Subterranean Electron World 作:深緑 風龍
-メサイアの家 屋上-
エデンside
エデン「えっと、リリカ?どうかしたの?っていうか、その子は?」
『私のこと言ってるみたいだよ。』
リリカ『この子ですか?あまり、怒らないと嬉しいのですが、彼女はエヴリンと言いまして、この子が英竜さんと貴方を変えようとした人です。』
エデン「!?」
こ、この子が!?け、けど、邪悪なオーラは全く感じないんだけど!?でも、あの子の目、何故だろう?リサと似ている気がする…………。
エヴリン『ガルッチお兄ちゃん、ごめんなさい…………。私、家族が欲しくて…………。』
エデン「…………家族が?」
エヴリン『うん…………。』
エデン「…………事情は分からないけど、家族が欲しかったら、何もこんな事する必要は無いはずだ。幸い、僕は抵抗出来て後遺症はなかったけど、下手をしてたら、暴走して、殺されていたかもしれないんだぞ?」
エヴリン『…………。』
エデン「けど、何故だろな。君を見ていると、リサを思い出す。」
リリカ『リサって、貴方の愛人で────』
エデン「違う。リリカ、悪いけどリサは僕の愛人じゃ無い。未来と簪の養子だ。」
リリカ『未来さんって、確かガルッチさんの…………え?今更ですが、あの人男ですよね?一体どう言う出会いをしたらそうなったんですか!?』
エデン「その話はやめろ。そもそも、この話は後で聞く。」
リリカ『そ、そうですね………。それより、簪さんって更識簪さんで、合ってますよね?』
エデン「ああ、それで合ってる。まずリサだが、『リサ・トレヴァー』って言えば分かるか?」
リリカ『リサ・トレヴァーって言えば、アンブレラという企業に人体実験にされた女の子でしたっけ?しかもその子、両親の行方は知らなくて、脱走した後、母親を探して行く内に、何度も何度も女性の顔を剥がしては体に付けていたんでしたっけ?』
エデン「うん。」
エヴリン『…………まるで、私みたい。』
リリカ『その子が、何故簪さんの養子に?』
エデン「助けたんだって。簪が言うに、ウルトラマンコスモスに変身して、リサの体内にあるカオスヘッダーとGウイルスを消滅させて、助けたらしい。
さすがに、もう普通の人間のようには戻れなかったけど、今は僕と未来の息子のアラヤと結婚して、幸せな家庭を築いているよ。」
リリカ『そうだったんですか…………。何か聞き捨てならない事が聞こえましたが、保留にしましょう………。』
そうしてくれると助かるよ、リリカ。
エデン「エヴリン、君はリサに似ている………。その境遇、その苦しみ…………。リサと出会えたら、もしかしたら友達になってくれるかもしれないね。」
エヴリン『ホント!?』
エデン「リサも分かるはずさ。彼女も、かつては一人だったからさ。家族はさすがに無理だが、友達として接するよ。」
エヴリン『ガルッチお兄ちゃん、本当に、本当にごめんなさい…………。』
エデン「謝るな。やったことがあれだが、僕は君を許す。気にしないでくれ。おかげで、僕は再スタート出来たんだしさ。」
家族、か。こうしてみると、フランもよく似てるな。
エデン「…………ところで、リリカ。何かあったのか?」
リリカ『ええ、少し夢で………。』
エデン「夢?」
リリカ『ある夢を見たんです。その、ガルッチさんと結婚して、幸せな家庭を築いている夢を…………。』
……………はい?
リリカ『へ、変だと思いませんか?私は、ガルッチさんの事が嫌いな筈なのに、何故あんな夢を見たのか…………。』
エデン「いやいや、ちょっと待って?僕がリリカと結婚!?絶対あり得ないだろ!?」
リリカ『しかもですよ?どうもそのガルッチさんは全く結婚もしておらず、更には愛人でさえ作っていない人だったんですよ!?』
エデン「うわぁ、すげぇ羨ましい…………。」
リリカ『何でこんな夢を見たのか、さっぱり分からなくて…………。』
エデン「っていうか、盲目なのに夢は見えるんだね………。」
リリカ『ホントですよ………。』
エデン「……………ま、まぁあくまで夢だし、仮にそうだとしても、それは平行世界の出来事だろ。あまり気にしない方がいいよ。うん。」
リリカ『で、ですよね………。夢ですもんね………。』
エデン「そうそう、ただの夢だ。だから夢の内容は忘れた方がいい、うん。」
リリカ『わ、分かりました。それと、もう一つ用事というのですが…………。』
エデン「ん?もう一つの夢の話、ではないっぽいな。」
恐らくあの話は前座で、本命は此方なんだろうな。
リリカ『はい。と言っても夢なのかどうか分からないのですが、ある岬でもう一人の私がいたんです。色は対照的でしたけど…………。』
エデン「…………それで?」
リリカ『こう言ってきたんです。
『私はあなたの闇から生まれた存在。あなたが純粋であればあるほど、その闇が強くなる。あなたは闇の私から、逃れられない。
どれだけ足掻こうが、貴方は私と対峙するでしょう。
貴方と私は、2人で1人の『融合王神』なのだから………。』と。』
エデン「…………『融合王神』?え?ちょっと待って!」
リリカ『初めは、私も理解出来ませんでした。その人は、私と彼女で、二代目の『融合王神』だなんて、全く…………。』
ちょちょちょ、ちょっと待って!?リリカが、二代目の!?ってか、初代如何した!?
リリカ『一度、お父様にも聞いたのですが、どうやら知らないらしくて………。』
エデン「それで、僕か…………。」
リリカ『そう言うことです。』
エデン「…………………『融合王神』は、その名の通り自身を媒体にし、別の人と融合して、その人の力を得る事が出来た神様だ。
実際、生き物だけで無く、剣や盾、更には聖剣や魔剣、凄いときは歴史や平行世界でも融合したほどの力を宿していたらしいです。」
リリカ『とんだ規格外な神様ですね…………。いえ、もう神様の領域を超えている気がしますが…………。』
エデン「と言っても、これは諸説だ。流石にそんなこと出来たら、誰だって引くぞ?『融合王神』が最強なんだ!!って言いそうな気がするし。」
リリカ『諸説でも引きますよ?デタラメ過ぎでしょ………。特に後半。』
全くです。この諸説を書いた奴、マジで許さんぞ。
エデン「まぁ、確証があるのは、『融合王神』は今も生きているって言うことぐらい。なんだけど、二代目は…………流石に想定外…………。」
リリカ『ガルッチさんでも、知らないんですね………。』
エデン「すまない、力になれず…………。」
リリカ『…………一つ、聞きたいのですが。』
エデン「?」
リリカ『…………歌、好きですか?』
いきなりだな…………。
エデン「まぁ、これでもね。よく歌を歌っているし、忘れられない歌もあるんだ…………。」
リリカ『忘れられない、歌ですか?』
エデン「うん…………。ケンジが歌ってた奴でさ、こんな時でも忘れないんだ。音程が、あれだけど、それでも…………忘れることが出来ない歌なんだ。」
そうだ、それ以来…………、どれだけ転生しても、記憶が吹っ飛ばされても、その歌だけは、永遠に刻まれていた…………。
忘れもしない、あの歌だけは…………。
エデン「…………出口の無い………、答えを求め……………。♪
この
リリカ『ガルッチさん?』
エデン「あ、ごめん………。いきなり歌い出して…………、っていうか、この目閉まっておかないと。」
僕はすぐさま、兄さんから貰った眼帯を、虹色の目を覆った。
リリカ『あの、如何してそんなことを?』
エデン「神話スタンドに注意深く言われているんだ。さっきの歌、禁忌の歌と言って、早苗の奇跡よりも超えた奇跡を持っているんだ。
特に、ある歌は……………、その許容が超えているんだ。
今は眼帯しているから、歌っても平気だけど、そのままの状態で歌えば、『消滅』する。」
リリカ『あの、その歌って一体…………。』
エデン「…………『Hikari』。ケンジの歌を除けば、僕のお気に入りの曲の一つだな。」
リリカ『『Hikari』…………ですか…………。あの、歌って貰えますか?』
エデン「ん?いいよ。」
念には念を入れて、『エモーショナル・シング』をOFFにした後、僕は『Hikari』を歌い始めた。
歌い始めている内に、僕はいつの間にか感情を込め始めた。意識している訳でも無いのに、どの歌を歌っても感情を込めてしまうらしい。
そして、歌い終わると、涙を流しているのに気がついた。
リリカ『綺麗な歌声でしたが、何故感情的に歌うんですか?』
エデン「………自分でもよく分からない。けど、僕にとって『歌』は、感情でもあり、軌跡でもあるんだ。」
リリカ『…………そうですか。』
エデン「…………まぁ、なんだ。また、聞きたかったら、何時でも歌ってあげるからさ。別の歌も歌ってあげるし。」
リリカ『いいのですか?』
エデン「うん。」
リリカ『分かりました。遅く連絡して、すみません。』
エデン「いや、気にしないで。時折僕、夜空を見上げたいときもあるから。」
『ピッ』
…………この歌、何時か使うことになるかもしれないな。そんな気がする。そう思いながら、もう一度夜空を見上げた。
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