Subterranean Electron World 作:深緑 風龍
ーコロシアムー
エデンside
さてと、今日がリリカと赤屍との対決だったな。どんな戦いになるのか見てこないと………。
っと、その前に……。
エデン「………いるんだろ?『フラウィー』。」
誰もいないことを確認した僕は、まだ何も植えていない植木に声をかけた。すぐには反応はなかったが、しばらくすると芽が出て、黄色い花が咲いた後、顔を出して現れた。
フラウィー「………見つかっちゃったか。よりにもよって、君に………。」
エデン「隠れたと思っているのなら、無駄だぞ?今の僕には、そういうのは鋭いからな。」
フラウィー「ま、待って!!殺すのはやめて!!というか、助けて!!」
? 助ける?そういえば、この花の正体はアズリエルなんだよな。けど、こっちにはアズリエルがいるし………。
もしかして、並行世界のフラウィーってことか?でもどこだ?
エデン「………確認を取らせてくれ。お前は、何処の『フラウィー』なんだ?」
フラウィー「どこって、『君が狂った世界』から来たフラウィーだよ。」
エデン「狂った僕………。なるほど、リリカと零にきつい言葉を言われ、その後壊れ果ててしまい、家族だけで無く、友人や愛人、更には無関係な一般人等を殺していった頃の世界から逃げてきたってわけだな?」
フラウィー「そんな感じ。」
エデン「んで、江ノ島盾子は?」
フラウィー「…………僕の囮になって、死んだ。」
………ってことは、狂った僕が盾子を殺したってことか。
フラウィー「今はここに逃げ込んで見つからないように隠れていたけど、見つかるのも時間の問題だし、いつアイツがここに来るかは分からない………。」
エデン「……んで、頼みっていうのは、狂った僕を殺してほしいと?『次元史上最大最悪の絶望的な悪夢事件』を起こすと犯行声明出したお前がか?」
フラウィー「分かっているとはいえ、こっちは必死なんだ!大方君だって知ってるんだろ⁉」
エデン「まぁ、あんな夢を見たからな。狂った僕は、可能性のあった僕自身。それと同時に、全てを滅ぼすほどの爆弾のような存在であることは、間違いない。
……………イマイチお前が信用できないが、その世界から逃げてきたっていうことがある以上、見逃せない。それに、爺さんが言うには、狂った僕は何処かの世界で虐殺しているって聞いたし。
………その頼み、引き受けた。」
フラウィー「ほ、ホント⁉」
エデン「勘違いするな。このことは、リリカ達にも伝えるつもりだ。お前がやろうとしたことは、絶対に許されるものじゃない。
変な真似をしたら、即殺すから覚悟しろよ?」
フラウィー「やめてよそういう脅し⁉ただでさえ逃げ切れたのに、狂ってない君に殺されるのは嫌だよ⁉
君に対してトラウマを植え付けられたばかりなんだから!!」
おい狂った僕、何をしたんだ一体?予想は付くとはいえ、此奴にトラウマを植え付けるなんてできないだろ………。
『勝負あり!!勝者、リリカ!!!』
あ。
エデン「見逃したぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」
フラウィー「え?」
エデン「おいフラウィー!!見逃しちゃったぞ⁉今回の試合、『リリカvs赤屍』でどんな戦いになるのか見たかったんだぞ⁉」
フラウィー「だったら僕のこと無視して見に行けばよかったじゃん!!というか、気付かなければいい話でしょ⁉」
エデン「そうしたかったけど、この場に来た途端お前の気配がしたんだよ!!しかも堂々と違和感ありまくりの植木鉢とかもあったし!!」
フラウィー「花の魔物なんだから仕方ないでしょ⁉」
まぁこんな場所で言い争っても仕方ないし、取り敢えずリリカとアズリエルのところに行こう。
あと、ザギと英竜お姉ちゃん、零も呼んでおかないと………。
んで、まずはリリカにあったときは、もはやボロボロの状態だった。
エデン「リリカ⁉」
しかも泣きそうになってるし、一体全体如何いう………!
赤屍「私がやりました。まぁ、殺しはしませんでしたが、彼女の勝ちってことにしました。」
エデン「⁉」
これで⁉これでリリカの勝ち⁉
赤屍「そもそも私は、リリカさんなど、殺す価値もありません。零さんと出会ってからか、興味の無い者を殺す気にもなれませんしね。」
エデン「………たった、それだけの理由で………?」
赤屍「ええ、それだけの理由───────」
『ズドンッ!!』
赤屍「グフォッ⁉」
零「え⁉」
「あの赤屍さんが………!」
零「血を吐いた⁉しかもエデン様の溝打ちで⁉」
ふざけんな…………!僕は見れなかったとはいえ、あのようなボロボロの姿にさせたにもかかわらず降参だと⁉
エデン「雑種、殺す殺さない以前に、リリカを泣かせやがって………!しかも、その勝負事を……!価値観だけで試合を降りるとか………!
ふざけるな!!!てめぇの勝手な価値観で、勝負事を汚すな!!」
零「………エデン様。」
赤屍「…………!」
エデン「させるか!」
『ブチリッ!!』
零「右腕を、引きちぎった⁉」
赤屍「ァァァァ⁉」
エデン「………その痛みは、勝負事を汚したことと、リリカを泣かしたことだ。『前哨戦が終わるまで、その激痛を味わえ。再生することも、我慢することも許さん。わが言葉は、誰も解くことはできない。絶対に。』」
赤屍「アァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!」
フラウィー『うわぁ、容赦ない………。』
エデン「零、こんな状況だけど話がしたい。リリカとアズリエル、あとザギと英竜お姉ちゃんも含めて、話したいことがあるんだ。」
アズリエル「………僕たちも?」
零「話って、一体……?」
エデン「その前に、2人を探さないと………。」
その後、未だに引きちぎられた腕を抑えながら呻いてる赤屍を後にし、しばらくして英竜お姉ちゃんとザギを見つけた。
ー選手の部屋(リリカ)ー
リリカ達は話を聞くために、一度部屋に入ると、殆どがバリアフリーの部屋になっていた。まぁ、目が見えないのは当たり前か。
皆が椅子に座った後、僕はフラウィーが入ってる植木鉢を置いて座った。
英竜「それで、話って?」
ザギ「その植木鉢と、何か関係があるのか?」
エデン「うん。と言っても、実際に見た方が早いかも。」
零「見た方が?」
リリカ「それって如何いう───────」
エデン「ほら出てこい、『フラウィー』。」
アズリエル「⁉」
植木鉢にキツく言うと、フラウィーが姿を現した。
ザギ「なっ⁉」
リリカ「フラウィー⁉」
アズリエル「え?何で花の僕がここに⁉」
フラウィー「あー、あれが本来の僕か……。なんか姿違うような………。」
英竜「ガルッチ、説明してくれるか?」
零「確かに、ここにアズリエルさんがいるにもかかわらず、なぜフラウィーがここにいるのか………。」
エデン「以前僕の夢の内容を話したよね?」
ザギ「確か、全てを捨てた夢と………。」
英竜「リリカと零を除いた全員を殺し、平行世界に渡る夢………だったな。」
エデン「んで此奴は、英竜お姉ちゃんが言った通り、狂った僕に殺される前に逃げ延びたフラウィーってことだ。」
零「それでしたら、『江ノ島盾子』はどうなったのですか?」
フラウィー「死んだよ。僕を逃がす代わりに、盾子は狂ったガルッチに殺された。」
その後フラウィーは、現在に至るまでの話を皆に聞かせていた。その途中、聞き逃してはいけないことも聞こえた。
『逃げるとき、東條さくらの遺体が入った棺桶も持った』と。
エデン「ちょっと待て、フラウィー。明日斗オルタの姉の遺体って、言わなかったか?」
フラウィー「言ったけど?」
エデン「………アズリエル、花の頃覚えているか?」
アズリエル「え?あー、うん。確かに、明日斗オルタには『グールどもにあげた』って言ったけど、実はちゃんと持って帰ったんだ。
今はちゃんと生き返らせてあげたけど、念の為に棺桶に入れ替えて『コールドスリープ状態』にさせているんだ。」
エデン「マジかよ………。このこと、明日斗オルタに伝えたらすげえ顔するだろうな………。それで、その棺桶は?」
フラウィー「…………盾子が持ってたから、恐らく………。」
………死んだと仮定すればいいのか。けど、分かったことがある。『明日斗オルタの姉、東條さくらは生きている』ってことだな。
多分、本来の僕『ガルッチ』と共にいるだろう。
リリカ「それで、頼みというのは───────」
エデン「狂った僕を殺すこと。多分あの中には『キャラ』の精神がいる。」
アズリエル「キャラ⁉キャラが君の中に⁉」
エデン「うん。今も何処かにいるはずだ。そして、本来の僕はそいつを殺すために探している。ダークルシフェルと明日斗オルタ、ジェイソン、そしてベロニカという女の子と共にね。」
アズリエル「………キャラ。」
エデン「君とキャラの関係はどんなのかは、僕にはわからないけど、止めるっていうのならやめろ。
多分キャラは、君のことを覚えてる可能性はないだろうし、何より本来の僕に殺される。敵を討つのなら、徹底的に。邪魔をするなら、殺す。
それだけ彼奴は、その人のことを愛し続けてたんだ。そしてその人の命を奪ったキャラを、永遠と憎み続き、必ず仇を取ると誓ってる。」
フラウィー「…………ねぇみんな。」
全員『?』
フラウィー「何でキャラが、ああなったか知ってる?」
なんだ?藪から棒に。
アズリエル「そういえば、なんだろう?」
ザギ「よくよく考えれば、何故なんだ?何故キャラがそうなったんだ?」
エデン「……………フラウィーは知ってるのか?」
フラウィー「まぁね。実際、アズリエルとキャラの両方持ってるし、キャラがなぜああなったのかは知ってる。
キャラは、アズリエルと出会う前、キャラが住む世界では、全く幸福ではない人生を歩んできたってこと。ようは、君のような人や、破天荒な人生を歩んできたガルッチみたいにね。」
全く幸福ではない人生…………。あー、そうか。なら、キャラがそういう殺意を抱くのも納得だ………。
エデン「…………………なるほど。」
英竜「………ハハハ、なんだ……そういうことか。」
リリカ「2人とも、何が分かったのですか?」
アズリエル「僕、何が何だか………。」
ザギ「主?」
エデン「要するにだ、3人とも。」
英竜「恐らくキャラは、生まれた時から。」
エデン&英竜「「虐待とイジメに苦しんでたってことだよ。英竜お姉ちゃん/私のように。」」
next episode
ーワールド・フロンティア プププエリアー
ガルッチside
ガルッチ「いい加減、くたばれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!」
キャラ「くたばるのは、お前だ!!」
チッ、本気で挑んできて以降、全く傷を負えてない。こうもうまくいかないとは思わなかったけど、ここまでとは………!!
キャラ「邪魔を、しやがって………!憎い、憎い……!お前を見るだけで、虫唾が走る!不愉快極まりない!!!」
ガルッチ「それはこっちの台詞だ。お前さえいなければ、フランは死ぬこともなかった………。僕はお前を許さない。
たとえ死んだとしても、未来永劫許しはしない!!」
キャラ「………私だって、全ての生き物が許さない!!私をとことん苦しませた奴らがっ、一番許せない!!!
殺してやる………!滅ぼしてやる………!私の目の前から消え失せろ!!!!!!!!!!!」
因みに、エデンが赤屍を溝打ちにしたときから発動したスキルはこちら。
ネガ・ストーリー:EX
エデンが用いるビーストスキル。その力はある意味最強で、『第4の壁』も認識し、如何に改変するべきか、どう言う改変にするかが出来る。
たとえ超越者だろうと、作者権限を持った者だろうと、メアリー・スーだろうと、このスキルが発動すれば無力同然となり、エデンが任意的に解除しない限り一生このままとなる。
第六天波洵相手に対して効くのかと言えば、無い。(多分)
要は、赤屍が受けた溝打ちは、『絶対必中』、『完全防御、回避不可能』、『必ず吐血する』というもので、エデンが放った言葉も絶対で『前哨戦が終わるまで』、『再生不可能』、『我慢もせず』、『激痛を味わう』ことになる。
と言っても、激情していたエデンは、このスキルが発動していたことに、気づくことすらなかったが。