※この作品はR-18です。

Subterranean Electron World   作:深緑 風龍

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BGM Fate/StayNight 『sorrow』


episode122 Sword or Death ガルッチの悲しみ

-追憶の間-

 

 

2人は、互いに壮絶な人生を歩んでいた。英竜は、多くの者達に虐げられていた。ガルッチは、4つの人生を渡り歩き、苦しい思いをしていた。

 

 

 

 

分かり合えると思った。分かって貰えると思った。けど、知らず知らずに、いつの間にか、すれ違い始めた。

 

 

 

 

ガルッチは英竜の過去を知った。そして思い知らされた。どれだけ愛しても、どれだけ傍に居ても、英竜の憎悪を消すことは出来なかった。ガルッチと同じ、憎悪に取り憑かれていた。

そしてガルッチは、覚悟する。

 

 

 

 

星空英竜の憎しみを、悲しみを、苦しみを、全てを受け止めるために、ガルッチは殺すことを決めた。

それがどれだけの罪を犯すことになっても、どれだけ人に非難を浴びせられても、ガルッチは歩み続けるだろう。

 

 

 

 

今一度、自分自身を『刃』と化す為に、星空英竜を殺す。

 

 

英竜「ヤァァァ!!」

 

ガルッチ「『『………。』』」

 

 

英竜はガルッチを食らおうと襲いかかり、ガルッチは英竜を殺すために攻める。お互いに、傷を負いながら。

 

 

英竜「『モンストリウム光線』!!」

 

ガルッチ「『『『ブラックかめはめ波』…………!』』」

 

 

お互いにゼロ距離で放ち、ガルッチは右肩を、英竜は腹部を負傷した。だがお互いに再生される。

再生後、すぐさまガルッチは、英竜を斬りつける。容赦ないほどの、血飛沫をあげながら、英竜はガルッチを引っ掻く。引っ掻いた部分から、深く抉れ、内蔵その物が見えるほどだが、それに気にせず、ガルッチは攻撃を続ける。

 

 

英竜「何度攻撃したって無駄だ!!それなのに、なんで攻撃を止めない!?何故再生できる!?」

 

ガルッチ「『『君がくれた、ニョキンのお陰だよ。例え食われようとも、すぐに再生できるようになってる。君がそうさせてくれたみたいにね。

 

 

それに、言ったでしょ?受けとめるって。気付かないか?避けれるはずの攻撃が、何で当たってばかりなのか。』』」

 

英竜「…………避ける気は無いというのか?」

 

ガルッチ「『『そうさ。だから全部、僕にぶつけろ。全部だ。』』」

 

英竜「…………生意気言って!!」

 

 

すると、距離を取りながら複数の弾幕が放たれ、ガルッチに襲いかかる。全て着弾し、再生する。しかし、苦痛の顔を出さず、前に出る。距離を詰め、再び攻撃を仕掛ける。

英竜も負けじと、遂にアルティメットナイザーを取り出して、攻撃を仕掛ける。

 

 

ガルッチ「『『ッ!』』」

 

 

腹部に当たると同時に、そこから血飛沫を上げる。止めようも無いほどの血の量。けど、ガルッチは堪え、英竜を斬りつける。

 

 

英竜「これでも立つのか!?あれだけ食われ、傷を負ってるのに、如何して………、如何してそこまでするの!!」

 

ガルッチ「『『…………大好きだからさ。』』」

 

英竜「え?」

 

ガルッチ「『『出会って間もなかった僕達だった。短時間だって言うのに、僕がいずれ死ぬと言ったとき、お姉ちゃんは僕を生かしてくれた。それも、2度も………。いや、3度かも。僕が憎悪に取り込まれていたのを、覚えてる?』』」

 

英竜「…………。」コクッ

 

ガルッチ「『『お陰で、僕は救われた。嬉しかった。お姉ちゃんと出会えて、本当によかったって。

 

 

だから、今度は僕が、お姉ちゃんを救う番。殺してでも、お姉ちゃんの苦しみを、憎しみを、全部受け止めてあげるから………!!』』」

 

英竜「やめろ!そんな事して、一体何になるの!?」

 

ガルッチ「『『僕はお姉ちゃんを理解したい。お姉ちゃんを知りたい。お姉ちゃんを守りたい。お姉ちゃんを、お姉ちゃんを………………殺してでも、その憎悪を消してあげたい!!』』」

 

 

英竜は初めて、ガルッチを恐れてしまった。その眼には、澄み切った水晶のように純粋だった。その眼から、変わり果ててしまった英竜への、悲しみの涙を流していた。

 

 

ザギ「ガルッチ!!」

 

希望「駄目だって!!」

 

 

ここぞと言わんばかりに、ザギが入ってきた。それを止めようと、希望も入ってくる。

 

 

ガルッチ「『『お姉ちゃん、こんな………、こんな弟で、ごめんね。僕は、殺すことしか、出来ない奴だから…………。』』」

 

 

【セブンシンカレクイエム!】

 

 

ガルッチ「『『…………我、七ツノ大罪ヲ司ル者。ソシテ。』』」

 

 

【ガシャット!キメワザ!】

 

 

【カーディナルセブンガールズ!】

 

 

ガルッチ「『『大罪ノ騎士ヲ生ミ出セシ者。』』」

 

 

【ガシャット!キメワザ!】

 

 

ガルッチ「『『…………我ガ刃ヨ、唸レ!!』』」

 

 

【デッドリーカーディナルクリティカルスラッシュ!!】

 

 

青色のオーラが、激しく光りはじめ、炎のように燃え上がっていた。

 

 

英竜「…………ガルッチ、君はそこまで……………私を…………。」

 

ガルッチ「『『うん。だって、お姉ちゃんのこと、大好きだから。もう、これ以上、お姉ちゃんの苦しい顔を、見たくないから……………。

 

 

それより、止めないの?このままだと、お姉ちゃん死んじゃうよ?憎いんでしょ?僕のこと。』』」

 

ザギ「ガルッチ……………………。」

 

 

 

英竜「う、ううっ…………、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

『モンストリウム光線』!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

これでもかと言わんばかりの極太の閃光が解き放たれ、ガルッチを襲う。それを、ガルッチはまっすぐと、その閃光にぶつかる。

 

 

ザギ「ガルッチ!!そんなことしたら、食われるだけだぞ!!」

 

ガルッチ「『『ザギ、僕はお姉ちゃんを理解していなかったんだ。そのせいで、お姉ちゃんはこうなってしまったんだ。だから、これは僕の贖罪!お姉ちゃんの全てを、僕が受け止める!!!!』』」

 

ザギ「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」

 

 

ザギはガルッチを止めようとするが、希望がそれを止める。

 

 

ガルッチ「『『(動け、そして断ち切れ!彼女の前世の憎しみを!!!)はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!』』」

 

 

全身で『モンストリウム光線』を受け止めているはずなのに、ガルッチは臆する事無く、突き進んでいく。再生速度に追いついていないにも関わらず、それでもなお進んでいた。そして、ゼロ距離に近づき。

 

 

ガルッチ「『『お…………わ…………り…………だ!!』』」

 

 

『ズシャァァァ!!! パキンッ』

 

 

そのまま刀を振るい、カラータイマーごと斬った。それと同時に、閃光が止み、英竜は元の姿に戻った。その代わり、英竜の体から、ガルッチが大きく斬りつけた場所から、勢いよく血を吹き出し、そして倒れ込もうとする。

 

 

『グサッ!』

 

 

だがそれをよしとしないガルッチは、トドメと言わんばかりに、一突きを入れ、抱き締めた。

 

 

英竜「……………負けちゃったか。私が、ガルッチに負けるなんて……………。切り札使う前に、負けちゃうなんてね。」

 

ガルッチ「『『……………ごめんなさい、お姉ちゃん。』』」

 

英竜「何で謝るの?私を殺したのに、謝る必要は─────」

 

ガルッチ「『『僕が、もっとしっかりしていれば、こうはならなかったのに……………。僕が、弱かったせいで、僕のせいで……………、辛い思いさせて…………。』』」

 

英竜「ガルッチ…………。」

 

ガルッチ「『『ごめんなさい……………、こんな、弟で……………、夫で……………、ごめんなさい………………。』』」

 

 

それから、ガルッチは泣き崩れ、何度も何度も、『ごめんなさい』と言い続けていた。ガルッチの止めようも無いほどの涙と、英竜から流れる赤い涙が交ざり合い、真っ白だった世界が鮮やかになっていく。

 

 

ザギはそれを見ていた。義理の姉弟が、お互いに抱き合ってるのを、見ていた。希望もまた、それを見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、泣き崩れていたガルッチが泣き止むと、英竜は消えようとしていた。

 

 

英竜「………もう、逝かなきゃ。ごめんね、ガルッチ。どうやら、辛い思いをさせちゃったのは、私みたいね。」

 

ガルッチ「『『…………お姉ちゃん。』』」

 

英竜「私がバカだった。前世を忘れ、このまま幸せに生きていれば、よかったのに…………。」

 

ガルッチ「『『そうかもな…………。お姉ちゃん………。』』」

 

英竜「何?」

 

 

もう消えかかってるにも関わらず、ガルッチは英竜と口付けた。

 

 

ガルッチ「『『………安らかに眠ってくれ。もう二度と、起こすつもりはないから。』』」

 

英竜「……………うん。さようなら、ガルッチ。そっちの私を、ちゃんと守ってあげて。」

 

 

そうして、『星空英竜』はこの世を去った。円環の理にも、天国にも、地獄でもなく、本来逝くべき無へと還っていった。

 

 

『フュージョンオーバー』

 

 

ガルッチ「……………ザギ、分かってるとは思うけど、僕には此しか出来ないんだ。いや、出来なかったんだ。他にもあると分かっていても、結局僕は、彼奴と、衛宮切嗣と変わりない………!」

 

ザギ「…………すまない、君にとって、辛い事だというのに。」

 

ガルッチ「ザギ…………。」

 

ザギ「それに、君は衛宮切嗣なんかじゃ無い。外道じゃないし、ちゃんと誰かを守ろうとしてる。」

 

ガルッチ「そう…………、なのかな?」

 

ザギ「私はそう思うぞ。だが、我が主を殺すのは…………。」

 

ガルッチ「僕だって、此しか出来なかったしね。」

 

ザギ「…………主は今、牢にいるが、行くのか?」

 

ガルッチ「いや、合わせる顔が無い。僕は一度、お姉ちゃんを殺したんだ。今更、会えるもんじゃないよ。」

 

ザギ「…………終わったら、ちゃんと会いに行け。如何なる理由があってもだ。いいな。」

 

ガルッチ「……………分かったよ。ザギがそこまで言うなら、会うよ。その後、ちゃんと謝るから。」

 

ザギ「今更謝る必要はないだろ?って言っても、謝るだろうな。」

 

ガルッチ「うん。」

 

ザギ「はぁ、本当に面倒な弟だな。」

 

ガルッチ「それは自覚してる。」

 

 

ガルッチも自覚していた。

 

 

ザギ「それじゃあ私は此で。」

 

ガルッチ「ああ、またな。」

 

 

ザギはそのまま姿を消した。それと同時に、ガルッチもすぐさま消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-沈ム世界、記憶ノ欠片-

 

 

ガルッチside

 

 

……………そういえば、お姉ちゃんを抱き締めたとき、何かが流れ込んだ気がするけど、何だろ一体。

後で調べてみようかな?

 

 

紫乃愛「先生!」

 

貴利矢「おいおい、大丈夫だったか?お前が消えて、滅茶苦茶焦ったんだぞ?」

 

ガルッチ「ホントにすまない。」

 

黒絵「お兄ちゃん、眼が真っ赤…………。」

 

 

あー、そういえばたっぷり泣いてきたんだったっけ?まぁあんだけ泣いてたら、そりゃそうなるか。

 

 

司「………一体何があったんだ?」

 

ガルッチ「………この世界に居たお姉ちゃんを、殺してきた。」

 

貴利矢「はぁ!?英竜がここにいたって言うのか!?っていうかさらっととんでもないこと言わなかったか!?」

 

黎斗「…………なるほど、そういうことか。」

 

貴利矢「どういうこと?」

 

黎斗「ガルッチ、クリア条件を見せてくれ。」

 

 

僕はすぐさま、黎斗に向かって青いモニターを出してあげた。

 

 

『クリア条件

 

 

7人の半罪人を騎士化:未達成

 

 

罪王神の発見:未達成

 

 

檀正宗の討伐:未達成

 

 

ウルトラマングラトニーの討伐:未達成

 

 

ソウル化した者の討伐:後2名

 

 

ガルッチの覚醒:達成

 

 

星空英竜の殺害:達成』

 

 

貴利矢「おい待て、最後なんかおかしくね?え?星空英竜の殺害?」

 

黎斗「おそらく、此が最後のクリア条件だったんだろう。そして見事、クリアしたと言うわけだ。」

 

貴利矢「でも殺す事は………。」

 

ガルッチ「いや、此でいいんだ。お姉ちゃんは、長い間憎悪に取り憑かれていたんだ。辛かっただろうし、それに僕には此しか出来なかったから。

 

 

けど、殺した事には、変わりないけどね。」

 

 

そう、リリスお母さんを殺したように、英竜お姉ちゃんを殺した。その事実は、覆されることは、絶対にない。

 

 

優里音「何で先生ばかり、辛い事が…………。」

 

璃々「先生、一度休んだ方がいいのでは?今回の件もありますし、まだ時間もありますから。」

 

マヤ「璃々の言うとおりね。今先に進んでも、貴方がそれだと、不安しかならないし。」

 

ガルッチ「…………分かった。そうさせてもらう。」

 

 

此ばかりは、素直に従おう。滅茶苦茶食われて、ニョキンも疲れ果てて居るだろうし…………。ザギの言うとおり、終わったらお姉ちゃんに会いに行こう………。

 

 

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