徒会室へ向かう。
◇◆◇◆◇◆
生徒会室に辿り着いたヒメガミノミコトを待っていたのは、1人のαドライバーと数人のプログレス。
「突然お呼び立てしてすみません。火急の用件でしたので」
そのうちの1人である白の世界のアンドロイド──ユーフィリアが頭を下げる。
その様子を見て、ヒメガミノミコトはその用件が何なのかを察した。
「……ウロボロス、かな?」
「はい」
ウロボロス。
ユーフィリア達が秘密裏に戦い続けていた、正体不明の生命体。
1日を閉ざしループさせる力や、時間の狭間に潜む能力を持っており、主に夜中に行動する。
正体不明の侵略者という存在はそれだけでパニックの元となるため、対処をするごく一部の生徒以外には存在すら明かされていない。
「昼間に何度か、時空の歪みを観測しました。以前一度あった、活動が夜に限られない個体のようです」
「なるほど。それで生徒会の協力を仰ぎたいということかな?」
「はい。ウロボロスのものと思われる反応の観測場所がアリーナ近辺に集中しているため、私たちだけで対処するより良いと判断しました」
「確かに、情報統制上もその方がいいかもね。対処に当たる際は人払いをしておけるし」
話し合いの結果、放課後に対処をする事に決定。
授業が終わり次第、全員アリーナに集合する事となり解散となった。
◇◆◇◆◇◆
放課後、アリーナ。
生徒会の権限でアリーナへの出入りを制限し、昼間のメンツが集まった。
「みなさん、準備はいいですか?」
集まったメンバーの顔を見渡して、ユーフィリアが訊ねる。
その問いかけに、全員が真剣な表情で頷いた。
ユーフィリアがαドライバーとリンクし、エクシードを虚空へ向けて放つ。
「⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎ー!!!」
何もない場所にヒビが入り、何者かの絶叫が響き渡る。
全員が気を引き締め、ヒビに向き合う。
ヒビが少しずつ広がり、その先から紫色の体色をした人型の巨体が現れた。
「来たね。まずは動きを止めようか。──『織の檻』!!」
ヒメガミノミコトのエクシードにより生み出された無数の糸がウロボロスの身体を縛り付ける。
動きが鈍ったウロボロスへ、各自エクシードによる攻撃をぶつけていく。
慣れたものだ。
以前戦った上位個体ほどは戦闘力が高くないのか、圧倒しているように思える。
これならば、それほど苦戦する事なく片付くだろう……そう思っていた。
「……!? ヒメ会長、左っ!!!」
誰が叫んだのか。
その声に反応してヒメガミノミコトが左に視線を向けた瞬間、視界を埋め尽くすのは紫色の肉。
「2体目……!?」
咄嗟に糸をかけ合わせて盾とするが、衝撃を殺し切ることは出来ず、ヒメガミノミコトの身体が吹き飛ばされる。
「ヒメ会長っ!」
「くぅ……!」
アリーナの壁に向けて吹き飛ばされるヒメガミノミコト。
その進行方向でも、空中にヒビが入る。
「まさか……!」
このままではまずい、とヒメガミノミコトはエクシードの糸を何処かに繋げて身体を支えて止めようとしたが、少しだけ遅かった。
ヒビから紫色の腕が伸び、ヒメガミノミコトの左腕を掴む。
「3体目……!」
これはやられる。
完全に相手の間合いで、片腕を封じられている。
直後に来る攻撃に備えていたヒメガミノミコトは、次の瞬間のウロボロスの行動に驚愕した。
ウロボロスはあろうことか、ヒメガミノミコトの腕を掴んだままヒビの中──時間の狭間へと戻っていく。
「嘘でしょ!?」
時間の狭間に引き摺り込まれる。
なんとかウロボロスの腕を振り払おうともがくヒメガミノミコトだったが、単純な力比べではウロボロスに敵わない。
他のメンバーもヒメガミノミコトをなんとか救出しようとしているが、他の2体のウロボロスに妨害され中々辿り着けないでいた。
そして遂に、ヒメガミノミコトの身体が空間の裂け目を越える。
徐々に裂け目が塞がっていき、アリーナの景色が消えていく。
「そんな……」
裂け目に向かって伸ばされたヒメガミノミコトの右腕の先で、裂け目が完全に閉じ切り、周囲が暗闇に包まれた。
絶望感が押し寄せる。
いかに女神といえど、つい先日まで存在すら知らなかった時間の狭間からの脱出方法などわかる訳もない。
目的を果たしたからか、ウロボロスはヒメガミノミコトの腕を解放する。
ヒメガミノミコトはその場で立ったまま、周囲を見回す。
何も見当たらない。
ただただ黒いだけの空間に、ヒメガミノミコト本人と1体のウロボロスのみが存在している。
「これは……本格的にマズイかも」
ヒメガミノミコトは人との縁を線として見ることが出来る。
しかし、ヒメガミノミコトと他のメンバーを繋いでいた縁の糸を見ようとしても一切見えない。
完全に隔離された空間。
ということは、アリーナにいるαドライバーとリンクすることも出来ないという事だった。
エクシードを発動して糸を生み出し、ウロボロスと向き合う。
ヒメガミノミコトの頬を、冷や汗が伝っていく。
リンク無しで、たった1人で、ウロボロスと戦えるのか。
「⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎ー!!!」
ウロボロスが雄叫びを上げる。
ビリビリと空気が震える。
突進をなんとかかわし、すれ違い様にウロボロスに糸を絡み付けた。
突進の勢いそのままのウロボロスを糸で締め付けていく。
「おっも……!」
その勢いで身体ごと持っていかれそうになる。
しかし勢いがついていた分、ウロボロスへの締め付けも強くなる。
ウロボロスの身体が悲鳴を上げる。
今しかないと、ヒメガミノミコトは糸を手繰り寄せて締め付けをさらに強めようとする。
と同時、ウロボロスが引っ張られる力を利用してヒメガミノミコトへと肉薄した。
「しまっ!?」
次の瞬間には、ヒメガミノミコトは地面に組み伏せられていた。
覆いかぶさるような体勢のウロボロスは、ヒメガミノミコトを見下ろす。
殺されるかと思っていたヒメガミノミコトは、ウロボロスの身体に起きていた変化に気付き、驚愕した。
「う、嘘だよね? それ……そんなはず……」
視線が注がれているのは、ウロボロスの脚と脚の間……股間部分だった。
体色と同じく紫色をした肉の棒が、そこに存在していた。
それはどう見ても、人間の男性器そのものであった。
ヒメガミノミコトは考えていた。
ウロボロスが何故、わざわざ時間の狭間に引き摺り込んだのか。
最初に考えついたのは、確実に各個撃破する為というもの。
次いで、αドライバーとのリンクを阻害する為。
どちらも正解ではあっただろう。
しかし、核心ではなかった。
「いや……やめて……」
繁殖。
ウロボロスがどこから生まれてくるのかも不明だったが、恐らくはそういうことだろう。
他の種と性行為をし、繁殖する。
その邪魔をさせないために、こうして時間の狭間へとヒメガミノミコトを引き摺り込んだ。
ウロボロスが乱雑にヒメガミノミコトのドレスを引きちぎる。
ヒメガミノミコトの艶かしい肢体が真っ黒い空間に晒された。
一回りも二回りも大きい体格のウロボロスの巨大な生殖器が、過去に誰も犯したことのない女神の聖域へと当てがわれる。
「だめ、そんなの入るわけない……」
ヒメガミノミコトの声が震える。
実物の生殖器を初めて見るヒメガミノミコトでも規格外だということがわかる大きさ。
とてもそれが自身の身体に入るとは思えなかった。
しかし当然、ウロボロスがそんなことを考慮してくれるわけがない。
ウロボロスが腰に力を入れる。
まだ濡れてすらいないヒメガミノミコトの秘裂を押し広げていく。
「う……ぁぁ……」
少しずつ、少しずつ。
身体の中に異物が入り込んでくる初めての感覚に声が漏れる。
やがて、「何か」に遮られて進行が止まる。
「やめて……それ以上はダメ……!」
震える声で抗おうとするヒメガミノミコトの事は意に介さず、ウロボロスは勢いをつけて腰を突き出した。
ブチ、と嫌な感触と共に走る鋭い痛み。
「ったぁ……」
ヒメガミノミコトとウロボロス、その結合部から赤い液体が流れ落ちる。
穢れなき女神が、穢されてしまったことを示す一筋の赤い線。
「うぅ……うご、かないで……いた、い……」
「⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎」
目に涙を浮かべるヒメガミノミコトの目の前で、のっぺらぼうのようだったウロボロスの顔の一部が横に裂け、口のようなものが現れる。
歪な歯が並んだその口からぬるりと長い舌が伸び、ヒメガミノミコトの口へと滑り込んだ。
「んむ……いやぁ……ひもち、わるい……」
ウロボロスの舌がヒメガミノミコトの口内を舐め回していく。
キスすら未経験の女神にとって堪え難い不快な感触に、さらに涙が溢れてくる。
しかし、舌が引き抜かれてすぐにヒメガミノミコトの身体に異変が起こった。
「んんぅ!? んっ……んぅ!」
先程まで痛みと不快感に苦しんでいた身体が、ビクンビクンと痙攣を始めた。
ウロボロスの唾液に、催淫成分が含まれていたのだろう。
気付けば、ヒメガミノミコトの秘裂は破瓜の雫とは違う透明な液体でグショグショに濡れていた。
「なん、でぇ……! 急に、きもちよく、なって……」
ヒメガミノミコトの身体は、確かに快感を得ていた。
それも暴力的なまでに強い快感。
穢れ知らずの女神には処理することすら困難なほど強烈なその感覚に、ヒメガミノミコトの身体は幾度もの絶頂を経験した。
「しらな、い……! こんなの、知らないぃ……!」
未だ、ウロボロスは挿入した状態から動いていない。
それでも絶頂を迎えてしまうほどの快感だった。
「まって、いま、動いちゃ……」
そんな状態でもあるにも関わらず、ウロボロスが腰を引き始める。
膣内に与えられる摩擦刺激が更に強烈な快感をヒメガミノミコトを流し込み、責め立てる。
「んぁっ……あぁぁぁ……♡」
ウロボロスの生殖器が抜けていく。
本来なら破れた膜の傷口が擦られ、痛みを感じることだろう。
しかし、催淫成分のおかげでヒメガミノミコトが感じるのは紛れもない快感。
だが、この快感はまだ始まりに過ぎない。
ギリギリ抜けきらない程度のところまでウロボロスの生殖器が抜ける。
そこで一度ウロボロスの動きが止まった。
ヒメガミノミコトは、その時少しだけ安心した。
暴力的なまでの快感が一瞬だけ和らいだから。
その次の瞬間の衝撃など、ヒメガミノミコトには予想出来なかったから。
「⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎ー!!!」
ウロボロスが咆哮と共に、腰を思い切り突き出した。
「っ…………はっ……」
巨大な生殖器がヒメガミノミコトの奥の奥、子宮口まで力任せに叩きつけられる。
内臓全てを一度に殴られたような衝撃に、ヒメガミノミコトの口から空気が漏れた。
その瞬間、ヒメガミノミコトはたった一度の衝撃で複数回の絶頂を迎える。
「お、おぉ……」
ガクガクと全身が痙攣する。
ヒメガミノミコトは口を半開きにしたまま、虚な目で虚空を見上げていた。
それでもウロボロスは止まらない。
またギリギリまで引き抜き、奥まで叩きつける。
「んおぉっ♡ おかしっ、からだ……おかしく、なるぅ……♡」
激しい抽送で結合部に泡が立っていき、グチャグチャと音を立てる。
自分の身体が思い通りになってくれない。
感じたくないのに感じてしまい、抵抗したいのに抵抗出来ない。
ヒメガミノミコトは、自身の身体が知らない感覚に支配されていくような気がした。
「⬛︎⬛︎⬛︎っ!」
もはやされるがままのヒメガミノミコトの上で、ウロボロスが短く声を上げ、抽送を速める。
それが意味することを、ヒメガミノミコトは本能で察する。
「や、あぁ……! 出し、ちゃ……だめぇ!」
抵抗しようと身体を動かそうとするが、思うように動かない身体では何の意味もなさない。
ウロボロスは更に抽送を速めていく。
「⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎ー!!!」
一際大きな雄叫びと共に、ウロボロスはこれでもかというほど腰を突き出す。
ヒメガミノミコトの身体の最奥、子宮口に生殖器を密着させたまま、ウロボロスは白濁液を放出した。
「ん、うぅぅぅぅぅぅぅ!!」
快感に蕩け、開き気味になった子宮口を容易く突破したウロボロスの精液が雪崩れ込み、子宮内を暴れ回る液体の刺激によってヒメガミノミコトは今までで一番大きな絶頂を迎える。
あまりに多いウロボロスの精液は、子宮内に収まりきらずに結合部から溢れ出していく。
「あ…………」
その時、ヒメガミノミコトは気付いてしまった。
気付きたくなかった事実に。
ヒメガミノミコトとウロボロスの身体を繋ぐように、太い線が1本、伸びていた。
それは紛れもなく、ヒメガミノミコトの権能によって見ることの出来る『縁の糸』だった。
(私と、ウロボロスの間に……こんなにも太い縁が……)
繋がってしまった。
物理的にだけでなく、『関係性』そのものが。
その事実に気付いてしまった事で、ヒメガミノミコトの中で一種の諦めが生まれてしまった。
(これが、私の『運命』だったのかな)
ヒメガミノミコトは運命というものを信じている。
それゆえに、このどうしようもない状況、手遅れになってしまったという証たる『縁の糸』を見て、そう思ってしまったのだ。
心の中に諦めが生まれれば、そこからはもう堕ちていくだけだった。
数分責められてしまうだけで、ヒメガミノミコトは自ら快楽を求めるようになってしまった。
「んあぁ♡ そこっ♡ いいよ、もっと……♡」
幾度も奥を突かれ、トロトロに蕩けた表情になったヒメガミノミコトは、自ら腰をくねらせて最も気持ちの良い刺激を受けようとしていた。
それに応えるように、ウロボロスは腰を動かし続ける。
「んうっ♡ また、クるぅ……♡」
何度目かも分からない絶頂。
その瞬間、それまでとは異なる事象が起こる。
「ふぇ……? これっ、て……」
ヒメガミノミコトの白い指先から、緑色の糸のようなものが放出される。
エクシードの暴発。
意図せず発動されたエクシードは、何をするでもなく空中を漂っている。
「⬛︎⬛︎⬛︎」
空中を漂うエクシードの糸を、ウロボロスが掴んだ。
すると、ウロボロスに握られた部分から順に緑色の糸が紫色に染まっていく。
「な、なに? なにこれ……」
やがて全てが紫色に染まると、ヒメガミノミコトの意思に関係なく糸が動き出す。
まるでウロボロスの意思で動いているように、ヒメガミノミコト自身の身体に絡みついていく。
「んあぁ♡ どう、して……?」
肌に食い込む糸の感触すら快感を覚えるヒメガミノミコト。
さらに、汚染されたエクシードの糸はまだ触れられていなかった胸への愛撫を行う。
ピンと主張していた乳首に巻きつき、豊満な乳房を乳搾りをするように揉み、ヒメガミノミコトへ新たな快楽を与える。
「ん、んぅ……♡ むね、きもちぃ……」
糸が触れている部分がじんわりと熱を帯びてくる。
ウロボロスに汚染された事で、エクシードの糸にすら催淫効果が付与されたようで、全身の性感がどんどん高まっていく。
「どんどん気持ち良くなって……こんなの、ホントにおかしくなりそう……」
ウロボロスはヒメガミノミコトの全身を汚染糸で絡めとると、糸を握って引き寄せながら抽送を再開する。
奥に入れられた衝撃で少し離れ、糸によって引き寄せられる事でまた奥まで捩じ込まれる。
「んんっ♡ んあぁっ♡ はげしすぎ、よ……♡」
「⬛︎⬛︎⬛︎っ!!」
「また、出るの……? んうぅ♡ いい、よ。また、んんん♡ 中に……♡」
縁の糸が結ばれたからか、ヒメガミノミコトはウロボロスの言葉を理解していた。
その上で、自ら望んで膣内射精を促した。
「⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎ー!!」
「んうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
そして再び奥へ吐き出される大量の精液。
既に精液で満たされていた膣内には当然入りきるわけもなく、大量の精液が溢れ出す。
ここにきて、ようやくウロボロスは一度生殖器をヒメガミノミコトから完全に引き抜いた。
「んんん♡ あぁ……抜けちゃったか……」
「⬛︎⬛︎⬛︎」
「ん? いいや、少しだけ名残惜しかっただけだよ。大丈夫」
暗い空間に横たわり、自嘲気味に笑うヒメガミノミコト。
その表情には、ウロボロスへの敵対心や嫌悪感は一切なくなっていた。
「⬛︎⬛︎⬛︎?」
「……うん。わかっているよ。『この子』は守るさ。なんとしてもね」
目を瞑って腹部をさすり、ヒメガミノミコトは笑った。
感じ取っていたのだ。
自らの身体に宿った新たな命との『縁』を。
そして、我が子として愛すると決意もしていた。
「⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎」
「わかっているよ。『母体』がもっと欲しいんだろう? 幸い、君達のことは一部の人しか知らないから、やりようはいくらでもあるよ」
目を開けたヒメガミノミコトの瞳に、どす黒いオーラのような何かが渦巻いていた。
ニヤリと笑うと、身体を起こしてウロボロスの身体を抱き締める。
ウロボロスの身体から真っ黒な霧のようなものが噴き出し、ヒメガミノミコトの身体を包み込む。
霧が晴れると、元々着ていたドレスのような衣装を身に纏った状態のヒメガミノミコトがそこに立っていた。
「それじゃあ、行ってくるよ」
少しの間抱き合い、ヒメガミノミコトはウロボロスから離れると何も無い空間へ歩いていく。
その目の前の空間に亀裂が走った。
一度ウロボロスの方へ振り返り、ヒメガミノミコトは亀裂の向こうへと進んでいく。
「ヒメ会長! 無事だったんですね!」
「ああ。なんとか、ね」
亀裂の向こうにいた『仲間』とヒメガミノミコトの会話が聞こえてくる。
ヒメガミノミコトの周囲に、共に戦っていたプログレス達が駆け寄っていた。
その光景を亀裂を通して眺めるウロボロス。
「⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎」
満足そうにするウロボロスとヒメガミノミコトの視線が、亀裂越しに交わる。
視線を交わらせたまま、ヒメガミノミコトは腹部をさすって笑みを浮かべた。