※この作品はR-18です。

Subterranean Electron World   作:深緑 風龍

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episode109 八重樫司のsin

-沈ム世界、記憶ノ欠片-

 

 

ガルッチside

 

 

お姉ちゃんの前世、か。そういえば、お姉ちゃんの弟が、何か言ってたな。

 

 

『お姉ちゃんの前世は、男の娘。それも、性同一性障害者だ』ってことを。どんな風に虐待されていたかは想像できないけど、きっとそいつらが憎いほどなんだろうな。

 

 

黒絵「お兄ちゃん?難しい顔になってるよ?」

 

ガルッチ「あ、ごめん。考え事だ、考え事。」

 

司「………なんだかいやな予感がするな………。」

 

 

………とりあえず、クリア条件を思い出してみるか。まずは『7人の女の子達を騎士化』。恐らく紫乃愛達の事を指すんだろうな。

 

 

んで2つ目は『『罪王神』を見つけ出す』。まだクリア扱いになってないと言うことは、直接会いに行かなきゃ駄目ってことか。

 

 

3つ目は『檀正宗の討伐』。コレに関しては保留。自身で裁いても良いが、もしかしたらグラトニーが食うかもしれないしね。

 

 

4つ目が『ウルトラマングラトニー事ウルトラマンモンスターの討伐』。こいつだけは絶対に倒さないと駄目だ。というか絶対条件。

 

 

5つ目が『ソウル化した者の討伐』。今のところ、セクトニアとドロシアを倒しただけだけど、恐らくまだいるのだろうな。

 

 

6つ目、『自身の覚醒』。コレは省略しても良いだろう。既にクリア済み。

 

 

最後を除いて後は5つってことだな。いや待て、気になっていたけど、『ある者の討伐』って書いてあったが、いったい誰を倒せば良いんだ?まだ書き残ってるってことは、7つ目のクリア条件かな?

 

 

そう思いながら先に進むと、何かしらの影同士が話していたのが見えた。もう片方は、どうやら司のようだ。

 

 

司『また時間に遅れて………、一体今日は何をしてたんだよ………。』

 

『ごめんね、お婆ちゃんが道に迷ってたから、案内していたのよ。』

 

司『如何して母さんは、そうお人好しなんだよ…………。

 

 

迷子の子がいたら親を探すし、捨てられた子犬がいたら飼い主を探すし、この前なんて喧嘩の仲裁までしただろ?

 

 

事ある度に困ってる人を助けたりさ………。自分が損してるのが分かってるのか?』

 

『んーっと、そうじゃなくてね~。』

 

司『じゃあなんだよ。』

 

『私が、私らしくいるため、かな?』

 

司『要は自己満足か、余計にたちが悪いだろ。』

 

『他の人はそう思うかもしれないわね。でも、私には大切な事なの。司も、きっと分かるわ。だって、私の大事な娘だもの。』

 

 

ここで影が消えた。

 

 

ガルッチ「………ある意味、衛宮士郎が憧れた正義の味方みたいだな。しかし、ちょっと度が過ぎない?」

 

司「………かもな。改めて思い出すとな。」

 

ガルッチ「………………正義の味方、か。何を思って正義の味方になるのかは、人それぞれだしな。」

 

 

そう思いながら先へと行くと、また司の影が現れた。

 

 

司『母さん、そろそろやめなよ。』

 

『いきなり如何したの?お母さんと料理したくないの?』

 

司『そうじゃなくて、お人好しもいい加減にしろってことだよ。今日なんて、警察に注意されてたけど、あれって逆ギレした奴に通報されてたんだろ!?』

 

『………虐められた子がいたから、ついね。親御さんが、お巡りさんに相談したみたいなの。』

 

 

ガルッチ「っ。」

 

マヤ「ガルッチ?」

 

司「おい、如何した?」

 

ガルッチ「………ごめん、虐めの話をされると、冷静にいられないんだ。」

 

 

司『だと思った。そういう奴、どこにでもいるんだな。』

 

『でもね、助けた子から感謝されたのよ?きっと、学校も対策をとってくれるわよ。』

 

司『そんなわけないだろ。よほどのことがない限り、証拠隠滅して終わりに決まってる。

 

 

今の世の中、良い奴ほど損するように出来ているんだ。頼むから、痛い目に遭う前にやめろよ。』

 

『親の心配をするなんて、司は良い子ね~。お母さんは幸せ者だわ。』

 

司『だ、だから!!そう言うのじゃないって!!本当に頭の中がお花畑だよな!?お人好しもいい加減にしろよ!!

いつか、取り返しのつかない事になるんだからな!?』

 

 

そしてまた、影は消えていった………。っていうかあれ、司の母親だったのか………。

 

 

ガルッチ「………お母さんも、そうだったな。今見ると、まるで僕とお母さんのように見えた……。」

 

司「先生もか?」

 

ガルッチ「うん………。自分の心配をしなかったし、何より病弱だったんだ。逆に、心配させる側になっちゃってね………。」

 

司「そうなのか…………。」

 

 

リリス母さん、もう帰ってこないのは分かっていても、やっぱり………。

 

 

そう思いながらまた進むと、今度は司の影と、3人の影だった。

 

 

『何かあったのか?』

 

『交通事故だってよ。車道に飛び出した子供を庇って、女の人が轢かれたらしい。』

 

司『嘘だろ?母さんが交通事故って…………。意識不明の重体って…………。子供を庇ったって何なんだよ!?』

 

 

今回は早く消えた。司の母親は、結局司の忠告を聞かないまま、意識不明の重傷を負ってしまった。

 

 

マヤ「…………可哀想に。」

 

ガルッチ「………助ける代わりに、自分を犠牲にしたのか。」

 

司「馬鹿だよ、本当に。アタシが、困るってのに………!!」

 

ガルッチ「多分今の僕でも、やっちゃいそうな気がするな。」

 

 

そして、最後の場面。

 

 

『何よ、向こうが勝手に庇ったくせに、如何して私が怒られなきゃいけないのよ?私が大当たりしてる間に消えちゃっただけじゃない。久々に稼げるのに、如何して探しに行かなくちゃいけないんだか。

 

 

あのまま死んでくれれば、もう世話をしなくてすむし、お金だってたっぷり貰えたのに………。ホントにガッカリね。』

 

 

ガルッチ「こ、此奴…………!!」

 

貴利矢「ガルッチ、抑えろ!これは影だ!何やったって無駄なんだ!」

 

ガルッチ「分かってる、分かってるけど………!あんな言い方したら………!!」

 

 

司『………!』

 

『貴方、あの人のお子さん?もし目覚めたら言って貰える?余計なことはしないでちょうだいって。』

 

司『な、何だよそれ………!母さんはアンタの子供まで助けたんだ!そのせいであんな怪我までしてるのに、感謝の言葉すらないのかよ!?

 

 

死んでくれればよかった?お金が貰える?巫山戯んな!テメェの都合で好き勝手な事を抜かすなよ!!

 

 

アンタにほったらかしにされた子供は!?テメェのせいで事故った運転手は!?そいつらの家族は!?』

 

 

過去の司の言い分は尤もだ。あんなの、最低な親だ。金のことしか考えない、最低最悪な親だ。

 

 

司『迷惑をかけた人間は山ほどいるんだよ!!こんな人間を助けるために、母さんは体を張ったわけじゃない!!!!

 

 

とっとと消えろ!!二度と私の前に顔を出すなぁぁぁ!!!』

 

『せ、せっかく来てやったのに………!頼まれても二度と来ないわよ!!このガキ!!』

 

 

ガルッチ「………司。」

 

 

司『これが私らしく生きた結果かよ…………、母さんはあんな奴のために………!!私は、母さんみたいにはならない。

 

 

誰かのためなんて真っ平ごめんだ!もっと要領よく生きて、おもしろおかしく生きてやる………!!』

 

 

すると、今度は形を成した司の影が現れた。

 

 

影司「彼奴らって本当に酷いよなぁ。母さんは事故で、植物状態になったのに、一度も見舞いに来なかったんだぜ?結局、世の中こんなもんさ。他人のために何かをするなんて、馬鹿らしい。如何に楽しくおかしく生きるかだろ?」

 

司「ったく、趣味が悪いんだよ。あんなものを見せて、私を動揺させるつもりかよ!?」

 

影司「何言ってんだよ。私はツカサだよ。アンタが行き着かなかった先の………な。」

 

 

その言葉を聞いたとたん、『セブンシンカレクイエムガシャット』が出てきた。

 

 

黎斗「何だ?」

 

ガルッチ「………もしかして?」

 

 

一度押すと、光球が飛び出し、司の目の前に止まった。それは、最初に見つけたカプセルだった………。

 

 

ガルッチ「司の罪は、あのカプセルは…………。『麻薬』?」

 

司「こ、これは、あの時の?!」

 

影司「そうそう。此奴がきっかけだったんだよな?あの子が事故ったせいで毎日夢でうなされるようになって、その度に使うべきか悩んだんだろ?

 

 

いいことなんて、するもんじゃないよな?単なる気まぐれで助けたら、たちの悪い不良の仲間入りをしたんだから。」

 

司「………けど、私は使えなかった。」

 

影司「そりゃそうだ。実際に使う前に、ここに来たんだからな。

 

 

今度は素直になれよ。母さんみたいな馬鹿な生き方を捨てて、おもしろおかしく─────」

 

ガルッチ「巫山戯んな!!」

 

 

もう駄目だ、我慢が出来ない。思い切って言ってやる。

 

 

ガルッチ「アンタの母さんは何のために助けた?その意味も考えたこともなかったのかよ?あの人はあの人なりの生き方をしていたんだ!それを馬鹿なことだと?」

 

影司「チッ、いきなりしゃしゃり出たかと思えば何だ?あんな馬鹿なことをしたから、母さんはああなったんだろ!母さんは馬鹿な奴だ───」

 

司「母さんは、馬鹿なんかじゃない!良い奴は損する世の中だ。誰かのために何かしても、喜ばれるどころか、逆になじられるかもしれない。

 

 

偽善だろうさ。世界中の人間に聞いても、大勢がそう言うだろうさ。それで、よかったのにな。」

 

影司「ふっ、おいおい、良い事して何になるんだよ?今度はもっと酷い目に遭うかもしれないんだぞ?」

 

ガルッチ「酷い目に遭う?それは結果論だろ。」

 

司「ああ、そうさ。結果論さ。相手がどう思い、どうしようと、そんなものは関係ない。私がどう思い、如何したいかだけなんだ!

 

 

自分の気持ちを無視したかった………、忘れたかった………。先生みたいに、苦しいことから逃げたかった………。それこそ、馬鹿だよな。」

 

影司「…………。」

 

司「ああ、そうだ!世界中の人間から馬鹿にされようとも、私は母さんを誇りに思えるような自分になりたい!!」

 

 

司の手元には、カプセルから金色の何かに変わった。

 

 

影司「チッ、とうとうヤケになったのかよ!」

 

司「私はただ、素直に生きたいだけだ!自分に嘘をつかず、真っ直ぐに……!もうこの気持ちを、ごまかしたりしない!!」

 

影司「馬鹿は死ななきゃ治らねえな!だったら、この私が引導を渡してやるよ!!」

 

司「テメェになんかに、負けるか!!先生!!」

 

 

分かってる、最初からそのつもりだ!

 

 

【ホープレガシー!】

 

 

ガルッチ「『聖騎士』!『変身』!!」

 

司「『強欲』、『忍耐』!ゴーカイチェンジ!!」

 

 

【ガッシャット!】

 

 

【ガッチャーン!レベルアップ!】

 

 

【巡る歴史!希望の騎士!ホープレガシー!】

 

 

『ゴーカイグリード!ペイシャンス!』

 

 

僕の衣装は、アルトリアとなり、司の方は前の衣装ではなく、なんと海賊の『フランシス・ドレイク』の衣装を着込んでいた。

忍耐とは一体、完全に強欲の海賊じゃないですか。

 

 

ガルッチ「………気にしないでおこう。」

 

司「行くぞ、先生。もう自分に、嘘をつかない!!」

 

ガルッチ「その意気だ、司。こっちも全身全霊で手伝う!」

 

影司「来やがれ!そんな生き方をしようとしたことを、今一度後悔してやるよ!!」

 

 

next episode




ゴーカイグリード ペイシャンスモード


変身者:八重樫司


ゴーカイグリードの力に加えて、海賊の英霊である『フランシス・ドレイク』の力も加わり、宝具『黄金鹿と嵐の夜(ゴールデン・ワイルドハント)』の使用も出来るようになっている。
(忍耐とは一体………。いや、ホントに何を考えているのかやら……。)
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