Subterranean Electron World 作:深緑 風龍
ーエデンの実家 稽古所ー
エデンside
あの日から数日後、この街の住人たちを集めたおかげで、コロシアムの面影を残しつつ、新しく生まれ変わった。
最も、大変だったのは死体処理だな。もう蛆とか沸いて出てきたし、感染病とか如何にかするために医療機関も頼らなきゃらなかったし、ナイチンゲールだって勝手に出てきてしまう始末だもんなぁ………。
ともかく、今後の『剣術コロシアム』もあの日以降は厳重警戒するようになり(如何やら警備はガバガバだった模様)、賄賂や八百長試合をするものを見つけ次第、取り締まることになった。
………取り敢えず、コロシアムの話は終わりにしておこう。今僕は、親父と一緒に稽古所に行き、『殺し合い』と言う名の鍛錬をしてる。
フィン「如何した、まだまだいけるだろ?」
エデン「当たり前だ、親父!!」
とはいえ、クソ親父のくせに、ホントに剣術が鈍ってない。賭博とかやってるくせに、鈍ってないとか洒落にならねえな………!
ルッチ「…………父さんとガルッチ、まだやってたんだ。」
フラン「しかも殺し合いって………。」
エア「よく嫌ってるって言ってる割に、鍛錬の時はよく聞くのよね。」
レミリア「やっぱり親子ってかんじるわね。」
エデン「おいレミリア!?いきなり何を言ってんだ!?」
フィン「よそ見してる場合か?」
チッ、そうだった。今思えば、サムとザムシャーなんかより、クソ親父の『殺し合い』が一番キツイ気がする………!
それとも何だ、ザムシャーの言うとおり技の多様で鈍っているのか!?あークソ、全然分かんねえ!!
一体、一体なんだっていうんだ畜生!!
フィン「ッ!」
『バキンッ』
ルッチ「父さんの剣が折れた!!」
エデン「……………。」
フィン「…………なるほどな。」
エデン「何が成る程なんだ?」
フィン「ガルッチ、恐らくだが…………此奴は迷いじゃないかもしれない。」
エア「え?」
エデン「迷いじゃ………ない?」
どういうことだ、剣の迷いじゃないって、一体………。
フィン「いや、こういうべきかもしれない。剣の迷いではあるが、恐らく『アレ』の兆しに近づいているという事だろう。」
エア「アレ!?」
ルッチ「ガルッチが、アレの兆しに………!?」
え?母さんと兄さんは知ってるの!?僕だけ!?僕だけ知らないの!?それともでたらめ…………じゃないようだな。だって、めっちゃ真面目な顔してるし。
エデン「親父、アレの兆しってなんだ?」
フィン「『アレ』っていうのはだな…………、『幻想の担い手』という奴だ。」
エデン「『幻想の担い手』?」
フィン「俺も詳しくは知らねえが、伝承では『
なにそれ!?幻想の担い手ってそこまで凄いのか!?
フィン「俺が知る限り、親父のロードもまた『幻想の担い手』の兆しを持っていたが、開花することはなかったらしい。」
エデン「爺さんもかよ…………。」
フィン「ただ、俺でもよく分からないんだ。『幻想の担い手』になれば、どれほどの力が宿すのか…………。」
というか、強化の迷いだったのかよ。でも、どこから?如何やって『幻想の担い手』の兆しだと分かったんだ?
エデン「親父、どうやってその兆しを見抜けたんだ?」
フィン「眼だな。」
エデン「眼?」
フィン「一瞬だが、お前の眼………正しくは右の瞳だが、虹色に変わって光り出したんだ。まるで曇りもない綺麗な宝石みたいなものだったぞ。」
エデン「んな馬鹿な。仮にそうだとしても、魔眼か何かじゃ………。」
エア「『幻想』を抱くものよ………、兆しに至ろうとする者よ………、『幻想の指輪』を着け、大いなる戦いに挑め。
さすれば、汝は『幻想の担い手』、『
エデン「え?」
エア「私のお母さまの日記には、そう書かれていたわ。でも、まさかガルッチが………その兆しに来ていたなんて………。」
フィン「『幻想の指輪』?そういえば、孫のマルッチから、『十三王神の遺跡』からその指輪らしきものがあったとか言ってた気がする。」
エデン「!?」
一体、どんな指輪なんだ!?そもそも、そんな指輪があるなんて聞いたことない。というかサラッとスルーしたけど、『創造王神』よりもっとヤバいのが居たのかよ!?
って、『
エデン「ねえ母さん、『幻想仕掛けの神』って、『機械仕掛けの神』とどう違うんだ?」
エア「違いって言っても、大半は一緒なのよ。世界の再構築も出来れば、メアリー・スーと呼ばれる者でも、完膚なきまでに倒せるとか……。
違いがあるとしたら、多分………存在するか否か、ね。」
レミリア「…………だけど、何でガルッチが選ばれるのかしら?彼は別に、望んだわけでもないのに………。」
エア「ロード父さんが言うに、幻想を抱けば抱くほど、その兆しに近づいてくるって言ってたわ。多分ガルッチは、何かしらの幻想を抱いて、ここまで行けたんだと思うわ。」
ルッチ「だとしたら、ガルッチは何の幻想を抱いて…………。」
フィン「……………幻想か。まさか、うちの子が………そこまでの境地に至ろうとはな。」
……………幻想化するにつれて、『幻想の担い手』の兆しに近づいていたなんて…………。
フィン「ガルッチ。」
エデン「?」
フィン「今日は休め。明日からその遺跡に一緒に行くぞ。」
エデン「え!?」
フィン「安心しろ、何があっても、俺が守ってやるさ。」
エデン「ッ!? い、いきなり親父面すんじゃねえよ………。」
フラン「ツンデレね。」
レミリア「そうね………。今一瞬猫の尻尾が生えてフリフリしてるわ。」
ったく、自分で守れるってのに、寧ろ親父が…………。馬鹿か、俺。何考えているのかやら………。
ともかく、十三王神の遺跡か………。どんなとこなんだろうな………?
next episode