Subterranean Electron World 作:深緑 風龍
ーコロシアムー ー宵ノ刻ー
夕食を食べ終えたエデンは、皆を置いて一人で外に行き、コロシアムのところへ向かうことにした。
………フィンやエア、フラン達が付いてきてるのに気づかず。
エデンside
「いらっしゃいま………え?」
エデン「?」
「あの、失礼なこと伺いますが、『ラーク・バスター・ガルッチ』様で、間違いないでしょうか?」
え、もうめっちゃ昔のはずなのに、もしかして………?
エデン「まぁ……、そうですが………。」
「!! ほ、ホントに!?夢、じゃないですよね!?」
エデン「夢って、おい………。正真正銘、本物だ。最も、名前も変わっているけど───────」
「助けてください!!」
エデン「え?」
あれ、いきなり両手掴まれたんだけど、如何したんだ?ってか、なんか泣きそうになってるけど、如何したんだ!?
「私、あんな身勝手なチャンピオンには耐えられません!!せこいことして、優勝したなんて、私には───────」
エデン「待って待って!?まず説明してくれない?出来れば落ち着いてほしいんだが………。」
「わ、分かりました………。あの、此方に付いてきてください。」
耐えられないほどって、一体?というか、身勝手なチャンピオンって、僕が居ない間何があったんだ?
外見だけ見ても懐かしいだけだったけど、その職員に連れられながら廊下などを内装は、記憶と全く違っていた。
掃除してないせいか、所々に血の跡があったり、死体と思わしきものが横たわっていたり、白骨体のものも、床にばら撒かれてる。
というか掃除ぐらいしろよって言いたい。しかも死体もほったらかしって、このコロシアム何時から衛生管理が悪くなったんだ?
「こっちです……。」
ー職員室?ー
連れられた場所に入ると、今度は………いやちょっと待て。
エデン「なんでラブホテルっぽい部屋になってんだ?というか、何だこのにおい!?」
「申し訳ありません……、こんな部屋で………。」
余りのひどさに、咄嗟に泡頭呪文を使った後、臭い消し用で持ってきた薬を振りまいた。精液だけじゃなく、血、愛液、媚薬、そしてよりにもよって排泄物の臭いとか洒落にならん……。
どんな性癖をもった奴なんだ!?
取り敢えず、振りまいた後に泡頭呪文を解くと、オレンジの香りが充満していた。
エデン「それで、何があった?僕が居なくなった後、何でこんなことに………。」
「そのことですが、こんなことになったのはずいぶん昔で………。」
エデン「およそでいいから、どれくらいでこうなった?」
「………110年前。」
まだ旅していた頃か。そして受付の子はすぐさま、何が起こったのかを話してくれた。
何でも、今まで通り『剣術コロシアム』を開催して、選手たちは戦っていたらしいけど、誰かが反則をやったらしい。
けど、審判はそれを気にせずに続行させていたらしく、結果その選手は息絶え、反則した選手が勝ち残ったらしい。
その後も何度も反則プレイをやり、女選手相手なら、前日にその部屋に向かい、薬などを使って凌辱し、死ぬまで性奴隷として扱ってたらしい。
そして迎えたチャンピオン戦の時、そいつはやってはならないことしてしまった。内容は言わないでおこう。俺でも聞いてしまった事を後悔してるとこだ………。
結果、そいつはチャンピオンになってしまい、このコロシアムはそいつに支配されてしまったという………。
エデン「…………って事は、あの惨劇も全部。」
「奴が、やったことです…………。それに、見てください………。」
『バサッ』
エデン「ッ!?」
その子の裸には、所々に傷が付けられた痕、落書き、淫紋(これは僕も言えないことだが)、そして今気づいたが、この子は妊娠していた。
エデン「…………今でも、そいつのおもちゃに?」
「…………はい。」
エデン「……………ふざけた真似を。」
「……………お願いです、あの人を…………、父さんを奪った彼奴を…………!」
エデン「………そいつの名は?」
「…………ゴルド。…………ゴルド・ヴォーティガーン・エボルトと言う人です。」
エデン「…………分かった。」
全く、実家に帰ったのはいいが、面倒なもの受けちまったな。とはいえ、この場所には思い出がある。それを穢しやがった彼奴は、絶対に許すわけにはいかねえ。
まぁそれはいいとしてだ。
エデン「おい、何時まで隠れてる。クソ親父。ってか、フラン達もついてくるって………。」
「へ?」
『ガチャ……』
フィン「…………元々は、ガルッチの様子を見てついて来たというのに、とんだヤバイことに首突っ込んだようだな。」
フラン「ねぇ、その話って本当?」
エデン「本当も何も、この惨劇を見て、信じるほかないだろ?」
こいし「絶対に許さない。こんな酷い事をするなんて………。」
イリヤ「しかもここ、お兄ちゃんにとって思い出の場所なんでしょ?だったら取り戻さないと………!!」
「皆さん………。」
エデン「親父………、まさかとは思うが、これを放っておくとか───────」
フィン「するわけねえだろ。俺がこの惨劇を無視するほどクソ野郎だと思うか?」
エデン「俺と兄さんを売ろうとしたクソ親父ではあるがな。」
フィン「………それはいい。なら聞くが、俺とそのゴルドって奴、どっちがクソ野郎だ?」
どっちかって?無論決まってる。
エデン「ゴルドだ。最も、クソ親父もそうだが、其れだけ怒れるって事は、まだいいクソ野郎かもな。」
「ほう、誰がクソ野郎だって?」
エデン以外全員『!!』
エデン「ようやく出たか。卑怯上等、悪逆非道、傍若無人、肉欲の塊………あー多すぎて言いたいことが出てこねえほどのクソ野郎のゴルドってのは、テメェか?」
フィン「(ガルッチが、ここまで汚い言葉を吐き捨てるなんて………、お父さん泣いちゃう………。)」
エデン「クソ親父、聞こえてるぞ。」
「俺がクソ野郎だと?ガキのくせに、随分偉そうなこと言うじゃねえか。」
声がする方を向くと、其処にはどっかの世紀末世界に居そうな筋肉質な男性が、僕達を汚物だと思うかのように見ていた。
いや、フラン達を見た途端、いやらしい目で見てるようだ。
ゴルド「お?いい女がいるじゃあねえか?」
「ヒッ!」
エデン「下がってろ………。雑種、その腐敗しきったゾンビ目で、俺の嫁たちを見るな。」
ゴルド「ハァ?この女子たちが、ガキの嫁だぁ?おい、しれっと俺の女にも手を出すな!!」
エデン「貴様がこのコロシアム、いや、この宇宙から出て行ってくれれば、手を出さないさ。」
ルビー『うわぁ…………、此奴のステータス、魔力と幸運以外全部クソランクですねぇ………。』
そこまでなのか…………、だからこその卑怯な手か。
ゴルド「出ていくだぁ?お前らのような野郎が、俺の城から出ていけばいい話じゃねえか?ああ?」
エデン「これが城?笑わせるセンスがドが付くほど見習い以下だな。寧ろ豚箱の方が、貴様の帰るところじゃねえのか?」
ゴルド「テメェ!!俺を誰だと思ってんだ!?」
エデン「聞こえてなかったのか?ならたった2文字で言ってやる。『雑魚』だとな。そんな手しか使えないほどの『雑魚』って事だ。」
この一言で怒らせるのに十分な言葉だった。彼奴の顔は真っ赤になり、襲い掛かりそうな勢いだった。
エデン「なんなら勝負するか?ルールなしの『デスマッチ』。」
「え!?ちょっと───────」
ゴルド「ほう、いいじゃねえか。なら5日後、俺の城に来い。とことん恥をかかせてやる!!」
エデン「いいぜ。そっちこそ、墓地に入る準備ぐらいしておけよ?あ、此奴は俺が引き取るんで。」
ゴルド「あ、テメェ───────」
エデン「good-bye.」
もう一本持ってきた薬を床に叩きつけ、煙が充満した後、この場から出ていった。
ーエデンの実家 稽古所ー
受付の子はフラン達に任せた後、僕は親父に連れられ、稽古所に到着した。
エデン「親父、始める前に言わなきゃならないことがある………。」
フィン「なんだ、藪から棒に。」
エデン「……結構前だが、ザムシャーって奴から、僕の太刀筋に迷いがあると言われた。その迷いがどんなものなのか、親父の元に来るまでは、全く分からないままだった………。」
フィン「………迷いか。」
そういうと、親父は真剣を取り出し、僕の首元に近づける。
フィン「なら久々に殺し合わないか?あの時お前が、風邪引いた時のように。」
エデン「………そうだな。なら、その迷いが分かるまで、精々付き合ってもらう。」
ゲーマドライバーやボーイズライザーなどの奴は、部屋に置いてきた。あるのは、4本の剣と2本の刀、1本の太刀、そして1本の魔剣……正しくは魔刀だな。
この8本で、戦うとしよう。
そしていい加減、この迷いの正体を解き明かしてやる!!
エデン「行くぞ、親父。」
フィン「ああ、俺だって伊達に賭博をやったわけじゃねえ。それを証明してやる!!」
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