Subterranean Electron World 作:深緑 風龍
ー牢獄 最深部ー
エデンside
前より、相手の攻撃を見切りやすくなってる気がする。消えたとしても、次はどこから来るのかもすぐに予測できるし、遠距離からの攻撃も弾いて返すことも出来るようになってる気がする。
アヌビス『旦那!!更に相手の動きと癖を憶えたぜ!!』
勿論、アヌビスと一緒だからというのも一つ。でもそれだけじゃない。奴は、ああ見えて戦闘技術が浅い。
見様見真似をしてるような動きで、戦ってただけだった。それに、彼女は無理な動きでムラが見える。
創られたとはいえ、身体が追い付いていないなら意味がない。って言っても、其れに翻弄されてた僕達は、まだまだなんだが………。
対してこっちは、キツイ修行している分、身体が追い付けなかった時もあったが、徐々に慣らして、更にヤバイメニューで鍛えたおかげで、無茶苦茶な動きでも対応できるようになってる。
戦闘に関係なさそうなものでも、覚えれば案外戦闘にも使えそうなものもあった。
幅広く、そして出来るだけ深く、DIOのように己の限界を知るために鍛え上げてきた。時に限界を超えるまで鍛えてた時もあった。
ダークアリス『 』
ラテン語のような詠唱が聞こえると同時に、何かが歪もうとしてる。けれど………。
エデン「そこだ!!」
僕はあえて、歪む前にダークアリスに突っ込み、居合の構えをする。
エデン「我が斬撃は、儚い幻。しかしてこの想いは、形へと成しえて幻を満たす。
我の存在は空想、幻想。儚き存在。だが、今ここで、夢幻と現実の境界を断ち切る!!」
関係ない。たとえどんな技が来ようが、ようやく得た位の技を、見せてやる。無銘の農民『佐々木小次郎』は『多重次元屈折現象』。無限の領域。
対して『宮本武蔵』は『空位』。無の領域。
何方も強力で、そして互いに対と成す領域。ならば僕は、そのどちらでもない。無限の可能性を秘め、尚且つ1つの可能性も断ち切る、あらゆる世界を断ち切る、空想の領域。または幻想の領域。
『幻位』に至る!!
ダークアリス『『 』!!!』
エデン「幻位『夢現両断』!!」
歪む世界に、一閃が走る。そして、歪むはずだった世界は崩落していき、元の場所に戻っていく。
ダークアリス『!?』
アヌビス『すげぇな、旦那。もうここまでの極致に至っちまったのか?』
エデン「まぁな。これでようやく、どんな世界でも断ち切ることが出来る。如何に強大な固有結界だろうと、どんな世界を創り出そうと、幻想の領域、『幻位』で断ち切ることが出来る。」
ようやく、見つけた。自分だけの極致。世界を断ち切るという、『あり得ない』所業。けれど、それこそが僕が求めた極致。『あり得ない』からこそ、『不可能』だからこそ、僕はこれを選んだ。
『世界を否定』するために、『理想を否定』するために、『存在を否定』するために、『何かを否定』するために、『幻想に変え』、『崩壊させる』。
これが、『
これを手にした僕に、負ける気はしない!!
ダークアリス『理解不能ッ!!何故!?解析不能ッ!!』
エデン「教えてやるよ。所詮その程度のウルティノイドだったって訳だ。」
ダークアリス『ッ!!ふざけないで!!!私は、この程度のウルティノイドなんかじゃ───────ッ!?」
エデン「……………なんだ。なんだかんだ言って、お前も感情あるじゃないか。」
ダークアリス「黙れ!!私は、ザギとルシフェルを滅ぼし、スペースビーストを滅ぼさなければならない!!!」
エデン「それは、『来訪者』の命令ってだけだろ?それに、お前もザギもルシフェルも知らない事実を持ってる。」
ダークアリス「でたらめを言うな!!!私はこの手で、奴らを───────」
エデン「そもそも来訪者が滅ぶきっかけになったのも、スペースビーストを生み出してしまったのも、全部邪教信者の来訪者が原因なんだ。」
ダークアリス「なっ………に………!?」
………というか思ったが、なんで相手の感情が湧き上がって……………?
もしかして、『ドクターマインドXXXX』の効果がまだ続いていたのか?まぁ、この際気にしないでおこう。
BGM終了
エデン「復讐するなら、元凶であるクルーアルを殺すべきだろ。それに気づかなかった来訪者共も、愚かとしか言いようがないんだが…………。」
ダークアリス「……………なら───────」
エデン「だが奴を殺すな。」
ダークアリス「ッ!!」
エデン「彼奴に『死』なんて与えない。滅んだ来訪者の為に、亡くなった我が同胞たちの為に、ザギとルシフェルを苦しめた罪を晴らすために、俺の下で永遠に供養してもらうことにした。
俗にいう『奴隷』って奴さ。」
ダークアリス「…………。」
エデン「このことは、ザギとルシフェルにも伝える。勿論ノアにも。それだけじゃない。世間にも公開してやるつもりだ。」
ダークアリス「…………私は───────」
エデン「?」
ダークアリス「私は、どうすればいいんだ?どう生きればいいんだ?誰に頼ればいいんだ?分からない…………、分からない………、分からないんだ………。」
流石に僕はあきれたが、一応教えておこう。
エデン「馬鹿か?そんなもん、自分で考えろ。今僅かな感情と頭をフルに使って考えろよ。」
【ガッチョーン………、ガッシューン………】
エデン「因みに言うが、来訪者の復讐なんか捨てておきな。自分の意志で、後悔のない選択をしておけ。
行くぞ、皆。」
そう言ってダークアリスを置いて、アズリエルはリリカを抱きかかえて出ていった。
ー最深部前ー
しっかし、あの奴隷遅いな。行ったきり戻ってこねえし。何してんだ?
王元姫「あ、そろそろ時間………。」
マシュ「強制帰還ですか……。あの、ガルッチさん。」
エデン「? っとと。」
マシュから渡されたのは、『マシュ・キリエライト』、『王元姫』、『清姫』、全クラスの『エリザベート・バートリー』の9枚のフュージョンカードだった。
エリザベート「先に戻ってるわよ。」
カードを確認した後マシュたちの方に向くと、既に彼女達は居なかった。否、帰って行った。
『フュージョンオーバー!』
セリカ「ハァ、色々と大変だったな………。」
エデン「その大変なことになった元凶がここに───────アダッ!?」
リリカ「自虐するのもいい加減にしてください。」
アズリエル「起きたんだね、リリカ。」
リリカ「少し、調子が良くなった気がしたので…………。それより聞きましたよ、ガルッチさん。貴方は何を考えていやがるんですか!?奴隷って!?いくら何でも、奴隷は絶対に───────」
エデン「ッ!!あーのーなー!!!元凶をただただ殺してやるとでも思うか!?今回ばかりはリリカの意見は聞くつもりはないぞ!?
彼奴の所業は残酷なのも聞いただろ!?」
リリカ「聞きましたよ!!ええ、ちゃんと聞きましたよ!!ですがね、流石に奴隷として扱うのは酷だと思いますよ!?せめて牢獄に過ごしてもらって供養してもらう方がいいです!!」
エデン「今俺達がいる場所は牢獄だぞ!?それに、誰かの監視の下に居させてやらねえと意味ねえだろ!!!また悪だくみしねえようになんかやらねえと駄目だろ!!」
リリカ「それ絶対に拷問するってことですよね!?貴方がやってることはその人と同じじゃねえですか!!!」
エデン「それをあいつ自身が身をもって体験してもらうんだよ!!!だいたい───────」
セリカ「…………おい。」
『『ガツンッ!!』』
エデン「ッ!?」
リリカ「いたっ!?」
セリカ「喧嘩してる暇があったら、さっさと牢獄に出ること考えろ。」
今日2度目だぞ………、殴られるの。
「も、持ってきました!!」
エデン「おい、遅いぞ!!何処道草食ってた!!」
クルーアル「申し訳、ありません………。これです。」
エデン「どれどれ?」
これが、『アルティメット・インフィニティ・ガントレット』の設計図と7つ目のインフィニティ・ストーン『
ん?
エデン「おい。」
クルーアル「はい!?」
エデン「なんだ、この『アルティメット・インフィニティ・アーマー』っていう設計図。」
クルーアル「…………かつて作成しようと考えてたアーマーです。ですが、どれもこれも無理があり過ぎたため、『ガントレット』に変えたのです。」
エデン「なら、7つ目のインフィニティ・ストーン『幻想』の存在は何だ?」
クルーアル「…………。」
エデン「おい!!説明しろ!!」
クルーアル「わ、分かりません!!私も作ると言っただけで、形なんて見たこともないのです!!」
エデン「~~~~~~~!!!もういい!!とにかく、牢獄から出るぞ!!まずは───────」
『prrrr,prrrr』
エデン「はいもしもし。」
セリカ「一瞬で怒りが収まったな。」
英竜『ガルッチか。リリカ達は?』
エデン「御覧の通りだ。それよりザギ達は?」
英竜『済まないが、どうやら囚われたのはリリカ達だけだったようだ。ところで、リリカから漂う僅かな邪気?みたいなのが消え失せた気がするのは気のせいか?』
エデン「…………ちょっとな。今は触れないでくれ。」
ゼロ『つうか、そいつ誰なんだ?見たことねえ顔だが。』
エデン「ああ、此奴か。来訪者の生き残りであり、スペースビーストを生み出した元凶だ。」
ゼロ『何!?』
英竜『どういうことだ!?』
エデン「説明はそっちについてからだ。ついでに、ザギ達のとこに連れてってくれ。ここにいないとなるとしたら、どのあたりになるか。」
英竜『既に把握してる。後はそっちと合流すれば、出発するつもりだ。』
エデン「分かった。すぐに向かう。」
『ピッ』
エデン「………そうだ、リリカ。」
リリカ「? 何ですか、このカード。」
エデン「ワールドフロンティアから来たマシュたちにもらったカードだ。もしかしたら役に立つかもしれないし。」
リリカ「待って下さい。そのカードは?」
エデン「? もしかして、これ?」
僕が取り出したものはそれぞれの色が付いた7枚のカードだった。
リリカ「…………このカード、貴方の奥さんだけじゃなく、私も入ってますけど。」
エデン「なんでも、言峰が言うに僕のパワーアップに関係してるらしいんだ。」
リリカ「ん? あの、正義ってところなんですが、『ウィラトリア』って誰ですか?」
エデン「あー、これか。夢の中で会った人で、雰囲気はラインハルト卿と似たような奴だったんだ。」
セリカ「夢の中って………。」
エデン「んで、其れはいいとして、『目』の調子はどうだ?」
リリカ「へ?」
アズリエル「なんでも、ガルッチさんが盲目を治したんだって。」
リリカ「!?」
エデン「あと、呪いもな。嘘だと思うなら開いてみな。取り敢えず、今は脱出が先だ。お姉ちゃん達が待ってる。『リレミト』。」
…………なんか久々だな。リレミト使うのって。
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