Subterranean Electron World 作:深緑 風龍
episode313 最悪な生物兵器
ーセイクリッドフォース・ザギ・マィティベースー
ザギ「バイド…………、か。これまた厄介な生物兵器が存在したものだな。」
エデン「何も手はないと言うわけではないが、問題はあのバイドは第六天波旬、更にはサノスですら『バイド化』させることが出来る程の能力を持っているって事だな。」
アズリエルの葬式から数日後、エデンはザギに呼び出され、バイドについて話していた。
エデン「特に、英竜お姉ちゃんに宿していたはずの『ウルトラマンモンスター』は、よりにもよってオルタに奪われ、更にはバイド化させられて帰ってきたからな。」
ザギ「敵に回すと厄介な存在だが、よりにもよって最悪な形で戻ってきたからな…………。何か、手はないのか?」
エデン「さっき言ったけど、手がないわけではない。あのバイドには、『波動』と呼ばれる性質を持ち合わせていて、普通の兵器とか技など、生半可なものじゃ完全に駆逐は出来ないらしい。
完全に駆逐するには、『R-type』の世界にあるR戦闘機に搭載されている『波動砲』のような兵器、又はそれに似た技や能力じゃないと。」
だがとエデンが付け加え、『
其処から1枚の紙を掴んで、もう一度スキャンした。
すると、101機種のR戦闘機を小型化させたものが出現した。
エデン「幸いなことに、僕はその機体を召喚させることが出来る。が、制約も付けている。」
ザギ「制約?」
エデン「まず、『BX-T ダンタリオン』からのバイド体の戦闘機は封印させている。
幾らバイドを以てバイドを制すると言っても、こんなの使って自分もバイド化したら洒落にならないからな。」
ザギ「確かに、いやそもそも、何故そんなもの開発したんだ………。自分からバイドになりに行くようなものではないか。」
エデン「そもそも、26世紀でバイドを開発するっていう事態がおかしいんだよね。それを作りさえしなければ、こういうことは起こらなかったのに………。」
ザギ「愚痴はいいとしてだ。ならば、バイド系のR戦闘機以外の奴を使えばいいのか?」
エデン「そういう事になるが、どうせなら自分たちも波動系の技を扱えるようにした方がいいと思う。
それにだ、いっその事オリジナル・バイドも見つけてそれも倒した方がいいと思う。」
ザギ「待て、それだと───────」
エデン「『R-type』の世界線全てを消す。原点ともいえるオリジナル・バイドという存在を作る前か、作られた直後にそいつの存在を滅ぼせば、その世界は完全に消滅する。」
ある意味、エデンがやろうとしていることは、その世界線の人々を滅ぼそうと言っているようなものだった。
エデン「当然、抑止力も介入する可能性もあるし、恐らくそこにオルタが居る可能性が高い。」
ザギ「………策はあるのか?」
エデン「もちろんある。念には念を入れるために、もう一つの『物語』の力を使う。」
今度は少し躊躇いを持ちながら、1枚の紙を手にする。其処に描かれてあったのは『夜廻』、その裏には『深夜廻』があった。
エデン「僕が挑戦したホラーゲーム。この中には、『コトワリさま』と呼ばれる神様が存在している。それを使って、奴らの縁を切る。」
ザギ「出来るのか?」
エデン「出来る。『縁』というものが繋がれている以上、それを断ち切ることが出来るのは、この物語の『コトワリさま』。
バイドに対抗するには、『波動砲』。それも、それに値するほどの兵器、技、又は魔法を作る事。
もう一つは、『コトワリさま』。可能なら、『終焉の魔眼』で、完全に断ち切る。」
ザギ「…………大方聞いたが、1ついいか?」
エデン「?」
ザギ「コトワリさまはまだいい。だが、『波動砲』のような兵器、または技や魔法などのものとなると、それだけの年月がかかると言う事、分かっているのか?」
エデン「あ。」
エデンは失念していた。いい案ではあったものの、それを製作するための時間、材料など、兎に角足りなかった。
奴らが待ってくれる保証はない。もしかしたら、作成している最中に襲撃される可能性もあるかもしれない。
ザギ「やはりか………。いい案だが、そこを失念していたら駄目だろ。」
エデン「うーん………。どうすればいいのかやら………。」
ザギ「しかも、ウルトラマンモンスターもバイド化させられているのだろう?仮に作っても食われるのがオチだと思うが。」
エデン「むぅ………。」
ザギ「だが現状、奴らの世界線を断ち切ることが出来るのは、その『コトワリさま』でいいんだな?」
エデン「そうなるな。……………って言いたいが。」
ザギ「まだあるのか!?」
エデン「相手はバイドだ。使い続けていくうちに、『コトワリさま』がバイド化させられてしまえば、あえなくTHE ENDだ。」
ザギ「結局駄目ではないか…………!」
エデン「もっと最悪なものがある。」
ザギ「なんだ?これ以上にもっと悪いことがあるのか?」
エデン「抑止力の介入だ。彼奴らだって、流石に黙認するはずがない。何かしらの理由で出現し、バイド達を相手にするはずだ。
あのORTのようなアルテミット・ワンたちも、絶対に介入してくる。
もしも、抑止力がバイドに敗北したらどうなると思う?」
ザギ「……………まさか。」
エデン「この世の総てが、バイドで包まれる。つまり、僕達の敗北は必然になってしまう。」
「少し待ってほしい。」
ドアが開く音が聞こえ、2人が振り向くと、白銀が似合う美しい女性の姿をしたウルトラマンノアが現れた。
ザギ「ノア!!」
エデン「ノア、お久しぶりです。」
ノア「久しぶりだね、ガルッチ。いや、もうその名で呼ぶ必要もないか、エデン。」
ザギ「え?会ったことあるのか?」
エデン「ああ。と言っても、まだ名前を偽って暫くした時からかな?まだその頃は、ノアだと思わなかったけど。」
ノア「あー、駄菓子屋のババとして姿を変えてたっけ?」
ザギ「そ、想像がつかん………。」
ノア「それより、バイドについて話していたそうだね。」
エデン「ええ。『波動砲』と『コトワリさま』、この二つを使って考えたのですが………。」
ノア「なるほど………。だが、まだ打開策があるぞ。」
ザギ「あるのか!?」
ノア「ある。その前に、エデン。オルタから奪われた力、持ってるんだよね?」
エデン「気づいていたのか。でも、取り返したのは僕じゃない。アズリエルだ。」
そう言って、エデンはノアエボルボトルを取り出し、ノアに渡す。ノアはそのボトルを砕くと、銀色の粒子がノアの元に吸い込まれていき、元の力を取り戻していった。
ノア「よし、力を取り戻せたな。」
エデン「それで、他の打開策は?」
ノア「『十三王神』の力を使う。」
エデン「へ?」
ザギ「十三王神?」
ノア「幸いなことに、かの十三王神たちの能力は、少なからずバイドに対抗できるほどのものを持ってる。
しかも、未知王神は、文字通り我々もバイドにとっても未知な力を宿している。その中には、バイドそのものを消すことが出来るものも、あるかもしれない。」
エデン「アタリメさんぇ………。未知数すぎるでしょ。」
サンズ「ミステリーだしな。」
\ツクテーン!/
エデン「ちょ、サンズいつの間に!?」
サンズ「たまたまここを通りかかったら、3人の声が聞こえたのでね。んでだ、エデン。奴らに関しての情報を掴んだぞ。」
エデン「ホントか!?」
サンズ「ああ。以前、風龍がTOAAと共に行ったと言われる『世界の割れ目』の中に入っていくところを見たんだ。」
ノア「世界の割れ目?」
ザギ「なんだ、それは。」
サンズ「この宇宙、もとい世界には見えない壁がある。だが、2代目創造王神の奴が馬鹿やったおかげで、その壁が割れ始めた。その壁の先には何が待ってるのかすら分からねえが、良くねえものが混ざってるのが確かだ。
他の世界のサンズ、又はパピルス(swap)やキャラ(Storyshift)のようなサンズ枠も、あの場所だけは近づかねえようにしてる。
んでこっから本題だ。あるサンズが世界の割れ目のところを偶然通りがかったところ、エデンオルタがそこから入るのを見たっていう情報が入った。」
エデン「って事は………。」
サンズ「その『R-type』っつう世界から来たバイド、バイド化したウルトラマンモンスター…………いやこの際だから、ウルトラマンバイドと改名しとくか。
兎に角そいつらがそこから出てきたって事になる。んで、オルタはまた、そこから入って来て、また見たこともねえ化物を引き連れてきた。」
エデン「…………如何やら彼奴は、本気で全てを滅ぼしたいようだな。」
サンズ「だからって、手がないわけじゃない。さっきも言ったが、手があるのは『十三王神』なんだろ?
つまり、勝利の鍵を握るのは、エデン。あんただ。そして、この世界を救えるのは、リリカとエデンだ。」
サンズの目は、蒼い炎を出しながらエデンを見つめ、ノアもじっと見つめていた。エデンは立ち上がり、窓辺のところへ行き、3人の顔を見合わせた。
エデン「サンズ、ノア、ザギ。」
サンズ「?」
ノア「何だ?」
ザギ「ん?」
エデン「…………俺が勝利の鍵を握るなら、頼みがある。バイドに関すること、そして大規模な戦争が起きることを公表してほしい。」
ザギ「待て!!ようやくパニックが収まったと言うのに、またパニックが起きたら───────」
エデン「それだけじゃ収まらん。本当に戦えない奴だけは避難させ、残りの者は、『囮要員』として出陣させる。」
エデンの余りの残酷過ぎる発言に、3人は非難しようとする。が。
エデン「言いたいことは分かる。けど、あんなことがあった以上、少しは分からせた方がいい。
暴言なんて吐かせやしない。非難も浴びせやしない。いっぺん彼奴らを地獄に送り出す。」
ザギ「だからって、そんなことしたら───────」
エデン「俺は覚悟の上だ。もうこれ以上、お前が非難されて、傷ついているのを見るのはまっぴらごめんだ。
君らを、そして大切なものを守れるなら、『悪』にでもなんでもやってやるよ。それに……………。」
ノア「それに………………、なんだ?」
エデン「…………………こんなことになったのは、全部僕のせいだ。彼奴を生まれさせなければ、江ノ島盾子さえ倒せばはいおしまいになれた。
だが、あの時自身の闇が厄介事を起こしたせいで、こうなってしまった。
皆は世界を救うための戦いだろうけど、俺からしたら、贖罪の為の戦いだ。オルタの相手は、俺一人………いや、俺達4人だけで殺る。
その為なら…………此奴らを使うことも躊躇わん。」
【ゴッドマキシマムマッチレスZ!】
【ムゲンムテキ!!】
ノア「待て、ちょっと待て!!」
エデン「?」
ノア「まさか、死ぬ気か!?」
エデン「……………ノア、悪いな。」
ザギ「待てノア。何故そんなに慌てる?」
エデンはすぐさま、ゴッドマキシマムマッチレスZとムゲンムテキを同時に使えばどうなるのか、ちゃんと説明した。
サンズ「…………おい、まさかとは思うが、本気か?それらを使うっつうことは。」
エデン「それぐらいで行かないと、彼奴を倒すことが出来ないって訳だ。」
ザギ「馬鹿なことはやめろ!!仮に勝ったとしても、お前は死ぬことになるぞ!!!」
エデン「それでもかまわない。本来なら、死ななくちゃならない存在だ。リリカの幸せを奪ったことも、偽ったことも、ラヴォスを生み出したことも、そして自分から生まれたオルタがもっとヤバいことをしでかしたんだ。
その付けを、何時払えと?」
ノア「…………。」
エデン「もういい加減、払わなくちゃならない。死を以て償う。それが僕の、『アルカディア・エタンセル・エデン』の償い方だ。
………………………それに。」
サンズ「?」
エデン「……………例え大勢の皆が忘れられても、僕には彼女達がいる。最期まで、味方になってくれる子がいる。
その為なら、この命を惜しむことなく使ってやるよ。全部ケリをつけてやるよ。彼奴の戦いで、全部決着を付けてやる。」
ノア「………………その先は、地獄だぞ?」
エデン「今更過ぎるよ、それぐらい。……………悪いな、3人とも。身勝手な奴で。」
そう言って、エデンはその場から立ち去った。
ノア「………………私のせいかな?死に追いやるような事を言ってしまったのは………。」
ザギ「いや、正直あそこまでだとは思っていなかったが、まさか………。」
サンズ「……………2人とも、こんな事を言うとあれだが、彼奴の好きなようにやらせてやれ。」
ザギ「ハァ!?」
ノア「そんなことしたら、ホントにエデンは───────」
サンズ「彼奴の覚悟は、生半可なもんじゃねえ。俺ですら止められないし、彼奴の責任感は、重すぎるもんだ。
それに、アズリエルの仇も背負ってるとなると、最早お手上げだ。
ザギ、ノア。言っておくぜ。彼奴は、やると言ったらマジでやるからな?先延ばしをさせようにも、最後にはキッチリとやる奴だ。
もう彼奴の事、見守ってやれ。少なくとも、それだけの猶予は残ってるはずだ。」
ノア「だが───────」
サンズ「彼奴だって理解してるさ。死ぬ前に、やるべき事やっておきたいって言ってたようだしな。
心置きなく、無念が無いように、やり残したことが無いようにするつもりだしな。
見守ってやれ。というか、こういうときだけ、ゆっくり休ませろ。彼奴にとっちゃ、最期の休息なんだ。
最期ぐらい、彼奴の好きなようにやらせてやれ。」
そう言って、今度はサンズが部屋から出て、残ったノアとザギだけこれからどうするべきかを話し合うことになった。
そして、エデンはというと……………。
エデン「サノス、約束通り自分の血を使った『インフィニティ・ストーン』だ。」
サノス「………赤い血から、虹色になるとか、普通あり得ないだろ?」
エデン「あり得ないからこそのものだ。………一応念押しで言うが───────」
サノス「分かってる。約束しよう。」
エデンは自分の血を取り出し、そこから虹色の鉱石こと『インフィニティ・ストーン』を形成させて、サノスに渡していた。
サノス「………これを名付けるなら、『イリュージョン・ストーン』とでも付けるか。」
エデン「え?『ファンタズム・ストーン』って付けないの?」
サノス「…………まぁ好きに呼べばいいか。呼び方は『イリュージョン』でも『ファンタズム』でも。」
エデン「そうだね。」
サノス「……………………お前が何をしようとするかは分からんが、悔いのないようにしろよ。」
エデン「………ああ。そうさせてもらう。」
サノス「ではな、エデン。仇、とれると良いな。」
サノスはそれだけ言い残し、娘と思われる人物を連れて、この場から去った。
エデン「………さて、次やるべき事やっておかないと。」
そう言いながら、あるメモ帳を取り出し、ページをめくった。
エデン「リリカに関しては、最後にしよう。それより次は、『ガルッチ』の事だな。いい加減、実家に連れて帰らせないと………。その後は───────」
エデンのタイムリミットは、刻々と迫っていた。
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