※この作品はR-18です。

Subterranean Electron World   作:深緑 風龍

383 / 416
episode317 語る真実、死の覚悟を決める

ーエデンの家 屋根ー ー宵ノ刻ー

 

 

エデンside

 

 

あの後、母上から真実を聞いた。如何やら母上の本当の種族は『サキュバス』で、女王候補として選ばれるほど実力を持ってたらしく、多くの野郎どもを骨抜きにしたらしい。というか空っぽになるまで、精液を吸い上げたとか………。父上と出会うまでは。

 

 

出会いは、如何やら鎮魂大桜のようで、そこで対決して負けたらしい。どうもそこから相思相愛になったようでめでたく結婚したらしい。

けどそっから母上の惚気話が始まったようで、『初夜は優しくも大胆に抱いてくれた』とか、『もう彼無しじゃ、満足できない』とか……………。

 

 

エデン「何だろう、思い出すだけで胸やけした気がする。というか、何か負けた気がする。」

 

 

惚気を聞けば聞くほど、何かが負けた気がしてならなかった。というか真実を話す際の格好、まぁ種族的な意味では仕方がなかったが、マジでヤバかった。

それで襲わなかったのは、ホントによく耐えたなって思えるほどの精神力だよ。いや耐えたとしても、既に遅いけど!?

 

 

既にリリス母さんと近親相姦しちゃってるけど!?いや、それ以前に、妹とヤっちゃってるし!?あれよくよく考えたら、NTRだよね!?

レインの元恋人とはいえ、寝とってるようなものだよね!?僕は一体何をやらかしているっていうんだよ!?

 

 

エデン「………ちょっと落ち着こう。色んな意味で、落ち着かないと駄目だわ。」

 

 

多分、僕が使った妖術と、母上の格好のせいで、欲求不満になってる気がするな………。自分で処理したいけど、我慢しないと………。

 

 

「ここにいたのか、ガルッチ。」

 

エデン「来たか。」

 

フィン「んで、話ってのは何だ?大方察せるが…………、念のために聞く。お前、『死ぬ気か』?」

 

エデン「……………ああ。」

 

フィン「…………………予想はしてたが、やっぱ本人から聞くのは、相当応えるな。」

 

エデン「すまない、親父。どれだけ時が過ぎたとしても、それでもやっぱり……………死ななくちゃならないからな。

もう十分すぎる程、長生きした。それに、死ぬ理由も見つけちゃったしな。」

 

フィン「『エデンオルタ』の事か?」

 

エデン「ああ。なんだかんだ否定しているとはいえ、彼奴は僕から生まれた存在。彼奴が問題を起こしている以上、それを解決するには、僕じゃないと駄目だ。誰かにやらせるわけにはいかないしな。」

 

フィン「…………んで、俺を呼び出したのは、あの二人の事か?」

 

エデン「ああ。平行世界の僕こと『ラクト』と、本来父さんと母さんの息子、そして兄さんの弟になるはずだった『ガルッチ』。

 

この2人を頼みたいんだ。」

 

フィン「ラクトはともかく、あの子も俺の息子?如何いう事なんだ?」

 

エデン「…………説明するとだね。本来、『ラーク・バスター・ガルッチ』という存在は、『転生者』として決められてたらしいんだ。

神様転生だったり、転生ではなく、ちゃんとした『僕』が生まれることもあるから、実際どうなのかは分からない。」

 

フィン「転生………。ということはアレか?あの子も、お前と同じ転生者って事か?」

 

エデン「そう。でも、本来『ガルッチ』になるはずだったのは、彼だった。その前世は『アズリエル・ドリーマー』っていう名前の、モンスターだった。」

 

フィン「……………。」

 

エデン「何歳か前に、少し変わったって思ったことないか?いつもならしないことを、してたとか。」

 

フィン「そ、そういえば………お前が6歳の頃から、剣術を習いたいとか言い出したっけ?前までは、凄く嫌がってた記憶が……………。」

 

 

やっぱり、アズリエルは戦うのがいやだったっぽいな。まぁ、普通そうだよな。

 

 

フィン「んじゃあ、あそこで…………。」

 

エデン「そう。そこが、僕と父さんとの出会い。本来の『ガルッチ』の代わりに、あの過ちを繰り返さないために憑依した『僕』が、剣術や魔法を学んでいたんだ。」

 

フィン「………………何で、今になって話す?」

 

エデン「さっき言ったろ?死ぬためだと。それに、本来の家族の元へ帰してあげなきゃいけなかったしね。」

 

フィン「……………。」

 

エデン「…………世話になった。明日、『十三王神の遺跡』に行くから。」

 

フィン「そうか。……………帰ってきたら、何が食べたい?」

 

エデン「は?」

 

 

今なんて言った?帰ってきたら、何が食べたいって言わんかった?世話になったって言ったはずだよ?

 

 

フィン「だから、帰ってきたら───────」

 

エデン「いや、二度も言わんでいい。いやまず、何故そうなった?もう帰ってこないつもりなんだけど───────」

 

フィン「あのな…………。お前が結構責任を感じているとはいえ、何も出ていく必要はないだろ?

いや、それより、彼奴をもう一度育てるとはいえ、何でお前が出ていかなきゃならねえんだ?」

 

エデン「彼奴の人生を奪ったんだぞ?本当なら、彼が『ガルッチ』としての人生を歩むべきだったんだ。

如何進んでいくのかも、誰と結婚するのかも、彼奴次第だったのに…………それを、奪ったんだぞ?今更、そんなこと───────」

 

フィン「関係ない。彼奴が『ガルッチ』だろうとなんだろうと、関係ない。お前が帰ってくる家は、ここ以外あり得ねえだろ?」

 

エデン「…………。」

 

フィン「それにだ、もしお前が、俺達の子である『ガルッチ』に憑依転生しなけりゃ、時代は変わらなかった。いや、それよりもっと酷い時代になっていたし、我々の敵であった『無の神』こと、『ラヴォス』に滅ぼされてたかもしれない。

 

 

良いことばかりではないとはいえ、ここまでの道を切り開いたのは、お前自身だ。」

 

エデン「だがそれは、『ラヴォス』に関しては、僕と未来の手で作り出した存在だし、『オルタ』を生み出したのも、結局は僕自身の───────」

 

フィン「だから関係ないって。いや別に、責任とるなとかふざけたことは言わねえが、責任負い過ぎだっての。

ちゃんと自分がやったことを、自分で償っているし、今回も罪滅ぼしの為に戦うんだろ?」

 

エデン「そりゃあ………そうだが…………。」

 

フィン「ならいいじゃねえか。償うために戦う。その為に命を賭ける。お前が死ねば、きっと世界は滅ぼされる、責任重大な戦い。

 

 

他の誰かに任せるよりは、自分自身で何とかした方がいいしな。」

 

エデン「……………………こうなっちまって、本当に───────」

 

フィン「それ以上は言うな。それ以上言ったら、本当のお別れになっちまう……………。」

 

 

いや、死にに行くんだから、本当のお別れになるんだけど………。そう言いたかったけど、言いづらかった。

 

 

フィン「ガルッチ……………、いや、エデンだよな?今の名前は。

 

 

俺は、お前の父親でよかったって、思うんだ。まぁ、関りは少ない方だったが、それでも…………俺は誇りに思う、自慢の息子だ。

 

そんなお前が居なくなっちまうのは、寂しくなるが…………それでも、お前の居場所ぐらいは守ってやる。」

 

エデン「………………俺が死んでも、か?」

 

フィン「当たり前だ。」

 

エデン「…………………なら、さ。」

 

フィン「?」

 

エデン「帰ってきたらさ………………、チーズInハンバーグを、作って欲しいな。その味だけは、忘れられないから。」

 

フィン「ああ。いいぜ。勿論、俺も作ってやるからさ。」

 

エデン「父さんが!?」

 

フィン「心外だな。学べばちょちょいと出来るからよ。」

 

エデン「そ、想像できない………。」

 

 

まず、父さんが料理するところ見たことねえ。マジで作ってくれるのか?

 

 

エデン「まぁ、楽しみにしてるよ。」

 

フィン「おう。任せろ。………………エデン。」

 

エデン「?」

 

フィン「誰が何と言われようと、お前は俺の息子。『ラーク家』の一員だ。お前が死のうが、転生しようが何だろうが、絶対に変わることはない。

 

 

それを、ずっと胸に刻み込んどけ。いいな?」

 

エデン「…………ああ。ありがとう、フィンの親父。……………本来の僕を、平行世界の僕を、頼んだよ。」

 

フィン「ああ。…………だが、娘の方、癖が強くないか?」

 

エデン「………………触れないでくれ。色んな意味で。」

 

 

ともかく、これで固まった。誰かの為ではなく、『自分の贖罪』の為に、『終わりを告げる』為に、僕自身を犠牲にする。

 

 

恐らくこの戦争で、大勢の者が犠牲になるだろう。大勢の者が、悲しむだろう。

 

 

それでも僕は、その戦争を仕掛ける。総動員で、世界を、宇宙を、我々の星々を守るために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勝つためならば、この命。儚く、散らして見せよう。『桜』のように、美しく、儚く散ろう。

 

 

next episode

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideout

 

 

一方、それを眺めた人は………。

 

 

レイス「父子との恋愛………、それもありね。」

 

アビス「お前は何を言っているんだ?」

 

フラン「流石にそれはないでしょ。」

 

レイス「ないかぁ………。」

 

リリカ「まず、エデンさんの友人って………。」

 

セリカ「色々と、濃いな。」

 

子ガル「というより、兄さんが彼女を腐ノ女神っていう理由が、分かる気がします………。」

 

エデン「んで、何時の間に屋根のとこに来てたんだ?すんごいデジャブを感じるんだけど。」

 

フィン「ホントに何時の間に、だな…………。」

 

村正「私も来てるよ。」

 

エンド「私も。」

 

雁夜「僕も。」

 

全員『!?』

 

エデン「お前らパーティーに居なかっただろ!?どこ行ってた!?」

 

村正「屋根の上に誰かいるなぁって思って。」

 

エンド「気配を察知して。」

 

雁夜「なんとなく。」

 

エデン「………今後、2人で話すときに結界這っておこうかな…………。今回の事然り、曙の時然り………。」

 

 

そう密かに、決意するエデンだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。