Subterranean Electron World 作:深緑 風龍
ー南国の海の底ー
どれぐらい時が過ぎたのだろうか、どれだけの打ち合いをしたのだろうか、エデンとアズゴアは、未だに決着が付いていなかった。
互いに無傷、しかしエデンは時折フュージョンライズを変え、武器を変えながら、打ち合い続けていた。
時には親子の力、時にはライバルの力、似た者同士の力、相反する者の力、宿敵の力………あらゆるものを使ってでも、衣装を変えながら戦っていた。
アズゴア「ぬぅぅぅ…………!!」
エデン「『『まだまだぁ!!!』』」
お互いの疲労があってもおかしくない。しかし、それでもなお戦う。戦っているうちに根をあげてしまえば、敗北を認めざるを得なくなってしまう。
アズゴアの罪は、6人の人間の命を奪った事。きっかけは、アズリエルが亡くなってしまい、人間に怒り、その結果、トリエルとの離別を代価に、6人の人間を殺害することになってしまった。
エデンの罪は、リリカの命を奪い、彼女の幸せを奪い、更にはその死を改変させて偽ってしまった。最も重い罪は、救ってくれたはずのリリカに、恩を仇で返してしまったこと。きっかけは、リリカとアズリエルが結婚に対する『羨望』、『憎悪』、『自己嫌悪』などの負の感情を抱いてしまう。
結果、アズリエルを呪い殺そうとするも、リリカの事を思ってしまい、彼女の命を奪ってしまい、今でもそれを行ってしまった自分に嫌悪、後悔をしていた。
アズゴアは、その事に辛く思い、今でも自分の選択に対して責め続けていた。
対して、エデンは前を向いて罪を向き合い、死を以てしてでも償うために、自分を責めながら歩もうとしていた。
エデン「『『ッ!!』』」
アズゴア「……君の一撃一撃が、重く感じるよ。けど、私の攻撃なんて、どれもこれも軽い一撃だと、思ってしまうだろ?」
エデン「『『んなわけ、ないだろ………!!軽く、受け流してるだけだ!!』』」
エデンはすぐさま弾き返し、距離を取る。今度は遠距離系のフュージョンライズに変え、弾丸、矢、魔法などの攻撃を放ち始める。
アズゴアもそれに倣うように、魔法での攻撃を加えながら近づいてくる。
勿論、それを黙って見ていられない人もいた。
リリカ「…………。」
フラン「駄目、あそこに入ったら、巻き込まれてしまう。」
リリカ「でも───────」
フラン「トリエルさんも出ちゃダメ。」
トリエル「で、でもあれじゃ───────」
フラン「あれは、ガルッチとアズゴアの問題なの。殺し合いなんかじゃない、『罪を向き合う』為の戦いなのよ。」
サンズ「罪、か。………こいし、だったか?」
こいし「何?」
サンズ「エデンの心は、どう見えているんだ?」
こいし「お兄ちゃんの心?………………凄く辛そう。でも、辛くても、一生懸命に前を向こうとしてる。暗闇の中、明かりもない場所で、手探りで、一歩一歩歩もうと、頑張ってる。」
アンダイン「へぇ、結構ガッツがあるんだな。」
イリヤ「その結果が、あれだけどね。」
アルフィー「…………泣き言とか、言ってた?」
フラン「言わないはずがないわ。でも、なんだかんだ言って、先を進もうとしてる。………それを見せられてる私からしたら、辛いものだけどね………。」
アズリエル「…………エデン。」
パピルス「………………俺様の力では、不足しているのかな?」
ラクト「そんなことないよ!!………でも、エデンの事だから、傍にいてあげないと、忘れてしまうのかもしれないね………………。」
セリカ「…………とにかく二人とも、黙って見てあげろ。彼奴の行く末を。」
セリカがそういうと、2人は立ち止まり、アズゴアとエデンの戦いを見守ることにした。
時は更に経つも、決着は付かない。お互い、一歩も引かないが、疲労は限界まで来ていた。
エデン「『『…………まだ、立ってられるのかよ………!』』」
アズゴア「思っている以上に、長引いてしまったな………。」
エデン「『『…………なら、この一撃で、終わらせよう…………!』』」
『フュージョンライズ!!』
『ジェクト!ティーダ!ボーイズライズ!!キングエース!』
エデン「『『行くぞ、アズゴア…………!』』」
アズゴア「ッ!!」
アズゴアが槍を持ち直すと同時に、エデンは走り出す。全ての一撃をかけるために、アズゴアは/エデンは…………。
アズゴア「ハァ!!」
エデン「『『スパイラルブレイクゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!!』』」
決まったのは………………………。
『フュージョンオーバー!!』
『カタンッ』
エデン「…………俺の勝ちだ、アズゴア。」
アズゴア「………ああ。そして私の、敗北だ………。」
エデンの一撃だった。
BGM終了
ー玉座の間ー
元の場所に戻ると同時に、まだ砕けてない『ソウル・ストーン』をアズゴアに向けると、一撃を与えた傷を治し、そのまま砕け散っていった。
アズゴア「………スッキリ、したかね?」
エデン「ああ……、なんとなくだけど…………向き合えた気がするよ。」
アズゴア「そうか………。」
エデン「………あんたは、どうなんだ?」
アズゴア「…………私はまだ駄目だった。寧ろ、後悔しかない。怒りに身を任せたのが、間違いだったのかもしれん………。」
アズリエル「お父さん………。」
エデン「………。」
アズゴア「もう限界だ。誰も傷つけたくない、殺したくはない。ただ、国民に希望を持ってほしかった…………。
だが、これ以上は耐えられない…………。」
トリエル「…………。」
フラウィー「トリエル、もう許してあげたら。」
トリエル「それでも、人間を殺すなんて───────」
エデン「だが人間と共存するには、この辛い選択をするしかなかったら?」
トリエル「如何いう事?」
こいし「アズゴアはね、ただ国民に希望を持ってほしかったの。王の息子が、人間に殺されたって伝わったら、モンスター全員絶望するし、人間を憎んでいたのかもしれないよ。
貴方と別れず、尚且つ国民に希望を持たせる方法はあったかもしれないけど、2度も大切なものを失ったら、そんな考えは出来なかったかもしれないよ。」
トリエル「………。」
エデン「もう、仲直りしよう?トリエル、アズゴア。アズリエルとリリカ、そしてセリカと一緒に、暮らせばいいんだから。」
アズゴア「………。」
BGM 『Undertale』
トリエル「…………そうですね。何時までも、我が子とコロリスの前に意地張る意味はないですね。」
アズゴア「トリィ………。」
トリエル「やり直しましょう、アズゴア。もう一度、始めから。」
アズゴア「………ああ。すまない、すまなかった。トリィ……。」
フラウィー「………よかったね、アズゴア。トリエル。」
こいし「そういえば、フラウィーって確か、前まではアズリエルだったよね?」
トリエル「!?」
アズゴア「そうなのか!?」
フラウィー「ちょ、余計なこと言わないでよ!!」
アズリエル「まぁ、僕は知っていたけど、フラウィーはフラウィーのままでいいんじゃないかな?」
フラウィー「そ、そうだよ!!だ、だから───────」
トリエル「関係ないわ!!家族が増えるなら、大歓迎だもの!!」
ようやく仲違いしていたアズゴアとトリエルは仲直りし、アズリエルとフラウィーを抱きしめているのを他所に、エデンはフラン達の元へ戻る。
エデン「あ”あ”ぁぁ………。いっぺんに使ったせいで、疲労が………。」
リリカ「あんな無茶苦茶な戦い方をするからです。」
セリカ「だが、すっきりしただろ?」
エデン「まぁな。……………でも、まだ解決は、してないんだろ?」
サンズ「ああ。バリアは未だに破れていない。」
ラクト「それに、まだ江ノ島盾子が生きてるし、子ガルは見つかってない。」
こいし「だとしたら、この先にいるって訳ね。」
アルフィー「その先はバリアがある場所よ。7つのソウルがないと───────」
エデン「なら、問題ない。っと言いたいが…………、多分この先が、僕達にとって倒すべき人間と見つけるべき人間がいるはず。」
リリカ「……………行きましょう。この世界の、最後の戦いとして。」
エデン「ああ。」
エデン達が進もうとすると、抱き合ってたアズゴア達も、それを眺めていたパピルス達もついていった。
BGM終了
ーバリア内ー
エデン達が中に入ると、見たことのない空間が見える。すると、アズゴアが前に出て、こう言った。
アズゴア「これが、バリアだよ。我々モンスターを閉じ込める為に作られた封印だ。」
エデン「ここを、破ればいいんだよな?」
アズゴア「だが、6つのソウルだけでは───────」
エデン「そっちじゃない。僕が持ってるソウルだ。」
リリカ「ソウルって………まさか!!」
エデンが希望のソウルを取り出すと同時に、バリアにヒビが入り始めた。
アズゴア「!? そのソウルは、一体!?」
エデン「『希望』よ、バリアを打ち破れ!!」
エデンのソウルが輝きだすと、バリアが共鳴して割れ始めていき、そして…………。
『バキンッ!!!!』
バリアが破られる。が、そこにあった光景は、エデンとこいしにとっては思わぬ場所だった。廃墟しかない場所。其処にいたのは………。
「待ちくたびれたわ!貴方達が来るのをずっと待ってたのよ!!」
エデン「江ノ島………盾子…………!!」
『次元史上最大最悪の絶望的な悪夢事件』を引き起こそうとした主犯であり、ダンガンロンパのラスボス、超高校級の絶望と呼ばれる『江ノ島盾子』の姿があった。
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