Subterranean Electron World 作:深緑 風龍
-真・固有結界-
フランside
フラン「ガルッチ、一つ聞いてもいい?」
エデン「…………何?」
フラン「何があったの?私、貴方の存在が『最初』からいないことぐらいしか、分からないんだけど………。」
リリカ「…………どういうことですか?」
フラン「実は私、覚悟を決める前に、ガルッチの記録を見たの。ガルッチは、最初から存在しなかった事と、皆を騙して存在し続けていた事を、話してくれたの。」
エデン「…………見てくれたんだ。」
未だに信じ切れないけど、私は決めたからね。ガルッチが助けてって言うのなら、助けなくちゃいけないしね。
リリカ「ガルッチさん、一体全体どういうことですか?お願いです、1から説明してください。貴方の知っていること、全部。私に言ってください。」
エデン「…………無論、そのつもりだ。元より僕は、その為に来たんだし、何よりリリカ、君の本当の記憶を教えないといけないしね。
自分の本当の前世も含めて……………、全部。」
そうして、私達は座り、ガルッチは武器を置いて座り込んだ。空を見上げると、今まで見たことなかった『ほうき星』が見えた。
BGM いつか終わる夢
エデン「…………先ず、フラン。君にも伝えたかもしれないが、僕の前世は『遠藤宇宙』じゃない。最も、僕は人間じゃない。『クトゥルフ神話生物』の『外なる神』、『ニャルラトテップ』なんだ。」
リリカ「ニャルラトテップっていうと…………。」
エデン「真っ先に思い浮かべるのは、『ニャル子さん』だけど、その子との関係性は無い。正真正銘のニャルラトテップ。『アザトース様』の筆頭とする外なる神に使役されるメッセンジャーでありながら、旧支配者の最強のものと同等の力を有する土の精であり、人間はもとより他の旧支配者達をも冷笑し続けている奴と言うべきだろう。
最も、他のニャルラトテップもいたけど、その中で僕は『異端』だった。いや、『異端』過ぎた。何故なら、他の誰よりも『怒り』が強すぎたんだ。」
フラン「怒りが?」
エデン「うん。アザトース様から言われるまでは気づかなかったけど、僕の真の前世は、『ゴジラ』。怪獣王、破壊神、又は『天災』とも言われる存在だった。」
リリカ「……………え?ゴジラ?」
フラン「ちょちょちょ!?え!?ゴジラ!?」
ゴジラって、あのゴジラ!?それだとガルッチの前世は、ゴジラ怪獣じゃないの!?っていうか、ゴジラが転生って、前代未聞じゃないの!!!
エデン「怪獣だった頃の記憶は、あまりないけど、確かに僕は、多くの建物を壊し、大勢の人間を殺し、他の怪獣達を蹴散らしていたことは、覚えてる。
けど、気が付いたときには、僕は『ニャルラトテップ』になってたんだ。何時死んで、転生したのかすら、全く覚えてないんだ……………。
ただ、やることは変わりない。種族が変われど、やることは変わってなかった。母親が居なければ、父親なんて居ない。それはゴジラの時もそうだった。」
フラン「……………ガルッチ。」
エデン「……………他の皆は崇拝者のことを冷笑しながら手伝っていたが、僕だけ不快感を感じた。崇拝するだけでも、気味が悪いし、冷笑どころかイライラ感を増していた。
崇拝者の中には、洗脳された奴とかも居たのに気づいたからだ。そして気が付けば、其奴らの命を奪っていて、建物を破壊していた。他の奴らから、『異端なニャルラトテップ』と忌み嫌われていたんだ。
ただそれを言うだけで、同族の命を奪って、人間達だけで無く、同族も恐れられるようになった。」
ゴジラのような本能が、まだあったという訳ね。というか、ガルッチの怒りってどれだけあるのよ……………。
エデン「けど、転機が訪れた。休暇を与えられた僕は、何処かへ行こうと、『ヨグ=ソトース様』が使う門を使った。何も無く、ただ穏やかな場所を願った。そして着いたのが、魔物達が済む世界。いや、地下世界だった。
休暇が終わるまで、しばらくここにいようとしたが、魔物達は僕を見て、怯えて逃げていった。何時ものことだろう。そう思っていたが、1匹の魔物は違った…………。それが、リリカ。君と僕の出会いだったんだ。」
リリカ「え?」
エデン「君はあの時、言っただろ?『始めて会った気がしません』って。あの狂気しかない姿こそが、僕だった。多分君は覚えていないだろうけど、理由があるんだ。君の目がそうなったのか、アズリエルとの結婚を引き離してしまったのか。
全ての原因は、僕にあったんだ。順を追って説明する。」
少し喋りすぎたのか、ガルッチは何処から取り出したのか『ブラッドオレンジジュース』を飲み干し、そのまま何処かに仕舞った。
というか、いつの間にそれ買ったの?
エデン「本来、『クトゥルフ神話生物』の皆を見たものは、畏怖、崇拝、発狂等色々あるんだけど、君だけは全く違っていた。
純粋無垢で、真っ直ぐで、とても暖かい目で、僕を見ていた。最初は何かの冗談か、誰かが見せた幻覚かと思った。まさか、僕を見つめているわけが無い。そう考えていたけど、違った。それどころか、話し掛けてきた。此ばかりは、驚くほか無かった。君のような子は初めてだった。
気が付けば、僕は君と話をしていた。それと同時に、恐れた。こんな子が僕と話をしていたら、他の魔物達も、彼女を怖がるんじゃ無いかって。
でも気にしてなかった。それどころか、積極的に話し掛けてきた。帰る際にも、最後まで付き添ってくれた。……………今まで『怒り』しかなかった僕に、初めて『喜び』を知ったんだ。暫くして、あの世界は何だったのかを、ヨグ=ソトース様に聞いたら、『Undertale』の世界だと言うことを知った。
それ以降は、休暇を貰っては、君と話し合う事が『楽しみ』になってきた。こう言う一時が、ずっと続けばいい。
そう考えると同時に、恋心を抱いていた。」
リリカ「……………恋心、ですか?」
エデン「うん。あの頃は、心が無かったけど、感情とかはあったからね。けど、あの頃の僕には、この気持ちは何だったのか分からなかった。
けど、それと同時に不安を抱いた。この子と一緒に居ていいのか。本当にこれでいいのか…………。そう考えてしまい、君と距離を置いてしまった。
最初はこれでいいと思った。君が幸せなら、それでいいと思った。けれど、それを許さない自分が居た…………。
そんな葛藤している内に、ある話を聞いた。
『リリカが、アズゴアの息子『アズリエル・ドリーマー』と結婚する』と言うことをね。……………見たところ、もう結婚しちゃったようだね。今でも複雑な気持ちだけど、あの頃の僕は、ショックだった。
そして、アズリエルに嫉妬し、憎み、そして呪おうと決めてしまった。思えば、ちゃんと諦めなければ、あんな事にはならなかっただろうに、諦めきれない自分が、かつてないほどの怒りを、アズリエルに向けてしまったんだ…………。」
リリカ「…………ですが、何故私に呪い殺してしまったって、言ったのですか?」
エデン「最後まで聞いて。そして、あの悲劇が始まった。結婚が始める3週間前、僕はすぐさま何処かに隠れ、僕が持つ強力な呪いを、アズリエルに向けてから詠唱を始めた。出来るだけアズリエルに向けよう、他のことを考えるな。ただ、それだけだった……………。けど…………、けど僕はやらかしてしまった。一瞬僕は、リリカの事を考えてしまった。
そして…………、詠唱が終わってしまって……………、リリカに呪いを掛けてしまい、病弱な身体、盲目、数多の病に苦しませる羽目になった……………。」
リリカ「!」
ガルッチの目から、また涙が零れ始めてる…………。じゃあ、本当にガルッチは、リリカさんのこと…………。
エデン「今となって気づいた僕は、その場を去るかのように、リリカを介抱するアズリエルを見ながら逃げ帰ってしまった………………。そして、結婚前夜、君が亡くなったという話を聞いて、果てしないほどの後悔をした。
僕のせいで、リリカを死なせてしまった。アズリエルに嫉妬しなければ…………、恨みを抱いていなければ…………、ちゃんと祝ってあげられたら…………。その事ばかり考えてしまった…………。
それ以降は、『Undertale』の世界に行くことはなかった…………。けれど、リリカを殺したと言う事実から離れず、ずっと苦しみ続いていた…………。」
フラン「? ちょっと待って、ガルッチ。じゃあ何で、リリカさんはガルッチの事知らないままなの?」
エデン「……………原因は、僕のスキル。『ネガ・ストーリー』のせいなんだ。ビーストスキルにあるもので、このスキルは全てを改変させるほどの力を宿していたんだ。
つまり、リリカは最初から『病弱な魔物』と改変させれば、皆が皆そうだと疑うことが無いように言うほど、強すぎる…………いや『作者権限』とも言うべきスキルだった…………。未来と一緒に居るときも、そのスキルを使った…………。
『遠藤ケンジの弟『遠藤宇宙』は、目立たない子』だって………。
結局僕は、リリカを殺した事実から逃げてただけだった…………。それだけじゃない、皆を騙していたんだ……………。
謝れることじゃない。許されるものなんかじゃ無い。僕は…………、それだけの重罪を犯し続けていたんだ………!!!
リリカ、君には復讐する権限がある。どう罰しようが、僕は構わない。慈悲なんて要らない。優しさも要らない…………。ちゃんと、罰して欲しい…………。僕の罪に、相応しい罰を、その口で言って欲しいんだ…………。奪われることも、滅びることも、覚悟している。
けど、もう一度謝らせて欲しい…………。君の人生を壊して…………、君の幸せを奪って……………、君を呪い殺してしまって………………………。
……………声すら掛けられなかった。ここまで辛い思いをして居るって言うのに、私には何一つ声を掛けられなかった…………。ヘラもそうだった………。
私は、ガルッチの辛さを……………考えていなかった。英竜お姉ちゃんよりも、辛いものだって…………気づかなかった…………。
リリカさん、貴方は如何したいの…………?
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