俺ガイルヒロイン達とイチャイチャしたいだけのお話。 作:虚蝉
「比企谷くーん!」
奉仕部で俺が本を読んでいると、城廻先輩が部室に入ってきた。
「なんですか?」
「お話ししよー」
「いいですよ」
なに話しますか?と俺は問うた。
「じゃあじゃあ!私のこと名前で呼んで!めぐりって!」
「え・・・ええ・・・」
「いーじゃん!私たち友達でしょ?」
その言葉を聞いて沈黙を貫いていた、雪ノ下と由比ヶ浜が動いた。
「城廻先輩失礼ですがそのゴミに友達なんて出来ませんし、なる価値ありませんよ?」
「ふぅん?なら雪ノ下さんがそう言うなら比企谷君借りていってもいいよね?」
「え、ええ、むしろそうしてくれた方が部室がきれいになって助かりますから」
そう雪ノ下は言い放つと俺と城廻先輩を部室から追い出した。
ちょっとちょっと雪ノ下さんあなた酷くない??
そんな俺の心の中だけの叫びは虚空へと消えていく。
「さて、これからどうしようかー?」
「どうもしませんよ。帰るだけですから」
「えー、遊んでいこーよ」
そう、駄々をこねる先輩はどこか子供っぽいと言うか・・・。
いやこの人絶対アレだ。
見た目は大人、中身は子供、その名も名探偵メグリーン。
うん、やっぱり違うな。
「嫌ですよ」
城廻先輩と話していると調子が狂う。
早く自分のペースを取り戻したいモノだ。
「ということで俺は帰りますね」
「はーい」
先輩は快諾?してくれた。
俺はゆっくりと帰途につく。
帰途につきながら考える、城廻めぐりという女性について。
やはり城廻めぐりは恐ろしい人物のように思えてならないのだ。
こう、なんと言えばいいのかわからないが底知れぬ恐ろしさを持っている気がする。
陽乃さんや一色いろはは考えてあのように立ちふる舞っている。
まだそんな彼女らの方が、可愛さというモノだって感じること出来る。
しかし、城廻めぐりという女性は考えなしの天然なのだ。
そんな彼女を理解できる人物がいるのだろうか・・・。
一抹の不安とともに俺はその場に立ち止まった。
「あれ、比企谷君??帰ったんじゃなかったの??」
声のした方を振り向くと雪ノ下雪乃が立っていた。
「いや、今帰ってる途中だから」
寧ろなんでお前がいるんだよ、と問う。
「あなたの忘れ物を届けようと思ってね」
「お前のことだから嘲笑うかとの如く俺のことを貶して、部室にそのままおいてくるだろ」
「あなたほど人の好意を受け止められない人間はいないかもしれないわね」
フッと鼻で笑い俺は声を張り喋る。
「別に、偽善者の偽善でしかない行為など好意と呼べるわけないだろう」
「そう・・・あなたはそういう人だったわね」
久しく忘れていたわ、と雪ノ下は悔しそうに唇を噛んだ。
「そう、悔しそうな顔をするな、お前は悪くないさ」
「でも私はあなたの更正を平塚先生から依頼として受けているのよ」
「そう・・・だったな・・・」
俺の言葉に、だからと言葉を続けようとした雪ノ下を遮って声を発した。
「でももう、その依頼は達成されてるだろ」
「そうかしら?私の目から見ればあなたはより悪化してるように見えるのだけど?」
「それはあれだ、多分勘違いだ」
そうかもね、と雪ノ下は微笑んだ。
「忘れないうちにあなたに渡しておくわね」
そう言って雪ノ下は鞄から俺にも見覚えのファイルを取り出した。
そうか、あのファイルを忘れていたのか。
「その・・・サンキューな」
「いえ、気にしなくていいわ。このことを口実に会おうだなんて考えていなかったわけだし」
「そ、そうか」
「ええ、そうよ」
そう言って立ち去る雪ノ下は一度振り返って、何もなかったように首を振るとまた歩き出した。
その様式美とも言える雪ノ下の姿を俺はぼーっと見つめていた。