Subterranean Electron World 作:深緑 風龍
ーエデンの家 屋根ー ー宵ノ刻ー
エデンside
あの後、母上から真実を聞いた。如何やら母上の本当の種族は『サキュバス』で、女王候補として選ばれるほど実力を持ってたらしく、多くの野郎どもを骨抜きにしたらしい。というか空っぽになるまで、精液を吸い上げたとか………。父上と出会うまでは。
出会いは、如何やら鎮魂大桜のようで、そこで対決して負けたらしい。どうもそこから相思相愛になったようでめでたく結婚したらしい。
けどそっから母上の惚気話が始まったようで、『初夜は優しくも大胆に抱いてくれた』とか、『もう彼無しじゃ、満足できない』とか……………。
エデン「何だろう、思い出すだけで胸やけした気がする。というか、何か負けた気がする。」
惚気を聞けば聞くほど、何かが負けた気がしてならなかった。というか真実を話す際の格好、まぁ種族的な意味では仕方がなかったが、マジでヤバかった。
それで襲わなかったのは、ホントによく耐えたなって思えるほどの精神力だよ。いや耐えたとしても、既に遅いけど!?
既にリリス母さんと近親相姦しちゃってるけど!?いや、それ以前に、妹とヤっちゃってるし!?あれよくよく考えたら、NTRだよね!?
レインの元恋人とはいえ、寝とってるようなものだよね!?僕は一体何をやらかしているっていうんだよ!?
エデン「………ちょっと落ち着こう。色んな意味で、落ち着かないと駄目だわ。」
多分、僕が使った妖術と、母上の格好のせいで、欲求不満になってる気がするな………。自分で処理したいけど、我慢しないと………。
「ここにいたのか、ガルッチ。」
エデン「来たか。」
フィン「んで、話ってのは何だ?大方察せるが…………、念のために聞く。お前、『死ぬ気か』?」
エデン「……………ああ。」
フィン「…………………予想はしてたが、やっぱ本人から聞くのは、相当応えるな。」
エデン「すまない、親父。どれだけ時が過ぎたとしても、それでもやっぱり……………死ななくちゃならないからな。
もう十分すぎる程、長生きした。それに、死ぬ理由も見つけちゃったしな。」
フィン「『エデンオルタ』の事か?」
エデン「ああ。なんだかんだ否定しているとはいえ、彼奴は僕から生まれた存在。彼奴が問題を起こしている以上、それを解決するには、僕じゃないと駄目だ。誰かにやらせるわけにはいかないしな。」
フィン「…………んで、俺を呼び出したのは、あの二人の事か?」
エデン「ああ。平行世界の僕こと『ラクト』と、本来父さんと母さんの息子、そして兄さんの弟になるはずだった『ガルッチ』。
この2人を頼みたいんだ。」
フィン「ラクトはともかく、あの子も俺の息子?如何いう事なんだ?」
エデン「…………説明するとだね。本来、『ラーク・バスター・ガルッチ』という存在は、『転生者』として決められてたらしいんだ。
神様転生だったり、転生ではなく、ちゃんとした『僕』が生まれることもあるから、実際どうなのかは分からない。」
フィン「転生………。ということはアレか?あの子も、お前と同じ転生者って事か?」
エデン「そう。でも、本来『ガルッチ』になるはずだったのは、彼だった。その前世は『アズリエル・ドリーマー』っていう名前の、モンスターだった。」
フィン「……………。」
エデン「何歳か前に、少し変わったって思ったことないか?いつもならしないことを、してたとか。」
フィン「そ、そういえば………お前が6歳の頃から、剣術を習いたいとか言い出したっけ?前までは、凄く嫌がってた記憶が……………。」
やっぱり、アズリエルは戦うのがいやだったっぽいな。まぁ、普通そうだよな。
フィン「んじゃあ、あそこで…………。」
エデン「そう。そこが、僕と父さんとの出会い。本来の『ガルッチ』の代わりに、あの過ちを繰り返さないために憑依した『僕』が、剣術や魔法を学んでいたんだ。」
フィン「………………何で、今になって話す?」
エデン「さっき言ったろ?死ぬためだと。それに、本来の家族の元へ帰してあげなきゃいけなかったしね。」
フィン「……………。」
エデン「…………世話になった。明日、『十三王神の遺跡』に行くから。」
フィン「そうか。……………帰ってきたら、何が食べたい?」
エデン「は?」
今なんて言った?帰ってきたら、何が食べたいって言わんかった?世話になったって言ったはずだよ?
フィン「だから、帰ってきたら───────」
エデン「いや、二度も言わんでいい。いやまず、何故そうなった?もう帰ってこないつもりなんだけど───────」
フィン「あのな…………。お前が結構責任を感じているとはいえ、何も出ていく必要はないだろ?
いや、それより、彼奴をもう一度育てるとはいえ、何でお前が出ていかなきゃならねえんだ?」
エデン「彼奴の人生を奪ったんだぞ?本当なら、彼が『ガルッチ』としての人生を歩むべきだったんだ。
如何進んでいくのかも、誰と結婚するのかも、彼奴次第だったのに…………それを、奪ったんだぞ?今更、そんなこと───────」
フィン「関係ない。彼奴が『ガルッチ』だろうとなんだろうと、関係ない。お前が帰ってくる家は、ここ以外あり得ねえだろ?」
エデン「…………。」
フィン「それにだ、もしお前が、俺達の子である『ガルッチ』に憑依転生しなけりゃ、時代は変わらなかった。いや、それよりもっと酷い時代になっていたし、我々の敵であった『無の神』こと、『ラヴォス』に滅ぼされてたかもしれない。
良いことばかりではないとはいえ、ここまでの道を切り開いたのは、お前自身だ。」
エデン「だがそれは、『ラヴォス』に関しては、僕と未来の手で作り出した存在だし、『オルタ』を生み出したのも、結局は僕自身の───────」
フィン「だから関係ないって。いや別に、責任とるなとかふざけたことは言わねえが、責任負い過ぎだっての。
ちゃんと自分がやったことを、自分で償っているし、今回も罪滅ぼしの為に戦うんだろ?」
エデン「そりゃあ………そうだが…………。」
フィン「ならいいじゃねえか。償うために戦う。その為に命を賭ける。お前が死ねば、きっと世界は滅ぼされる、責任重大な戦い。
他の誰かに任せるよりは、自分自身で何とかした方がいいしな。」
エデン「……………………こうなっちまって、本当に───────」
フィン「それ以上は言うな。それ以上言ったら、本当のお別れになっちまう……………。」
いや、死にに行くんだから、本当のお別れになるんだけど………。そう言いたかったけど、言いづらかった。
フィン「ガルッチ……………、いや、エデンだよな?今の名前は。
俺は、お前の父親でよかったって、思うんだ。まぁ、関りは少ない方だったが、それでも…………俺は誇りに思う、自慢の息子だ。
そんなお前が居なくなっちまうのは、寂しくなるが…………それでも、お前の居場所ぐらいは守ってやる。」
エデン「………………俺が死んでも、か?」
フィン「当たり前だ。」
エデン「…………………なら、さ。」
フィン「?」
エデン「帰ってきたらさ………………、チーズInハンバーグを、作って欲しいな。その味だけは、忘れられないから。」
フィン「ああ。いいぜ。勿論、俺も作ってやるからさ。」
エデン「父さんが!?」
フィン「心外だな。学べばちょちょいと出来るからよ。」
エデン「そ、想像できない………。」
まず、父さんが料理するところ見たことねえ。マジで作ってくれるのか?
エデン「まぁ、楽しみにしてるよ。」
フィン「おう。任せろ。………………エデン。」
エデン「?」
フィン「誰が何と言われようと、お前は俺の息子。『ラーク家』の一員だ。お前が死のうが、転生しようが何だろうが、絶対に変わることはない。
それを、ずっと胸に刻み込んどけ。いいな?」
エデン「…………ああ。ありがとう、フィンの親父。……………本来の僕を、平行世界の僕を、頼んだよ。」
フィン「ああ。…………だが、娘の方、癖が強くないか?」
エデン「………………触れないでくれ。色んな意味で。」
ともかく、これで固まった。誰かの為ではなく、『自分の贖罪』の為に、『終わりを告げる』為に、僕自身を犠牲にする。
恐らくこの戦争で、大勢の者が犠牲になるだろう。大勢の者が、悲しむだろう。
それでも僕は、その戦争を仕掛ける。総動員で、世界を、宇宙を、我々の星々を守るために。
勝つためならば、この命。儚く、散らして見せよう。『桜』のように、美しく、儚く散ろう。
next episode
sideout
一方、それを眺めた人は………。
レイス「父子との恋愛………、それもありね。」
アビス「お前は何を言っているんだ?」
フラン「流石にそれはないでしょ。」
レイス「ないかぁ………。」
リリカ「まず、エデンさんの友人って………。」
セリカ「色々と、濃いな。」
子ガル「というより、兄さんが彼女を腐ノ女神っていう理由が、分かる気がします………。」
エデン「んで、何時の間に屋根のとこに来てたんだ?すんごいデジャブを感じるんだけど。」
フィン「ホントに何時の間に、だな…………。」
村正「私も来てるよ。」
エンド「私も。」
雁夜「僕も。」
全員『!?』
エデン「お前らパーティーに居なかっただろ!?どこ行ってた!?」
村正「屋根の上に誰かいるなぁって思って。」
エンド「気配を察知して。」
雁夜「なんとなく。」
エデン「………今後、2人で話すときに結界這っておこうかな…………。今回の事然り、曙の時然り………。」
そう密かに、決意するエデンだった。