Subterranean Electron World 作:深緑 風龍
ー選手の部屋(エデン)ー
リリカとエデンとの決戦が始まる日と、皆既日食が始まる日まで、あと1週間前………。
エデンは『グリムノーツ』と『シノアリス』を同時に使いこなすのに苦労しつつ、何とかリリカが持つ『難民救済フュージョンカード』に対抗できるような手段として、使えるようになった。
その夜、皆が寝静まっていた頃、エデンだけは起きていた。
エデンside
夢を見た。それも、僕にとって悪夢に等しい夢のものだった………。今でも、鮮明に覚えていた。
リリカ『………そろそろ、行かないと。』
エデン『ま、待ってくれ!!行かないで、リリカ!!!』
リリカ『大丈夫ですよ。今も私の目は見えませんが、ガルッチさんも、皆さんが私の為に泣いてくれているのは解ります。
一人じゃないですよ。何時だって私は、皆さんと一緒です。』
エデン『けど、けどリリカ!!僕はまだ、君に消えて欲しくないんだ!!』
リリカ『ガルッチさん、何時か必ず会えますよ。何故なら私達人間に、不可能なんて無いのですから。それまで、ほんのちょっとだけお別れです。』
エデン『………そんなの……、言われたって…………、君が居なくなったら………!!どう償えばいいんだよ!!
もう二度と、失いたくないと思ってきたというのに、これじゃあ……………!!』
リリカ『…………………ガルッチさん。貴方が私のことを思っているのは、分かっています。他の誰よりも、私を思う気持ちが強いのも分かります。
ですから、また会いましょう。何時か、その日まで。』
……………リリカが消えていくのを目の当たりにする夢。何も出来ないまま、リリカが消えていくのを見る夢…………。
ただの夢なら、それでいいけど、これはただの夢じゃない………。『予知夢』だ。それも、僕が見た『予知夢』の中で、一番鮮明な夢だった………。
避けられる夢かと言われたら、自信がない。何より、未来のリリカに会ってる。それに、僕の最期を見ている以上、どうやってあの夢を避けるべきなのか………、ピンとこない………。
エデン「…………しばらく、眠れそうにないし、夜の散歩しようかな?」
でも、一人だと心細い………。また、あの夢を思い出しそうだし…………。
エデン「………アズリエルには悪いけど、少しリリカを借りに行こうかな?」
ー天空ー
取り敢えず、アズリエルに事情を話した後、寝起きのリリカを連れて、夜の空へと飛んだ。因みに、リリカは僕の背中に掴まってます。
リリカ「…………その、ガルッチさん?」
エデン「?」
リリカ「いくら眠れないからって、私を連れて行くのはどうかと思いますよ?フランさんとかいるでしょう?」
エデン「…………そ、そういう気分なんだよ……。それに、今日はリリカじゃないと…………、駄目だし…………。」
リリカ「…………何かあったのですか?私じゃなきゃダメって。」
エデン「…………今は、言えない。っと、そろそろ着きそうだな。」
リリカ「着くって、何処にですか?」
エデン「『世界樹の桜』ともいわれるところ。見えないだろうけど、あの桜は永遠に咲き誇りながら散り続けてるんだ。一度も散りつくしたことは、誰も見たことないからね。とにかく、ここに降りるよ。」
ー風の大陸 世界樹の桜の丘ー
取り敢えず、着地成功。リリカを下ろしてあげてっと。
エデン「さぁ着いたぞ。『世界樹の桜』。」
リリカ「………大きすぎやしませんか?この桜。」
エデン「まぁ、何処を探しても、これ以上大きい桜はないからね。それに、伝説ではここに来て告白すれば、永遠に結ばれるっていうのもあるらしい。」
リリカ「それって本当ですか?」
エデン「あくまで伝説だから、永遠に結ばれるかは謎だからね。」
けどまぁ、この桜がずっと咲いてくれたらいいな。というか伐採する奴が居たら、絶対に許さないけど。
エデン「…………もうすぐ、決戦だよな。」
リリカ「そうですね。正直、私が持つ『難民救済フュージョンカード』の対策もし始めるなんて、思いませんでしたが。」
エデン「そりゃあ、勝つためなら対策とかも立てるつもりさ。むしろ、『あんハピ』がある以上早急に対策しないと、何が起こるかたまったもんじゃないよ。」
リリカ「あれはロクなものじゃないですからね………。ですが、『フィクションヴァニア』にも打ち勝ちましたし───────」
エデン「あれは一生使わないって言ったよね⁉というか、零に渡したから、使う気かいなんて絶対にないから!!
ただでさえ、避けるのが疲れるし、あんなのハンデのようなもんだぞ⁉」
リリカ「蓄積ダメージに絶対回避がハンデって、おかしくありませんか⁉倒すのに一苦労でしたよ!!」
エデン「スティーリー・ダンが言うには、『史上最弱が最も恐ろしい』とか言ってたしな。最も、1発でも喰らったら即死。
少なくとも、『フィクションヴァニア』なんか使わん。まだマシだというのなら、『球磨川禊』と『アンリマユ』のフュージョンライズ『フィクションアヴェスター』の方を使うよ。」
リリカ「まだ持ってたのですか、最弱フュージョン。」
エデン「まぁね。ただ、零には使えないフュージョンライズさ。このフュージョンの最大の欠点と言えば、『アンリマユ』の持つ泥だ。いくら零でも、これを使ってしまったら、精神も魂も、そいつに簡単に乗っ取られるからな。」
僕の場合は、上手く制御できるし、何よりこのカプセル…………。『アンリマユ』そのものだしね。
エデン「勝つ時は、全身全霊で行く。この身が砕け散るまで…………。」
リリカ「……………私だって、負けるつもりはありません。絶対に。」
ん?あのカードって…………。
エデン「そのカードはダメ!」
リリカ「ッ⁉ ガルッチさん、何を?」
やばっ、ついうっかりリリカの手を叩いちゃった………。今落としたカード、確か『リリカ』のカードだったはず…………。
リリカ「………ガルッチさん、如何したのですか?何故、泣いて───────」
エデン「………消えて………欲しくない………。」
リリカ「? あの、如何したのですか?」
エデン「…………夢を、見たんだ。君が、消える夢を…………。」
気が付けば、僕は夢の内容をリリカに伝え始めていた。思い出すだけで、悲しい気持ちがこみ上げてくる………。
どうしよもないほど、涙がこぼれ落ちていく………。まだ、罪滅ぼしすら、やっていないのに、そのまま消えてなくなるなんて…………、いやだから…………。
リリカ「………そういう事ですか。」
エデン「それを使えば、きっと君は消える………。いつか来るべき時が来て、それを使って…………。
僕は消えて欲しくない………。リリカが居なくなるなんて、考えたくないから………。」
リリカ「…………。」
エデン「今思えば、あの時告白して、振られるべきだった………。そうすれば、こんな思いを抱かずに済んだのに………。
こんな、こんな思いが───────」
リリカ「それは違います!!」
エデン「え?」
リリカ「…………その思いを否定するのは、やめてください。確かに、あの時貴方が告白していたら、絶対に断っています。
ですが、貴方が私のことが好きだということが分かりますし、今まで出会った思いを捨てるなんて、酷だと思います。」
エデン「リリカ…………。」
リリカ「それに───────」
『ここで一緒に死ぬのだからな!』
リリカ「⁉」
エデン「リリカ!!」
リリカに対しての攻撃⁉一体どこから⁉いや、それよりこの声………、何処かで……!
エデン「誰だ⁉」
『誰だとな?何ともまぁ、この俺を忘れたとは言わせんぞ。ガルッチ。』
リリカ「あ、あの……。ガルッチさん?///」
エデン「何リリ…………カ…………⁉///」
あぁぁぁぁぁ⁉⁉なんか知らないけど、リリカを押し倒してるような態勢になってる⁉これはたから見たら、寝取ってるような感じじゃねえか⁉
って、それどころじゃない!!
取り敢えず立ち上がって………。
『やれやれ、随分と余裕だな。今襲ってるというのに、女を襲う暇があるか?』
エデン「誰が人妻を寝取るか!!」
リリカ「あれは、不可抗力ですしね………。」
エデン「というか、この声から察するに…………、貴様か。『全王』!!」
全王、かつて僕の母である全王神の弟に当たる者。けれど、彼は母さんを嫌い、数々の邪魔をしてきた挙句、敵として立ちふさがったこともあった。
そいつの姿は、最早王というより、魔王というのに相応しい姿に成り果てていた。
全王「久しぶりだな、ガルッチ。貴様を殺したいがために、我が主が不在中で勝手に出陣してきたぞ。」
エデン「たった一人でか?」
全王「その通り!!慕うものがいたとしても、所詮は駒にすぎん。まずは貴様と星空英竜を殺し、他の仲間たちも、そして全王神を殺した後は、全てを支配する!!この血と力の前で、誰も逆らうこともできないように恐怖を植え付けて、永遠の奴隷にしてやるのだ!!」
リリカ「…………!」
エデン「…………哀れだな、全王。」
全王「何?」
エデン「そんな力に溺れきって、仲間にまで見捨てられて………。可哀想な叔父さん。」
もう此奴は、自分の事しか見てない。それどころか、自分でさえ見失ってる。本当は何を求めているのかすら、忘れられたまま…………。
エデン「本当に、悲しいよ。そこまで闇に堕ちて、自分でさえ見失って、本当は何を求めていたのかも、忘れて………。」
全王「貴様………、何故、何故俺を憐れむような眼で見るんだ⁉」
エデン「…………お前は、僕と同じだ。けど、俺はお前じゃない。俺を信じてくれるものがいる。現に………、この子が証人だ。」
リリカ「ガルッチさん、あの……。」
エデン「ごめん、リリカ。こんな勝手な僕だけど、今だけでいい。一緒に戦ってくれ。」
リリカ「…………こんな夜中に戦いって、寝不足になっても知りませんよ?」
エデン「ホントにごめん………。」
僕はボーイズライザーを、リリカはガールズリングを取り出すと、二つともいきなり光り出した。
エデン「何だこれ?」
リリカ「これって一体………。」
すると、僕とリリカにしか聞こえない、何かの声が聞こえた。
『今のあなたたちなら、更なるフュージョンになれる。エデン、お前は『リパルサーエクスカリバー』を、リリカは『ランベントエクスカリバー』になれ。』
エデン「誰⁉」
『我らはお前たちを見守る者。お前達の行く末、しかと見届けさせてもらうぞ。』
リリカ「ガルッチさん。」
エデン「…………やるしかないな!リリカ、ランベントエクスカリバーになって!」
リリカ「分かりました!」
『フュージョンガールズ!ランベントエクスカリバー!』
え⁉何その短縮、僕も欲しいんだけど⁉いやいや、それはいっか。こっちも短縮っと!!
『フュージョンライズ!』
エデン「決めるぜ!『覚悟』!」
『アーサー・ペンドラゴン!桐ケ谷和人!ボーイズライズ!!リパルサーエクスカリバー!!』
これでなったのはいいけど、今度はどうするんだろ?
『その後は、エデンはガールズリングを、リリカはボーイズライザーをスキャンしろ。』
エデン「こうかな?」
リリカ「一体、何が起こるのでしょうか………?」
謎の声の言う通りにし、僕はガールズリングを、リリカはボーイズライザーをスキャンする。
『『ユナイトフュージョン!!』』
エデン「⁉」
リリカ「え⁉」
突然その音声が聞こえると同時に、僕とリリカは泡に包まれ、白い靄が僕達を覆った。その瞬間、僕の意識が失った……。
sideout
全王「なんだ⁉なんだそれは⁉」
『『ランベントエクスカリバー!リパルサーエクスカリバー!ユナイトフュージョンフォーム!!ソードアート・エクスカリバー!!』』
泡がはじけると、そこにはリリカの姿があった。いや、リリカであって、リリカじゃない、別の何かになっていた。
よく見ると、リリカの眼は開いていて、右目の瞳は深紅色、左目の瞳は群青色になっていた。髪型と服装の下半身はランベントエクスカリバーから、そして服装の上半身はリパルサーエクスカリバーから。
そして、右手にはアルトリアが持つエクスカリバーと、左手にはアーサーが持つエクスカリバーを持っていた。
エデン『………なんか、ポタラフュージョンみたいなことになってるな。』
リリカ『ちょ、ちょっと⁉これってもしかして、ガルッチさんと融合しちゃったってことですか⁉』
エデン『………そういう事だな。けど、主導権はリリカっぽいな。見えるか?全王の姿。』
リリカ『あ、見えます。って、私見えているんですか⁉どうして⁉』
エデン『恐らく、僕と融合したことで、目が見えるようになったんだと思う。とにかく今は、全王を倒すことを視野に入れて!!魔力制御は難しいが、何とかしてみせる。』
リリカ『もてる時間は?』
エデン『…………10分間。それ以上は元に戻るかも。』
リリカ『分かりました!』
エデン『よし、行くぞ!!全王!!』
全王「そ、そんな姿になったところで、貴様なんぞに負けてたまるか!!この闇で、まずは貴様を滅ぼしてやる!!」
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特殊フォーム
ユナイトフュージョン
使用者:エデン&リリカ
発動条件:エデンはリリカがいること。リリカはエデンといること
ユナイト出来そうなフュージョンであること
(例:ランベントエクスカリバー+リパルサーエクスカリバー=『ソードアート・エクスカリバー』)
謎の声に導かれ、エデンとリリカが発現した特殊なフュージョン。このフュージョンになってる間は、リリカの視力は一時的に戻り、エデンが持つ『フュージョンライズ』の能力を扱えるようになる。
エデンは、リリカのサポート役になり、ピンチになれば主導権を切り替えて戦う。
なお、どのユナイトフュージョンになっても、制限時間は10分で、それが終われば、2人は元の姿に戻る。
いつかやろうと思ってた奴が、ようやくできた………。