Subterranean Electron World 作:深緑 風龍
ー光と闇の境ー
もうどれくらい経ったのか、どれだけのフュージョンして戦ったのか、2人は知らぬまま終盤戦に突入した。
エデン「…………あと残ったのは、『キングエース』か。」
リリカ「私は…………、『ランベントエクスカリバー』…………。」
互いに残ったフュージョンは、基本フォームのみだったが、リリカは未だに自分自身のカードを使っていなかった。
それはエデンも同じだった。彼は『GゲーマドライバーΩ-Mark2』を使っておらず、『エターナル・オブ・ザ・オールゴッド』にもなってなかった。(後に、それらを置いていったことに気づく。)
アルトリア『リリカ、貴方の行動次第で、勝負が決まります。』
リリカ「分かってます、動くだけでも、やっとですし…………。」
ジェクト『ガルッチ、勝つ気で行け。俺が言えることは、これぐらいだ。』
エデン「ああ………。リリカも、あれだけのフュージョンやって、限界が来ても、おかしくないしな………。
って、それは僕も同じか…………。」
リリカ「ガルッチさん………、これで…………、終わりにしましょう………。」
エデン「同感だ………。このフュージョンで、終わらせる!!」
リリカは『アルトリア』と『アスナ』のカードをリングに、エデンは『ティーダ』と『ジェクト』のカプセルをナックルに装着し、ライザーにスキャンした。
『フュージョンライズ!!』
リリカ「光り輝く聖剣の力───────」
エデン「目指すぜ───────」
『フュージョンアップ!!』
『ジェクト!ティーダ!ボーイズライズ!!キングエース!』
『フュージョンガールズ!ランベントエクスカリバー!』
ー天空の世界 コロシアム 闘技場ー
『あの柱が来て以来、未だにリリカ選手とガルッチ選手が戻ってきません!!もう数時間も経っているというのに、一体どうなって───────』
はやて「ザギちゃん!!」
ザギだけでなく、他の観客たちも中心に注目すると、リリカとエデンがボロボロになりながらも戻ってきた。
フラン達も、2人の距離を置いて戻ってきた。
『も、戻ってきました!!って、我々の知らないうちに、もうクライマックスに!!』
ザギ「あの様子だと、次の一撃で勝負が決まる。だが、何だ?この胸騒ぎは?」
エデンside
BGM 『night of fate』
……………まずった。思った以上に、リリカの攻撃を食らい過ぎた………。でもそれは、リリカも同じ………。
もう、この技で決めるしかない……………。この一撃に、賭ける!!けど、リリカから溢れようとしてる闇は一体……………?
エデン「行くぞ…………!『コロリス』!!」
リリカ「これで、終わらせます…………!『ゴジラ』さん!!」
僕らは駆ける、最後の一撃を放つために。最初で最後の決着を付けるために………!
リリカ「エクスッ!」
エデン「スパイラルッ!」
瞬間、僕の中から、思い出が溢れかえってきた。そのほとんどが、『遠藤宇宙』、『アルカディア・エデン』、『虚王魔神』、『ロスト・エンド』、そして『ガルッチ』の思い出ばかり。
もう、あの頃には戻れない。例え、忘れてはいけないものだとしても、ずっと留めるべきものだとしても、それでも僕は、お別れを告げなくてはならない。
幾多の走馬燈を振り切り、リリカに斬りかかる。その動作も、彼女もしていた。
リリカ「カリバァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」
エデン「ブレイクゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!!」
BGM終了
……………さようなら、我が偽りの人生。今ここに、『ラーク・バスター・ガルッチ』という男は、ここで…………。
『カタンッ、カタンッ!』
『フュージョンオーバー!!』
sideout
勝負は着いた。リリカの首筋に浅い切り傷を負い、対してエデンは致命傷ともいえる程の切り傷を負い、そのまま倒れた。
『しょ、勝負あり!!勝者、『リリカ・アイモーネ』選手!!』
歓声が上がると同時に、フラン、こいし、イリヤはエデンの元へ、アズリエルはリリカの元へ駆け寄った。
フラン「ガルッチ!!」
ルビー『うーん、これは相当ヤバいですね。ここまで重傷を負うとなると、流石の───────』
イリヤ「ルビーは黙ってて!!ガルお兄ちゃん!!お願い、死なないで!!」
こいし「お兄ちゃんが死んだら、私………、私………。」
エデン「ゆ、ゆら………すな…………。」
4人『⁉』
エデン「…………さすがに、………死に…………か…………けた…………。治す………だ……け………でも………、きつい。」
フランは一度、エデンを仰向けにし、上半身を起こすと、致命傷の部分が徐々に塞がろうとしていた。そんなことすらお構いなしに、フランはエデンを強く抱きしめる。
エデン「ァ!?ちょッ!ちょっとッ、痛いッ!痛いってッ!!ゆ、緩めッ、いやほんと、痛いって!」
フラン「緩めないッ!緩めるもんか!!私、どれだけあなたの事心配したか!!正気に保つのも、やっとだったんだよ⁉
貴方が居なくなったら……………、居なくなったら…………!」
次の言葉が見つからず、フランはエデンを抱きしめたまま、泣き出した。今まで抑えていた悲しみが爆発してしまい、観客席にまで聞こえる程、泣き叫んでいた。
エデンはその痛みに耐えながらも、弱く、しかし優しく、フランを抱き返した。
エデン「ごめん…………、フラン………ドール………、スカーレット…………。僕………、君の気持ち、気付いて…………やれなかった……………。
何時も…………、そうだ……………。分かっていたつもりで……………、本当の、気持ちを……………、分かっていなかった………………。
いや、分かっていなかったじゃない……………!逃げて…………いたんだ!!偽り続けた……………自分に、今更……………本心はどう思っているのかが………………、怖かった…………!
怖くて……………、怖くて…………、逃げ続けていたんだッ!!!」
気が付けば、エデンもまた、フランと同じように泣いていた。彼が受けていた傷は、致命傷を負うほどのものだった。
それも、肉体ではなく、精神。エデンがリリカを殺してしまった時、その事実から逃げるように『偽りの真実』を上塗りしてしまった。
その頃から、彼は精神的な傷を負ってしまった。彼が偽れば偽る程、その傷は深くなっていき、遂には、自我崩壊してもおかしくないほどの傷になってしまった。
こいし「……………ごめんなさい、お兄ちゃん。もっと早く、気づいていれば、お兄ちゃんは苦しい思いを───────」
エデン「こいしは悪くない!!悪いのは、僕なんだ……………。僕は、弱かったんだ…………。偽りの強さに、頼ってたに過ぎなかったんだ……………。」
イリヤ「そんなことはない!!偽りだったとしても、それでも誰かを救ったじゃない!!」
エデン「けどそいつの思いはどうなんだ⁉助けてくれた時の、そいつの思いは、どうなんだ⁉何を思った───────」
フラン「もう自分を傷つけるのやめてよ!!」
フランの声で、皆は静まり返った。他の世界も、何処の次元でも、フランの叫びが聞こえた。
フラン「もう、やめて…………。これ以上、自分を嫌うのやめてよ……………!偽りだろうと、真実だろうと、そんなの関係ないよ!!
貴方は、『貴方』なのよ?あなたの過去が残酷だったとしても、未来すら与えられなかったとしても、関係ない!!
大事なのは、『今』。この瞬間なんだから!!」
エデン「い…………ま…………?」
フラン「そうよ!!偽りは人を騙し、惑わすかもしれない。けど、真実よりも救われる人がいるのは、ちゃんといるんだよ?
貴方も言ったじゃない、闇だって、悪だって、救われる人はちゃんといるって。」
エデン「……………!」
フラン「私は、貴方の存在が偽りだとか、『異端な転生者』だとか、化物だとか、思ってなんかいない!!!
私が思っていることは、大事な、大事な貴方が、貴方自身で傷つけ続けようとしているのを、やめて欲しいことと、リリカさんの事を思い続けていても、最期の時まで貴方を愛し続けることだけ!!」
エデン「ッ!!」
フラン「だから……………、もうやめて……………?これ以上……………、自分を嫌うのを……………、自分を憎むのを………………やめてよ………………。
もう、貴方自身を嫌い続けるところなんて、見たくないよ…………。」
エデン「………………フラン。」
フランの言葉が、エデンの心に強く刺さる。それと同時に、更に強く抱きしめていた。2人の服装は、血と涙で濡れていた。
エデンが受けた致命傷も、涙のおかげで塞がりも早くなっていった。
エデン「…………フラン、お願いがあるんだ。」
フラン「…………なぁに?」
エデン「君の顔を、見せて……………。」
フラン「うん…………。」
エデンもフランも、お互いに顔を合わせた。もう泣き疲れていて、目を真っ赤にしたまま、見つめ合っていた。
その後、何を思ったのかフランは目を閉じ、エデンはフランの顔に近づき…………、
エデン「ずっと、離さないでいて……………。」
その一言ともに、口付けした。それを間近に見ていたこいしとイリヤは、エデンを強く抱きしめた。
こういうのが、ずっと続いていればいい。長く感じていたい。けれど、それを邪魔する者がいた。
アズリエル「リ、リリカ⁉大丈夫!?」
4人はすぐさまリリカを見た。そこには、黒いオーラのようなものが溢れ出ており、リリカは苦しんでいた。
白かったはずの髪の色も、徐々に黒く染まっていた。
いやな予感を察知したエデンは、右手で振るうと、アズリエルは観客席の方まで吹き飛ばした。
吹き飛んだ場所は丁度、ザギが受け止めていて、外傷はなかった。
もう一度リリカの方を見ると、其処には真っ黒な三つ編みの髪型をしていて、ボロボロだった服装は黒く塗りつぶされ、冷たい目線でエデン達を見ているリリカが居た。
エデン「…………リリカ。いや、お前は違う…………。」
優しく彼女の名前を呼んだが、すぐさま彼女ではないと否定した。
ダークリリカ「? 何故否定する?私もまた、『リリカ・アイモーネ』ですよ?」
エデン「…………僕が恋した『コロリス』は、『リリカ・アイモーネ』は、こんな僕を優しく話しかけてくれた、純白に輝く光の存在だ。お前のような『闇』が、彼女だと認めない!!」
フラン達はエデンを立ち上がらせるのを手伝い、エデンは闇のように黒く染まったリリカを睨んでいた。
もう致命傷だったはずの傷は無く、かつてないほどの怒りが、エデンを奮い立たせた。
ダークリリカ「私を否定するのか?エデン。」
エデン「人は誰でも、光と闇はある。受け入れなくてはならないのは、承知の上だ。だが、お前は例外だ。闇に堕ちるのは、2人もいらない。」
ダークリリカ「…………。」
エデン「もう決着は付いた。僕という闇は、リリカという光に敗れた。それだけで十分だというのに、まだ戦う気か?」
ダークリリカ「それは、貴方も同じではないですか?エデン。」
エデン「いや、俺がやることはただ一つ。いや、正しくは『俺達』というべきか…………。」
ダークリリカ「?」
エデン「フラン、こいし、イリヤ。俺が言いたいことは、分かるな?」
フラン「うん。」
こいし「なんとなくだけど、お兄ちゃんがやりたいことは分かる。」
イリヤ「ルビー。」
ルビー『分かりました。最初からクライマックスで行きます!!』
エデンはすぐさま、2つのカプセルを取り出した。一つは『球磨川禊』のカプセル、もう一つは『アンリマユ』のカプセルだった。
エデン「リリカ、君を元の光に戻す。その為に僕は、『悪』に堕ちる!!『禊』!!」
まずは『琢磨川禊』のカプセルを起動させ、ナックルに入れる。
エデン「出番だ、『アンリマユ』!!」
『アンリマユ』のカプセルを起動と同時に、カプセルから泥が現れ、エデンに纏わりついた。
エデン「準備は良いな?アンリマユ。」
アンリマユ『ああ、任せな!最弱のフュージョンライズ、行きますかね!!』
話しかけた後ナックルに入れ、ボーイズライザーでスキャンする。
『ヴォイドボーイズライズ!!!』
エデン「この世の総ての邪悪と共に!!」
『アンリマユ!球磨川禊!ダークネスライズ!!フィクションアヴェスター!!!!』
『泥』はエデンの身体を覆うと、上半身に入れ墨が描かれ、頭に深紅色のバンダナを付けていた。
下半身は学校用のズボンの上に赤い腰巻のようなものを付けてるせいか、『フィクションヴァニア』よりもミスマッチ感しかなかった。
アンリマユ「『『さぁて、行きますか!!3人とも、援護を頼むぜ!!』』」
フラン「任せて!!」
こいし「うん!!」
イリヤ「転身!!ツヴァイフォーム!!」
フランはレーヴァテインとアレガステインの2つの大剣を、こいしはグラウザムヴィンドドルヒとカトブレパスナイフを、そしてエデンに憑依したアンリマユは、常闇月の太刀を持った。
一方でイリヤは転身し、『カレイドライナー プリズマ☆イリヤ ツヴァイフォーム』になった。
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