Subterranean Electron World 作:深緑 風龍
-沈ム世界、記憶ノ欠片-
ガルッチside
お姉ちゃんの前世、か。そういえば、お姉ちゃんの弟が、何か言ってたな。
『お姉ちゃんの前世は、男の娘。それも、性同一性障害者だ』ってことを。どんな風に虐待されていたかは想像できないけど、きっとそいつらが憎いほどなんだろうな。
黒絵「お兄ちゃん?難しい顔になってるよ?」
ガルッチ「あ、ごめん。考え事だ、考え事。」
司「………なんだかいやな予感がするな………。」
………とりあえず、クリア条件を思い出してみるか。まずは『7人の女の子達を騎士化』。恐らく紫乃愛達の事を指すんだろうな。
んで2つ目は『『罪王神』を見つけ出す』。まだクリア扱いになってないと言うことは、直接会いに行かなきゃ駄目ってことか。
3つ目は『檀正宗の討伐』。コレに関しては保留。自身で裁いても良いが、もしかしたらグラトニーが食うかもしれないしね。
4つ目が『ウルトラマングラトニー事ウルトラマンモンスターの討伐』。こいつだけは絶対に倒さないと駄目だ。というか絶対条件。
5つ目が『ソウル化した者の討伐』。今のところ、セクトニアとドロシアを倒しただけだけど、恐らくまだいるのだろうな。
6つ目、『自身の覚醒』。コレは省略しても良いだろう。既にクリア済み。
最後を除いて後は5つってことだな。いや待て、気になっていたけど、『ある者の討伐』って書いてあったが、いったい誰を倒せば良いんだ?まだ書き残ってるってことは、7つ目のクリア条件かな?
そう思いながら先に進むと、何かしらの影同士が話していたのが見えた。もう片方は、どうやら司のようだ。
司『また時間に遅れて………、一体今日は何をしてたんだよ………。』
『ごめんね、お婆ちゃんが道に迷ってたから、案内していたのよ。』
司『如何して母さんは、そうお人好しなんだよ…………。
迷子の子がいたら親を探すし、捨てられた子犬がいたら飼い主を探すし、この前なんて喧嘩の仲裁までしただろ?
事ある度に困ってる人を助けたりさ………。自分が損してるのが分かってるのか?』
『んーっと、そうじゃなくてね~。』
司『じゃあなんだよ。』
『私が、私らしくいるため、かな?』
司『要は自己満足か、余計にたちが悪いだろ。』
『他の人はそう思うかもしれないわね。でも、私には大切な事なの。司も、きっと分かるわ。だって、私の大事な娘だもの。』
ここで影が消えた。
ガルッチ「………ある意味、衛宮士郎が憧れた正義の味方みたいだな。しかし、ちょっと度が過ぎない?」
司「………かもな。改めて思い出すとな。」
ガルッチ「………………正義の味方、か。何を思って正義の味方になるのかは、人それぞれだしな。」
そう思いながら先へと行くと、また司の影が現れた。
司『母さん、そろそろやめなよ。』
『いきなり如何したの?お母さんと料理したくないの?』
司『そうじゃなくて、お人好しもいい加減にしろってことだよ。今日なんて、警察に注意されてたけど、あれって逆ギレした奴に通報されてたんだろ!?』
『………虐められた子がいたから、ついね。親御さんが、お巡りさんに相談したみたいなの。』
ガルッチ「っ。」
マヤ「ガルッチ?」
司「おい、如何した?」
ガルッチ「………ごめん、虐めの話をされると、冷静にいられないんだ。」
司『だと思った。そういう奴、どこにでもいるんだな。』
『でもね、助けた子から感謝されたのよ?きっと、学校も対策をとってくれるわよ。』
司『そんなわけないだろ。よほどのことがない限り、証拠隠滅して終わりに決まってる。
今の世の中、良い奴ほど損するように出来ているんだ。頼むから、痛い目に遭う前にやめろよ。』
『親の心配をするなんて、司は良い子ね~。お母さんは幸せ者だわ。』
司『だ、だから!!そう言うのじゃないって!!本当に頭の中がお花畑だよな!?お人好しもいい加減にしろよ!!
いつか、取り返しのつかない事になるんだからな!?』
そしてまた、影は消えていった………。っていうかあれ、司の母親だったのか………。
ガルッチ「………お母さんも、そうだったな。今見ると、まるで僕とお母さんのように見えた……。」
司「先生もか?」
ガルッチ「うん………。自分の心配をしなかったし、何より病弱だったんだ。逆に、心配させる側になっちゃってね………。」
司「そうなのか…………。」
リリス母さん、もう帰ってこないのは分かっていても、やっぱり………。
そう思いながらまた進むと、今度は司の影と、3人の影だった。
『何かあったのか?』
『交通事故だってよ。車道に飛び出した子供を庇って、女の人が轢かれたらしい。』
司『嘘だろ?母さんが交通事故って…………。意識不明の重体って…………。子供を庇ったって何なんだよ!?』
今回は早く消えた。司の母親は、結局司の忠告を聞かないまま、意識不明の重傷を負ってしまった。
マヤ「…………可哀想に。」
ガルッチ「………助ける代わりに、自分を犠牲にしたのか。」
司「馬鹿だよ、本当に。アタシが、困るってのに………!!」
ガルッチ「多分今の僕でも、やっちゃいそうな気がするな。」
そして、最後の場面。
『何よ、向こうが勝手に庇ったくせに、如何して私が怒られなきゃいけないのよ?私が大当たりしてる間に消えちゃっただけじゃない。久々に稼げるのに、如何して探しに行かなくちゃいけないんだか。
あのまま死んでくれれば、もう世話をしなくてすむし、お金だってたっぷり貰えたのに………。ホントにガッカリね。』
ガルッチ「こ、此奴…………!!」
貴利矢「ガルッチ、抑えろ!これは影だ!何やったって無駄なんだ!」
ガルッチ「分かってる、分かってるけど………!あんな言い方したら………!!」
司『………!』
『貴方、あの人のお子さん?もし目覚めたら言って貰える?余計なことはしないでちょうだいって。』
司『な、何だよそれ………!母さんはアンタの子供まで助けたんだ!そのせいであんな怪我までしてるのに、感謝の言葉すらないのかよ!?
死んでくれればよかった?お金が貰える?巫山戯んな!テメェの都合で好き勝手な事を抜かすなよ!!
アンタにほったらかしにされた子供は!?テメェのせいで事故った運転手は!?そいつらの家族は!?』
過去の司の言い分は尤もだ。あんなの、最低な親だ。金のことしか考えない、最低最悪な親だ。
司『迷惑をかけた人間は山ほどいるんだよ!!こんな人間を助けるために、母さんは体を張ったわけじゃない!!!!
とっとと消えろ!!二度と私の前に顔を出すなぁぁぁ!!!』
『せ、せっかく来てやったのに………!頼まれても二度と来ないわよ!!このガキ!!』
ガルッチ「………司。」
司『これが私らしく生きた結果かよ…………、母さんはあんな奴のために………!!私は、母さんみたいにはならない。
誰かのためなんて真っ平ごめんだ!もっと要領よく生きて、おもしろおかしく生きてやる………!!』
すると、今度は形を成した司の影が現れた。
影司「彼奴らって本当に酷いよなぁ。母さんは事故で、植物状態になったのに、一度も見舞いに来なかったんだぜ?結局、世の中こんなもんさ。他人のために何かをするなんて、馬鹿らしい。如何に楽しくおかしく生きるかだろ?」
司「ったく、趣味が悪いんだよ。あんなものを見せて、私を動揺させるつもりかよ!?」
影司「何言ってんだよ。私はツカサだよ。アンタが行き着かなかった先の………な。」
その言葉を聞いたとたん、『セブンシンカレクイエムガシャット』が出てきた。
黎斗「何だ?」
ガルッチ「………もしかして?」
一度押すと、光球が飛び出し、司の目の前に止まった。それは、最初に見つけたカプセルだった………。
ガルッチ「司の罪は、あのカプセルは…………。『麻薬』?」
司「こ、これは、あの時の?!」
影司「そうそう。此奴がきっかけだったんだよな?あの子が事故ったせいで毎日夢でうなされるようになって、その度に使うべきか悩んだんだろ?
いいことなんて、するもんじゃないよな?単なる気まぐれで助けたら、たちの悪い不良の仲間入りをしたんだから。」
司「………けど、私は使えなかった。」
影司「そりゃそうだ。実際に使う前に、ここに来たんだからな。
今度は素直になれよ。母さんみたいな馬鹿な生き方を捨てて、おもしろおかしく─────」
ガルッチ「巫山戯んな!!」
もう駄目だ、我慢が出来ない。思い切って言ってやる。
ガルッチ「アンタの母さんは何のために助けた?その意味も考えたこともなかったのかよ?あの人はあの人なりの生き方をしていたんだ!それを馬鹿なことだと?」
影司「チッ、いきなりしゃしゃり出たかと思えば何だ?あんな馬鹿なことをしたから、母さんはああなったんだろ!母さんは馬鹿な奴だ───」
司「母さんは、馬鹿なんかじゃない!良い奴は損する世の中だ。誰かのために何かしても、喜ばれるどころか、逆になじられるかもしれない。
偽善だろうさ。世界中の人間に聞いても、大勢がそう言うだろうさ。それで、よかったのにな。」
影司「ふっ、おいおい、良い事して何になるんだよ?今度はもっと酷い目に遭うかもしれないんだぞ?」
ガルッチ「酷い目に遭う?それは結果論だろ。」
司「ああ、そうさ。結果論さ。相手がどう思い、どうしようと、そんなものは関係ない。私がどう思い、如何したいかだけなんだ!
自分の気持ちを無視したかった………、忘れたかった………。先生みたいに、苦しいことから逃げたかった………。それこそ、馬鹿だよな。」
影司「…………。」
司「ああ、そうだ!世界中の人間から馬鹿にされようとも、私は母さんを誇りに思えるような自分になりたい!!」
司の手元には、カプセルから金色の何かに変わった。
影司「チッ、とうとうヤケになったのかよ!」
司「私はただ、素直に生きたいだけだ!自分に嘘をつかず、真っ直ぐに……!もうこの気持ちを、ごまかしたりしない!!」
影司「馬鹿は死ななきゃ治らねえな!だったら、この私が引導を渡してやるよ!!」
司「テメェになんかに、負けるか!!先生!!」
分かってる、最初からそのつもりだ!
【ホープレガシー!】
ガルッチ「『聖騎士』!『変身』!!」
司「『強欲』、『忍耐』!ゴーカイチェンジ!!」
【ガッシャット!】
【ガッチャーン!レベルアップ!】
【巡る歴史!希望の騎士!ホープレガシー!】
『ゴーカイグリード!ペイシャンス!』
僕の衣装は、アルトリアとなり、司の方は前の衣装ではなく、なんと海賊の『フランシス・ドレイク』の衣装を着込んでいた。
忍耐とは一体、完全に強欲の海賊じゃないですか。
ガルッチ「………気にしないでおこう。」
司「行くぞ、先生。もう自分に、嘘をつかない!!」
ガルッチ「その意気だ、司。こっちも全身全霊で手伝う!」
影司「来やがれ!そんな生き方をしようとしたことを、今一度後悔してやるよ!!」
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ゴーカイグリード ペイシャンスモード
変身者:八重樫司
ゴーカイグリードの力に加えて、海賊の英霊である『フランシス・ドレイク』の力も加わり、宝具『
(忍耐とは一体………。いや、ホントに何を考えているのかやら……。)