からんとコーラの中に浮かぶ大きな氷が揺れた。
突然現れたゾンビに驚いて、駿介が前に置いてあるテーブルに足がぶつかったからだ。
「ふふ。今の所で絶対驚くって思ってた 」
くすくすと笑う美鈴は駿介の足の間にすっぽりと挟まるように座っていた。長袖長ズボンのドット模様のパジャマを身につけて。
「美鈴だって初めて見た時は絶対驚いただろ」
拗ねたように抱き締める力を少しだけ強める駿介は黒いシャツに黒のハーフパンツというラフな服装。美鈴はそんな彼に脇の下から手を入れるように抱き締められたまま、何も言わずに持っていたオレンジジュースの入っているコップに口を付ける。駿介の指摘が図星だったからだ。
「そういえばさ、まだ炭酸とか苦手なのか? もうずっとだよな」
「んーー……しゅわしゅわって感じが苦手だからさ、最近飲んでみた時もなんか“んーーっ”ってなったからさ」
密着したまま、美鈴はテレビ画面に写る主人公が最後に現れたゾンビに斧を降り下ろし、生き残ったヒロインと熱いキスをするラストシーンを見ながら答えた。
残念ながらよく理解できていない駿介は美鈴の肩に顎を乗せ、耳元で囁いてみる。
「いいこと思い付いた。この方法なら、美鈴でも美味しく飲めるかも」
「すっごーーく嫌な予感がするんだけど、気のせい? 」
「嫌って言われたらめっちゃ傷付くから、気のせいだと嬉しい」
美鈴が横目で駿介を見ると、彼は笑顔で彼女の頬へと口付けをするのだった。
「く、く、口移し! 嫌ーーではないけど、流石にちょっと恥ずかしいんだけど!? 」
冷蔵庫からペットボトルでコーラを持ってきた駿介に、美鈴は真っ赤な顔で抗議する。そう言いながらも共にベッドへと座り、手まで繋ぎながらのそれには何の効果も無いらしい。
「やってみたかったんだよね、口移し」
「やっ……たこと、ないの? 東城さんとか西野さんとか、あと北大路さんと」
「そういえば無いな。まぁ口移しなんてきっかけがないと思い出さないだろ」
冗談っぽく笑い合いながら、二人の距離が近付き唇と唇が触れそうになりーー美鈴の空いた左手によって防がれた。
「し、仕方ないから口移し! やってみても、いーわよ? 仲間センパイっ」
「二人っきりの時は先輩は止めるって言ってなかったっけ」
美鈴の左手によって唇を軽く押さえ付けられながらも、駿介は器用に上手く話す。美鈴はそんな無意味な特技に気付く事もなく、かつての呼び方で呼んでみる。
「駿介おにーちゃん」
「美鈴がそう呼びたいのなら、それで良いけど」
「やだ。あたしは“駿介”の彼女になったんだもん。もう妹は止めるって決めたから」
不意の口付け。初めて美鈴からする甘い甘いキス。
繋がれた手から伝わる温もりと、気のせいだろうか彼女の早い鼓動が駿介には聞こえてくるような気がした。
「ね、のませて? 」
上目使い。震える唇で、繋いだままの駿介の手を自分の胸元へと近づけながら、美鈴は言うのだった。
新しくコーラをコップへと注ぎ入れ、それを口に含ませる。
口の中はしゅわしゅわと炭酸が弾け、まるで高鳴る自分の心臓の鼓動のようだと駿介は思った。
ふと美鈴の方を見る。すると彼女は“ん?”と小さく首を傾げた。
きっと、さっきの“あれ”は無意識の行動だったのだろう。と、駿介は思わず笑ってしまう。すると美鈴は何かおかしいかな、と少しだけ不安げに駿介を見上げた。
「んっ……ん、ん、んーー」
重なる唇。美鈴は入ってくる冷たい感覚に、最初は思わず駿介の胸を何度か叩きーー微かに感じるしゅわしゅわとした感覚と、甘い味とキスに身体の力が抜けていく。まるで内側から溶けていくように。
「美味しく、ない? 」
「……もうちょっと、もうちょっと飲まなきゃ分かんないかな」
ベッドへと寝転がりながら、自身の上に乗る駿介へと照れたように美鈴は笑った。そう言われてしまうと駿介もノリノリでコーラを口に含ませ、再び口付けをするのだった。
何度も何度も。唇がふやけてしまうのでは無いかと思うほどに。
「うーー……飲みすぎた。お腹がたぷんたぷんしてるよ、絶対」
二人で歯を磨き、共にベッドに横たわり美鈴は言った。手を繋ぎ、隣で真っ直ぐ自分を見つめる駿介を見て。
すると何を思ったのか、駿介は身体を起こし彼女の上へと乗るとペロンとパジャマの裾をまくりあげ、その雪のように白く華奢な腰と腹を露出させた。
「ちょっ、まだ心の準備がーー……って、何してるんですか。仲間センパイ」
腹に耳を当てて、ゆさゆさと彼女の身体を揺らす駿介。
そんな彼を美鈴が紅潮した顔で睨み付けている事を、駿介は気付かない。それどころか「多分ちゃぽんって聞こえた」などというような事を言ってしまう。
「めっちゃ顔赤いよ、美鈴。俺さ、美鈴の恥ずかしそうにしてる顔大好きだよ」
「そ、そんなこと言えばどんなことをしても許されるって思ってるでしょ」
「全てお見通しな美鈴も、大好きだよ。こうやって、美鈴の誕生日を一緒に過ごせて幸せだから」
上体を起こした駿介は服を脱ぎ捨て、彼女のの手を引き同じように上体を起こし、片手でボタンを外しながら口付け。触れるだけのキスを何度も何度も。
「んぅ……んっんぅんんっ……で、電気! 消して? 」
「ん。分かったよ」
名残惜しそうに身体が離れると、美鈴が腕を伸ばし立ち上がった駿介の腰へと抱き付いた。ボタンが全て外されたパジャマがひらりと揺れて、淡い水色の下着がちらりとのぞく。
「離れるのはやだ」
「じゃあ離してあげない。美鈴の全てを、俺のものにするから」
向き直り、再び甘いキス。ゆっくりと想いを確かめ合うような、濃厚な口付け。
駿介の舌はぬるりと彼女の口内へと侵入し、美鈴の小さな舌と絡み合い、そして彼女の口の中を犯すように、しかし優しく蹂躙していく。
するりとベッドの脇に落ちるパジャマと淡い水色の下着。
ふにふにと手のひらにおさまる柔らかな乳房を揉みしだきながら、駿介は一度唇を離す。苦しくなった美鈴がとんっと、駿介の厚くもなく薄くもない胸板を叩いたからだ。
「ちょっとたんまーーんっんぅ……んっ」
しかし直ぐに重なる唇。左手では胸をいじめながら、ゆっくりと再び美鈴をベッドへと寝転ばせる。もちろんキスはやめてなどあげない。
ころころと胸の先端を弾く度に美鈴の華奢な身体が小さく跳ねる。その色素の薄い先端はかなり敏感になっているらしく、触れられるたびに軽くいってしまっているのだが、美鈴自身まだ気付いてはいない。
「声、我慢しなくていいからな。一応ちゃんと防音だから」
上体を滑らせ、彼女の耳元で囁くと気付かれていないと思っていたらしい美鈴は、「が、我慢なんてしてないから」と強がってみせる。駿介はそんな姿がいとおしいと思いながらも、ちょっといじわるをしたくなる。
「そっかそっか。じゃあ急に触ってもあんまり感じないーー」
駿介は手を伸ばし、ズボンの中へと手を滑り込ませ、ショーツの上から彼女の秘所にそっと触れる。それだけで、美鈴は手の甲を口に当て、漏れる甘い声を押し殺す。
「んんんっっぅひゃあんっ……っ
しかし身体は素直で大きく一度跳ねた後は小刻みに数回の痙攣を起こし、きっと駿介を睨み付けた。
「ず、ずるいのは禁止っ」
「禁止って言われたらやりたくなるのが男だからさ」
肉の薄い腹に何度もキスをし、ズボンを脱がせながら下腹部へと舌を這わせていく。その度に彼女の身体が跳ねるのだが、もちろん止めたりなどはしない。むしろ逆で、もっともっとと燃え上がる。
「大好きだよ」
甘い言葉にも美鈴は甘い声を漏らす。
駿介は露になったしゅっと引き締まった太ももの内側を吸い付き、舐める。すると美鈴は艶のある声で「気持ちいい」と喘ぎ、駿介の頭を撫でるように手を伸ばした。
すべすべの白い足へ触れ、舐め続けながらぐっしょりと濡れたショーツを脱がす。すると蒸れた空気がむわっと開放されて、じんわりと濡れた薄い陰毛が駿介の目に入った。
「凄く綺麗だよ」
「ほ、本当に? 」
少しだけ不安が見え隠れするような声で、美鈴は駿介を真っ直ぐに見つめた。駿介は視線だけ彼女の方へ向け、割れ目へと舌で触れながら同じように見つめる。すると気持ちが伝わったのか、美鈴はほっとした顔で、訪れる快感に身を委ねる事にした。
「すっごく可愛い」
「ふぁあっーーんっ…んぁん…」
割れ目の上にある小さな肉の豆を優しく弄びながら、膝立ちになる。一糸まとわぬ姿で股を開かされ、美鈴は自身を見下ろす駿介を見つめ、小さく頷いた。誕生日を迎えるその時を、繋がったまま迎えたかったのだ。
「痛かったら言って。やめるから」
「ーー痛くても、やめないで。駿介が欲しいから」
受け入れるように美鈴は両手を広げる。
駿介は既にいきり立った一物に手を添え、ぐにぐにと入り口を擦りながらゆっくりと入れていき、美鈴の腕の中に入った。
抱き締められる事で一物は奥までぐっと差し込まれ、美鈴は痛みに顔を歪ませながらも、すがりつくようにと駿介へとキスをする。
「すきぃ、すきぃ。ぁん…っふぁん…っ…すきぃ大好きぃ」
ひたすら甘える彼女と一体になりながら駿介はゆっくりと腰を浮かせ、ゆっくりと再び奥を突く。すると「ひゃぁん」と美鈴は嬌声を漏らしながら、抱き締める腕の力を強める。
強い快感からか二人の繋がった所からぬめぬめとした愛液が溢れ、交じいるように真っ赤な血が出てきているが、あまり痛みは感じていないらしい。美鈴はその長く白い足まで駿介の腰へと巻き付けた。
「好きだよ。大好きだ」
「んっんっんっぁっぁっん……」
より深い快感を貪る為にと駿介は腰を深い所を押し付けるようにぐりぐりと擦り付けーー腰を引くと、浅い所を小刻みにピストン運動をする。
美鈴は小さな嬌声を漏らし、呼吸もままならないままに口付けをしながら真っ直ぐに駿介を見つめた。その一生懸命に愛してくれる彼を目に焼き付けるように。
「ん、そろそろいくよ」
「あ、たしも、んっ、イキそうーーんっ」
ぐっと美鈴の華奢な身体が跳ねる。駿介は最後に今日一で深く彼女の中へと突き刺しーー美鈴は離さないようにと駿介の身体を抱き締め、訪れる快感に身を委ねながら再び口付けをした。
駿介は器用に腰だけ浮かせ、溢れ出た白濁液で彼女の艶やかな太ももを汚す。
「すっ……ごく、熱いーー」
「ありがとう美鈴ーー誕生日、おめでとう」
真新しい掛け時計が心地よいメロディで午前十二時を告げた。
美鈴の誕生日だ。
繋がったまま、駿介はぎゅうっと美鈴の身体を抱き締め、頬擦りをしながら囁いた。
美鈴はかすれた声で、ありがとう。大好きと抱き締め微睡みへと落ちていくのだった。
現在午前十二時。眠いです笑