※微妙に長いのでぶっちゃけ読まなくても大丈夫です。
話の発端が知りたい人用。
Q.導入無駄に長いからあらすじを三行でまとめて
A.男がインポに女が欲求不満な幻想郷
性欲魔人な主人公『貴方』が連れてこられて
東方キャラとエロ三昧
こんな感じです。以下導入
『貴方』は気がつくと、沢山の目が浮かんだ謎の空間に立っていた。前後左右見回しても、無限に続く闇が広がっているばかりで、自分がどこにいるかも見当がつかない。それどころか、自分が何者で、どうしてこの空間に迷い込んだのか記憶のカケラすら掘り起こせない、完全な記憶喪失状態だった。
これは夢か、それとも妄想なのだろうか。
貴方がそう思案していると、どこからか声がした。
「いいえ、ここは夢の世界でも貴方の妄想でもないわ。訳あって、貴方をこっちに呼んだのよ」
声のする方へ振り返ると、そこには今まで見たこともないような美女が立っていた。
「私の名前は八雲紫。仲良くしましょうね、救世主さん」
八雲紫と名乗った女性は恭しく礼をすると、貴方ににこりと微笑みかける。その天使のような微笑に貴方は思わず見惚れていた。しばらく黙って彼女の表情を窺っていると、彼女は眉根を寄せて小首をかしげた。なぜだろう、女性の顔をジロジロ見つめるのは失礼だろうか、不快にさせてしまっただろうかと疑問に思う貴方だったが、そこでようやく思い至る。
自分はまだ彼女に名乗っていなかった。彼女が先に名乗ったのだから、返さなければ無作法極まりない。それでは彼女も不愉快だろう。貴方は改めて自分の名を名乗ろうとして……その先が口から出てこなかった。
……ない。思い出せない。貴方は自分の名前が思い出せなかったのだ。
名を名乗れず口を半開きにして固まる貴方を見て、紫は合点がいったとばかりに「そうか」と頷くと、苦笑交じりに説明し始めた。
「貴方は……あぁ、自分の名前を思い出せないのね。ムリもないわ。こちらに呼ぶときちょっと強引に引っ張ってきたものだから、色々と情報を落としてきちゃったのね。おそらく名前だけじゃなくて、貴方の過去に関する記憶の大部分を失っていると思うけど、これからのことを考えると、忘れててもらったほうが未練がなくていいかしら。こればっかりは不幸中の幸いと思ってもらうしかないわね」
貴方の存在を無視して一方的にまくし立てる紫に、貴方は戸惑うばかりだ。話を聞く限りでは、紫は何か目的があって貴方を拉致してきたのだろう。そこについては、怒りよりもまず先に困惑があった。「なぜ自分が」「何のために」「ここはどこで」「何をさせられるのか」……様々な疑問が浮かんでは消えていく中、紫は「落ち着いて聞いてくださいね」と前置きして、貴方を連れてきた理由……事の本題に入った。
「貴方にはこれから、幻想郷と呼ばれる世界に行ってもらうわ。そこには人間や妖怪といった様々な者たちが住んでいるんだけど、彼らは今存亡の窮地に立たされているの。と言うのも、現在幻想郷の人妖問わずあらゆる男性がSD……性機能障害に陥っているわ。具体的に言うと、勃起はおろか性欲が全く沸かなくなってしまうの。私達もあの手この手で男性を欲情させようと頑張ったんだけど、どれも効果がなくて手詰まりで。生物として致命的よね、生殖が行えないなんて」
紫が滔々と話し始めた話は、にわかには信じがたい内容だった。彼女の話し方が軽薄で真剣味に欠けるというのも要因だが、あまりにも突拍子のない空想のような話だったからだ。それこそジョークと言ってくれたほうが納得できる。それとも、本当にそんな絵空事のようなことがあり得るのだろうか。例えば、感染症とか流行病のようなものとか。
しかし、紫は貴方の言葉を首をふって否定した。
「それが病気のたぐいではないらしいの。これは永琳先生の見解だから間違いないわ。これを私達は不能異変と呼んでいるんだけど、おそらく何らかの妖怪が関わっていると思う。でも原因は現段階で全くの不明。対抗策も見いだせていない状況よ。更にこの異変の恐ろしいところは、男性が性的能力を失ってしまうのに対し、女性はむしろ発情してしまうことなの」
発情? ぽかんと間の抜けた表情で返す貴方に、紫は深刻そうな顔で先を続ける。
「それが笑い話ではないのよ。考えてもみなさい。女性は性欲を発散したくて異性を求めるけど、男性は相手をしたくてもできないの。当然お互い欲求を解消できないからストレスが溜まるし、人間関係の不和やトラブルに繋がる。異変の二次災害で妖怪が暴れることも多々あるわ。おかげで幻想郷の秩序は乱れに乱れているのが現状なの」
確かに、紫の言うとおりなら笑い話にもならない事態だ。存亡の危機というのも誇張ではないのだろう。
しかし、それならなぜ自分が呼ばれたのだろうか? もしかしたら異変を解決できる能力でも持っているのだろうか。
「貴方を呼んだのは他でもないわ。この緊急事態に際して、貴方には幻想郷の女性の相手をしてほしいの。もちろん性的な意味でね」
そう言って、紫は貴方に顔をぐっと近づける。貴方の身体にその豊満な胸を擦り寄せると、いやらしい手つきで貴方の股間に触れる。
すると、貴方の股間がむくむくとすぐに膨れてくる。それを見やり紫はニヤリと意味深な表情を見せた。
「記憶が無いからわからないかもしれないけど、貴方は人間とは思えないほどの膨大な精力を持っているわ。その力を是非幻想郷のために役立ててほしいのよ。幻想郷の女性たちの溜まりに溜まった性欲を発散させてほしいの。このままでは妖怪の女性たちが暴走して新たな異変に繋がるかもしれない。それを未然に防ぐためにも、ぜひ貴方の能力を貸して欲しい」
紫は力強く貴方の手を握る。その手の温度から紫の意思の強さが伝わってくるようだった。
果たして自分にそんな大それたことができるだろうか。紫の思いを受け止めた貴方だが、同時に不安が胸裏に募る。幻想郷という知らない世界で、見知らぬ人たちと交流するのだ。不安がないわけはない……だが、迷ってもいられないのだろう。紫の表情からもそれは察することができた。
「貴方の不安は分かるわ。でも、貴方なら大丈夫。何か困ったことがあったら私がサポートするから、貴方は観光気分で幻想郷の女の子と遊べばいいのよ」
紫はそう言って貴方の背中を押す。目の前の空間に亀裂が走り、そのスキマから貴方は外の世界に落とされる。
幻想郷と呼ばれる未知の世界へ、貴方の冒険が始まったのだ。