Subterranean Electron World 作:深緑 風龍
-牢獄-
エデンside
どうも、十数日でようやく退院し、急いで氏名を変えてきたガルッチことエデンです。いやぁ、ホントキツかったよあの大出血。あそこまで出血するなんて、想定外だった。
あのサンズのカプセル、後で黎斗に調べたところ、どうやらオンスロートが持ってた『インフィニティー・ガントレット』並み、又はそれ以上の力を宿していて、普通に使っていたら崩壊してもおかしくないと言われた。
何で僕あんなカプセル使っちゃったんだろ?そりゃ肉体崩壊してもおかしくなかったか………。しかも黎斗が言うに、そう言う類いのカプセルはまだあるらしい。そして、『ヴァルハラ』と『TOAA』のカプセルに関しては、予想通り相当やばい力を宿していることが分かった。
うん、これは切り札として使うしか無いな。リリカでも感じた程のようだし、何が起こるか予想が付かないしな。
んで、現在はお姉ちゃんがいる牢獄にいる。それも、最下層に。何故行くことになったかと言うと、アギラに言われてこうなった。
まぁ、そうだろうな。何ヶ月も顔を合わせなかったし、きっとお姉ちゃん心配しているだろうな。
「ここが、英竜様の牢です。」
エデン「…………厳重だな。」
「それだけ、暴走の危険性があったのです。待遇は、アギラ様の通り酷いものではないので、ご安心ください。」
エデン「…………そうか。ありがとう。」
看守が何かを入れると、入り口は開き、僕はその中に入った。
-???-
入った瞬間、僕の目を疑った。あまりにも、場違いなのではと思えるほどの部屋だった。雲一つ無い晴天の空、そよ風が吹き、靡くように動いている野原、そして水の流れる音も聞こえた。
エデン「…………マジかよ。ホントにここが牢の中だって言うのか?」
そう思いながら、僕は歩いた。お姉ちゃんは一体、何処にいるのかと思いながら探すと、一軒の小屋があった。
そこに向かい、中に入ると、スヤスヤと眠ってるお姉ちゃんがいた。小屋の中は、お姉ちゃんが眠ってるベッド、椅子、机という、最低限のものが置かれていた。
最早牢と言うより、別世界なのではと思ってしまった。
イフ『…………ガルッチ。』
エデン「…………とてもじゃないが、暴走したお姉ちゃんとは思えないな。」
アムール『十分に、気を付けろよ?』
エデン「……………大丈夫。」
椅子に座り、英竜の顔を見た。とても気持ち良さそうに、悪い夢すら見ていない程、ぐっすりと眠っていた。
エデン「………お姉ちゃん、久しぶりだね。時間掛かったけど、やっと君に会いに来たよ。ちゃんと、お姉ちゃんに会うのに相応しくね。」
……………お姉ちゃんはまだ眠ってる。少し、手を伸ばし、髪に触れようとする。
『ガシッ!』
エデン「え?」
『グイッ! ギュッ!!』
いきなり手を掴まれ、そのまま引き寄せられ、抱き締められた。
エデン「お、お姉ちゃん?」
英竜「やっと……………、やっと来てくれた…………。寂しかったよ、ガルッチ…………。」
エデン「お姉ちゃん…………。」
英竜「本当に、本当にごめんね?私、私ったら…………皆に酷いことしちゃった…………。」
エデン「…………大体のことは、ザギやアギラから聞いた。謝るのは、僕の方だ。お姉ちゃんの苦しみ、憎しみ、悲しみ、理解していなかった。ごめんなさい、お姉ちゃん…………。止めにこれなくて、本当にごめんなさい…………。」
出会って早々、お互い泣きながら謝った。そして、落ち着いた後会えなかった間、僕の出来事をお姉ちゃんに話した。
英竜「そ、創造王神!?しかも虚王魔神になる前、母親を殺してたって!?」
エデン「う、うん。正直知ったときは、ホントにね………。」
英竜「しかも復讐を果たした私と、私が食われて、皆を食べ終わった後平行世界に渡ってその人達を喰らおうとしたウルトラマンモンスターを殺したって…………。
あーもー!!私のバカ!バカバカ!!」
エデン「お、おいおい。落ち着け。」
英竜「そんなこと言われたって、2度も私を殺させてしまったんでしょ!?辛い想いをさせて、ホントにごめんね。」
エデン「い、いやいや。確かに辛かったけど、お姉ちゃんを苦しませたくなかったし、全部受け容れるって決めたから。辛かったら、僕にぶつければいいからさ。」
英竜「ガルッチ…………。」
…………お姉ちゃん、ずっと苦しんでいたんだな。僕がここに来なかった間、ずっと自分を責めて…………。
英竜「…………でも、零っていう商人とリリカに、色々言われたんだよね?大丈夫だったの?」
エデン「………2つの夢を見たんだ。1つは、君と似たようなものだった。僕が壊れ果て、フラン達を殺し、家族だけで無く、友人、愛人をこの手で殺し尽くし、平行世界へ渡る夢。
もう1つは、家族達だけで無く、創造王神としての力も捨て、居場所も捨て、誰からも忘れられた存在になる夢。要するに、病んでいたんだ。その夢を見るほど、ずっと………。」
英竜「…………そうだったのね。でも、こうして会えたってことは。」
エデン「そう言うこと。そのどちらもならなかった。リリカには、感謝してるよ。歪みに歪んでいた僕を、厳しく言ってくれて…………。
やっと、自分自身を変える決断を下せたんだ。今は、その再スタートラインにいる。今度は、自分も愛せるように、皆を信じられるようにね。」
英竜「そっか………、強くなったね。ガルッチ。」
エデン「うん。まぁ、変わる代わりに、名前も変えたんだ。」
英竜「へぇ、どんな名前?」
エデン「『ラーク・エタンセル・キュアノス・パンセリノス・アルカディア・エデン』だ。」
英竜「…………………長い。名前長くなってない?」
エデン「仕方ないだろ、黎斗の二の舞になりたくなかったんだし。」
そういえば、リリカ達も言われたな………。
英竜「いやいや、何でも長くしていいとは限らないでしょ。何処かの猿の名前とか、ピカソみたいな名前のようなものだよ?」
エデン「『銀魂』の世界の猿とピカソを比べるな………。猿の名前は最早どんな名前だと思えるほどなんだけど。」
英竜「そう言われてもね?長いよ?」
エデン「まぁね。でもまぁ、それだけ変わりたかった。もう2度と、こんな思いをさせたくない。この名前も、言ってみれば覚悟みたいなものだしね…………。」
だがまぁ、お姉ちゃんが元気で良かった。病んでいると思ってたけど、このまま行けば、次期解放するだろうし、気長に待とうかな。
英竜「そっか。とはいえ、変えたということは、私も呼び方変えるべきなのか?」
エデン「うーん、そんなに気にしなくてもいいよ。今まで通りガルッチでもいいし、エデンでも、アルカディアでもいいからさ。」
英竜「分かった──────」
『WARNING!!WARNING!!』
英竜「何だ!?」
エデン「何事!?」
『脱獄者発見!脱獄者発見!!脱獄者No.815716が脱獄しました!!至急、No.815716を捕らえよ!!』
No.815716?ちょっと待て、あそこは確か………………!!!
エデン「全王!!!あの野郎、脱獄したってのか!?」
英竜「脱獄!?確かここって、脱獄できる確率は、ほぼ不可能って言ってたよね!?しかも全王って!!」
エデン「チッ、脱獄したってことは、何かしらの手を使ったに違いない。確かにほぼ不可能だし、スパイとてバレるはず。けど其れを突破したと言うことは…………。」
英竜「…………それだけ突破できるほどの実力者の可能性があるね。行ってあげて、ガルッチ。」
エデン「うん。出所するまで、僕待ってるからね。あと、お土産期待してて。」
英竜「え?お土産?誰かと出かけるの?」
エデン「あー、そんな感じ。何処に行くのかは分からないけどね。」
英竜「凄い狡い………、けどまぁ、楽しんでいって。」
エデン「そうさせて貰う。それじゃ!」
そんなこんなで、お姉ちゃんとの面会は終わり、急いで牢獄の外に出た。
-牢獄 前-
「お前ら!!急いで探せ!!俺はこっちを探す!!囚人の貴様らも、同僚だと思って探せ!!!」
外に出ると、囚人も含めた全員が、全王を探していた。そして、其れを命令していたのは、牢獄の監獄長であり、僕の親友でもある『アルファス・ヴリドラ・イーグル』だった。
エデン「アル!!全王は?!」
アルファス「ん?ガルッチか!!悪いが、まだ見つからない。」
エデン「手伝うか?」
アルファス「頼む。そんなに離れていないはずだし。」
エデン「どうだろうか………。『
もしかしたら、もう既に遠くに行ってる可能性もあり得るし、出来ればそれも特定すれ─────
『バチッ!』
エデン「チッ!!『
アルファス「どうだった?」
エデン「駄目だ。何かしらの妨害を受けた。出来るだけ超遠距離にも向かったが…………。おそらく、もう全王は隠れ仰せたに違いない。」
アルファス「…………まさか、ここで脱獄者が出て来るとはな。一体、誰の差し金でこうなったのか…………。」
エデン「分かんないが、いずれにせよ奴は、僕達を襲ってくるに違いない。何時か必ず、全王が現れるかもしれないな。」
アルファス「…………勝てるか、ガルッチ。」
エデン「勝つさ。どれだけ強くなろうとも、最後に勝つのは、僕達だからね。っと、とりあえず、ドラゴンボールの世界にいる全王に知らせなきゃ。」
全く、あの野郎…………。どうせなら死刑にしておくべきだったかもしれない。とにかく今は、あっちの全王に知らせてから、ザギとアギラに連絡しよう。
けど一体、どうやって脱獄したんだ?そもそも、何処に隠れたって言うんだ?
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sideout
-???-
「…………全王、帰ってきたね。」
全王「ハッ、ここに………。」
一方で脱獄した全王だが、闇創造王神の城にいた。
「見たところ、無事で何よりだよ。」
全王「いえ、こんな俺を見捨てずにいてくれて感謝しております。」
「それだけ我々の戦力に影響を及ぼすと言うことだ。とは言え、色々と疲れてるだろう?しばらく休め。」
全王「了解しました。では、我が主。」
一礼した後、全王は部屋から出て行った。
「…………しかし、良かったのですか?闇創造王神様。全王は………。」
「言いたいことは分かる。正直言って、僕は彼のことが苦手だ。野心が高すぎるというか、傲慢無礼すぎるというか…………。
あの零ですら、負けたのも自業自得とか言っていたほどだしね。」
「嫌われ者ですな、全王。それに気づかない全王もまた、阿呆かもしれませんが………。」
「まぁ、いずれ捨て駒にするつもりだ。ガルッチの為にも、全王神の為にも、我々のためにも、そして零の為にも、全王は…………。」
「……………そうですな。」
そう言いながら、お互いため息を漏らした。
「まっ、そう言うわけだから、全王。君が受ける任務が、命日だと思ってくれ………。」