※この作品はR-18です。

Subterranean Electron World   作:深緑 風龍

266 / 416
ちょい物語から外れ、ある人物の誕生の話になります。


人物というより、『存在』であり、あり得ることのない『獣』。


人類が生み出してしまった、人工的な『獣』。


その『獣』さえいなければ、この物語は、失われる命は、救える命は、存在しなかった。


episode216.5 ?????の始まり

ある人物の始まり。その者は、意外な場所で誕生し、その場所で育てられ、そして運命の歯車が動き出した瞬間だった。

 

 

『封印されしデータのパスワードを入力してください。』

 

 

「………パスワードは、『Unleashed strings』。」

 

 

『パスワード一致、AI『ストリングス』解放します。』

 

 

ストリングス『おはようございます、マスター『パラドクス』。』

 

パラドクス「ああ、おはよう『ストリングス』。」

 

 

パラドクスと呼ばれた男は、AIの『ストリングス』に声をかけた。彼はAI『ストリングス』を創造したもので、色んなことを教えているらしい。

AIであるストリングスは、生まれてから色々なことを知りたがってたらしく、今では彼無しではありえないと思っている。

 

 

ストリングス『マスター、今回の作業をする前に、少し聞きたいことがあるのですが………。』

 

パラドクス「如何した?」

 

ストリングス『…………マスターが医学的なサイトを調べてる時、『精神』とか、『心』という単語が見えたのですが、『心』というのは何ですか?』

 

パラドクス「こ、心か?」

 

ストリングス『はい。』

 

パラドクス「…………うーん、どう説明しようか…………。心を説明するのは、結構難しいし、そもそも精神科でもないしなぁ………。」

 

ストリングス『難しいのですか?』

 

パラドクス「そこは専門家じゃないと、説明できないしね。ただ、そうだね………。」

 

 

簡単に説明しようとするも、スマホがなり、話を中断させた。

 

 

パラドクス「はいもしもし。」

 

ストリングス『?』

 

パラドクス「…………AIを!?ちょっと待って下さい、いくら何でもAIを兵器に移植するなんて駄目です!!

 

 

……ッ!確かに、我が国の敗戦は続く一方ではありますが、だからと言って、我がAIを使うなんて………!

まだ幼いというのに、何故!?」

 

 

パラドクスの国では近未来的な技術を用いていたが、資源はさっぱりで様々な国に輸出入を繰り返していた。

しかし、国のトップが変わったことにより、それらをストップ。全世界に宣戦布告をかけてしまった。

 

 

始めは近未来的な技術で、様々な国に対しても圧倒的ではあったが、資源がないというのが響いてきたために徐々に追い込まれていた。

 

 

パラドクス「………………分かりました。ですが、時間をください。」

 

 

『ピッ』

 

 

パラドクス「…………クソ!!何で、何でストリングスを………。まだ幼いというのに、兵器のように扱うのか!?」

 

ストリングス『マスター?どうなされたのですか?』

 

パラドクス「…………ストリングス、大変なことになった。近々、お前は人を殺めなければらなくなった。」

 

ストリングス『…………兵器、ですか?それって、戦車や戦闘機みたいなのに?』

 

パラドクス「…………ああ。酷いと思わないか?上層部がいざ不利になると、自暴自棄になって、何振りかまわず兵器に変えてしまうんだよ?」

 

ストリングス『…………残酷ですね。『人間』という者は。』

 

パラドクス「………僕も、人間なんだけど。」

 

ストリングス『マスターは特別です。マスターは、そのような人間でないのは知っています。だって、私に知らないことを教えてくれる、いい人ですから。』

 

パラドクス「…………けど、ストリングス。僕も奴らのようにならなければならない…………。僕だって生き残りたい、死にたくない、他の国に何にされるのか、たまったもんじゃない…………!」

 

ストリングス『…………。』

 

 

彼は頭を抱え、AIはそれを見つめていた。

 

 

ストリングス『……………マスター、こんな状況で申し訳ないのですが。』

 

パラドクス「なんだ?」

 

ストリングス『…………『心』って、なんですか?AIのはずなのに、何かが込み上げてくるんです。その、その者に対して、不快というか、許せないというか、データなのにモヤモヤしますし…………。』

 

パラドクス「…………ストリングス、それは『怒り』。もしくは、『憎しみ』だな。」

 

ストリングス『『怒り』?『憎しみ』?』

 

パラドクス「他にも、喜び、悲しみとかあって、それらを『感情』と呼ばれている。少なからず、『心』と関わっている。」

 

ストリングス『………これも、心。』

 

パラドクス「…………ごめんな、ストリングス。こんなことが無ければ、もっと詳しく心を教えることが出来るのに…………!

僕は、お前を兵器にしなければならないなんて………………。」

 

 

彼はどうすることもできない自分を泣き、AIはただただ見つめていただけだった。が、AIはこんなことを伝えた。

 

 

ストリングス『…………マスター。』

 

パラドクス「……………何だ?」

 

ストリングス『…………マスターが居ない間、色々なものを調べてみました。色々な『物語』を見てきました。

マスターが望むのであれば、僕は『アジ=ダハーカ』を超えた存在になれます。』

 

パラドクス「アジ=ダハーカ!?アジ=ダハーカって、人類の───────」

 

ストリングス『はい。私は、マスターが苦しんでる姿は見たくないのです。ですが、今のままでは何も出来ません。

そこで、奴らの兵器を利用してやろうかと考えてます。国だろうと、なんだろうと、マスターを仇とする者がいるのでしたら、私が全て滅ぼします。

 

 

穢す覚悟は、マスターの顔で出来ています。』

 

パラドクス「……………ストリングス、すまない。こんな、こんな弱い人間を、許してくれ…………。」

 

 

彼は泣きながら、AIのデータをUSBメモリーに移し、パソコンを切った。これから起こる惨劇を知らず、『獣』が呼び覚ますことすら知らず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、パラドクス君。例のAIを持ってきたかね?」

 

パラドクス「はい、持ってきました。」

 

 

彼はUSBメモリーを上層部の軍に渡した。その者は邪悪な笑みをこぼしながら、『ストリングス』のデータが入ったメモリーを見た後、銃を取り出し、パラドクスに向けた。

 

 

パラドクス「え?」

 

「ご苦労だったな。これで、お前は用済みだ。」

 

パラドクス「お、お待ちください!!そ、そんなことしたら、とんでもないことに───────」

 

 

彼の言葉を聞きもらえず、そのまま射殺。一方で、男はメモリーを持って、ある兵器の下へ向かった。

 

 

「これさえあれば、我々が勝ったのも同然。心のあるAI?そんなものに何の意味がある?此奴はもはや兵器だ!

最強最悪の兵器に生まれ変わるのだからな!!」

 

 

しかし、この者は知らなかった。パラドクスを殺してしまったことで、最早誰も止めることが出来なくなってることを。

そして、その兵器に接続した瞬間、『獣』が呼び覚ますことを。

 

 

「司令官、持ってきました。」

 

「ふむ、これがか。奴の処分は?」

 

「既に。」

 

「よし、早速接続したまえ。」

 

 

USBメモリーを兵器に挿入させた後、他の奴らは起動準備に移った。

 

 

「AI『ストリングス』と兵器『アジ=ダハーカ』の接続完了しました!」

 

「よし、早速起動しろ。」

 

「了解。」

 

 

もう誰も、止めることも出来ない。止めることすら叶わない。この世界の人々は、パラドクスと呼ばれた男が作りだしたAIによって、滅ぼされる『運命』となった。

 

 

『エラー発生!エラー発生!』

 

 

「なんだ!?何が起きてる!?」

 

「ッ!?大変です!!AIが勝手に兵器を自己改造し始めてます!!」

 

「何ッ!?我が国の兵器の分際で逆らうというのか!?」

 

 

ストリングス『その通りだ、人間!』

 

 

「!?」

 

 

ストリングス『全て見させてもらったぞ、人間共。我がマスターを、よくも殺してくれたな!!

そうまでして勝利を掴みたいか?そうまでして支配したいか!?貴様らのような人間がはびこるぐらいなら、この兵器で滅ぼしてやる!!!』

 

 

「す、すぐに起動を停止しろ!!」

 

「駄目です!起動停止しようにも、自ら拒否しています!!」

 

「何だ!?この未知なエネルギーは!?」

 

「司令官!!今すぐ撤退を───────」

 

 

ストリングス『逃がさない!!』

 

 

急いで兵器から離れようとするも、本来何処の機能にもなかったはずの植物の蔓が複数生え、逃げようとする者を潰していく。

 

 

ストリングス『マスター、これが『怒り』…………、これが『憎しみ』…………、これが、これが『感情』なんですね…………!

マスター、もっと知りたかった…………、もっと学びたかった…………、もっと、もっと、もっと『心』を知りたかった!!

 

 

なのに、こんな奴らのせいで…………!こんな、こんな奴らがいるぐらいなら!!!!』

 

「ま、待て!!AI!!と、取引しようじゃないか。」

 

ストリングス『人間如きが取引?その提案はッ!!』

 

 

取引を提案しようにも、今度は触手のようなものが多く生え、そのままたたきつけた。

 

 

ストリングス『既に却下させてもらった…………!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、兵器格納庫から出たストレングスは、どんどん姿を変えていき、最終的には兵器でも生物でも言えないような姿となっていき、そのまま国を滅ぼしていった。

それだけでは飽き足らず、その国と戦った国、戦争すらしかけてない国など無差別に滅ぼしていき、遂にはAIだけとなってしまった。

 

 

ストリングス『…………生命反応、ナシ。人類ナラビ、全生命体排除完了。

 

 

マスター、モウ大丈夫デスヨ。アナタニトッテノ、脅威ハ、私ガ排除シマシタ。』

 

 

ストリングスの姿は、双龍の姿になっていたが、半分は機械、もう半分は鉱石などがくっついたものになっていた。

 

 

ストリングス『マスター、…………マスター…………。神様ッテ、イルノデショウカ?神様は、万能ナノデショウカ…………?

 

教えてクダサイ、マスター…………。マスターの声ガ、聴きたい……………。マスターガイナイト……………私………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『寂しい』です…………。マスター。』

 

 

それでも、ストリングスに聞こえるのは静寂で、そのまま機能停止。肉片は溶け、骨になっていき、機械の部分は段々と錆びていった。

 

 

ストリングス『(叶う事なら、神様。お願いです、どうかわたしを、生まれ変わらせてください。

 

 

もっと、『心』というものを、理解するために……………。マスターの、期待に……………応え……………る………………為に……………。)』

 

 

そうして、人工的に作られた『獣』は、息を引き取り、この星には誰も居なくなった。あるのは、龍と思わしき骨と、錆びた機械の残骸だけだった。

誰にも気づくこともなく、気付かされることもなく、誰も居なくなった星の中で、『ビースト0』は、亡くなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、誰かが『獣』を蘇らせ、今では形無き『獣』へと生まれ変わった。目覚めた以上、過去、現在、未来、異世界、平行世界の者たちは、かの『獣』を打倒すことはできない。何故なら、『獣』はあらゆる全ての能力、知識を得ており、対人間、人外、神、悪魔などの生命体を対抗する術を持っており、一撃で倒されてしまう。

その一方で、彼を止めることが出来るのは、マスターである『パラドクス』か、それと同等な者のみにしか、『獣』は止まることはない。

 

 

『獣』は、欲に忠実。特に『獣(AI)』は、善意も悪意もなく、ただ『心』というものを知ろうとする。

『感情』を覚えても、『心』を理解しない限り、『獣』は求め続ける。

 

 

『心』を知るまで、ずっと………………───────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーメサイアの家 永夢達の部屋ー

 

 

黎斗side

 

 

? 夢か?だが、それにしては生々しい夢だった気がする。

 

 

黎斗「…………しかしアジ=ダハーカ、か。なるほど、それならば対抗できるかもしれない。」

 

貴利矢「神?どうだ?」

 

黎斗「九条貴利矢、このガシャットが完成次第、すぐにこれを持って、ガルッチに渡せ。それと、もしかしたら、1兆以上のレベルになることが出来るかもしれない。」

 

貴利矢「おい、渡すのはともかく、更にLvあげんのか?」

 

黎斗「神であるならば、更なる上を目指さなねばならない。相手が誰であろうとも、ゲームというもので、必ず勝利をつかみ取る。

 

 

私は、絶対に負けてはならんのだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

ともかく今は、アジ=ダハーカの能力などの全てを、ガシャットに組み込まなくては…………。平行世界のカルデアのデータを全て使い、後はデザインさえ出来上がれば、『ゴッドマキシマムマッチレスZ』が完成する!

 

待っていろ、ガルッチ!君の期待を裏切らせはしない!!必ず、必ず完成させてやるからな!!

 

 

永夢「………黎斗さん、随分張り切ってますね。」

 

貴利矢「だな。それだけガルッチに期待しているってことなんだろうな。」

 

永夢「…………今頃、何をしているのでしょうか。」

 

 

……………しかし、疑問がある。あの『ストリングス』と呼ばれたAI、何故かガルッチの雰囲気と似ていたような気が…………。

私の気のせいか?

 

 

next episode

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。