Subterranean Electron World 作:深緑 風龍
episode190 エデンの最終警告
ーコロシアム 観客席ー
エデンside
翌日、僕はすぐさま退院した後、零を呼び出した。無論場所は、夜の観客席。そこで僕は座って待っていた。
あの後、リリカと英竜お姉ちゃんから、零のことを話してくれた。その真意を確かめるべく、今日の夜にしたのだ。
零「約束通り、来ましたよ。エデン様。」
エデン「来たか。」
自分でも驚くような残忍な声を出しながら、立った。恐らく彼女は、僕が言いたいことは分かっているはず。
だけど、それでも問わなくてはならない。
零「それで、話というのは何でしょう?僕も暇じゃないのですが。」
エデン「お前は、転生者がこの世に消えてなくなればいいと思っているのか?」
零「………それは、如何いう意味でしょうか?」
エデン「英竜とリリカから、お前の事について話してくれた。屑の転生者を狩っているようだな。」
零「………ええ、勿論です。もしや、あの転生者を野放しにしろとか───────」
エデン「まさか、僕はどちらかと言えば、屑の転生者を野放しにはせず、殺す方だ。」
そもそも、屑な奴なんかに、生かす価値なんてない。たとえリリカが許したとしても、僕は許すことなんて出来ない。
それは零の言い分も納得できる。僕は綺麗事を言うつもりはない。けれど、そんな僕でも聞き逃せないことがある。
零「ならば、何故そんなことを?」
エデン「何故かな?アンタの話を聞いた途端、居ても立っても居られなくなったんだろうな。
じっくりと、心がズタズタに折れるまでいたぶり尽くすことなんて、俺からしたら吐き気がするよ。
人の事は言えないが、俺も時と場合によってはいたぶる。けど最後は慈悲を以て殺している。大半は苦しませず、楽に殺してるのもあるがな。」
零「………そうですか。」
エデン「俺がまだ病んでいた頃、転生者について考えてみたんだ。この世に転生者は、消えてなくなるべきなのか。
いい人だろうと悪い人だろうと、俺とリリカ、お前も含めて全員の転生者が、この世に消えてなくなるべきか、考えていた。」
零「おやおや、全員の転生者が消滅するべきかを考えるとは、思いませんでしたね。」
エデン「今はどうするべきか考えるが、少なくとも転生者はいるべきだと思うことにはしてる。それは屑の転生者も含むことにはなるが、それでもいい意味でも、悪い意味でも、運命を変えてくれると思ってるからな。」
零「…………そいつらが悪質な転生者だったとしてもですか?」
エデン「それを止めるのが、同じ転生者だろ?俺は転生者でありながら、怪獣王ゴジラとクトゥルフ神話生物たちの能力を持つ『異端な転生者』だ。
正直言って、俺の心は未だに『獣』だ。感情的にもなりやすく、本当は心すら理解できていない。」
何が善なのか悪なのか、全く知らない。ただ、力を使うやつ次第だと、俺は考えている。
屑な転生者も悪質な転生者に堕ちるのも、結局は力になる。
『人間』というものは、愚かしくも、美しい。一人では力がなくとも、皆と協力すれば、いい意味でも、悪い意味でも、世界を変えることぐらい容易い奴らだ。
エデン「とはいえ、俺はこう見えて、命を弄ぶ程堕ちてはいない。偽りの人生を歩んだからこそ、今の『僕』がいる。
もし、そんな人生を歩まなかったら、お前以上の外道に堕ちているだろうな。屑で、極悪非道で、命すら何とも思わない『獣』に堕ちていただろう。」
零「……………。」
エデン「ただ、これだけは言っておく。僕は屑な転生者と悪質な転生者は嫌いだ。けど、屑は屑なりの意志、あるいは決意と覚悟を持っているのならば、敬意を表する。
力に執着し、溺れようとも、救いたい奴がいるならば、道を踏み間違えなければ、手伝い、導く。
悪には、悪なりの意志がある。その意志すらないやつらは、ただの『獣』同然だ。生かす価値すら、転生させる価値もない。
お前は如何なんだ?答えは聞かないがな。」
零「ならなぜ呼び出したんですか………。」
エデン「俺なりの説教って奴だ。時間を潰して悪かった。」
零はさっさと観客席から出ようとするが、その前に僕は武器を取り出して、零の首元を突き刺すような仕草をした。
零「…………今度は何ですか?」
エデン「零。今回は見逃してやるが、次僕にとって大切なものに手を出したら、お前の家族を奪うからな。」
零「ッ!!」
やはり、此奴には家族を大切に思っているのか。その辺は、やはり『人間』というべきだろうか。
いや、どっちでもいいか。
零「……………僕の家族に手を出すなら、いくらエデン様でも許しませんよ?」
エデン「怒るか?ならば精々、手を出さないようにな。これは俺の『最終警告』だ。間久部とか言うやつと赤屍にも伝えておけ。」
零「…………。」
エデン「まぁ、今度こそ伝えたいことは終わった。精々僕達、互いに傷つきあうこともなく、客と商人ってだけの関係で行こうな。
使わないものがあれば、そいつをくれてやるし、欲しいものがあったら、注文して買う。そんな関係でな。」
未だに僕を睨みつける零を背にし、武器をしまって観客席を後にした。
……………久々に、『
けど、『
…………僕の運命は、既に確定された。ワールド・フロンティアで出会った未来のリリカに会って、分かった。
彼女も、何時か死ぬ。僕と同じように、自分を犠牲にして。
そして、僕もまた、自分を犠牲にして、リリカを含めた皆を生き返らせる。
出来ることなら、……………こんな運命なんて、無ければいいのに…………。
エデン「…………………もういい加減、覚悟を決めなきゃだめだな。僕は『ガルッチ』であって、『ガルッチ』じゃない。
リリカの戦いで、『ガルッチ』の歴史を終わらせよう。」
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9期ed 原曲 運命 ~GRAND BATTLE~ 『それが灰色の世界でも』