プロローグ
そこは薄暗い部屋だった、その部屋に居るのは死んだ魚のよう濁っためでパソコン画面に向かってる三十代位の男だった。
「ん?もう朝か……ふあぁ」
PCの電源を落としてベッドに向かう。
そっと目を瞑る。ゆっくりと闇に包まれて俺の意識は途絶えた。
――その日は夢を見た。
――内容は自分が転生させられた時の夢。
――神という人間よりも遙か上位の存在に、もう一度生を与えられた時の夢。
暗転
目が覚めた。いつの間にか寝ていた眠い目を擦りながら時計をるると時刻は夕方だったどうやら12時間も寝ていたらしい。
「カナカ今日のこれからの予定は?」
俺は机に置いてあるナイフに話しかける。
「ちょっと待ってね……今日の予定は5時間後に仕事が入ってるよ。」
コイツは『カナカ』と言ってあの後アイツから送られて来た俺のデバイスだAIは名前から
分かるように『シゴフミ』のカナカだ、頭もよくて中々使い勝手が良い。
「結構久しぶりな気がするな」
「そうだね、大体一年ぶりぐらいだね」
何で俺の仕事がこんなに少ないのかと言うと
「さて、仕事の準備でもするか。今日の仕事は何だ、護衛か?」
「いや、暗殺だよ」
いわゆる裏稼業なのだ、まぁそれもあるが基本的に俺の仕事回数が少ないのだ年に1、2回有るか無いか。
「うわぁ、ダルそうだなぁ、サボっていいかな?」
「良いわけ無いじゃないですか、逆に殺されますよ」
「はぁ…、解ってるよ冗談で言ってみただけだ」
確かにカナカの言う通りなのだ、この稼業は一旦受けた依頼は途中で放棄してはいけないのだ…、いや放棄しても良いけどその後の報復から逃れられる確率が極端に少ないのだ。依頼を放棄すると言うのは組織への裏切りに他ならない、またその雇った者が敵に情報をリークするかも知れないからだ。だから依頼を放棄された組織は裏切り者を全力で探し出すのだ。そして、もう一つは信頼、一度受けた仕事を途中で放棄すると言うことは信頼を失う。誰だって途中で仕事を放棄する人物に依頼などしたくないのだ。前者は割と何とかなる、しかし問題は後者だ。次の仕事に繋がらなくなってしまう。
「とんでもない事言わないでよ、もう」
時計を見るとそこそこ時間がたっていた
「はぁ、よし準備も出来たし行くか」
俺は武器を服の中にしまいカナカを腰のベルトに挿して家を出た。
「……なぁカナカ、そういえば場所ってどこだっけ?」
ここは都内有数の高級ホテルの一室、パーティーが終わり疲れたターゲットがやって来るのを待つ……
「はぁ……遅いなもうそろ「ガチャ」来たか」
息を潜め、部屋の奥まで来るのを待つ……
カツ、カツ、と足音がこちらに向かってくる
よし今だ!!ターゲットが入ってきた扉を背にして話しかける。この部屋の出口はこの扉一つしかない、これでの男は逃げられない。
「アンタ、鈴木源三郎だな」
「なっ、貴様何処から」
鈴木と呼ばれた男は驚きながらこちらを向く
「鈴木病院の院長で人身売買、そして病院で死んだ人間の臓器を裏に流している、他にも色々やっているみたいだな」
俺は事前に手に入れた資料の内容を口に出す。
「――ッ!!……何故それを。……まぁいい」
男は一瞬その顔を驚愕に彩りながらもニヤリと笑いった。それと同時に指を鳴らした。しかし何も起こらない。男は焦りつつも、もう一度指を鳴らす。
「悪いがこの部屋の周りに居た奴等なら居ないぞ」
そう言いながら銃を構える。すると男は急に顔色を変える。
「たっ、頼む殺さないでくれ。君の雇い主の倍の金額を払う、そうだそれに女もやろう、私は政財界にも顔も聞くし好きな女を好きなだけやろう」
醜く命乞いをする。
「いやなに、アンタが散々好き放題してくれてこちらのクライアントさんがひどくご立腹でねぇ」
「こっ、殺さないで」
バンと銃声が響いた
「あ”ぁ”ぁぁ」
銃から放たれた弾丸は男の右の手のひらに貫通した
「アンタ今まで色々やらかして来たんだし諦めろよ」
また銃声が響く、今度は男の反対の手を貫いた。
「いいねぇ、もっと叫べよ」
銃を持った暗殺者は笑いながらそう言い放った。
数分前
私の名前は高町士郎、友人の護衛を頼まれこのホテルに来ている。友人はどうやらこのパーティーにあまり来たくなかったらしい、このパーティーに出席する何人かは余り良い噂が無いらしい。
「ふぅ、このまま何事も無く終わりそうだな。」
そんな事を口に出した瞬間、本当に小さくだが銃声が聞こえた、私は友人をホテルの個室に隠れさせて銃声のした方向へと走った。
扉を開けるとそこにはおびただしいほどの赤、赤赤、赤赤赤、赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤。
一面血の海だった。鼻孔を突き抜ける鉄臭い香り。そんな中に一人の男がいた。
「ふぅ、ターゲットの死亡を確認、よし帰るか」
俺が帰宅しようとすると扉が勢い良く開いた、その方向を見ると男が刀を持って立っていた。
「おいおい勘弁してくれよ」
一瞬で解った、コイツかなりの体術を積んでいることが、何気ない重心移動や動きそしてコイツの持つ雰囲気意。
「チッ、ダルイなぁ、仕方ねえ、オイお前今見たことは口外するな、そうしなければコッチは手を出さない。お前の処理は俺の給料に入ってないからな」
「なにっ?」
前に居る男は拳銃を仕舞いながらそんな事を言ってきた。
はぁ……ダルイ、しかもこの男は余計に警戒してるし。
「だからソッチが仕掛けてこないならコッチは何もしないって言ってんだろ」
刀を持った男は警戒しながらも頷いた。
はぁ、ようやく家に帰れると思いホテルの部屋から出たらさっきの男が後ろから声をかけてきた。
「なんだよ」
「君の名前は?私は高町士郎だ」
「……中村航だ」
これで本当に帰れると思い、俺はホテルを出てケータイをかける。
「ターゲットは始末した」
すると電話越しから低い声が返ってくる。
「わかった、約束通り口座に7000万振り込んでおく」
すると電話が切れて俺はようやく海鳴にある我が家に帰った。
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8月12日修正しました。
9月30日加筆、修正しました。