※この作品はR-18です。

【完結】提督と艦娘   作:はのじ

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実験的に視点を固定せずに書いてみました。
Side~みたいな感じでしょうか。


提督と榛名

「馬鹿野郎!てめぇ!なんで俺の指示を無視しやがった!」

 

 戦闘から帰還したばかりの榛名に提督が大声で怒鳴った。

 

 場所は埠頭。榛名は艦娘艦隊の旗艦を務め、見事戦艦棲姫を単独で撃破して帰還したばかりだった。戦闘は熾烈を極め、随伴の艦娘に中破が続出した。深海棲艦側の被害も甚大で戦艦棲姫以外は轟沈。艦娘達の被害が中破未満に収まっていれば勝利は難しくなかっただろう。

 

 提督の判断は撤退だった。中破とは言え榛名以下六名の艦娘が残存しており力押しすれば勝利出来たかもしれない。しかし艦娘の轟沈の可能性は否めない。出撃した艦隊は泊地で一〇年以上戦ってきた歴戦の艦娘を集めた精鋭艦隊だった。提督旗下の榛名を旗艦として他の提督数名から預かった艦娘で構成された艦隊だ。戦艦棲姫を撃破しても、艦娘の轟沈を出してしまっては勝利とは言えなくなる。

 

 一時撤退し、次は連合艦隊で勝負を挑み勝利を確実なものとする。威力偵察と考えれば十分な戦果と言えた。提督は無線で榛名に撤退の指示を出した。だが榛名は引き止める随伴の艦娘達を振り払い、単独で戦艦棲姫に勝負を挑んだのだ。

 

 辛くも勝利は得たものの、榛名は大破し随伴の艦娘に曳航してもらい泊地に帰還したのだった。

 

「お前らは入渠を済ませろ。高速剤はケチらんでいい……さっさと行けっつってんだろ!このクソ共が!」

 

 提督と榛名の険悪な雰囲気を遠巻きに見ていた艦娘達を、提督は一喝して追い払った。中には榛名を弁護しようとしていた艦娘もいたが自らの提督に入渠を促され渋々と従っていた。

 

 提(・)督(・)と(・)榛(・)名(・)の(・)周(・)り(・)に(・)は(・)人(・)間(・)の(・)ス(・)タ(・)ッ(・)フ(・)だ(・)け(・)が(・)距(・)離(・)を(・)置(・)い(・)て(・)、(・)艦(・)娘(・)帰(・)還(・)に(・)伴(・)う(・)入(・)港(・)作(・)業(・)を(・)行(・)っ(・)て(・)い(・)た(・)。作業に集中しているようで耳を立てていたのは言うまでもない。

 

「で、てめぇ。なんで指示を無視した」

 

 提督は榛名の胸ぐらを掴もうとしたが、直ぐに諦めた。榛名は艤装を展開している。人間がどう頑張ろうと僅かも動くはずがない。

 

 榛名は大破していた。艤装である主砲の砲身は折れ曲がり、カチューシャにも似た頭部電探は吹き飛んでいる。巫女服を改造したような装甲艤装は、随伴の艦娘から借りたのか上着を羽織る事で隠していた。恐らくズタズタに破れてしまっているだろう。

 

「……榛名は…榛名は……ごめんなさい…」

 

「ちげーだろ。何故無視したか聞いてんだよ」

 

「……ごめんなさい……」

 

 俯いたまま同じ回答を繰り返す榛名。

 

「チッ、もういい。工廠行ってさっさと入渠しろ。高速剤ケチるなよ」

 

 提督は舌打ちを一つすると榛名に指示を出し榛名に背を向けた。

 

 提督が去っても暫く俯いていた榛名は、やがて歩を進め工廠にとぼとぼと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何あれ?榛名の提督、艦娘嫌いって聞いてたけど酷ぇな」

 

 提督と榛名のやり取りを、作業をしながら見ていたスタッフが同僚に声を掛けた。

 

「お前初めてか?あの提督、ずっとあんな感じだぜ」

 

 同僚のスタッフが作業しながら返答をした。

 

「マジかよ。榛名可哀想だな。あんな提督に当たるなんてよ」

 

「あれで、戦歴一二年の最古参組だからな。榛名も一二年間よく我慢してるわ」

 

「お前、泊地(ここ)に一年と半年しかいねぇじゃん」

 

「先任に聞いたんだよ」

 

 泊地のスタッフの勤務期間は最長で二年である。スタッフも一二年前を知っているわけではない。先任のスタッフに世間話で聞いた話だった。

 

「他の提督は、艦娘と距離置いてるけどそれなりに気を使っているように見えるんだけどな」

 

「艦娘って美人揃いだからな。距離置かないと我慢できねぇんじゃねぇの?」

 

「え?艦娘って出来んのか?」

 

「バーカ。んなわけねぇだろ。そんな話聞いたことねぇよ。それに艤装で潰されるわ」

 

「潰されてもいいから、お相手願いたいわ」

 

「よし。偕老同穴のバーテンダーに話聞いてみるか。泊地が出来た一二年前からいるらしいから、色々知ってるはずだ」

 

「あのバーテンダー口が堅いんだよ。艦娘の話、なんもしてくれねぇ」

 

 二人は、作業を終えるとその場を去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■

「なによあれ!榛名、大丈夫?」

 

 入渠を終えた満潮が工廠に入ってきた榛名に声を掛けた。別の戦線に出撃していた満潮は偶然現場に居合わせていたのだ。

 

 満潮は建造されて二年。鎮守府で一年過ごし、一年前に泊地に赴任した艦娘だった。

 

「はい。榛名は大丈夫です」

 

 気持ちを切り替えたのか榛名の表情に暗いものは見えなかった。

 

「なにも皆が見ている前で怒鳴る事なんてないのに!」

 

 自らの司令官は兎も角、他の司令官に堂々と怒るわけにもいかない。満潮は榛名の提督の態度に納得しかねた。指示を無視した榛名に問題はあった。だが他にやりようがあるだろうと憤慨していた。

 

「満潮は優しいのですね」

 

「な、何言ってんのよ。そんな訳ないじゃない!」

 

「ふふ」

 

 榛名は頬を染めて照れる満潮に微笑んだ。

 

「ほら。榛名は早く入渠を済ませてくださいね。満潮も他の提督と艦娘の関係に口を出すのはよくないわ」

 

 榛名と艦隊を組んでいた高雄が、榛名に入渠を済ませるよう会話に混じった。

 

「そんなのわかってるわよ……ごめん、榛名」

 

 満潮とて分かっていた。自らの司令官との関係に口を出されればいい気はしないだろう。

 

「はい」

 

 謝罪した満潮は報告の為、自らの提督の執務室に向かった。残ったのは榛名と高雄の二人となった。

 

「あれから七年ね。長いようで短いのかしら」

 

「はい。あっと言う間です」

 

 二人は建造されて一二年。現存する艦娘の中で共に最古参だった。泊地への赴任も同時。お互いをよく知る仲でもあった。

 

 今から七年前。建造されて五年目の事だった。榛名は提督と男女の関係になった。そして翌日ミスを犯した。

 

 装甲艤装を纏っていては抱かれることは不可能だ。榛名は普段は決して身につけなかった少し開放的な私服の上に装甲艤装を纏い執務室に向かった。まだ執務室へ隠れて通う方法が確立されていなかった時期でもあり、浮かれた榛名にそこまで思い至る余裕などなかった。

 

 翌早朝。提督に気が付かれぬよう、一組の蒲団から出た榛名は装甲艤装を展開せずに宿舎に戻ってしまった。巡回中の警邏の兵がそれを見てしまったのだ。

 

 提督と艦娘が男女の関係にあるなどと知られれば泊地全体の士気に関わる。それからだ。提督はひと目がある場所では艦娘に、特に榛名にきつく当たるようになった。

 

 榛名は泊地のスタッフに同情され、相対的に提督は影で批判されるようになった。結果的に警邏の兵の見間違いと判断され噂は立ち消えた。代わりに囁かれるようになった一つの噂。

 

 提督は艦娘嫌い。

 

 時が流れ、人員が入れ替わり、誰も理由を知らないまま噂だけが先行した。提督が榛名に触れ、褒める場面を見たことがあるのは、今ではほんの一握りだった。

 

「入渠します」

 

「はい。ゆっくりね」

 

 入渠後、榛名は報告の為に提督の執務室に向かうつもりだった。頭から急速剤を流す妖精さんを見ながら体を休める榛名だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■

 提督が書類の決済をしていると扉がノックされた。タイミングとリズムから榛名だと提督は判断した。

 

 提督の仕事量は多い。しかし決してミスが許されるものではなかった。提督のミスはそのまま艦娘の轟沈に繋がる。鎮守府では笑って済ませるミスも泊地では永遠の別離となる事がある。

 

 艦娘達が体をすり減らして戦っているように、提督達も精神をすり減らしながら艦娘の出撃を、後方から全力で支えているのである。

 

「入れ」

 

 扉が開き榛名が入室した。榛名は扉を閉める。この瞬間から執務室は完全防音となる。

 

「直ぐ終わる。座ってろ」

 

 榛名は改造巫女服を身に纏っていた。榛名は提督の執務机の近く、提督の斜め後ろに置かれた椅子に座った。

 

 金剛四姉妹の装甲艤装は、姉妹だけあってよく似ている。四人とも巫女服を改造したような装甲艤装だが、榛名の袴に似たフリルで縁取られたミニスカートは朱色であり、より巫女を連装させる。

 

 椅子に座った榛名を一瞥する提督の目にミニスカートから伸びた白い足が見えた。入渠を済ませ、傷一つ無い事を確認した提督はそのまま書類の決済を続けた。しばらく紙の上にペンを走らせる音が続いた。

 

「榛名」

 

「はい」

 

 不意打ちのように声を掛けられた榛名だったが、即座に返事を返した。

 

「……頼むから無茶はするな」

 

「……ごめんなさい……」

 

 榛名の口から出た言葉は、埠頭での謝罪と一言一句同じものだったが、言葉に含まれる意味は違っていた。

 

 時計の針の音とペンを走らせる音だけが室内に暫く流れた。

 

 榛名は提督の仕事を眺める。提督の仕事は艦娘の後方支援が主だ。泊地のスタッフは、安全な後方で艦娘を戦わせる楽な仕事、と揶揄する者がいる。榛名はその意見を否定する。提督と艦娘は共に命を賭けて戦っている。榛名が後顧の憂い無く深海棲艦と戦えるのは提督のお陰である。出撃後、弾薬と燃料の心配をせずともよいのは提督のお陰である。戦闘中、一切の迷いなく全力で深海棲艦と戦えるのは提督のお陰である。戦闘終了後、傷ついた体で安全に帰還出来るのは提督のお陰である。傷つき、肉体をすり減らしながらも精神の安寧を保てるのは提督のお陰である。

 

 戦闘の最中(さなか)、榛名には深海棲艦に対する憎しみなどない。あるのは提督への愛だった。主砲を放つ度に、機銃を撃つ度に、声にならない提督への愛を叫んでいた。榛名の主砲は提督が妖精さんと共同で開発・改修をしてくれたものだ。機銃もそうだ。装甲艤装も最大限に手が加えられている。榛名の艤装は余すこと無く、全て提督が血を流すような努力の下、開発・改修してくれたものだ。姿は見えなくとも提督は榛名の側にいる。二人で戦う榛名が深海棲艦に負けるはずなどなかった。

 

 榛名は提督に絶対の信頼を置いている。この一二年間信頼を裏切られた事など一度もない。提督の全てを受け入れる覚悟はとっくの昔に出来ていた。

 

 だが提督はどうだろうか。勿論提督の信頼を得ているのは知っている。心でも体でも言葉でも感じていた。榛名は提督に与えられた愛に応えられているだろうか。

 

 入渠や艤装の展開で疲れの残らない艦娘と違い提督は人間だ。簡単に傷つき倒れてしまう。それなのに提督は無理をして、榛名を完全な体制で支え戦場に送ってくれる。戦いが終わった後も榛名の心を癒やしてくれる。

 

 返せていない。榛名に出来るのは、艤装を解き、体で提督を癒やす事だけだ。しかしそれも天秤が傾き榛名が得る喜びの方が大きかった。

 

 榛名は提督に恩返しがしたかった。今日の戦闘で無茶をしたのもその為だった。

 

「提督。お茶をお淹れしますね」

 

 少しでもお役に立ちたいとスカートを翻し立ち上がった榛名の手を提督が掴んだ。

 

「え?」

 

 提督は反対の手で執務机の上にある一切合切をなぎ払い、引き寄せた榛名を、背中が付く形で机に押し付けた。榛名の両足は膝から机の淵に飛び出し、垂直に宙に浮いた。その両足は閉じられぬよう提督が体を割り込ませた。

 

 片手は提督に掴まれ執務机に押さえつけられていたが、反対の手は自由だ。しかし榛名はその手で提督を押し払うつもりなど毛頭なかった。乱暴に押し倒されたように見えるが、榛名が傷つかぬよう細心の注意が払われた動きだった。

 

「嫌か?」

 

「……嫌じゃないです……それに…戦闘の後なので…榛名も……」

 

 橙色の瞳を潤ませながら榛名は提督に答えた。戦闘後、体の芯が疼き、どうしようもなく提督に体の奥の奥まで直接触れて貰いたくなるのだ。

 

「戦闘の後だからか?」

 

「……榛名は…榛名が提督を欲しいです……いじわるです…」

 

 榛名は頬を染めて提督から目を反らした。その目に部屋の惨状が映った。執務机の周りには書類からペンから様々な物が散らばっていた。

 

「提督…でも書類が」

 

「もう終わった。それに濡れたら困る」

 

「やっぱりいじわるです……」

 

 榛名は頬を膨らませた。怒っているわけではない。提督に甘えているだけだ。

 

 提督は榛名の頬に右の掌を添え、しっとりと潤う唇に親指を滑らせる。

 

「二度と無茶をするなよ。榛名の事だからちゃんと理由があるんだろうが、それはもういい。もしお前が沈んだら……大本営がなんと言おうが他の艦娘と契約し直すつもりなんかねぇからな」

 

「…ごめん、んんっ…」

 

 再度謝罪をしようとした榛名の唇を提督の唇が塞いだ。驚いた榛名は見開いた瞳をゆっくりと閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 榛名は執務机に仰向けになり両の掌で真っ赤になった顔を覆っていた。提督は宙に投げ出された榛名の脚からショーツを引き抜いていた。朱色のミニスカートを捲られ、剥き出しにされた榛名の秘所は提督が初めて抱いた時となんら変わらない色、形をしている。いや、正確には違った。提督は初めての時、榛名の性器を具に見る余裕などなかった。巡回兵に見られた事もあり、ゆっくりと見る余裕が出来たのは半年以上経ってからだった。

 

 灰色がかった黒髪と同色の薄い恥毛。陰唇は共に閉じ、僅かに開いた裂け目からは分泌液で怪しく光るピンクの粘膜が見える。陰核も指かペニスで割り開かない限り見えることがない。

 

 榛名は大人びて見られるが、まだ少女と見紛う容姿をしている。言動や雰囲気で人間からも艦娘からも頼られる事が多く本人も責任感があり知らず演じている部分もあった。

 

 幼いようにも見えるヴァギナに比べ榛名の胸は意外と大きい。普段はサラシで隠し、中破・大破時は上衣で隠すため余り知られていない。知っているのは艦娘と提督だけだ。

 

「……んっ…」

 

 性器を割り開きピンクのヒダに舌を這わせる。艤装を解いた艦娘の生理は人間に酷似する。艤装を解いたばかりの艦娘に老廃物の付着などあり得ない。むしろ提督が触れる度に様々な意味で汚してしまうだろう。

 

「相変わらず可愛いな」

 

「……は、恥ずかしい…です…」

 

 何が可愛いのか、主語をぼかし思ったままを口にする提督。昔と変わらず榛名は肌を見られ、触れられる事を恥ずかしがる。だが決して嫌なわけではない。提督が榛名に歓心を向ける事に歓喜を覚える。羞恥と歓喜。それは榛名自身、言葉に表現出来ない複雑な想いだ。

 

「あっ…んっ…ふぁ…」

 

 捲れたミニスカートから見える腹部を左の掌で撫で、榛名の秘所に口づけする提督。掌の下には子宮があり、意識して提督は優しく撫でる。舌が秘裂を割り開き、軽い接触で互いの粘膜がくちゅりと音を出した。

 

 提督の唾液が榛名の粘膜を汚し、榛名の奥から湧き出す愛液が提督の舌を汚す。下から上へ。膣口を経由し終端の陰核を目指す。包皮を捲り舌が陰核を包む。強い刺激は痛みを伴う。提督はこれまでの経験から榛名が最大限に快楽を得られる力加減を心得ていた。

 

「…んっ…あっ…ていとく…きもちいいですぅ……んんっ…」

 

 甘い声に誘われ提督が陰核を口に含み舌先で転がす。膣口からは愛液が溢れ出て、肛門を経由して床に糸を引いていた。

 

 提督はその愛液を掬うと右の中指にまぶした。

 

「指入れるぞ」

 

「……」

 

 榛名は声に出さず顔を隠したまま頷いた。榛名の膣内は未通女の様に狭い。無理に挿入すると痛みとまではいかないが、お互い少々苦労する。一度解れて繋がってしまえば提督の陰茎を包み込むように強く柔らかく締め上げる。しかし艤装を展開すれば元に戻ってしまう。昔と違うのは処女膜が無い事と、開発されて感度が上がった事だけだ。

 

「……ふぅぁ…ぁぁぁ…ていとくが…はいってきます…」

 

「相変わらず狭いな。力抜け」

 

 中指を第一関節から第二関節と膣内に差し込みゆっくりと抽送する。時間をかけ中指の奥まで入るようになると、人差し指を追加し、二本の指で角度と深度を変えながら抽送を繰り返す。

 

「…んっ…んっ…あっ…ふぁ…んくっ…ふぅ…あいっ…」

 

 抽送の速度を上げながら、陰核に舌先での刺激を追加する。徐々に榛名の腰が浮いてきた。

 

「一回逝っとくか」

 

 榛名の様子からいつもより早いオーガズムが近いことを知る提督。はやり戦艦棲姫との死闘で榛名も高ぶっていたのだろう。

 

「…いやっ…いやっ……ていとくの…ていとくので…はるなは……」

 

 今までは時間をかけて解した後繋がっていた。大破した榛名の絶頂のタイミングがいつもより早い。搾り取られることを予感した提督は少しでも榛名の圧を下げようと指の動きを早めた。

 

「いいから逝っとけ」

 

「…いやぁぁ…ていとくと…いっしょが…ぁぁあぁ…ていとくのゆびで…はるなは…はるなは…んっんんっ!ふぁぁ!」

 

 深く差し込んだ指が榛名に締め付けれられた。タイミングが合えば提督は榛名の絶頂に巻き込まれてしまう。榛名はそれを喜ぶが、榛名と違い提督には残弾制限がある。艦娘と違い人間は弾薬の補給は出来ない。榛名をなるべく喜ばせるよう提督は発射の回避に務めているが、成功率は上がるどころか下げ止まったままだ。

 

 榛名の腰が上がり、提督の指はぐにぐにと摩訶不思議な膣壁の蠕動に巻き込まれる。愛液で滑りが良くなっているのに、引き出そうとしても膣内から締め出されるどころか、奥へ奥へと誘い込まれる。

 

 榛名の両手は机のヘリを掴んでいた。首元から顔にかけて肌が紅潮していた。改造巫女服は着たままだが、隠れた肌も桃色に色づいているはずだ。

 

 やがて膣壁の蠕動は収まり、提督の指が自由になった。提督はもう少し榛名の体温を楽しみたかったが榛名が上体を起こそうとしていたので諦め、指を膣から抜いた。

 

 軛を抜かれた榛名は、捲れたミニスカートを恥ずかしそうに押さえながら執務机から降り、提督の前に膝をつこうとした。

 

「どうした?」

 

「あの…次は榛名が…」

 

「いや、いい。シャワー浴びてない」

 

「…榛名は大丈夫です……いえ…榛名が…欲しい…です…」

 

「しなくていい。それよりどうする?部屋(奥)に移動するか?」

 

 提督は言葉にした通りシャワーを浴びていない。当然ながら用も足す。艦娘とは違う。そんなものを榛名の口に入れたくなかった。

 

 執務室の奥は提督の私室に繋がっている。ちょっとした設備があり、寝室から簡易キッチン、浴室もある。提督から襲っておいて今更だが、執務室(こんな所)ではいつものお互いを労るような交合は無理だ。榛名の意思を確認しながらも提督は私室に移動するつもりであった。

 

「……榛名は提督が欲しいです……」

 

「そうか。移動するぞ」

 

 提督は踵を返して移動しようとしたが榛名はその場を動かなかった。

 

「どうした?」

 

「……榛名は…今すぐ提督が欲しいです……」

 

「……そうか」

 

 榛名の意思表示。提督としては否やはないが、場所が悪かった。掃除は行き届いているが流れでするのならまだしも最初から床は抵抗があった。机の上も抵抗がある。提督は蒲団派だ。段差があると気になり集中出来ない。執務机は固く冷たく、短時間で服を着たままならまだましだが、榛名を横にしたくはない。提督が下になってもいいが、高さもあり落下の危険もある。提督が立ったままするのも机が微妙に高いため腰の位置が合わなかった。

 

「あ、あのっ、戦闘の後なので……」

 

 戦闘の後だから精神と体が高ぶっている。提督の思案に、はしたない女だと思われたと勘違いした榛名が言い訳で口を繋いだ。

 

「ふははは」

 

「もう!」

 

 榛名が頬を膨らませた。淫靡な空気はかき消されていた。

 

「ふはは…は…悪かった…しかし場所が悪いな」

 

 ふむと考える提督。そんな提督に榛名が提案する。それは先日、一時MIA(戦闘での行方不明)になった別の泊地で戦う艦娘に聞いた話。

 

「榛名がこう机に手をついて、提督が後ろから……あのどうしましたか?」

 

 榛名の提案に少し驚いた顔をする提督。そんな提督を訝しんだ榛名。

 

「すっかりえっちな榛名になったなと」

 

「ち、違います!戦闘の後だからです!」

 

 改造巫女服の袖が翻り、榛名が提督の胸をぽかりぽかりと叩いた。危惧していた事を提督の口からはっきりと言われてしまったのだ。顔は真っ赤になっていた。

 

「冗談だ。俺が悪かった」

 

 提督は榛名の体を腕ごと抱きしめた。暫く抵抗していた榛名だったがやがて落ち着き、提督の胸に顔を埋めた。提督から顔は見えなくなったが耳が赤いままだった。

 

 提督は子供をあやすように榛名の背中をぽんぽんと叩く。

 

「顔をあげて」

 

 榛名は提督の胸の中で顔を振った。提督は背中を撫でながら目の前にある旋毛(つむじ)に唇を落とした。怒っている訳でも拗ねている訳でもない。甘えているだけだ。艦娘や泊地のフタッフに頼られる榛名が甘えられるのは提督しかいない。

 

 榛名への愛おしさがこみ上げてくる。いつか言おうと思っていた事。今言ってしまおうか。

 

「……榛名…いつか…戦争が終わったら…俺の子を産んでくれ…」

 

 榛名が提督の腕の中でぴくりと動いた。

 

 提督が榛名から寝物語で聞いた話。艦娘も人間の子を宿すことが可能だという事。艤装を解除した艦娘の生理は人間に酷似する。受胎も可能だ。だが艤装を展開すればそれは失われる。

 

 提督は半信半疑だった。だが今は信じられる。いや信じたかった。深海棲艦との長き戦い。開戦から一二年が経過してもまだまだ戦争は終わる気配を見せない。それどころか海域を取り返す度に深海棲艦は強さを増している。この先どれほどの時間が必要になるのか。

 

 提督が生きている間に終わるのか。提督が死ねば榛名はどうなるのか。人間と艦娘は同じ時を刻めない。一二年という歳月は提督の体に刻まれている。だが榛名は違う。出会った時と寸分変わらぬ姿で目の前にいる。

 

 榛名が死ねば提督は戦う理由を失う。きっと抜け殻になる。それは生きているとは言えない。それは榛名も同じだ。戦死した提督を何人も見てきた。旗下の艦娘がどうなったか。提督は榛名を同じ目に合わせたくない。

 

 不慮の事態が起こらない限り提督は榛名より先に死ぬ。それは絶対だ。だが榛名に生きる理由があるのなら。

 

 まだ夢物語に過ぎない。深海棲艦との戦いに終わりは見えない。提督とていつ戦死するか分からない。だが提督が夢を見てもいいはずだ。愛おしげに赤子を胸に抱く戦乙女の側に立つ提督の姿を。

 

 提督が子宮の上から榛名のお腹を撫でるのも無言の意思表示だった。

 

 

 榛名が伏せていた顔を上げた。橙色の瞳に涙を浮かべていた。それは悲しみから溢れた涙ではない。その証拠に榛名は提督が今更ながらに惚れ直す程の、美しく可憐な笑顔を浮かべていた。

 

「……提督…榛名も…榛名も…」

 

 その先は聞かずとも分かっていた。想いは同じだった。提督は腰を曲げ、榛名は踵を上げた。

 

 互いが互いの頭部を掻き抱き、深く深く繋がるキス。舌は最初から絡まり舐め合い吸い合う。性器の如く蠢く粘膜同士の接触で逃げ場のなくなった唾液を競うように嚥下し、それでも溢れる唾液が唇周辺を汚した。

 

 時間が惜しいと言わんばかりに、キスを続けながら榛名が片手で提督の上着とシャツを脱がせば、提督も片手で榛名の改造巫女服の帯を解いた。

 

 協力しあい、互いの腕を袖から抜いていく。提督は上半身裸に。榛名はさらしではなく、赤いリボンのついた白のブラをを身に纏い。

 

 提督は欲情を隠すつもりはない。屹立した肉棒をスラックスの上から榛名の朱のスカートに押し付けながら榛名のフロントホックのブラを外した。普段さらしで隠せているとは思えない大きく美しい乳房が質感を以って提督の視界に映る。興奮のせいで白い肌を紅潮させ、両の掌でも収まりきらない乳房の頂点にはツンと上を向いていた。小さく、しかし確りと隆起したピンクの乳首は提督の愛撫を待っているかのようだった。

 

 唇から口元、頬へ。頬から顎、喉元へ。喉元から首を経由して鎖骨。鎖骨から乳房を経由し乳首へ。提督の唇と舌は榛名の白い肌を唾液の筋を残しながら移動した。

 

 左掌は乳房を弄り、右手を朱色のミニスカートの裾へ差し込んだ。

 

「…うくっ…あぁっあぁっ…」

 

 最初から二本の指を膣口に差し込んだ。既に大量の愛液を太腿に垂れ流していた榛名の膣内は前戯の必要が無いほどに潤い、解れ、うねっていた。

 

 二本の指を鉤爪の如く折り曲げ、陰核の裏側の膣壁を回すように撫でる。ざらりと膨らんだ尿道海綿体は提督が七年間に渡る前戯で開発し尽くした榛名のGスポットだ。

 

「……ふぁ…そこ…んっ…ていとくっ…んんっ…」

 

 膝から力が抜けた榛名はがくがくと体を震わせながら提督の肩にしがみついた。大破した事と、なにより提督の求婚とも思える本心から出た言葉。二つの事象が、内側からせり上がる快感の大波を迎えるタイミングを早めた。このままでは何度提督に逝かされてしまうのか。榛名は恐怖にも似た期待に背筋を震わせた。

 

「……いやぁぁ…ていとくがいい…ゆびじゃいやぁぁ……」

 

 榛名の口から出た言葉は快楽の波に揉まれつつも、提督と共に登りつめたいというもの。眦に涙を浮かべ提督の肩に必死にしがみつきながらも榛名の望みは共に快楽を貪った果てに、提督の精を膣で咀嚼し己の最も深い場所で受け止めたいというものだった。

 

「……うぐっ…ていとくが…ていとくのが…ほしい…えぐっ……」

 

 榛名は泣きながら哀願する。提督はもう春名を揶揄しない。何故なら提督の方こそ榛名を欲していたからである。外側からだけでなく、熱く潤った榛名の膣と子宮に精を放ち内側からも犯すことで己の臭いを榛名に染み渡らせたかったのだ。

 

 提督と榛名の交合はこれまで殆どが向かい合い、肌接触が多いものが殆どだった。正常位は言う及ばず、騎乗位は榛名が倒れ込み腰の動きと連動して乳房が提督の胸を愛撫していた。対面座位は下と同時に上も繋がっていた。例外的なものとして背面座位があるが、提督に倒れ込む榛名と抱きしめる提督の瞳はいつも見つめ合っていた。

 

 犬のように相手を組み伏せ快楽を貪る事に特化した後背位などこれまで一度もしたことがない。

 

 しかし執務室での交合を含めて、逡巡は榛名の哀願で全て吹き飛んだ。

 

「くそっ!もう知らねぇぞ!」

 

 提督は膣から二本の指を引き抜くと榛名の体の向きを変え執務机に手を掴ませた。朱色のミニスカートをめくり、震える両の脚を開かせた。

 

 ブーツとミニスカートだけを身につけた榛名が豊かな臀部を提督に突き出していた。乳房は自重と重力でゆさりと揺れる。僅かに開いていただけの秘裂は提督の愛撫で膣口がぴくぴくと動き涎のように愛液を床に垂れ流していた。

 

 ぬらぬらと自らの体液で濡らした亀頭を榛名の膣口にあてがうと、ちゅくりと音が鳴った。逡巡は一瞬。提督はペニスを一気に膣内に押し入れた。

 

「ああああぁぁぁぁぁぁ…んんっ…ていとくが…はるなのなかに……はいって…んんっ…ていとく…ていとく……あぁっあぁっ……」

 

 ぬるりと抵抗なく挿入されたペニス。しかしそれは勘違いだった。しめしめとばかりに膣内に侵入したペニスはだまし討のように逆襲を受けた。膣壁がぐにぐにと蠢いて亀頭を、傘を、竿を、根本を全方向から締め付けてきた。

 

「……ていとく…あたたかくて…きもちいいです……ていとくは…きもちいいですか…はるなは…はるなのなかは…きもち…いいですか……ていとく…んっあっ」

 

 余りの気持ちの良さに身震いした提督の動きに榛名が喘ぎをあげた。

 

 提督はゆっくりと腰を引きペニスを動かした。亀頭のあった空間を膣壁が即座に埋め粘膜同士の摩擦が亀頭に快感を与える。

 

「いやっ!ぬいちゃだめッ!いやぁぁ」

 

 勘違いした榛名が悲鳴を上げた。抜かねぇよ、と亀頭を膣口の限界近くまで引いた提督は最初と同じくペニスを押し入れた。亀頭の先端が子宮口に突き当たった。

 

「うぐぅっ…おくに…んぐぅっ…あたってぇ……」

 

 当ててんだよ、と提督は角度を変えながら腰をグラインドする。

 

「だめぇ…それだめぇぇ…ぐりぐりしちゃ……」

 

 余程力を込めているのか、机の淵を掴んだ榛名の手の指が白ばんでいる。頭を左右に振り、背後からの圧を逃しているようだった。

 

「いくぞ」

 

 余裕の出た提督は腰のピストンを開始する。最初はゆっくりと。そして徐々に回転を上げていった。前後運度の度に恥骨付近の肉同士が当たりぱんぱんと音を立てた。経験のない初めての体位に榛名の腰が逃げるように前に移動しようとするが、提督が腰を押さえて逃さないようにする。

 

「あっあっうっあっ…だめぇ…はげしいのだめぇぇ……」

 

 提督の腰に押され前後する榛名の胸が激しく揺れる。自重と引力の影響を受けてもなお美しさを失わず揺れる美乳が提督の興奮を更に煽った。

 

 右手を伸ばし揺れる乳房を揉みしだく。乳首を探し当て上から押さえつけ指で押しつぶした。

 

「…うっあっあっあっ…ていとくっ…きもちっ…よすぎてっ……こわいですぅっあっ…」

 

 一見受け身の榛名だが提督を締め付ける膣壁はさらに唸りを上げている。提督は歯を食いしばり榛名の攻勢に耐えている。

 

「…あっうっあっ…だめ…たって…たって…あっぁっ…られま…せんんんっ……」

 

 榛名の膝が崩れ一瞬提督の腰の動きが止まった。提督は胸をまさぐる右手を戻し落ちようとする榛名の腰を抱え後ろに引いた。榛名の手が机の淵から外れ床に手をついた。しかし力が入らず上体を床に投げ出してしまう。

 

 臀部を天に向けた榛名。朱色のめくれたミニスカートが腰を覆い、ただ全裸であるよりエロスを醸し出していた。起き上がれない榛名の横顔は閉じた瞳に力が入り眉間に皺を寄せていた。紅潮した頬と口元を汗と涎で汚し、まるで提督のペニスに夢中で奉仕した後のようだった。。ペニスを咀嚼する膣口はぐいぐいと今も締め付け続け、亀頭の先端も膣壁が奥へ奥へと誘い込んでいた。

 

 提督はごくりと喉を鳴らした。

 

 孕ましたい。この女を孕ましたい。精子を子宮の奥の奥まで流し込み大量の精子で溺れるほどに卵子を精子で埋めるほどに。孕むまで何度も、何十度も、何百度も精を榛名に注ぎ込みたい。そして己の子をその胸に抱いてもらうのだ。提督が生きた証を。提督が死んでも榛名が生きていける理由を。

 

 提督は榛名の腰を掴んでピストン運動を再開した。

 

 孕め。孕め。孕め。

 

 一突き毎に提督は執念めいた想いを込める。

 

「うぐぅっ…だめぇ…だめぇ…いやぁぁ…ていとくっ…いやぁぁ…」

 

 突く度に榛名が嗚咽を上げた。体に力が入らず、すすり泣くようにしか声を出せない。

 

  孕め。孕め。孕め。

 

 技術も何もない。ただ射精を早める為の前後運動。子宮を精子で満たしたい。俺の子を孕め。言葉にしたことを実現させる。いつもとはベクトルの異なる興奮が提督を種の継承を本能とする獣に近づけていた。榛(・)名(・)を(・)犯(・)し(・)て(・)種(・)付(・)け(・)す(・)る(・)。提督の思考は危うく一色に染まる寸前だった。

 

「あぃぃ……ていとくぅっ…どこぉ…こわい…これ…こわいよう…うぐっ…うぐっ…」

 

「榛名!?」

 

 榛名を犯(・)し(・)て(・)い(・)た(・)提督はやっと気がついた。榛名は泣いていた。快楽の涙でも歓喜の涙でもない。未知の快楽の中、茹だる思考で提督の姿を探し求めている幼子の様に泣いていたのだ。

 

 ただ快楽の為だけのセックス。榛名のセックスは常に提督と共にあった。肉体だけの繋がりではない。心も繋げて初めてセックスは成立した。肉体は絶頂に向かっている。しかしそこに提督はいない。榛名一人で絶頂するセックスは快楽はあっても、心が悲鳴を上げ恐怖を伴うものだった。それはオナニー以下の虚しい行為だ。自らを慰めることすら出来ず、逆に心を傷つける。

 

 提督と榛名の交合は常に向き合う形だった。背後から獣の如く一方的に犯すものではない。興味本位で榛名から求めてきた後背位だがそんな事は関係なかった。榛名はサインを出していたのだ。提督はそれに気が付かず一方的な自己本位のセックスで榛名を犯し傷つけ泣かせてしまった。。

 

 提督は慌ててペニスを引き抜くと、だらりと四肢に力の入らない榛名を仰向けにし腕の中に抱きかかえた。

 

「榛名、すまない」

 

 提督は榛名に謝罪した。榛名を思いやらない独りよがりの痛恨の失敗だった。

 

「…ていとく…きもちよくて…いきそうで…ていとくがいなくて…はるなはひとりで…こわくて…」

 

「……すまない……」

 

「……いえ…はるなが…榛名が言い出したことです…わるいのは榛名です…ごめんなさい提督…」

 

 ぐずっていた榛名は提督を視界に収めると意識を徐々に覚醒させた。

 

「いや。悪いのは俺だ。独りよがりで榛名の事を考えずに…」

 

「…いえ…悪いのは榛名です。提督は悪くありません」

 

 榛名は頑固でもあった。普段は素直だがこうと決めるとなかなか折れない。

 

「そんな訳ないだろう。悪いのは…」

 

「榛名が悪かったんです」

 

「……そうか…じゃあ一つお願いがある。聞いてくれるか?」

 

「はい」

 

「仲直りのキスがしたい」

 

「……はい」

 

 キスの後、ゆっくりとした対面座位で榛名の中に精を放った提督は、耳元でささやかれた『……榛名も提督の子を宿したいです…』の言葉に興奮し、榛名を貫いたまま持ち上げ浴室に向かった。体が宙に浮いた姿勢を安定させるため、四肢を使い提督に抱きついた榛名は浴室でトロトロに崩れた顔を見られることになった。

 

 奇しくもそれは後背位で初めてを迎えたとある艦娘から聞いた体位で、向かい合い、肌接触が多い一体感を強く感じられる体位が好みの榛名に意外と好評だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■

「これ本当によく出来ているな」

 

 提督と榛名は一組の蒲団で横になっていた。二人共一糸まとわぬ裸で、榛名は顔を提督の胸に載せ、提督の心臓が奏でる旋律を楽しんでいた。

 

 提督が手にしているのは榛名の改造巫女服である。

 

「はい。榛名が頑張って縫製しました」

 

 榛名は入渠の後、装甲艤装を展開せずに、この改造巫女服を着て提督の執務室にやってきたのだ。理由はいくつかあり、大きな所では、七年前、提督に迷惑をかけてしまった榛名が二度と同じ失敗をしないように。そして提(・)督(・)に(・)い(・)つ(・)誘(・)わ(・)れ(・)て(・)も(・)い(・)い(・)よ(・)う(・)に(・)である。

 

「装甲艤装の内側ってこれと同じ構造なのか?」

 

 朱色のミニスカートを裏返しながら提督が尋ねた。艤装を展開した艦娘の動きに巻き込まれるだけで人間は命の危険がある。艦娘が提督を傷つける事などまず考えられないが、それでも提督は動くことを止め、艦娘に身を預ける事しか出来ない。冗談半分、興味本位で手を出せば、提督とてただでは済まない可能性があった。

 

「軍事機密ですよ」

 

 榛名が笑顔で答えた。冗談なのだろう。提督も絶対に知りたい訳ではない。榛名の生存率を高める装甲艤装の改修には興味あるが装甲艤装そのものには興味がなかったのもあった。

 

 提督と榛名は、浴室に移動してから、お互いを愛撫しあい、榛名の口で一度。榛名が上になり一度。寝室に移動し二度繋がった。お互いが幸せで満足のいくセックスだった。

 

 ぐったりした榛名を抱え、再度浴室でシャワーを浴び、元気になった榛名が髪を乾かしている間に提督が蒲団のシーツを交換した後に二人で蒲団に潜り込み、後戯を楽しんでいる最中だった。

 

 提督は自身が性豪ではないと思っていたが、ほぼ毎日、飽きること無く、榛名と何度もセックスをしている自分の体はどうなっているのか不思議でならなかった。艦娘が平気なのは当たり前だ。提督はその内に腎虚で死ぬのではないかと思っていたが、一向にその気配はなく、むしろ翌朝の体調はすこぶるよい。これも軍事機密なのだろうか。

 

 提督はベットより蒲団が好きだった。二人が横になっているのはシングルの蒲団だった。榛名と繋がるようになり、もう一組の蒲団を新調しようとしたが、榛名の

 

『たしかに布団一組は狭いですね…。でも…榛名、暖かいです』

 

 の一言で辞めた。

 

「提督、聞いて下さい。榛名が今日、提督の指示に従わなかったのは……」

 

「それはもういい。榛名を信じてる」

 

 唐突な榛名の告白。提督自身もう解決したと思っていた。指示に従わなかった事は問題だが、戦場で艦娘の判断は優先される事もあるので決定的な問題とはならない。一人で戦艦棲姫とタイマンをするという無茶をしたことが問題だったのだ。しかし榛名はもう無茶はしないと約束してくれた。提督は榛名のその言葉を信じている。

 

「……やっぱり聞いて下さい」

 

「……わかった」

 

「半年後に泊地の総司令官が鎮守府に帰任されます」

 

 泊地の総司令官。提督を束ねる役職の人事権は大本営にある。二年に一度入れ替わり、それが今年の三ヶ月後に行われる。通常であれば、総司令官は大本営からの出向人事となる。

 

 総司令官は艦娘を従えないただの人間だ。これまで優秀な人材が送り込まれて来たが泊地という場所柄、提督達との軋轢は避けられなかった。結果、提督たちの進言は退けられる事が増え、提督達の視点では解放されるはずの海域の減少に繋がり少なからず不満の原因となっていた。

 

 泊地の軍閥化を防ぐ為の手段であったが、この度、軍令部総長の鶴の一言で、泊地総司令官を泊地の提督から抜擢されることが決定した。

 

 選ばれる可能性があるのは、高雄の提督と榛名の提督の二人だった。戦歴、実績、共に抜群の二人である。しかし榛名の提督は艦娘嫌いと噂が立ち、実際、ひと目があるところでは榛名にきつく当たっていた。

 

 榛名の失敗がなければこんなことにならなかったのに……

 

 今のままでは榛名の提督が選ばれる可能性は低い。榛名は提督に恩返しがしたかった。傷付いていたとは言え、戦艦棲姫と一対一で渡り合える艦娘を従える提督。実績としては十分だろう。後は大本営の判断を待つだけだった。

 

「馬鹿か」

 

 榛名の話を聞き終えた提督の一言だ。

 

「……はい。榛名は馬鹿でした」

 

「総司令官(そんなもん)に興味はねぇよ。あれ激務だぞ。ハゲるわ」

 

「なるほど!それで総司令官は、髪が薄い人ばかりだったのですね」

 

「……そうだな…」

 

 今まで着任してきた総司令官は高齢者が多かった。泊地でハゲた訳ではない。だが誤解を解くのも面倒なのでそのままにした。

 

「あ!榛名は提督の髪の毛が薄くなったとしても、変わらず愛し続けます!」

 

「ハゲねぇよ!」

 

 提督はまだ若い。ハゲの気配はない、家族もふさふさだ。だが若い故にハゲの恐怖はいつまでもつきまとう。

 

「俺は榛名(お前)がいてくれるだけでいい……」

 

「提督…」

 

 大本営が建造した人形兵器艦娘。提督は榛名を愛している。愛してしまった。榛名の話が本当であるなら榛名と子を成したい。大本営はそれを許すだろうか。榛名は戦力としては高雄と並び、泊地最強の存在だ。他の泊地の艦娘と比べても、頭半分は飛び出ているだろう。その榛名を今すぐとは言わないでも戦線から離脱させる。大本営は許可を出さないだろう。

 

 軍令部総長は変わった人だと聞いている。自身が五人の艦娘を従える『戦えない提督』である。案外話が通じるかもしれない。最悪拘束はあっても銃殺はないだろうと提督は考える。

 

 提督の死はそのまま旗下の艦娘の戦力の喪失を意味する。泊地最大クラスの榛名を失うのは大本営とて望まないだろう。ならば提督のすることは。

 

「近いうちに大本営に行ってくる」

 

「え?この時期にですか?」

 

 驚いた榛名だったが、脳裏に、ある艦娘の幸せそうな姿を思い描いた。彼女の左手の薬指にはとある指輪があった。

 

 ケッコンカッコガチの指輪。

 

 艦娘の建造方法と並び、正真正銘の軍事機密である。提督達には情報の一切の開示が許されていない。艦娘も提督に、仄めかす事すら許されていない。

 

 五年以上の戦闘経験。練度上限に達する事。提督と心の底から信頼関係を結ぶこと。男女の関係に在ること。そして提督自身が大本営に直接赴き指輪を受け取る事。

 

 条件はそれだけだ。泊地に在籍する艦娘と提督なら決して難しい条件ではない。だが現在指に指輪を嵌めているのはたった一人の艦娘だけだ。軍事機密である情報の秘匿が艦娘から指輪を遠ざけていた。

 

 指輪の機能は単純だった。艦娘の能力と練度の更なる引き上げである。そして提督と艦娘の関係を大本営が認めたという証でもあった。

 

 指輪を取得しても提督には一切の説明が許されていない。ある艦娘も提督が事情を把握しないまま指に指輪を嵌めてもらった。泊地で戦う全艦娘の憧れの一品であった。

 

 そして指輪の情報の秘匿は艦娘にもあった。榛名が知らない。泊地で戦う艦娘も知らない。全ての艦娘が知らない指輪の効果。

 

 指輪を嵌めた艦娘は艤装を展開したまま子を子宮に宿す事が出来た。そして、同一存在の建造が可能となる。

 

 全ての艦娘はユニークである。同一存在は世界のどこにも存在しない。世界で榛名は今この場所にしか存在しないのである。

 

「戻るまで時間がかかるかも知れない。それまで待っていて欲しい」

 

「はい!榛名は提督をいつまでも待ちます!」

 

 榛名は提督に深い口づけをした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■

「てめぇ。見送りはいらんといっただろうが」

 

 輸送船を兼ねた鎮守府と泊地を繋ぐ定期便が埠頭に停泊していた。提督は最低限の荷物を肩にタラップに脚を掛けた所で榛名が見送りの挨拶をしたのだ。

 

「提督をどうしてもお見送りしたくて……」

 

「いらん。さっさと出撃の用意でもしてろ。後は高雄の提督に従え」

 

 提督はそれだけ言うとタラップを登り船内に消えた。

 

 あっけなく定期便は出港し、警備の艦娘が数人、定期便の護衛の為随伴していた。やがて定期便は水平線の彼方へ消えた。

 

 榛名はその場を動かずにいた。高雄の提督には許可を取っている。出撃は午後からだった。

 

「相変わらずね、あの提督は。榛名も苦労してるわね」

 

 一部始終を見ていた満潮が榛名に声をかけた。満潮は歯がゆくてしょうがない。自らの提督ならば罵倒してでも態度を改めさせてやるのにと。

 

「……いいえ。提督はとても優しいのです」

 

 榛名は定期便が消えた方角を見ながら呟いた。

 

「ねぇ。本当に大丈夫なの?何かあったらちゃんと言いなさいよ」

 

 艦娘は提督の旗下にある以外は自由だ。だがその提督があれでは。満潮は榛名が心配になる。泊地最強クラスの艦娘と言えど提督には強く逆らえないのだから。酷い扱いを受けて精神が失調しているのではないか。

 

 榛名は満潮の気遣いに感謝しつつ、だが心配も無用とばかりに力強く答えた。

 

「はい、榛名は大丈夫です!」

 

 




コスプレマイセルフ

エロいのかエロくないのか、それだけでも知りてぇです。
自分ではもう分かんなくなってきた。
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