【061】とあるスキマ妖怪の暗躍と紅白巫女の痴態
幻想郷を未曾有の大混乱に陥れた、後に『不能異変』や『発情異変』と呼ばれる異変が発生した正確な日にちは、実のところ関係者の間でも詳しく分かっていない。異変が巷で騒がれ始めたのはその年の春先ではあるが、一説によると冬の終わり頃には先触れのようなものが現れていたらしい。
最初に異変の『症状』に触れたのは、永遠亭に住む薬師の永琳だった。ある日彼女のもとへ検診に来た男性は、精力の減衰や勃起の不全を訴えた。その時はよくあるEDだと永琳は診断したのだが、それから同じ症状を訴える男性が次第に増えていったのだ。彼らは皆身体的には正常なものの、永琳が強力な精力剤を処方しても勃起することはなかった。不特定の集団が一斉に精神的な理由で勃起不全に陥ることがあるのだろうか? 彼女は新種の流行病かと考え調べたが、結論は出ないまま事態はより深刻な状況へと転がっていくことになる。
男性の集団勃起不全に続いて、今度は女性たちが異常なほどの性欲の増幅を訴え始めたのだ。最初は男性たちのEDが原因による欲求不満だと思われたが、そんな単純な問題ではなかった。
性的欲求不満に苦しむ女性たちは、段々と情欲を発散するため奇行に走るようになる。ある者は欲求を暴力に変えて発散し、ある者は手当り次第に人を襲い性欲を発散した。そのような常軌を逸した行動に出る女性が急増し、そこでようやく異変が起こっていることに人々は気づく。
男性の性的不能、そして女性の性欲増幅。それらがひとつの異変による影響であることは明白だ。このまま異変を放っておけば、幻想郷の存亡に関わる危機に発展しかねない。
幻想郷の危機に立ち上がったのは、異変解決の専門家である博麗神社の巫女、博麗霊夢であった。これまで数々の異変を解決してきた実績のある彼女は、事態の収束に向けいつものように飛び立ったのだが……。
×××
「それでは行って参ります」
紅魔館の門扉の前、貴方と従者として付き添う咲夜を見送るため紅魔館の面々が出揃っていた。
「彼をちゃんと博麗神社まで送り届けるのよ」
列中央、レミリアが笑顔で貴方を送る。本当は寂しいだろうに、紅魔館の当主として毅然と振る舞っていた。幼い容姿にキリリとした表情は、初対面の時の恐ろしい印象が取り除かれただただ愛らしい。
「咲夜さん不在時は、私が紅魔館を守りますので安心してくださいねー」
そう胸を張るのは、レミリアの隣に立つ美鈴だ。言葉自体は頼もしいのだが、彼女が言うと一抹の不安を覚えるのはなぜだろうか。
「また魔法の研究で成果があったら教えるわ。その時はよろしくね」
パチュリーはなんだかお疲れのようだ。研究の徹夜でもしたのだろうか。エロいことに情熱的なのは良いのだが、身体を壊さないか心配である。
「私とエッチしたくなったら、いつでも歓迎ですよ。我慢できなくなったら私の方からお邪魔するかもです」
小悪魔は相変わらずのようだ。その調子でパチュリーのことも支えて欲しいものだが、逆に彼女のことを暴走させてしまうかもしれないのが恐ろしい。
「お兄様が居なくても頑張るから、また必ず遊びに来てね。絶対よ」
美鈴の服にしがみついて寂しそうにしているのはフランドールだ。彼女のために色々手は尽くしたが、それでも別れの寂しさは拭えない。時間ができたらまた会いに来ようと、貴方は心に誓った。
たった一ヶ月ではあるが、記憶喪失の貴方には紅魔館の日常が実家のような心地よさであったのは事実だ。右も左も分からない幻想郷で、初めて訪れたのが紅魔館で本当に良かった。そう貴方が感謝の言葉を皆に述べ、咲夜とともに紅魔館に背を向ける。
紅魔館との別れ、そして新たな旅立ちだ。目的地の博麗神社に想像を膨らませ、貴方は先導する咲夜の後をついていった。
二人の影が紅魔館から段々と離れていく遥か上空で、空間に奇妙な亀裂ができていた。空に空いたスキマから、ひとりの女性が顔を覗かせる。金の長髪に白と紫のドレスを着た彼女は、二人の影を見下ろし意味深な微笑を浮かべていた。
×××
博麗神社。幻想郷の東端に位置するその神社は、幻想郷と外の世界を隔てる大結界の境目に立つ重要な建物である。
ある意味幻想郷の要と言える神社なのだが、その内部は無人の施設なのかと勘違いするほど閑散としていた。参拝者など皆無に等しく、木々の間に流れる風の音だけが、この空間に時間が流れていることを教えてくれる。
博麗神社ががらんとしているのは異変に関係なくいつものことなのだが、妙に空気を重くしている遠因には異変の影響があるだろう。
「あー……うー……」
人の気配が感じられない本殿の縁側に、鬱屈とした人の呻き声が響き渡る。獣の唸り声にも似た声を上げたのは、縁側の端に横たわる巫女装束を身に纏った少女だった。沈痛な面持ちでゴロゴロしている巫女さんは、この博麗神社の主である博麗霊夢その人だ。彼女は何をするでもなく縁側に寝転がり、益体もない声を上げるだけだった。
「あら霊夢、今日も今日とて相変わらず不景気な顔を浮かべているわね」
そんな巫女がダラダラ無為な時間を過ごす空間に、突如としてスキマが現れる。空中にできた亀裂から女性の身体がぬっと這い出し、横になる霊夢に呆れたような声をかけた。
「紫、うるさいわね。あんたのせいで余計に気分が悪くなったわよ」
突然現れた紫に対し非難の声を上げる霊夢。惰眠を邪魔されるだけで不快なのに、現れるなり皮肉を言われるのだからたまらない。それが図星なら尚更、自分が責められているようで不愉快だろう。霊夢は眉をひそめ頭を掻きながら起き上がり、招かれざる訪問者に視線を送る。
「で、何しに来たの? また私を辱めるつもり?」
「そんな言い方……まだあのこと根に持ってるの?」
「当たり前じゃない。あんたの口車に乗ったせいで、私は当分人里に行けなくなったのよ」
三週間ほど前の話だ。異変の影響でEDに陥った男性たちを復活させるために、霊夢は紫の指示で人里にてストリップショーを敢行した。結果は案の定大失敗に終わり、霊夢の心に深い傷を負うことになったのだ。アレ以来彼女は神社に引きこもり、たまに欲情し暴走した妖怪を諌めるために外出するだけの生活を送っていた。
「あの件は何度も謝ったじゃない。あれは私も浅慮だった。私の思いつきに霊夢を巻き込んでしまって申し訳ないと思っているわ」
「あれは今でも悪夢に見るのよ、まったく……」
霊夢は嘆息しながら思い出す。あの地獄よりも地獄めいた出来事を……。
×××
そこは人里にある、本来は何もない広場があった場所。そこに、不揃いの板がむき出しで塗装もされていない木製のステージが作られていた。いかにも突貫工事でこしらえましたと言わんばかりの粗雑な作りは、周囲の風景も相まって田舎にできた安っぽい見世物小屋のような様相を呈していた。
見世物小屋、という表現は間違っていない。これから行われるのは有り体に言えばショーである。
それも極めて低品質な、見るに堪えない黒歴史間違いなしの痴態である。
「ねぇ、本当にやるの……?」
ステージの脇にある申し訳程度の舞台袖から、霊夢の弱々しい声が響いていた。彼女は赤面しながら恥ずかしそうに袖から顔を出し、周囲の様子を窺っていた。
「ここまで来て中止はナシよ。せっかく河童に頼んで準備させたんだから、試してみないと勿体ないじゃない」
そう言うのは、霊夢の隣りにいる紫だ。彼女は半ば楽しそうに巫女の姿を舐め回すように見つめ、扇子で隠した顔に薄い笑みを浮かべていた。
「でもこんな恥ずかしい格好で……例え無事成功したって嬉しくないわ。何よこれ、ほとんど紐だし、ほとんど服の体をなしてないじゃない」
驚くべきは霊夢の服装である。普段の巫女服ではなく、スケスケのネグリジェにその下には布面積がほとんど存在しないマイクロビキニを着用していた。間違っても外を出歩く格好ではないが、この場においては重要な衣装らしい。
「なんで私がこんなことを……巫女の仕事に人前で肌を晒すなんてないはずよ」
「でも、異変を解決するために何でも試してみないと。貴女だってこのまま事態が進展しないのは嫌でしょう?」
事の経緯はこうである。男性が不能に陥り女性が性欲暴走させる混沌とした状況に奔走する霊夢だったが、異変の黒幕は一向に現れず解決の兆しも見えない停滞期がしばらく続いた。
このままでは異変の収束はおろか博麗の巫女の名折れである。困り果てる彼女に助言を与えたのは、怪しい笑みを浮かべた八雲紫だった。彼女は霊夢に人里でストリップショーをさせ、男性たちを欲情させることを提案する。彼らのEDが治れば異変解決に繋がるかもとの予測だが、流石の巫女もこの提案には渋い表情だった。いくら異変解決のためとはいえ、人に肌を見せるのは抵抗があるようだ。そこは年相応の少女といった感じだが、結局は紫に説得されたらしく、こうして公衆の面前で痴態を披露することになってしまった。
「だからって……どうしてもやらなきゃダメ?」
「いつまでもグダグダ言ってないで、覚悟を決めなさいな。ほら、観客は皆待ってるわよ」
舞台袖からこっそり様子を窺うと、ステージの前には二十人以上の男性が何事かと待機していた。紫が天狗に頼んで人を集めたのだ。集団の中にはカメラを構えた文の姿も見え、ちょっとしたイベントになっているようだった。
「うぅ……こんなに人を集めて。もし成功しなかったら、紫を一生恨むからね」
「その時は一生恨まれてあげるから頑張ってきなさい」
ポンと紫に背中を押され、霊夢は頼りない足取りで舞台袖からステージ中央に進む。そこには地面からポールが直立しており、いわゆるポールダンスの会場となっていた。
霊夢は紫に言われた通りポールに手足を絡め、くねくねと周りを回り始めた。
それをポールダンスと呼ぶにはあまりにも稚拙な動きだった。しかし、ただの巫女に過ぎない彼女にいきなりポールダンスをしろというのは酷すぎるだろう。こんな状況で恥を忍んで行動に移せるだけで立派なものである。
霊夢のぎこちないダンスを、観衆は一様に困惑した様子で見守っていた。彼らだって訳も分からぬまま連れてこられて巫女の変な踊りを見せられても反応に困るだろう。それでも通常時なら裸同然の少女の舞踊を見れば興奮くらいはするだろうが、重度のEDで女性に興味すらなくなった男性が大半なのだ。観客の反応は語るまでもないだろう。
「霊夢! 霊夢! ただくねくねしてないで、もっと動きにメリハリつけなさい! もっと男性を誘う感じで、そろそろ着てるもの脱ぎ始めなさい!」
踊り始めてからほとんど思考停止状態の霊夢は、紫の言う通りにネグリジェに手をかけスルスルと脱ぎだした。服の下に現れたのはきめ細やかな白い肌と、対称的に真っ赤なマイクロビキニである。眠気も吹き飛ぶ鮮烈な艶姿は非常に美しいのだが、いかんせん周囲の男性は性欲というものが抜け落ちた出し殻状態である。皆が皆ぼーっと虚ろな表情でビキニ巫女のことを見つめるだけであり、股間にテントを張っている者は誰ひとりとしていなかった。
嫌々やってることとはいえ、何の反応もないとそれはそれで乙女心が傷つくものだ。霊夢は額に青筋を立てながら無表情でポールに股間を擦りつけた。
「霊夢、刺激が足りないのよ。上の水着を取っ払いなさい」
「えぇっ!? そこまでやらなきゃダメなの!?」
「大勢の殿方を興奮させるためよ。貴女も魅力のない女と見られたままじゃ嫌でしょ?」
「うぅ、それは……」
彼女にだって女としてのプライドがある。男たちに冷たい視線を向けられたままで黙って終われるわけがない。紫の甘言に惑わされ、霊夢はビキニの紐に手をかける。
最小最低限の封印が解かれ、瑞々しい桃色の乳首が顕になる。美乳と評しても差し支えのない、確かな膨らみを感じつつさらなる成長を予感させるおっぱいだった。思わず振り向く美少女の容姿と引き締まった体躯、そして麗しき胸部のラインに食いつかない男はいないだろう。
そう、彼らが異変の魔の手に毒されていなければ。
「……………………」
沈黙。沈黙。気まずい沈黙である。ここまでしておいて何の反応もないのはあんまりではないか。これでは自分がただの露出狂みたいではないか。あまりの理不尽さに思わず涙がこみ上げてきた霊夢だが、ここで挫けてはいけない。博麗の巫女はどんな困難な状況でも挫けてはいけないのだ。
「ややっ、霊夢さん良い脱ぎっぷりですね! これは明日の一面間違いなしですよ! 『人里に謎の痴女現る! 泣く子も静まり返るストリップショー!!』。これは絶対売れそうですね~」
あ、やっぱり挫けそう。
観客席の最前列で天狗が嬉々として写真を撮っていた。
「ご安心ください! ちゃんと目線は入れますし、局部にモザイクもかけますので!」
「目線あったほうがエロくないかしら?」
「あ、そうかもしれませんね。でも、誰か特定できないほうが注目を集めそうです」
「それもそうね。霊夢の痴態を幻想郷中に配れば、ひとりくらいは勃起してくれるかもしれないわ」
観客席の最前列で天狗とスキマ妖怪が狂気の会話をしていた。あの二人を止めないと、自分の人生が終了しかねない。いや、大衆の面前で裸体を晒している時点で詰んでるか。
どのみち紫の提案に乗った時点で酷い目に合うことは十分予測できたことだ。それなのに見えている落とし穴にハマってしまったのは、自分も異変のせいで正常な思考判断ができなくなっていたのだろうか。
今更悔やんでも後の祭り。状況がこれ以上良くなることはない。この場でどう足掻いても汚名返上にはならず、恥の上塗りにしかならない。絶望的な現状に視界が真っ暗になる。
はは、私って何のためにこんなコトしてるんだっけ?
自暴自棄になった巫女の頭にあるのは、一秒でも早くこの狂った状況を終わらせたいという願いである。
「ほら、霊夢! 後一枚、下の方も脱ぎなさい!」
「霊夢さんのー乙女のアソコを見てみたーい! これは発禁モノですねー!」
観客席の最前列で天狗とスキマ妖怪が狂った催促をしてくるのを、霊夢は蕩けた思考で聞いていた。後一枚脱げばこの地獄から解放されるのだろうか、と。
もうどうにでもなれ、という精神で霊夢はほとんど紐のパンツに手をかける。白けた雰囲気の会場に、言葉で言い表せないような気まずい空気が流れるのだった。
×××
「今思い出しても死にたくなるわ。あんな大勢の前で全裸になるなんて末代までの恥よ」
「本当にごめんなさいね。霊夢にあんなことはもうさせないわ」
あの地獄のストリップショーで霊夢は心に深い傷を負い、その後二週間はほとんど寝たきりの生活を過ごした。ようやくここ最近は普段どおりの生活を送れるだけ回復したものの、異変解決へのやる気がごっそり削がれた状態になっていた。
こうして真っ白に燃え尽きた紅白巫女が出来上がり、ただ惰眠を貪るだけの自堕落な生活を送っているのである。紫としては霊夢に異変解決のため働いてほしいものの、自分の思いつきのせいで戦意喪失してしまったので変に口を出せない状態なのだ。
「やっぱり彼に頑張ってもらうしかないわね……」
「紫、なんか言った?」
「いえ、こちらの話よ」
「…………??」
博麗の巫女は役に立たなくなってしまったものの、スキマ妖怪には秘策がある。停滞した状況を打破してくれる秘策中の秘策が。
「……で、あんたが秘密裏に進めてた計画ってどうなったの? 外の世界から男を連れてくるっていうアレ」
「あぁ、そのこと。今話そうと思っていたところ」
紫が秘密裏に進めていた計画とは、全員不能になった男性たちに代わり外の世界から精気溢れる男性を連れてきて、一時的に女性の相手をさせようという企みである。異変の根本的な解決にはならないものの、対症療法としてはまずまずの計画であったのだが……。
「とりあえず外の世界の性豪を何人か連れてきたんだけど、ひとりを除いて全滅。可哀想なインポが増えてしまったってわけ」
「なんでひとりだけ無事だったの? ソッチのほうが謎じゃない?」
「そのことに関しては現在調査中。続報が来るまで大人しくしてなさい」
「大人しくしてろって言われてもねー……」
自分は本当に動かなくても良いのだろうか。やる気は依然としてないものの、強迫観念にも似た義務感がしこりとなって胸中に残っているのを感じる。それは最後に残された博麗の巫女としてのプライドなのだろうか。
「そのひとりだけ無事だった男がもうすぐ博麗神社に来るから、色々と世話を焼いてあげなさいな」
「なんで私が観光客の世話なんか……」
「そう言わずにお願いよ。幻想郷を救うかもしれない救世主様なんだから、博麗の巫女の名誉にかけて保護しなさい」
「誰のせいで博麗の巫女の名誉とやらが地に落ちたと思ってるのよ……」
紫の頼みを引き受けるのは業腹だが、この妖怪のことだから断っても無理やり押し付ける気だろう。それに、唯一異変の影響を受けていない男というのは興味がある。
「それじゃ私はまた裏でコソコソやってるから、彼のことよろしく頼むわね~」
そう言って、スキマ妖怪はスキマの奥に引っ込んで消えてしまった。相変わらず神出鬼没な黒幕系妖怪だ。人里の件で懲りたようだが、また何か悪いことを企んでそうなので用心するに越したことはないだろう。
「幻想郷で唯一異変の影響を受けていない男、かぁ……」
もうすぐここへやってくるらしい男は、どういうヒトなんだろう。紫が太鼓判を押すような人物なんだから、悪い人ではなさそうだけど……。
「……私、何を期待してるんだろ」
気がつくと、右手が自然と股間を触っていた。下着の上から陰核を弄り、本能的に快感を得ようとしている。
霊夢だって異変の影響で性的欲求が強まっているのだ。性的能力を失っていない男性が来ると知って身体が疼かないわけがない。とは言え、
「来ていきなり襲っちゃうのは無しよね。それに男の人と経験ないし、欲情してるとはいえやっぱり抵抗あるし。ならここで一回発散しちゃうのも……」
ここでスッキリしちゃえば、初対面の相手にやらかしたりはしないだろう。そう判断し、霊夢は胸を揉みながらクリトリスを重点的に弄りまくる。異変が起きてから唐突に欲情することが増えたので、自慰の回数も急増した。男性経験は皆無なのにオナニーだけは上手くなっていくのは不本意ではあるが、背に腹は代えられない。
「あぁっ、イキそうっ……イクっ、んああぁっ、イクイクっ……!」
悶々とした気持ちのまま、欲求に従い絶頂に至る。ちょっとしか触ってないのに、下着がビショビショに濡れている有様だった。
「はぁ、んはぁ……あーあ、替えの下着用意しなきゃ。まったく、私ったら何やってるんだろう」
オナニーが終わっても欲求が解消することはなく、虚しい気分に陥るだけだった。
「はぁ、どんな人が来るんだろう……」
汚れた下着を履き替えながら、近々相見えることになる男のことを夢想する。
彼との邂逅で、自分や幻想郷に変化が訪れるのだろうか。
淡い期待と拭えぬ諦観、そして僅かな身体の疼きを感じながら、霊夢は清々しいまでに透き通った青空を見上げていた。
幕間ですのでエロ少なめでした。
次回から本格的に博麗神社編を開始します。
活動報告の方に次章の詳細を載せましたので、気になる方はご覧になってください。