Subterranean Electron World 作:深緑 風龍
-隠れ家-
司、優里音、黒絵、珠月、翠、璃々、そして紫乃愛の罪がようやく終わり、後は英竜の前世を見るだけとなったガルッチ。
そんな中、ガルッチは黎斗のところにいた。
ガルッチ「………どう?」
黎斗「」カタカタ
ガルッチ「……………まだ、かかるのか─────」
黎斗「いや、違うぞ。」カタッ
黎斗がガシャットを抜くと、そこから色が着き始めた。ピンクと白の色をしていて、ところどころに蝶々が描かれ、紫乃愛達が移っている絵があった。そして、その隣にはこう書かれていた。
『カーディナルセブンガールズガシャット』
ガルッチ「完成したのか…………。」
黎斗「その中には、7人の半罪人達の力を宿してる。が、残念ながら、変身やパワーアップ用には作られていない。」
ガルッチ「要は技用のガシャットか。」
黎斗「その通り。恐らく君にしか使えない代物だろうと、私は思うのだ。」
ガルッチ「だろうな、紫乃愛達を宿したガシャットだし、他の人にも使えたらビックリだし。けど、言って良いか?」
黎斗「?」
ガルッチ「…………僕って、これからもお姉ちゃんの傍に居るべきかな?」
いきなりの発言で、流石の黎斗も(°д°)ポカーンとした。何しろ、ガルッチらしくない、あまりにも弱気な発言をし始めたからだ。
ガルッチ「………これでも、考えていたんだ。色々とね。」
黎斗「いや、居るべきかって聞かれてもだな。君は英竜と一緒に居るべきでは無いのか?まさか、もう嫌いになったと─────」
ガルッチ「違う違う!そう言う意味じゃ無くて、……………7人の半罪人達を見ていると、僕非力だなって思っちゃって。
皆が皆、成長していってるって言うのに、僕だけ全く進歩が無い…………。」
黎斗「……………それでか。居るべきでは無いと、私が言ったら?」
ガルッチ「……………それに見合う存在になれるように、旅に出る。それまでは、お姉ちゃんに会うことは出来ないかもね。」
黎斗「…………そうか。だがまずは、英竜の前世がどれだけのものだったのかを、覗く必要があるな。それからでいいぞ。」
ガルッチ「そうか…………、ありがとう。黎斗。」
黎斗「神の助言をありがたくと思え。」
ガルッチ「ああ。…………そうだね、『
黎斗「!?」
黎斗は何か言おうとしたが、既にガルッチはいなかった。すると今度は貴利矢がやって来た。
貴利矢「どうした社長さん、呆けた顔をして。」
黎斗「…………神の私を、勝手に命名するとは。」
貴利矢「はい?」
黎斗「いや、何でも無い。それより、ガルッチと傍に居させてやってくれ。どうやら、相当不安を抱えているようだ。
『英竜と一緒に居るべきか』とな。」
貴利矢「…………それ、俺も聞かれた。」
黎斗「………何があったんだろうな。」
貴利矢と黎斗は、半罪人達と一緒にいるガルッチを見ていた。今は愉しそうにしているが、その眼は、少し悲しみを感じた。
そんな不安を抱えたまま、ガルッチ達と共に隠れ家から出た。
-沈ム世界、記憶ノ欠片-
『…………遂に来たか、5代目創造王神。』
最後の階に到着し、先に進むと、1人の影が、ガルッチを睨め付けながら話し掛けた。対してガルッチは、殺してやるかのような目付きをしていた。
ガルッチ「おかげさまでな。」
『ほう、随分といい目をしてるじゃ無いか。そんなに見たいというのか?英竜の前世。』
ガルッチ「ご託は良いから、さっさとしろ。」
口調も何時もより荒っぽいのか、心配になった貴利矢は聞いてみた。
貴利矢「なぁ、ガルッチ。一体如何したって言うんだ?何を思ってそんなことを…………。」
ガルッチ「後で話す。今はこっちが優先だ。」
ガルッチはそのまま、影に近寄る。貴利矢はそれに近づこうとするも、何かに阻まれてしまい、行くことすらままならなかった。
黒絵「お兄ちゃん、一体如何しちゃったんだろ?」
珠月「今の先生…………凄く怖い。」
翠「どうも、イヤな予感がしてならないのですが…………。」
『……………覚悟はいいのだな?此奴の前世は、とんでもなく恐ろしい記憶だ。』
ガルッチ「構わない。」
『………………ならば、見るがいい。そして思い知るが良い。貴様の覚悟と選択が、如何に浅はかだったのかをな。』
すると、影の中から光球のようなものが現れ、ガルッチはそれに触れた。
ガルッチ「ごめんなさい、お姉ちゃん…………。お姉ちゃんを知るには、こうするしか、ないから……………。」
黎斗「? 一体何を───────」
続きを言い掛けたとき、ガルッチは消える。あたかもここにはいなかったかのように、姿を消した。
優里音「先生!!」
司「チッ、一体全体如何したって言うんだ!?」
璃々「何で目の前で消えて…………。」
紫乃愛「そういえば、小声で何かを言ってたような…………。」
-追憶の間-
ガルッチside
希望「あら?また来て…………って、その光球って。」
ガルッチ「…………希望さん、『Criminal Girls2』の世界に居るお姉ちゃんを呼び出せますか?」
希望「え?出来なくは………………って、如何したの!?何で泣いているの!?」
…………浅はかだった。触れた瞬間、見てしまった。お姉ちゃんは、生まれた頃から家庭内暴力を受け、身内のパーティーの際にも、晒し者にされるという酷い仕打ち。
学校も世間も、何もかもがお姉ちゃんを否定する。虐めはますます大きくなり、あるときは冤罪を着せられ、時には悪戯の犯人にも仕立て上げられていた…………。
時には無茶苦茶な事件や、お姉ちゃんが居なかったときでさえ、犯人に仕立て上げられ、虐めは拡大して行く。
それだけじゃない……………、味方であった筈の友達や、ましてや僕が殺した弟すらも、陰で自分の陰口を叩いていた。
だが、それと同時に、人々の本音が聞こえた。悲痛の声、嘆き等のものが聞こえてきた。本当はこんな事をしたくないというのに、何故かそうなる。
一緒に居るだけで、お姉ちゃんを傷付けてしまうと言うのに、如何することも出来ない。そして、気付いてしまう。お姉ちゃんの深層を……………。
『殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる──────』
最早前世の人々に対して『憎悪』の執念が溢れかえっていた。お姉ちゃんは、常に彼等の憎悪を持っていたのだ。
…………………………僕は、弟失格だ。お姉ちゃんの憎しみを、知ることが出来てなかった。もっとお姉ちゃんの行動に、気付いていれば、あんな風にはならなかったんじゃ無いか?
なのに、なのに僕は……………!!
あの世界のお姉ちゃんを、『
それに………、七つ目の条件に、こう書かれていたし………………。
『更新 クリア条件:星空英竜の殺害』
あのときの僕は気が狂いそうだった。お姉ちゃんを殺す?何で殺さなきゃ駄目なの!?こんなの、こんなの間違ってる!!
けど、今は分かる。お姉ちゃんは苦しんでいた。そして、お姉ちゃんを虐めた其奴らもまた、苦しんでいた。
誰が、何のためにお姉ちゃん達をこうさせたのかは分からない。けど、今は……………。お姉ちゃんを止める。絶対に。
ガルッチ「いいから、お姉ちゃんを。」
希望「…………分かった。」
希望が一瞬消える。それと同時に、通信が来る。
『prrrr,prrrr』
ガルッチ「僕だ。」
アギラ『ガルッチさん、ご主人様の事ですが…………。』
ガルッチ「…………止まったのか?」
ザギ『ああ、モンスターが私の料理を食べたようで、満足して止まったようだ。』
アギラ『それで今、ご主人様は………………。』
ガルッチ「……………如何した?」
アギラ『……………今牢獄にいます。僕が命じて、ご主人様を牢に送りました。』
ガルッチ「…………………そうか。」
ザギ『如何した?何時もなら怒るはずのお前に、何があったのだ?』
何があったって?
ガルッチ「………………お姉ちゃんの過去を見た。途轍もなく、悲しく、残酷で、最悪なものだった。」
アギラ『……………。』
ガルッチ「僕がお姉ちゃんの憎しみを止めていれば、何故君達の組織を作ったのか、それに気付く事が出来たら……………!」
ザギ『ガルッチ…………。』
ガルッチ「ザギ、お姉ちゃんを止めてくれてありがとう。けど僕、やることがあるから。」
アギラ『やる事って……………?』
ザギ『待て、まさかガルッチ…………。何を、しようと?』
ガルッチ「………………お姉ちゃんの苦しみを、悲しみを、何もかも全部受け止めるために…………『
ザギ『なっ!?』
アギラ『何でいきなり!?あんなに愛し合っていたのに、何で殺すことに!?』
ガルッチ「………言いたいことは分かる。けど、僕なりに考えた結果だ。お姉ちゃんは、前世の人たちに復讐するために、君達を生み出した。
僕は、それに手を貸した。勿論、奴等がやったことは、絶対に許せない。けど、奴らの本音を聞いて、そして僕は決めたんだ。
お姉ちゃんを止めなきゃってね。今牢にいるお姉ちゃんではなく、『Criminal Girls2』の世界に居る『星空英竜』を、止めるために。受け止めるために、彼女を……………。」
アギラ『駄目だよ!考え直して!!』
ザギ『馬鹿なことは止めろ!!平行世界の主であっても、わざわざ殺すことは─────』
ガルッチ「恨みたければ、好きに恨んでくれ…………。彼女がウルトラマンモンスターになったら、僕はそれを無効化させる『刃』を創る。
………………来るなよ、アギラ。ザギ。これは、僕とお姉ちゃんの問題だから……………。」
ザギ『待て!!今そこに行くから────』
『ピッ』
……………ごめん。僕だって、こんな事をしたくないんだ……………!けど、お姉ちゃんの苦しみを受け止めるには、これしか無いんだ………。
そして希望が現れると同時にあの世界のお姉ちゃんを連れてきた。生きているのか、紫乃愛達の影とは違うのが分かる。
希望「連れてきたよ。」
ガルッチ「ありがとう。…………何処か行ってて。」
希望「………………分かった。」
多分彼女は、復讐し終えた後のお姉ちゃんなんだろうか、ある原因で亡くなり、服装は囚人服になっていた。
ガルッチ「……………お姉ちゃん、君の前世をみたよ。」
英竜「………………。」
ガルッチ「辛かったよね?苦しかったよね?彼奴らに虐待され、苦しい思いをさせられて、…………………憎かったよね?」
英竜「…………………今更、なんだよ。あんたは、私のところに来なかったくせに……………。」
ガルッチ「ああ、来なかった……………。あの世界に居て、自分は何者なのか、知ったんだ。思えば、君の憎悪を感じ取っていれば、復讐を止められたと思ったのに…………。
僕は、君の苦しみを理解していなかった。憎悪に気づかなかった。どれほどのものだったのか、理解していなかった……………。
そして、思い知らされた………………。
自分の無力さを、大丈夫だと思った自分の愚かさを…………。」
英竜「………………。」
ガルッチ「ごめんね、お姉ちゃん。こんな、身勝手な弟で、愚かしい夫で。だから、だから責任もって……………。」
英竜「…………私を殺す気ね。結局、貴方も彼奴らと同じだったって訳ね!」
ガルッチ「…………『ボーイズライザー』。」
僕はすぐさま『ボーイズライザー』を取り出す。お姉ちゃんの手元には、あの飴玉を持ってる。そして今気づいた。
今の僕は、泣いているんだって。
ガルッチ「……………我が名は、第5代目創造王神『アルカディア・エタンセル・エデン』。あらゆるものを創り出す始原大神なり。
罪人『星空英竜』。君の憎悪を解放するために…………、君の苦しみを解放するために…………!僕が、その全てを受け止めるために。ここで死んでくれ……………、お姉ちゃん……………。」
英竜「信じていたのに………………、貴方こそ………………、唯一の味方だって……………………………信じてたのに………………!!!!
食い殺してやる!!!骨の髄まで残さず、全部、全部食べてやる!!!!!!!!!私を裏切ったことを、心の底から後悔させてやる!!!!!」
ガルッチ「…………憎悪に取り込まれし哀れな存在よ、無に還るがいい。『ガルッチ』。」
最初は自分自身のカプセルを起動させ、ナックルに入れる。
ガルッチ「『明日斗』。」
次に明日斗のカプセルを起動させ、ナックルに入れる。そしてスキャンさせて、融合させる。
ガルッチ「『ガルット』、創造。」
『ガルット!!』
ガルッチ「『プロトガルッチ』。」
今度は、本来の自分自身のカプセルを起動させ、ナックルに入れる。
ガルッチ「『アスト・オルタ』。」
次に、アスト・オルタのカプセルを起動させ、ナックルに入れる。そしてスキャンさせて、融合させる。
ガルッチ「『プロトガルット・オルタナティブ』。」
『プロトガルット・オルタナティブ!!』
さぁ、これで準備が出来た。後は、融合するのみ…………。
ガルッチ「『融合』。」
まずは『ガルット』のカプセルを起動させ、ナックルに入れる。
ガルッチ「『アイ、ゴー』。」
次に『プロトガルット・オルタナティブ』のカプセルを起動させ、ナックルに入れる。そして、そのナックルを掲げる。
ガルッチ「……………『ヒア、ウィー、ゴー』!!」
涙を流しながら、僕はその二つをスキャンさせた。
『アルティメットインフィニティーフュージョンライズ!!!!』
ガルッチ「……………己を超えろ!天元突破!」
『ガルット!プロトガルット・オルタナティブ!アルティメットインフィニティーボーイズライズ!!超サイヤ人ロゼブルー・ガルット!!』
お姉ちゃんの姿が、ウルトラマンモンスターになったのと同時に、僕もフュージョンを果たした。髪の色は半分に分かれていて、右は超サイヤ人ブルーの青色で、左は超サイヤ人ロゼのピンク色に染まっていた。
衣装自体はさほど変わってはいないようだ。
ガルッチ「『『…………『
悲哀の太刀を生み出すと、そこには青いオーラが、刃に纏っていた刀が現れ、手に持った。誰かを止めるために、やむなく殺せざるを得ない為に生み出した刃。
効果は、傷を負わせば負わすほど、相手の戦闘能力を徐々に失わせるほどの力を持っていて、暴食の太刀と同様、食われる心配は無い。
いずれにせよ、彼女は僕を食らうだろう。けど、僕はそれを受け止める。避けはしない。ただ、受けとめるのみ…………。
お姉ちゃんの全てを、受け止めるために………………!!
ガルッチ「『『来い、お姉ちゃん。僕を、殺せるのなら、殺してみろ!!』』」
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