Subterranean Electron World 作:深緑 風龍
ー選手の部屋(エデン)ー
エデンside
僕は本当の前世を伝え、ここまでに至る経緯を包み隠さず全部、英竜お姉ちゃんに言った。
想えば、こんなことを話しているにもかかわらず、お姉ちゃんは怯えることなく、ずっと僕を見つめてる。
怖くないのか?本当の姿を見たことないから、怖くないのか?
エデン「………これが、僕の全てだよ。お姉ちゃん。」
英竜「……………そうか。」
エデン「………………怒らないんだね。僕は、お姉ちゃんを含めて、皆を騙し続けてきたのに。」
英竜「その頃の記憶なんて、全くなかったんだろ?リリカのことも知っていたことは驚いたが、それを知ったのも、全部君が言う『アザトース様』のおかげなんだろ?」
エデン「そうだけど…………、けど皆を騙し続けてきたのは、事実なんだよ?それに、怖くないのか?僕は、『化物』でもあるんだよ?今は、こんな姿だけど、もし本来の姿になったら…………、きっと───────」
怯えると言おうとしたら、お姉ちゃんはいきなり僕を押し倒してきた。
エデン「お姉ちゃん?」
英竜「お願い、もうこれ以上は言わないで。貴方は、『化物』なんかじゃない。たとえそうだとしても、貴方はほかの化物とは違う!」
エデン「………何でそう言えるの?僕は───────」
英竜「違う!お前は、化物じゃない!お前は、私の夫であり、弟なんだよ!たとえどんな姿だろうと、決して変わることはない!!
たかがお前の正体が、怪獣王ゴジラだろうが、『外なる神』の存在だろうが、ガルッチはガルッチだろ!!」
エデン「…………。」
英竜「たとえ大勢の者が、お前に対して批難を浴びたとしても、私が守ってあげる!だから、ホントにお願いだから、もうこれ以上自分を責めるのやめてくれ!」
…………何で、何でそこまでにして、泣いてくれるの………?嘘つきで、大勢の生き物を殺め、化物と言われてもおかしくない姿を持ってる僕を、如何して………?
エデン「……何で、そこまで───────」
英竜「決まってるだろ!お前は、私の苦しみを受け止めようとしてくれた!『化物』になり果ててしまった『私』を止めてくれた!だから、今度は私が、貴方の悲しみを受け止める番!
だから………、だから…………!」
…………お姉ちゃん。………そういえば、こんな光景があったような…………。
未来『僕等を死なせたくない。でも愛しい人を死なせたくないのは、皆一緒なんだ。自分の価値観だけで、僕等を解ろうとするな!そして、自分の存在を卑下するな!』
そうだ、あの時………僕が死ぬのを覚悟していた時、未来に殴られ、抱きしめられたとき、そういうことを言われた気がする…………。
ああ、なんて、なんて…………罪深いんだ………。こんなの、僕には、耐えきれないよ………。僕が、皆を騙していたのに、とんでもない嘘をついたというのに…………。
エデン「お姉ちゃん………。」
英竜「?」
エデン「今だけ、今だけでいいから…………、お姉ちゃんの胸、貸して………。」
英竜「うん………。貸してあげる。」
英竜お姉ちゃんが横になり、僕はお姉ちゃんの胸に蹲った。
拒絶されるのが怖い、見放されるのが辛い、そして、僕の目の前で、知らない場所で、いなくなるのは、悲しい…………。
耐えきれない、そんな想いに、押し潰されそうで、壊れそうで………。
英竜「大丈夫、私達がついてる。貴方は、『化物』なんかじゃない。私たちが、貴方を受け入れる。だから、もう責めないで。」
けど、今は暖かい。この温もりを、感じていたい…………。安心して、ゆっくり眠れる気がする…………。
ううん、このまま、眠りに落ちよう…………。
sidechange
フラウィーside
…………そっか。彼奴は最初から、ソウルなんて持ち歩いていないんだ。最初からからっぽで、感じようにも、感じることすら出来なかったんだ。
だから、常に誰かが一緒にいないと、情緒不安定になって、何をしでかすのか分からないような奴に、変わっちゃうんだ。
フラウィー「けど、何時かは離れなきゃならない日が来る。どれだけ強く願っても、必ずお別れしなきゃならない日が来る。
ガルッチはきっと、辛い思いを抱くかもしれない。けど、受け入れなくちゃならない。それを、乗り越えなくちゃならない………。」
たとえ、残酷な運命だとしても…………。絶対にね。
フラウィー「できれば、あの試合で、皆に伝えることを祈るしかないね。」
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