Subterranean Electron World 作:深緑 風龍
-追憶の間-
ガルッチside
ガルッチ「一体全体何だ此処?」
何も知らない場所のはずなのに、何故かあの青い光に指す場所を覚えている。この町並みも、この雰囲気も、何処もかしくも、知らないはずなのに、どういう訳か、懐かしく思ってしまう。
ここに、来たことがあるのか?そう思いながら進んでいくと、青い光が放ってた場所に着いた。見たところ、公園のようだけど、此処に何かがあるのか?
ガルッチ「ん?」
『ボフッ!』
痛っ!?い、いきなりボールが目の前に現れてぶつけられたんだけど!?って、これってサッカーボール?
「お兄さ~ん!大丈夫ですか~?」
ガルッチ「痛かった……。」
あのサッカーボール、さっきの子とは違う子っぽいな。けど、何だろう。このサッカーボール、見てるとなんだか懐かしい。どこにでもある、普通のサッカーボールのはずなのに、如何して?
「あの、お兄さん。一緒にサッカーしませんか?」
ガルッチ「え?いいのか?」
「うん、僕は1人で練習していて、対人は初めてなんです。」
ガルッチ「…………まぁ、いいけど。」
その後、僕は見ず知らずの子と、一緒にサッカーを始めた。結構動きに無駄があるけど、多分リズムに合わせてるんだろうな。
なら、その動きを狂わせるためにっと。
ガルッチ「ほっ!」
「え?フェイント?」
ガルッチ「っと見せかけてっ!」
「ふぇ、フェイントは囮!?」
けど、この子とサッカーやってる内に、真っ白だった町並みに、色が付き始めていた。それと同時に、何かが過ぎった。
そこには、ヴァルハラと6歳児の男の子が、一緒にサッカーしているのが見えた。
『うわっ!』
ヴァルハラ『ハハハ、貰ったぞ!』
『うぅ…………、まだまだぁ!!』
楽しそうに、サッカーをやってた。すると、木陰で休んでる身に覚えの無い女性が座ってた。おそらく、ヴァルハラとあの子のことを楽しく見ていると思うけど、何でだろ?
覚えが無いはずなのに、何故だか、知ってるようで知らないような、そんなもどかしさがあった。
気が付くと、一緒にサッカーしてた子がいつの間にかいなくなっていた。けど、サッカーボールだけは残ってる。
ガルッチ「…………何だったんだ?」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
突然、さっき出会った子が、木から落ちてきた。
ガルッチ「え?って、危ない!!」
何とか受け止めたものの、その子の足を見ると、怪我をしていた。切り傷だろうと思ったが、切り傷なんてできるのか?しかも複数。
ガルッチ「おいおい、大丈夫なのか?」
「だ、大丈夫……。」
ガルッチ「って、擦り傷とかもあるし……。ちょっと待ってろ。」
っていうか、救急箱って何処に?そう思っていたら、サッカーボールが置いてあった場所に、救急箱があった。
いつの間にそこに救急箱があったのかは知らなかったが、とりあえずそれに手を取り、その子の怪我を治し始めた。
すると、前見た既視感が見えた。
今度は、その女性がその子を治すとこだった。
『もう、私の帽子を取りに行くって言わなくてもいいのに。』
『でも、お母さん。大事な帽子なんでしょ?』
『帽子も大事だけど、貴方が居なくなったら、私が悲しいわ。ほら、私が治してあげる。』
『い、いいって…………。』
その治し方には、ぎこちなかったけど、何とか終わったようだ。
『はい、治したよ。ダメよ────、自分の身体ぐらい心配しなきゃ駄目でしょ?』
『お母さん……、別にいいのに…………。』
『そう言わないの。身体ぐらい大事にしないと、私が哀しい思いをすることになるわ。』
名前は聞こえなかったが、どうやらこの子のお母さんだって事が分かった。
ん?お母さん?って事は、ヴァルハラに嫁居たの!?んじゃあ、あの女性って…………。
ガルッチ「僕のお母さん!?」
おいおい、有り得ないだろ!?ここまでの美少女見たことないぞ!?けど、何でだろう。その人の顔、なんだか不健康そうに見える…………。
そう思っていたら、さっきの子がまた居なくなっていた。どうやら無意識の内に、終わっていたのかもしれない。そして辺り見渡すと、さっきまで色がなかったはずの町並みが、色が鮮やかになっていて、風も吹き始めた。
ガルッチ「え?じゃあ、本当はお母さんも居たって事?けど僕、全く知らないよ?だって、虚王魔神の頃に、そんな記憶無かったのに…………。」
そう思っていたら、今度は赤い光が放ってるのが見えた。その赤い光を見てると、勝手に足が動いていた。
分からない。色が鮮やかになるにつれ、知らないはずの思い出が、浮かび上がってくる。
楽しい思い出、哀しい思い出、笑い合った思い出、喧嘩した思い出、等々の思い出が、僕に流れ込んできた。
分からない、分からない……、分からない…………。何も知らないはずの思い出なのに、何故か涙が溢れてくる。
どうしてなんだ?何でこんなのを見て、哀しくなっているんだ?
そして到着したのが、学校のような場所だった。僕は必死に涙を堪えながら、先へと進むと、いつの間にか教室に入ってた。足に違和感があり、見ると内ズックを履いていた。
ガルッチ「本当に、何なんだ?って、ん?」
窓側にある机を見ると、何かの紙と色鉛筆があった。クレヨンとかもあれば、クレパスもある。しかも、結構種類も豊富だった。
僕はその場所に向かい、見てみると、何も描かれていない、真っ白な紙だった。そう思い、机に座り、そこにあったクレヨンやクレパス、そして色鉛筆を手に取り、何かを描いていた。
何を思ったのか、何を考えているのか、全く分からなかったけど、一心不乱に絵を描き上げていく。
そして、出来上がった。
フラン、こいし、イリヤ、クロエ、
切嗣、アイリさん、
未来、鈴美、オーフィス、本音、簪、白夜叉、レティシア、英竜お姉ちゃん、藍、夜神、士織、超獣達、ザギ、はやて、フレディ、ゴーストフェイス、エロン、霊夢、トライボーグ、ヒカリ、ジェイソン、キース教官。
ブレイズ、アビス、レイス、ノーム、シヴァ、カレン、アルファス、ハリー、ロン、ハーマイオニー、ドラコ、ネビル、ジニー。
ロヴァス校長、ダンブルドア、ヴォルデモート、火ノ兄さん、陸元帥、海風さん、明日斗、大和。
家族、友人、仲間、尊敬する人、愛人等のみんなが描かれている絵を完成させた。
それと同時に、いつの間にか真っ白だった教室も、色鮮やかになっていた。まるで、今描いた絵のように…………。
ガルッチ「……………よくもまぁ、ここまでかけたな。」
正直、ここまで多く描けるなんて、思ってもみなかったな。そして、色鉛筆やクレヨン、クレパスを見ると、全部短くなっていた。
しかし、タイトルはどうしようかな?…………いや、もう決まってる。
『タイトル 永遠の思い出』
ガルッチ「…………みんな。」
その紙を手に取ると、先生らしき人物が僕の目の前に現れた。
「何を描いていたのかな?」
ガルッチ「…………思い出。どれだけ地獄のような人生を送ったとしても、どれだけ残酷な運命に弄ばれても、それでも幸せのあった、大切な思い出。」
「それが、忘れ果ててしまった思い出でもか?見ず知らずの思い出だとしても?」
ガルッチ「…………それでも、僕の思い出であることには、変わりない。」
「そうか…………。ならば、あそこに着けたまえ。」
そう言われ、いつの間に手に持ってた画鋲を持ち、後ろにある壁に着けた。すると、教室だけでなく、学校も、その廻りにも、より色鮮やかになっていく。振り向けば、さっきの先生はどこにもいなかった。
その代わり、思い出がどんどん押し寄せてきた。学校に来たとき、初めて友達が出来たとき、どれも此もが懐かしく、そしてだんだん切なくなってきた。
ガルッチ「本当に、何なんだろうな。もう僕、思い出すだけで、涙しか出て来ないじゃないか…………!」
涙声になり、タイトルの下を見ると、見覚えのない名前が書いてあった。
『アルカディア・エタンセル・エデン』
ガルッチ「…………ぁ。」
何でだ?この名前を見たら、思い出が…………!!やめて、お願いだから、僕を泣かせようとしないで!!
分からないんだ!僕はただ、僕自身の罪が、知りたいのに!何で、何で!?何でこれだけの思い出が押し寄せてくるんだ!?
ガルッチ「もう、やめてよ……………!やめてくれ………………!!誰だよ……、アルカディアって!!」
『君の名前だよ、ガルッチ。ううん、アルカディア。』
ガルッチ「え?」
いつの間にか場所が変わっていて、目の前には少女が立っていた。
「ここは貴方の記憶の世界。『追憶の間』と呼ばれる世界。そして、初めまして。私は、『星空希望』。『十三王神』の、14人目の王神。『記録王神』と呼ばれたものです。」
next episode
記録王神
『十三王神』で、存在するはずが無かった14人目の少女。能力は相手の『記憶』を修正、追加、忘却などの操作が可能で、敵を錯乱させることが出来る。
そして、星空英竜と深い繋がりを持っているらしいが………………。