今回は未だにCVの判明しないナクルをいじめました←
ナクルの一人称がリリンクで「私」と「ボク」の2種類見受けられるのですが、個人的にしっくりくる「ボク」で行かせてもらってます。
あと、今回の話は四月ヒロイン、ヒメガミノミコトルートのifみたいな感じで書いてる(と言っても序盤でしかその要素出てこないけど)ので、まだ見てない人は一応注意。
あと竿役の触手くんはリリンク準拠じゃなくよくある肉肉しいやつイメージです。五月ストーリーで追加された、催眠とかしそうなご新規さんではないのであしからず。
日が完全に落ち、月と街灯の灯りのみに照らされた公園を走る影が一つ。
「むぅー、間に合うか怪しい……」
特徴のあるまったりとした口調に、若干の焦りが感じられる。
走る影の正体は、ナクル=クルルシファー。
緑の世界──グリューネシルトから来た統合軍所属の獣人であり、現在青蘭学園の生徒会に籍を置くプログレスだ。
「センパイとくっついてから、会長はミスが多いー」
走りながらも虚空に愚痴をこぼすナクル。
というのも、彼女がこんな時間に急いで走っている原因が、現生徒会長であるヒメガミノミコトにあったからである。
ヒメガミノミコトはつい最近、編入生であるαドライバーと恋仲となった。
そこまではいいが、このヒメガミノミコトという人物、今までにそういった感情を持ったことがなかったこともあり、恋愛に関してある種のポンコツであった。
それ故か、初恋の実ったばかりのこのタイミング、度々注意力散漫になりしょうもないミスをする。
そのカバーに奔走していた結果、統合軍の門限ギリギリまでかかってしまったというわけだ。
「でもよかった。これならなんとか……」
間に合いそう。
そう続くはずだった言葉が途切れる。
その原因は、ナクルの目の前に突如現れたもの。
「ウロボロス……?」
ヒメガミノミコトや青空寮のメンバーが日々対処していると聞いた、正体不明の生命体。
それと思われる紫色をした体色の触手が目の前で蠢いていた。
聞いた話では、ウロボロスの対処にはαドライバーが必須とのこと。
通信端末を取り出し、位置情報と「ウロボロスと遭遇、救援求」とだけ入力し、送信ボタンを押す……直前に、触手に通信端末を弾き飛ばされてしまう。
想定以上の速度に、ナクルは一旦距離を取る。
「ボクは戦闘は専門外ゆえー、そういうのはとても困るー」
ナクルのエクシードは戦闘には活かしづらい。
軍人としての訓練を受けているとはいえ、それだけでウロボロスに対抗するのは無謀だろう。
(なんとかしてセンパイ達に連絡をー)
チラッと、弾き飛ばされた通信端末を見る。
思ったよりも遠くまで飛ばされており、回収に手間取りそうだ。
それでも、現実的な対処手段はそれくらいしかないだろう。
意を決して、ナクルは地面を蹴る。
ナクルの動きに反応した触手型のウロボロスが、ナクルの身体を絡め取ろうと襲いかかる。
それを軍の訓練で身につけた動きで避けながら、落ちている通信端末へ向けて駆ける。
「もう、少しー」
あとは手を伸ばせば届く。
そんな距離まで近付いて少し気が緩んだのか……ナクルの右足首に一本の触手が巻き付いた。
後ろから引っ張られ、伸ばした手は空を切った。
そうなってしまえば、どうしようもなかった。
両手と左足にも触手が絡み付き、ナクルの身体は軽々と持ち上げられた。
「これは、とてもまずいー……」
空中で大の字に固定されたナクルの頬を一筋の汗が垂れる。
ウロボロス退治に長けたメンバーへの連絡は絶望的。
両手足を拘束されてしまっては、ナクルのエクシードや技術ではロクな抵抗も出来ない。
殺される。
軍人として生活している以上、いつかは感じるかもしれないとどこかで考えていたその感覚を、これでもかというほどハッキリと感じる。
そんなナクルの全身に、触手が巻き付いていく。
一部は軍服の上から、一部は服の隙間から滑り込み、粘液に塗れた触手がナクルの素肌を撫でる。
「むぅ……気色、悪いー……」
肌を這い回るヌルヌルとした感触に鳥肌が立つ。
今すぐにでも脱出したいところだが、残念ながらナクルには身を捩る程度のことしか出来ない。
(粘液が触れたところが熱いー……そういう、ことー?)
触れられた部位が熱を持ち、ナクルの息が次第に荒くなっていく。
粘液に催淫作用でもあったのだろう。
ナクルの身体は強制的に発情させられる。
(あー……最近の会長見てて、ボクもいつかはあんな恋愛をー、なんて思ってたんだけどもー)
昂る身体。
目の前でその身をくねらせる無数の触手。
ナクルはその覚悟を決めた。
諦めの雰囲気を感じ取ったか、触手がその行動を明確にする。
服の下の触手がナクルの軍服を内側から弾き飛ばした。
「……っ!」
覚悟を決めていても、やはり羞恥心というのは完全に捨てられるものではない。
発情したのとは別の理由で、ナクルの頬が赤く染まる。
晒された素肌は風が撫でるだけでもこそばゆい感覚に震える。
異常なほど高まった感覚。
この後に待ち受ける行為による刺激ではどうなってしまうのか、ほんの少しの恐怖が生まれる。
しかし、同時に生まれたのは、抑えようのない好奇心。
発情し、グショグショに濡れそぼった秘所に触手が迫っていく。
ナクルの喉が、ゴクリと鳴った。
クチュリ、と音を立てて触手がナクルに触れる。
「はぁ……はぁ……」
ナクルの視線が秘所に触れた触手に釘付けになり、息がドンドン荒くなっていく。
期待で。
昂りで。
荒くなっていく。
それに応えるように、触手は勢いをつけてナクルの身体を貫いた。
「んおっ……♡」
痛みは無い。
初めてではあったが、膜は軍の訓練で激しい動きをした際に既に破れていた。
だが、だからこそ……ナクルはその快感を処理し切れなくなった。
「おっ……♡ おぉ……」
両手足を拘束されたまま、空中で身体を痙攣させる。
粘液の催淫作用で感度の上がった発情中の身体に、カケラほどの遠慮も無い乱暴な挿入。
それでも苦痛などは一切無く、与えられるのはただただ強烈な快感だけ。
ナクルが快感をようやく処理し終えるかし終えないかというタイミングで、今度は触手が徐々に抜けていく。
イヤな予感。
「待っ……動かさないで、ほしいぃぃ♡」
腹部の圧迫感から解放されていく感覚と、体内に催淫粘液を擦り付けられる感覚が同時に襲ってきて、ナクルは制止の声を情け無く伸ばす。
抜け切るギリギリまで引き抜かれた触手は、さも当然のように再び最奥まで挿入される。
ガクガクと身体が震える。
ナクルの秘所からは大量の透明な液体がこぼれ落ちていた。
過去に経験したことのない規模の絶頂を繰り返し経験し、ナクルは目の焦点が合わなくなってきていた。
それでも、今回はもうウロボロスもそこで動きを止めはしない。
挿入する、というのが主目的では無くなった今、それはあくまでも『ピストン運動』に他ならないのだ。
再びギリギリまで引き抜かれ、奥まで捩じ込まれる。
また引き抜かれ……それを繰り返す。
「やめっ♡ いっかい、止まっ♡ んおぉ♡」
身体も満足に動かせない状態での、制止の声を無視した無茶苦茶な責め。
それは暴力的とも言える快感でもってナクルを責め立てていく。
「む、胸までっ……やめ、て……ほしい……!」
細い触手がどこからともなく伸びてくると、胸の頂点でピンと主張する桜色の突起に巻き付く。
その状態で引っ張ったりクリクリとこねくり回したり、まるで遊ぶように責めを続ける。
「も、らめ……げんかい……」
一際大きな絶頂。
ビクン、と身体が大きく跳ねた後、ナクルの全身から力が抜ける。
ダランと手足が力無く垂れた。
興味を失ったのか、ウロボロスはナクルの身体を公園の茂みに隠すように下ろすと、どこかへと消えていく。
ナクルは薄れゆく意識の中で、落とした通信端末へ手を伸ばす。
「かい、ちょう……」
なんとか手の届いた通信端末のメッセージ送信ボタンを押すと、ナクルは意識を手放した。
◇◆◇◆◇◆
ナクルからメッセージを受け取ったヒメガミノミコトにより、ナクルは発見された。
軍服を裂かれ、ほとんど裸のような状態で公園に倒れていた。
ヒメガミノミコトの判断でαドライバーがナクルの身体を見ないようにしつつ、生徒会で保護。
グリューネシルト統合軍へはヒメガミノミコトから連絡を入れた。
生徒会の仕事で遅くなり門限に間に合わなくなってしまった事にし、ヒメガミノミコトが緑の管理区まで直接謝罪に赴いた。
次以降はナクルだけでなく生徒会にもなんらかの処分を検討するという条件で、今回は不問となった。
「ご迷惑を、おかけしましたー」
一日の休養を経て、ナクルは学園に復帰した。
その日の生徒会の一番最初に、ヒメガミノミコトをはじめ今回の件で助けられたメンバーにナクルが頭を下げる。
集まった面々は、気にすることはないと口を揃えて言った。
ナクルもあまり思い出したくはないだろうと、その話題はそれきりとして生徒会メンバーは仕事を開始した。
しかし……
(むぅ……だめ、なのに……)
ナクルは仕事に集中出来ずにいた。
思い出したくなくとも、思い出してしまう。
触手に身体中を這い回られた感触、体内を蹂躙される感覚。
それによりもたらされる、恐ろしいまでの快楽。
忘れたくても、忘れられるわけがなかった。
それが、ナクルのエクシードだから。
『完全記憶能力』。
ナクルは見たもの、経験したことを完全に記憶する。
一度見た書類の様式、文章、数値などに至るまで全く同じ書類を用意出来るほど正確に記憶出来る。
その能力が、あの夜の出来事を全て、正確に記憶してしまっている。
「……ちょっと、お花を摘みにー」
ペンを机に置き、ナクルが立ち上がる。
そのまま早足で生徒会室を出て行く姿に、部屋にいた者たちが不思議そうに顔を見合わせていた。
生徒会室から一番近い女子トイレをあえて避け、もう一つ先のトイレへ駆け込むと、待ち切れないとばかりに自慰を始める。
便座に腰掛け、左手で服の上から胸を、右手はスカートを捲り上げて下着の内側へ滑り込ませて秘所を乱雑にかき回す。
「ん、きもち、い……」
グチョグチョと音が鳴るのも構わず、たた本能の赴くままに快楽を求めるその姿は、発情期の獣でももう少し落ち着いているだろうと思えるほどに鬼気迫るものだった。
しかし、ナクルの手は更に激しさを増していく。
「んっ……!」
ビクン、と身体が跳ねた。
待ちに待った絶頂。
けれども、それはナクルの期待する大きな絶頂ではなかった。
あの夜に経験した絶頂の、十分の一にも満たない小さな小さな絶頂。
「だめ……これじゃ、たりないー」
絶頂直後にも関わらず、自慰を再開するナクル。
その後も数回絶頂へと至ったが、結局満足のいく絶頂には辿り着けなかった。
「どう、して……」
あんな快楽が欲しくてたまらないのか、ナクルは自分でも理解出来なかった。
無理矢理されただけの行為だったはずなのに、今はあの行為を求めてしまっている。
「ナクル、大丈夫?」
「だい、じょうぶー」
ナクルの入っていた個室の扉がノックされ、ヒメガミノミコトが心配そうな声をかける。
荒い息を整え、なんとか返事を絞り出す。
だがそれが、余計に心配をかけてしまった。
「大丈夫そうに聞こえないよ。今日はシンシアが手伝いに来てくれてるから、先に帰って休むといい。まだ本調子じゃないんだろう?」
「…………かたじけないー……」
「それじゃ、お大事に」
それだけ言うと、ヒメガミノミコトが遠ざかっていく足音がする。
個室の扉越しに、ナクルは申し訳なさそうに声を漏らした。
◇◆◇◆◇◆
フラフラと、足元が覚束ない状態で帰路についたナクル。
いつもより時間がかかっているものの、生徒会室を出たタイミングが早かったのもあってまだ精々夕方といったところだ。
「はぁ……はぁ……」
ナクルの息はやはり落ち着かない。
頬は赤みを帯び、瞳はトロンととろけている。
(物足りない……もっと、もっと欲しい……)
今日だけで十数回の絶頂を繰り返していたにもかかわらず、ナクルの絶頂欲求は増すばかりだった。
自らの手で絶頂を迎えるたびに、ウロボロスに与えられた絶頂の大きさとは比べ物にならない小さな絶頂に、もどかしさだけが募っていく。
その場凌ぎに自慰行為で絶頂を迎えれば、またさらに大きな絶頂が欲しくて欲しくて堪らなくなる。
終わりのない悪循環。
いや、終わらせる方法はあった。
ただ一つ。
決して自分から選ぶ事をしてはならない、最悪の方法が一つだけ。
「確か……こっち……」
あの日、ウロボロスはその場で姿を消したわけではなく、公園の側にある森の奥へと消えていった。
その方向を、当然ナクルは覚えている。
フラフラと覚束ない足でその方向へと歩いていく。
森の奥へと歩いていき、その姿が公園から完全に見えなくなる。
夕方とはいえ、森の奥は薄暗く不気味な雰囲気を醸し出していた。
薄暗い森の中で、ナクルの耳に聞き覚えのある水音が響いてきた。
その方向へ視線をやると、まるで待っていたかのように先日の触手ウロボロスがその身体をくねらせていた。
その姿を見た瞬間から、ナクルの身体の疼きが数倍に跳ね上がる。
「もう、我慢できないー……」
ウロボロスの目の前で、自ら軍服を脱いでいくナクル。
そうしている間にも息がドンドン荒くなっていく。
下着まで脱ぎ捨て一糸纏わぬ姿になったナクルに、触手が迫る。
「はやく、はやくー……」
待ちきれないのか、ナクルはその場で座り込み足を広げる。
M字開脚の体勢で、見せつけるように両手で秘裂を広げてみせる。
ナクルの意図を感じ取った触手がナクルの広げられた秘裂へと近付くが、ナクルの期待とは異なる責めが始まる。
「ん……♡」
触手は、びしょ濡れになった準備万端な秘裂に侵入することはなく、掠めるようにして撫でる。
刺激に飢えていたナクルはそれでも強い快感を得るが、求めているのはもっと強烈な、暴力的な快感。
それがわかっているのか否か、触手は掠めるだけの責めを続ける。
「んぅ……♡ むぅ、焦らすのは、んっ♡ よくないー……」
触手による焦らし責めは胸にも加えられる。
細い触手で乳輪の周りを撫でるだけの、もどかしい責め。
乳房を揉むことも、乳首を責めることもしない。
それでもナクルにはどうしようも無かった。
拘束こそされていないが、そもそも自分でなんとかしようとして出来なかったからこそここに来たのだから。
「お、お願いぃ……入れてっ♡ 乳首も、いじって欲しい……」
出来るのは、ただ懇願し、責めてもらえるのを待つことだけ。
本来敵対している生命体に翻弄され、あろうことか自らの身体を差し出して懇願しているという背徳感にゾクゾクとした興奮が沸き上がる。
触手の先端が秘裂に触れた。
ビクンと身体が跳ね、期待が高まる。
そしてついに、その時が訪れる。
「んにゃあぁぁぁぁぁ♡」
触手が子宮口まで叩きつけられ、ナクルの視界が白く火花を散らす。
待ち望んでいた暴力的な快感──焦らされたことによりさらに強烈になった快感に、ナクルは歓喜した。
「んうぅ♡ やっぱり、これ♡ すご……ぉ♡」
当然、挿入だけで行為は終わらない。
激しい抽送が始まり、細い触手がピンと立った乳首を捻り上げる。
全ての行動が、ナクルの記憶にあるどんな快感をも凌駕し、更新し続ける。
「こんなの、覚えちゃったら♡ んおぉ♡ 普通じゃ、満足できなく♡」
この快感はウロボロスにしか生み出せない。
そして一度知ってしまった──覚えてしまった以上、これを求めるなと言うのは……土台無理な話だった。
「んうっ♡ そっちも、使うのー? それはまだちょっと、怖いー……」
触手がナクルの身体を持ち上げ、空中で四つん這いのような姿勢をとらせる。
細めの触手が、ナクルの肛門に触れた。
知識として知らないわけではないが、普通の性行為も経験したことが無かったナクルからしてみれば未知の行為だ。
今でさえ快感を処理しきれていないのに、これ以上未知の快感が襲い掛かったらどうなるか……想像も出来ない。
が、期待している部分もあった。
知らない気持ちよさを、また教えてもらえる。
そんな風に。
「ん、んんん……♡」
他の部位への責めが弱まり、触手の先端が徐々に肛門へと侵入していく。
強い異物感とともに、言いようのない気持ちよさが身体の奥からのぼってくる。
責めがほぼ一点になったことで、より強くその感覚が伝わってきた。
「んぐ……ちょっと、苦しいー……」
徐々に強まっていく異物感と圧迫感。
よく見れば、ナクルの腹部が少し膨らんでいるようにも見える。
それだけの触手が体内に入り込んでいるということだろう。
少しすると、触手の侵入がぴたりと止まる。
腹部はさらに膨らみを増していた。
はたして、いったいどれほどの触手が入り込んでいるのか。
「と、止まったー……? 苦しい、から……なんとかしてほしいー……」
ナクルのその言葉を受けて……というわけではないのだろうが、次の触手の行動は早かった。
入れたものが多くて苦しいのであれば、どうすればいいか。
それは自明の理である。
抜けばいいのだ。
「んお"お"お"お"お"!?」
触手が勢いよく引き抜かれていく。
肛門は元々『出す』器官だ。
当然無理矢理に入れていく時よりも、出す時の方が快感は大きい。
ナクルの体内に入り込んでいた一本の長い長い触手が体外に排出されていくその快感は、圧迫感や異物感からの解放というのも相まってとんでもない規模になる。
「これだめっ♡ 覚えちゃダメなやつっ♡」
腸壁を触手に擦られながらナクルは悶える。
それでも触手の勢いは止まらず、排便する時のような快感を受け続ける。
この天国のような地獄のような快感が数分続き、ついに触手が全て抜け切った。
ぎゅぽん、ととんでもない音を立てて触手が抜け落ちると、ナクルの肛門はパックリと口を開けてしまっていた。
「はぁ……♡ はぁ……♡ これぇ……だめな、やつぅ……♡」
ビクンビクンと数えきれない絶頂の余韻に身体を震わせながら、トロけた顔でナクルが呟く。
だめ、と言いながらも、その表情は満更でもなさそうに見える。
そんなナクルに、また複数の触手が迫り来る。
「むぅー……さすがに、休憩したいー……」
そんなことを言っても意味が無いと、ナクル自身もわかっているのだろう。
言葉とは裏腹に、目は期待に満ちていた。
この日、ナクルは緑の管理区へ帰って来なかった。
直近の状況からウロボロスによる被害が考えられ、捜索も行われたが……結局、見つかることはなかった。
ただ一つ。
この日以降、ウロボロスの出現数が増えるとともに、『学習能力が上がっている』という意見が多数見られるようになった。
その理由を知る者は、誰もいない。