Subterranean Electron World 作:深緑 風龍
episode28 大きな心の瘕と悪魔フェネクス覚醒
-隠れ家-
ガルッチside
ガルッチ「……………。」
夢を見た。その夢はあまりにも地獄で、悪夢そのものだった。勿論、フレディの能力じゃないのは知ってる。
その夢は、ある怪獣にて、英竜も、未来も、フランも本音も、藍も全く刃が立たず、僕ですら手出しすることも出来ずに敗北する夢を見ていた。
しかもその夢はあまりにも、生々しかった……………。まるで予知夢でも、視たかのようなものだった。いや、今思えば2度目かも知れない。
だが、1度目は不発で終わっている。けど、2度目の予知夢は、鮮明すぎる。
英竜「ガルッチ………。」
まるで、もうすぐ起ころうとするのではないかと言わんばかりの夢だ。そして、最悪な場面も見せられている。
僕は、こんな事起きて欲しくない!なのに、何故その夢を見せたんだ?何故鮮明に、そして最悪な場面も見せたんだ!?
何も出来ないと見せつけるための予知夢なのか?一体…………、一体!!
英竜「ガルッチ!!」
ガルッチ「!?」
英竜「如何したの?さっきから声をかけているのに。」
ガルッチ「ご、ごめん…………。少し、夢で…………。見たくもない悪夢を…………。」
英竜「夢?そういえば、寝ているときに、魘されてたんだな。」
ガルッチ「……………お姉ちゃん。」
英竜「?」
ガルッチ「……………僕、その夢が怖いんだ。」
英竜「夢が?ただの悪夢じゃないのか?」
ガルッチ「僕だってそう思いたい。…………けど怖いんだ。あまりにも生々しい………、今にも起こるんじゃないかと、怖くて…………。」
英竜「…………………………なんだか、らしくないね。ガルッチ。そんな弱音を吐くような奴じゃないだろ?」
ガルッチ「…………酒が入ったら、知らず知らずに弱音を吐くかもよ。」
英竜「いやいやちょっと待て、時々宴で酒飲みまくってるのに全く酔わないじゃないか!?」
未来「飲む方はいいんだって。」
未来、いつの間に…………。
英竜「どういう事だ?」
未来「前、ガルッチがキースを殺した後、隠れ家でお酒を飲んでいたときに、力を入れすぎたのか、ガラスコップが割れたんだ。その時に、お酒が傷口に入ってしまって、弱音を吐く程の酔いになっちゃったんだ。」
英竜「傷口に入っただけで!?それじゃあ消毒しようにも────」
ガルッチ「そこは大丈夫。」
未来「でも、酔っていないのに弱音を吐くなんて、如何したの?」
英竜「悪夢を見たとか。」
未来「フレディかな?悪夢を見せるし────」
ガルッチ「彼奴はそんなことしない…………!けど、僕はその夢が怖いんだ……………。どれだけ力を得ても、何も出来なかった自分が…………怖いんだ…………。」
未来「………………一体、何の夢を見たの?」
ガルッチ「………………未来や、お姉ちゃん、フラン、本音、藍でも刃が立たず、僕は何も出来ないまま、怪獣に負ける夢を……………。」
英竜「……………いやいや、幾ら何でも、私達は─────」
『prrrrrrr,prrrrrrrr』
誰かの連絡が来て、僕は直ぐさま取った。
ガルッチ「もしもし?」
フレディ『ガルッチ!!至急来てくれ!!!やばいことになってる!!!』
やばいことに!?
ガルッチ「分かった!直ぐ行く!」
『ピッ!』
フラン「お兄ちゃん、今のって?」
ガルッチ「フレディが苦戦してるって事は…………!本音!藍!行くぞ!!」
だが、何だ!?この胸騒ぎ。まるで、今こそその夢を現実に起こすかのような胸騒ぎを…………!
どうか、現実じゃないことを祈る!!
けれど、その祈りは、儚く散ってしまった…………。
-人里-
その光景は、フレディ達が倒れているのが分かった。
ガルッチ「ッ!!」
夢の断片が現実に…………。そして上を見上げると、また現実となっていた…………。
英竜「イズマエル!?何でこんな奴が!!」
ガルッチ「……………。」
未来「と、兎に角!彼奴を倒そう!!」
…………そうだ、こんなところで!諦めるわけには!!!
ガルッチ「………行くぞ!みんな!!」
sideChange
プロトガルッチside
んむ?ちょっと寝過ぎちゃったかな?
ダークルシフェル「あ、がるちゃんおはよ~。」
プロトガルッチ「……………え?」
一瞬思考が停止したが、驚愕せざる得なかった。何故なら……………。
プロトガルッチ「な、何故ひ、膝枕を!?」
ダークルシフェル「したかったからしちゃっただけ~。♡」
プロトガルッチ「い、いや……そもそもそんな必要は…………!//////」
だ、駄目だ。こんな事されたのは、彼女に膝枕されて以来だ………!
プロトガルッチ「そ、それより、だ、誰も来てないか?」
ダークルシフェル「げんじつのえっぐまんねがきたけど、がるちゃんのことははなさなかったよ~。♡」
プロトガルッチ「そ、そうか………。助かった………。」
ダークルシフェル「……………さすがに、いずまえるにたいはやりすぎたかなぁ………?」
プロトガルッチ「え?」
ダークルシフェル「う~うん、なんでもないよ~。♡」
……………流石に、大混乱なことはしないと思いたいが、此だからな………。だけど、膝枕か………。少し、落ち着く…………。
プロトガルッチ「…………済まないが、また眠る。」
ダークルシフェル「いいよ~。ゆっくりやすんでねぇ~。」
……………彼女じゃないのは分かってる。けど、なぜだろう…………。少しでも、この子の支えに、なって欲しい時がある……………。
……………………………絶対に、治ったら僕が守るからね。ルシフェル。
ダークルシフェル「………できれば、あのがるちゃんとおなじようにしあわせをかんじてくれればいいのに。ザギちゃんはともかくだけど、…………ときがくるまでは、ちゃんとにがさないとね…………。」
sideChange
ガルッチside
ガルッチ「……………嘘…………、だろ……………?」
予知夢が、現実になろうとしてる……………。未来も、フランも、本音も……………、藍も……………!
英竜は………、まだ戦ってる…………!これじゃあ、夢と同じに………!!
嫌だ………………、嫌だ……………!こんなの、認めない!!認めたくない!!認めちゃ駄目だ!!
『ギュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!』
って、あれって!!
アギラ「させるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
押し返した!!………………けど、結局は、僕が招いた事だ………。僕が、こんなに弱いから…………!こんなことに…………!!!
英竜「ガルッチ、もう大丈夫!!大丈夫…………?」
ガルッチ「……………ょ………。」
英竜「え?」
…………ソロモン七十二柱よ、力を…………!!!
英竜「アギラが来たんだ!!だから、もう心配しなくても…………聖杯?」
未来「う……ぐぐ………!ガル…………ッチ?」
藍「んっ………、んん…………。一体、なんの……………ッ!!!駄目!!ガルッチ、それ使っちゃ────」
ガルッチ「顕現…………、せよ…………!牢記…………、せよ……………!!此に至は……………、七十二柱の………………魔神獣…………なり!!
天を願いし……………、我と同じ……………、復讐をもつ……………、『霊長フェネクス』よ!!
我を……………、担い手となりて……………!彼の者を倒す、力を!!!!!!!!!!!!!」
悪魔フェネクス。別名、不死鳥フェニックス。僕にとっても馴染み深い存在であり、よく似ている。
そのため、僕は何時でも不死鳥に関しては、桜と同じくらい好きだった。例え、悪魔と化した不死鳥だとしても…………。
フェネクス『その願い、聞き届けた。本当におまえは、このような悪魔の私でも………。良かろう!力を貸してやろう!!』
ガルッチ「フェネクス!!今ここに、顕現せよ!!!!!!」
その言葉を最後に、僕の姿は急変し、姿は大きくなった『不死候フェネクス』と化した。
sideout
英竜「ガルッチ!!!」
『顕現せし我が名は、不死候フェネクス。傷を負った者達よ、我が歌で癒そう……。~♪』
フェネクスと化したガルッチは、傷を負った未来達を癒すために、歌を歌う。途端に、皆に傷は一瞬にして治った。
藍「…………ガルッチ、まさかそこまで…………。」
フェネクス『藍、彼を責めないであげてくれ。アギラ、だったか?』
アギラ「はい!」
フェネクス『私が奴の動きを止める。止めた後は、そのドリルで倒せ。』
アギラ「分かりました!!」
フェネクス『…………しかし、今頃彼奴は、自分の無力さや、何も出来なかった事に対しての虚無感、責任を、負うだろうな………………。』
そうして、フェネクスは歌でイズマエルの動きを止め、アギラはグレンラガンのドリルで、イズマエルを倒した。
使命が終わったフェネクスは、元のガルッチに戻るものの、代償として、傷を負ってしまった。
自分が視た悪い予知夢を変えれず、更には未来達を守れなかったという、大きく、そして深く傷つけられてしまった心を…………。
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-隠れ家-
英竜「っと言うわけだ。」
ザギ『…………そうか。こっちも終わったが、今のガルッチは?』
英竜「それが、…………………。」
ザギ『?』
英竜「実は、そのガルッチだけど……………。自分の無力さ、何も出来なかったショック、未来達を守れなかった責任。その結果、大きく、そして深く心に傷を負ってしまって、自分が持ってた物と能力を含めたDISKを私に預け、『地獄で死に物狂いで強くなってくる』。って言った後に、このゲーム世界に一時的に離脱する事に………………。」
ザギ『地獄に!?………………彼奴は十分に強いと言うにもかかわらずか!?』
未来「そうなんだ。それだけ、ガルッチは………………。」
ザギ『………………全く、困った主の夫だな。責任を持つことは悪いものではないが、あれはやり過ぎだ。このままでは、ガルッチは壊れてしまうぞ。一度地獄の様子を、確かモンハンで言うアカムトルムから聞いたが、ある地獄の剣士と戦ってるようだが、もうこれで百数回も挑んでるそうだ。』
フラン&藍&本音「「「えぇぇぇぇぇぇぇっ!?!?!?!?」」」
英竜「そんな…………!!」
ザギ『もう、身も心もボロボロに成り果てようとしてる…………。私も一度声をかけたが、駄目だった。何とかならないのか?』
英竜「……………ザギでも駄目だなんて。」
全王神『話は聞かせて貰ったよ。ガルちゃん、地獄に行ってるんだね。』
未来「全王神様…………、ガルッチは……………。」
全王神『分かってる。ガルッチの強さは、勿論知ってる。けど、あの子はまだ気づいてないの。多分、ザギちゃんも想像絶する力だと思うよ。』
ザギ『想像絶する力?』
全王神『でも、あのままだと、本当にガルッチちゃんは壊れちゃうかも。けど、あの人だったら何とかしてくれるかも。』
全員『あの人?』