Subterranean Electron World 作:深緑 風龍
ーセイクリッドフォース・ザギ・マィティベース リリカの部屋ー
エデンside
アズリエルが亡くなって二日目、リリカは今でも思い出すだけで泣き始めているほど、ショックを受けていた。
もし彼女が僕だったら、きっとこうなっていたのかもしれない。
それに、僕も思い出すだけで、物に当たりたくなってしまう。だからって、八つ当たりするわけにはいかない。
僕だけじゃない、リリカだって辛いんだ。最愛の夫が居なくなったら、悲しむのは無理もない。
アレが、自分にとって大切な人の葬式だったら、きっと自分を抑えきれない。リリカ以上に、慟哭に濡れ、殺した犯人を殺すまで探し回る存在に、成り果てていたのかもしれない………。
エデン「…………酷い顔、か。」
英竜お姉ちゃんからも言われたから、鏡を見てみたら、復讐鬼の顔をした自分が映っていた。本当に葬式に行かなくて、良かったかもしれないな。
セリカ「…………大丈夫か?無理しているように見えるが?」
エデン「そうか?」
セリカ「ああ。憎悪に染まった、恐ろしい顔になってる。一度、寝たらどうだ?」
エデン「それも無理だ。とてもじゃないが、眠れそうにない…………。日が浅いとはいえ、今の僕の憎悪はオルタで染まりそうだからな。」
セリカ「………私とリリカとは、大違いだな。」
エデン「自己嫌悪があるからな。自分から生まれた闇とはいえ、あれは真っ向から対立してるし、自分に成り代わろうとしてるからな。
ペルソナだったら、そいつが自分自身だと認めなきゃならないけど、とてもじゃないが、無理だ。彼奴は彼奴、自分は自分。そうやって割り切ってるからな。」
セリカ「自分ではなく、他人として見る、か。」
エデン「ただ、彼奴にフォローするのは癪だが、それはつまり1人の存在として見てるって事になるんだ。」
誰だって生きてる。心を持っている者、持たざる者、無機物であろうと何だろうと関係ない。そいつに僅かな生命力があるなら、そいつは生きていると認知できるしな。
じゃないと、『魔眼』の効果がないからなぁ。
セリカ「話変わるが、エデン。」
エデン「?」
セリカ「何時からリリカの膝枕になってるんだ?」
エデン「察してくれ。」
まぁ、大方理由は分かるけど、今のリリカはショックから立ち直ってないからな。本当なら、そっとしておくのがいいんだろうけど、何を思ったのか、彼女の部屋に入って…………。
あれ?入ってからその後の記憶がないぞ?何で?
エデン「…………まさかな。」
セリカ「まぁ、少なくとも、行為はしてはいないのは確かだな。」
エデン「真顔でそういうのやめて?」
セリカ「…………少しは、顔がほぐれたようだな。」
エデン「え?」
セリカ「さっきまでは恐ろしいものだったが、さっき私が冗談交じりに言った途端、少し和らいだ表情に変わったぞ?」
エデン「…………そうか。」
セリカ「まぁ、私とて、アズリエルがいなくなったことで悲しんでいるが、何時までも抱え込んでいるわけにはいかないしな。私だけでも、しっかりしてやらないと………。」
エデン「『姉』として、か?」
セリカ「ああ。」
エデン「…………ってなると、リリカは妹………?」
セリカ「そうなるな。」
エデン「そうなのか………、『セリカ姐さん』。」
セリカ「ッ!?」
『ゴンッ!』
エデン「つっ!?」
セリカ「馬鹿ッ!!いきなりお前が姐さんとか呼ぶな!!びっくりした!!」
エデン「だからって、リングで殴ることねえだろ…………。その内壊れるぞ?」
セリカ「これで壊れる程、軟じゃない。まず何故………ん?」
エデン「如何した?」
セリカ「何だこのカード?」
エデン「あ、それ───────」
セリカ「『リリカ・アルテラス』?って、リリカそっくり!?」
リリカ「え!?」
うぉ!?急に起き上がってきた!?びっくりし…………あれ………?なんで………、意識が………。
『ぽふんっ』
セリカ&リリカ「「?」」
エデン「」チーン 【GAME OVER】
セリカ「おい!?お前まで死んだら洒落にならんぞ!?」
リリカ「な、なんであなたまで───────」
【continuity】
エデン「残りライフ………あーもーめんどくさい。数えるのやめよう。」テッテレテッテッテー
リリカ「え!?なんで、ガルッチさんがそこから!?」
エデン「いやさ、君が驚かせるから、死んじゃったんだけど………。急に起き上がるんだから。」
セリカ「冗談でもそれやめろ。リリカも私も、心臓に悪い。」
エデン「まぁ、寝不足と過度なストレスもあったし、ああなってもおかしくなかったしな。」
リリカ「だとしても、ああいうのは本当にやめてください!!ホントに死んじゃったのかと───────」
エデン「分かった!分かったから、また泣こうとするな!!ホント冗談抜きで洒落になんないっての!!」
…………取り敢えず、過度なストレスの解消方法を何とかしないとだめだな………。正直、今のリリカを泣かせたら、マジで精神的に死ねる気がする。
ストレスとか寝不足とか、死んだときにリセットされたけど、あれは絶対耐えられない気がする。
セリカ「まぁいいとして、だ。エデン、なんでこんなものを持っていたんだ?というか、何時の間にこれを。」
エデン「それか。」
取り敢えず、セリカが持ってたカードを返してもらい、このカードの説明をすることにした。
エデン「この際だから、説明するな。此奴は、リリカ。君が持ってる『リリカ』のカードを完全体にするためのカードなんだ。」
リリカ「私の?」
エデン「そっ。それで、なんでリリカの絵柄かというと、この子こそが初代『融合王神 リリカ・アルテラス』って事なんだ。」
リリカ「彼女が!?」
セリカ「なんでその姿なんだ?」
エデン「その、だな。2人とも、落ち着いて聞いてくれ。その身体、もといリリカの身体は、元々初代のものだったんだ。」
リリカ&セリカ「「!?」」
エデン「まぁ、驚くよな。僕も知った時は、マジで戸惑ったよ。だってどっからどう見ても、リリカそのものだったし………。」
リリカ「えと、まさかとは思いますが…………、私と………その………してないですよね───────」
エデン「断じてしてない!!す、少なくとも、添い寝とかはしたけ…………ど……。」
リリカ『女誑しの貴方が、取り乱すことはないでしょ?初めてではないのですから、そんなに怯えないでください。』
セリカ「添い寝とか………?それだけ───────」
エデン「!!!//////」ボンッ
ぬぉぉぉぉぉぉぉ!!!!よりにもよって、夢の出来事を思い出すって、何やってんだよ!?馬鹿じゃないの!?馬鹿じゃないの!?
リリカ「え、待って下さい。まさか、夢で───────」
エデン「わぁぁぁぁぁ!!!!言うな言うな!!俺だってそんな夢見るなんて思わなかったんだ!!というか思い出させるなァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!//////」
セリカ「夢はアウトだったか………。というか、何をやってるんだ何を。」
リリカ「ちょちょちょ!?夢とはいえど、それ寝取ってるようなものですよ!?」
エデン「それいうなら過去の俺に言ってくれよ!!!なんであんなものみせられたんだよ畜生!!!!」
セリカ「…………そういえば、フランはスカーレット姉妹の妹で、こいしは古明地姉妹の妹、だよな?」
エデン「ん?こいしに関しては、義理の妹になるけどね。こいし、あれでも元奴隷だったみたいだし。」
セリカ「そ、そうなのか…………。んで、イリヤも場合によっては、妹枠なんだろ?」
エデン「えっと、セリカ?何が言いたいんだ?」
セリカ「…………エデン、『妹』好きなのか?」
………………おい、セリカ。何故的確に当ててんの?
リリカ「…………あの、何故黙って。」
エデン「…………うぅぅ…………。//////」
セリカ「図星だったか。」
エデン「ず、図星って…………。//////」
セリカ「別に深い意味とかはないけど、なんというか…………姉より妹の方が好みそうな雰囲気があったからな。」
リリカ「え、それ初耳なのですが………。」
エデン「いや、別に妹好きだから結婚したわけじゃないからな?//////」
リリカ「まぁそれは理解しています。フランさんも、こいしさんも、イリヤさんも、何かと辛い過去をお持ちでしたようですし。」
セリカ「むしろそう言った趣味とか───────」
エデン「待てや。何故そうなるんだよ。それで趣味とか、俺相当最低最悪な野郎だな。まぁホントの意味で最低最悪な野郎なんだけど。
僕のせいで、彼奴が生まれちまったし。」
リリカ「卑下するのやめてください。ホントに虚しいだけですよ?」
エデン「わかっちゃいるんだけどね………。」
セリカ「そういえば、もう一つ疑問なんだが………。」
エデン「?」
セリカ「あのベルトと言い、カプセルと言い、あのライザーと言い、あれらは一体どこから取り出しているんだ?」
リリカ「あ、それ私も思いました。」
其処に触れるか………。まぁ、丁度いい機会だし、説明するか。
エデン「んじゃあまず、ボーイズライザーとカプセルだけど、如何やらリリカとセリカが持ってるガールズリングと同じものらしいんだ。」
リリカ「私とセリカの、ですか?」
エデン「ああ。っと言っても、作ってくれたのは、フレディが居る幻想郷の世界の『ウルトラマンヒカリ』だけどな。零から買った『モンスターライザー』と『カプセル』もあるけど、それでもやっぱり、これを作成したヒカリの方が、どうも馴染みやすいんだよね。」
セリカ「だが中には、モンスターライザーにもスキャンできるものもあるのだろ?」
エデン「まぁな。…………でもやっぱり、これが性に合ってる。」
そう思いながら、ふと、1つのカプセルを取り出す。それは、どのカプセルの中でも、唯一の女性の絵柄があるカプセルだった。
リリカ「そういえば、そのカプセルの絵柄だけ女性ですが、誰なんですか?」
エデン「これ?『ウィラトリア・エル・ドラド・ゴルドーン・クレーリア』っていう、平行世界のハリー・ポッターの世界にいる、黄金の君と呼ばれた転生者だ。」
リリカ「この人も転生者なんですか!?」
セリカ「どうやって会ったんだ?」
エデン「夢の世界で。あと、何時の日か忘れたが、あっちに引っ張られた時もあったようだしな。まぁ霊基だけだったから、暫くしたら戻ったようだし。
んで、何時の間にかこれを持ってた。念のため言うが、彼女には想い人がいるから、手は出す気はないからな?寧ろあっちから攻められたんだけど………。」
リリカ「ホントになんでしょうね……、貴方の………。」
セリカ「ハーレム体質って奴なのか?」
エデン「やめて。マジで勘弁して。」
ハーレムはどっちかっていうと士郎の方が向いてるだろ?
エデン「…………。」
セリカ「…………しかし。」
エデン「ああ。何時かは、こうしてリリカとセリカ、それだけじゃない。皆と話が出来なくなる日も、来てしまうんだろうな。」
リリカ「え…………?」
エデン「………………真面目な話、リリカ。このカードを君に渡せば、君が持ってる『リリカ・アイモーネ』のカードは本来の力を取り戻す。それを使えば、君が思い描く世界を発現できる力を手にすることが出来る。
でも、代償として、君は消える………。」
リリカ「……………。」
エデン「あの時、君が持ってたそのカードを叩いたのは、それが理由。消えて、欲しくなかったから、叩いたんだ。」
リリカ「そう………、だったんですか。」
エデン「でも、何時かは君は、それを使わなきゃならない………。いつか、お別れを言わなきゃならない…………。
だけど、未だに踏ん切りがつかないんだ。」
セリカ「それは、リリカの事が好きだからか?」
エデン「ああ…………。……………いや、それだけじゃないのかもしれない。」
セリカ「と、言うと?」
エデン「前、僕は言ったろ?『恩を仇で返してしまった』って。まだ返していないっていうのに、消えていなくなるなんて、無理だからさ…………。」
リリカ「ガルッチさん…………。」
エデン「情けないよな?せっかく、決着が付いたというのに、未だに踏ん切りがつかないなんて………。」
リリカ「………そんなこと、ありません。」
エデン「え?」
リリカ「恩返し、してくれたじゃないですか。捕まった私を助けに来て、あの世界に帰してあげて、アズリエルと一緒に……………結婚できたって、報告できたのですから。」
エデン「…………リリカ。」
リリカ「それに、葬式の後に、まだ泣いていた私を、寄り添ってくれたじゃないですか。」
エデン「あ、あれは、その…………。」
リリカ「私からしたら、もう十分、恩返ししてますよ。本当に、ありがとうございます。ガルッチさん。」
エデン「…………。」
リリカ「ですが、そのカードは、まだ貴方が持っててくれませんか?………私も、覚悟が出来ていませんので。」
エデン「え?いいの、か?」
リリカ「ええ。」
エデン「………分かった。じゃあ、時が来るまで、持っているよ。」
それまでは、そのひと時を、大事にしてあげないと…………。
エデン「…………………そっか。何時の間にか、恩返ししていたんだな。」
セリカ「気づいていないだろうけど、それだけお前は、リリカに対する執着心が強いって事だろうな。償いたい、離れたくない、二度と傷つけたくない。そんなのが、感じるよ。」
エデン「……………。」
セリカ「こんな事言ったらあれだが、もしお前が、Undertaleの世界に行かなければ、私はここにいないし、エヴリンも救えなかった。もしかしたら、もっと最悪なことが起こっていたのかもしれないんだぞ?」
エデン「…………そうなのかな?」
リリカ「あり得たでしょうね。皮肉なことに、アズゴアさんとトリエルさん、アズリエルを快く思わなかったモンスターも、存在していました。
もしかしたら、奴らに寝取られてしまい、性奴隷になっていたかもしれません。」
エデン「そうだったのか………。」
……………だとしても、流石にアレは…………な。
エデン「まぁいっか。んじゃあそろそろ───────」
『ギュッ』
エデン「?」
リリカ「まだ行かないでください。」
エデン「え?」
リリカ「何故でしょう。もし行ってしまわれたら、もう、会えない気がして…………。」
……………何だろ。そんなこと言われたら、僕も…………そんな気がしてしまう。これが、本当のお別れに、なっちゃうんじゃないかって、思ってしまう。
そう思い始めたら、何故か涙が零れ落ちてきた。最近、緩んできてるのかな?なんだか、酷く泣きたくなるほど、辛くなってきてる気がする。
セリカ「少し、見回りしてくる。ではな。」
何を察したのか、セリカは部屋から出た。その後、リリカの顔を見てみると、何時の間にか涙を流している。
リリカ「ガルッチさん…………。」
エデン「何?」
リリカ「もう少し、この部屋にいてください…………。もう少しだけ、寄り添わせてください………。」
エデン「…………うん。」
アズリエル、ごめん。もしかしたら、リリカを……………。もし、もし本当にそうなっちゃったら…………。
もし本当に、夢で起きた出来事が、現実になったら…………。
アズリエル『僕は君に任せるって言った。だから、もし君が、リリカを幸せにしてあげるなら、守ってあげるのなら、構わないよ。
言ったでしょ?リリカをお願いって。だから、ちゃんと祝福してあげるから………。』
エデン「……………アズリエルのところ、行っていいか?」
リリカ「いいですよ。」
僕はすぐさま、アズリエルの写真が飾ってある場所に行き、祈った。
エデン「アズリエル………、ごめんな。葬式に出られなくて。その頃の僕の顔は、とてもじゃないが、酷すぎて、葬式には出られなかった………。
今でも、自分を許せないよ。君を、死なせてしまったこと………。君を、救えなかったこと………。
でも、そんな君でも……許してくれるか?こんな、君を救えなかった無力な僕を、君達の幸せを奪った最低な僕を…………。」
リリカ「…………。」
エデン「本当に、本当にごめんなさい…………、アズリエル・ドリーマー。リリカとの結婚、おめでとう…………。
そして、これからも…………これからも……………、貴方の死後の道に、幸あれ…………。
さようなら、アズリエル・ドリーマー。貴方の事、絶対に、忘れません。そして、貴方を殺したオルタは、必ず仇を取ります。
貴方の力、復讐と守るべきものの為に、使わせてもらいます。」
僕はそれを伝えた後、リリカの方に振り返る。
エデン「今の僕の顔、どうなってる?君の目から見て。」
リリカ「そうですね。涙で、霞んでしまっていますが、祝福と決意に満ちた、安心できる顔になっています。」
エデン「そうか………。」
なら、安心した。取り敢えず、少しでも長く、リリカと傍にいてあげよう。リリカに寄り添ってあげよう………。
相容れなくてもいい、対極な存在でもいい。それでも、僕は『闇』として、君という『光』を、守ってあげたい……………!
だから、今だけ、今だけでもいいから…………!
『ギュゥッ!』
リリカ「………!」
エデン「……………君を、守らせてくれ…………!」
リリカ「…………私からも、お願いします。ガルッチさん。」
sidechange
こいしside
『『『|ω・)ジーッ』』』
セリカ「覗くのは勝手だが、邪魔はするなよ?」
『『『|ω◦)ギクッ』』』
え、何時の間にバレてたの?
イリヤ「なんか、覗きがバレちゃってたみたいね。」
こいし「うん。」
フラン「でも、これで少しは、荷の方が軽くなったかな?」
こいし「かもね。」
リリカさん、もし、そうなったら、私達………陰で祝福するからね?
ザギ「…………ところで、3人とも。何でリリカの部屋に入らないんだ?」
はやて「ザギちゃん、邪魔しちゃあかんよ。見守ってるだけやから。」
ザギ「そ、そういうものなのか?まぁ確かに、リリカがまだ落ち込んでいるのは、分かってはいるが───────」
はやて「ええから、行こう。」
お兄ちゃんとリリカとの『結婚』。それがいつになるのかなぁ?あ、そういえばあの二人、まだ告げて気がするけど、まいっか。幸せそうだし。
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