Subterranean Electron World 作:深緑 風龍
-博麗神社-
ガルッチが居なくなって次の日、
フレディ「んじゃあ、こう言うことか?ガルッチの奴は、何も出来なかった自身の弱さを嫌悪し、地獄で死に物狂いで強くなってくるって言ったまま出て行ったと?」
未来「うん、そう言うこと。」
ゴースト「いやいや、幾ら何でもガルッチさんは十分に強いっすよ?何も地獄に行く必要は─────」
英竜「私もそう思うけど、彼は私達と相談せずに…………。」
トライボーグ『行ってしまわれたのか。』
未来「うん。」
トライボーグ『…………何も恥じる必要は全くないのだが。』
霊夢「ハァ…………、いいお茶だねぇ……………。」
フレディ「お前は楽観的過ぎだろ。だがガルッチは、別の意味でやばいな…………。」
霊夢「あら、そうかしら?逆に考えれば良いじゃない。地獄に行って、そこで修行していけば────」
未来と英竜から凄い殺意を感じたのか、流石の霊夢も黙った。
フラン「あのね、それで強くなって帰ってくれるならいいけど、お兄ちゃんは今、身も心もボロボロになってるのよ!あんな調子じゃ、誰にも勝てるわけないでしょ!?しかもお兄ちゃんが持ってた能力、武器とかも置いて、地獄にだよ?」
霊夢「へぇ、そう。」
フレディ「おい霊夢、流石に無関心にも程があるだろ。ここにガルッチがいないって事は、それだけの戦力が下がるって事だぞ!!」
霊夢「あらそうかしら?」
英竜「どうしてそんな楽観的に見るの!?」
霊夢「……………少なくとも、あんた達が言うザギって奴や、他の奴らより強くなって帰ってくると思ってるからよ。
ただ単に、ガルッチは『ある事』を忘れてるだけよ。」
それを聞いた途端、皆はキョトンとした。
未来「『ある事』?」
霊夢「……………まぁ、それを思い出せば、時間をかけてでも、ちゃんと強くなって帰ってくるはずよ。あんた達が言う『この世の全ての刃』は、どんな物でも斬る事が出来る刃なんだから、信じてあげて。私は、信じるから。」
ただそれだけ言い、お茶を飲んでいた。
-地獄-
一方、地獄に行ったっきりで、身も心もボロボロに成り果てようとしてるガルッチはというと、壁沿いのところで座っていた。
彼は初心に戻り、0から修行するために地獄にいる『ニブルヘイム・コキュートス』と呼ばれる剣豪王の元へ行く。が、弟子を持つことは滅多になく、それに合う条件も単純だが厳しい。ただ、『傷を負わす』だけ。ただそれだけなのだが、結果的には、誰も出来なかった。
寧ろ、反撃されるのがオチで、瞬殺で負けて弟子になるのを諦めるのが殆どだった。だが、ガルッチだけは全く違った。
もうかれこれ百数回ぐらいの挑戦をし続けている。だが、心に大きく深い傷を負っているガルッチにとっては苦行でもあって、それだけ挑戦してるにもかかわらず、負けている。
『彼奴、一体何処までやるつもりだ?』
『幾ら何でも狂人にも程があるだろ?』
『いやいや、狂人の俺ですら、あそこまでやらんぞ?』
『もういい加減、諦めた方がいいと思うんだが………………。』
ガルッチの姿を見て、地獄で罪を償ってる罪人達ですら同情されていた。それでもガルッチには聞こえなかった。
『何も出来なかった無力さ』、『他人の力を使うことしか出来ない弱さ』、『一人だけになってしまう孤独感』、『失ってしまう恐怖に怯え続け』、『偽りを偽りで上乗せし』、『己の弱さを隠し続け』、『更には自己嫌悪に陥った』。
もう壊れても不思議じゃないガルッチだが、『約束を果たすために』、『安心させるために』、『幸せを守るために』、『愛する家族達の元に帰るために』、『見ず知らずの者を助けるために』、『あらゆる苦痛を耐えるために』、『この意志に応えるために』、諦めることはなかった。
7つの罪と7つの功、それが中和しているのか、折られることはなかった。もう一度リベンジするために、今でも手に持ってた『銅の剣』を手にし、立ち上がろうとしていた時だった。
???「ガルッチ…………。」
ガルッチ「!!」
ガルッチside
え!?今何か聞こえたような………………。いや、気のせいか。遂に幻聴も聞こえて来ちゃったか。まあ無理も────
???「ガルッチ。」
ガルッチ「え?」
???「久しぶりだね、ガルッチ。今の全王神から頼まれて、ここに来たんだ。」
嘘だろ?だって、僕の目の前で消えたはずなのに、何で?何で………?
ガルッチ「何で、貴方が此処に?…………ヴァルハラ。」
ヴァルハラ「よかった、どうやらまだ輝きは失われてなかったね。っていうか聞かなかったの?今の全王神から頼まれて、ここに来たの。今にも壊れそうなガルッチを、助けるために。」
ガルッチ「助けるためにって……………。」
『おい、彼奴遂に狂ったか?』
『一人で喋り出して…………、壊れたんだな…………。』
………なんか聞こえるけど、ほっとこ。今はヴァルハラが優先だ。
ガルッチ「一応言うけど、これは僕だけの戦いなんだ。フラン達を守れなかった事を─────」
ヴァルハラ「待った。」
ガルッチ「え?」
ヴァルハラ「君は、何か勘違いしていないか?」
ガルッチ「いや、あの………、え?」
ヴァルハラ「ちょっと正座しよっか。」
ガルッチ「あの………、ヴァルハラ?」
ヴァルハラ「正座、いいね?」
ガルッチ「ア、ハイ。」
えーっと、なんか知らないけど、ヴァルハラが怒ってるってのが分かった為、僕は大人しく従うことに…………。
まぁぶっちゃけ、長時間も正座しても苦にはならないけど、説教もあると流石に───
『ガンッ!』
ガルッチ「アダッ!?」
ヴァルハラ「聞いているのか?」
ガルッチ「いや聞いても何が何だかサッパリなんだが。」
ヴァルハラ「ハァ………、こう言うときに限って何で疎いのかな?」
ガルッチ「疎くて悪かったな。」
ヴァルハラ「全く………。確かにお前は、イズマエル戦の時に、フラン達を守れなかった。それはお前にとっては悲しいことだろ。だけど、そんな彼女達はお前に対して怒っていたか?」
ガルッチ「え?」
いやいや、怒るどころか失望してるに決まって────
『ガンッ!』
ガルッチ「またっ!?」
ヴァルハラ「失望してるわけないだろ。要するに、お前は被害妄想し過ぎなんだ。」
ガルッチ「ひ、被害妄想って………。僕そんなに被害妄想してるのか?」
ヴァルハラ「仕事失敗の時、被害妄想しまくってるの聞いたぞ。というか、責任持ちすぎだ。そんなに他人の信用がないのか?」
ガルッチ「いやいや、そんなわけが────」
ヴァルハラ「だったら別に他人に任せても──────」
ガルッチ「でも他人に任せることは出来ない。その人が失敗して、責任を負わされるなら─────あ。」
ヴァルハラ「………だと思った。結局、みんなを信用していなかったって事じゃないか。」
…………………………なんだ、んじゃあ僕は今まで、みんなを信用していなかったって事じゃないか。結局、僕の独りよがりで、皆の気持ちすら無視し続け、気がつけば、自分から突き放してるじゃないか……………。
ガルッチ「呆れた………。結局僕は、最─────」
ヴァルハラ「それ以上は許さない。」
ガルッチ「…………。」
ヴァルハラ「それに、お前は僕の息子なんだ。死ぬ事なんて、絶対に許さない。自分を存在価値なんて判断は、もうさせるつもりはない。
本当に強くなって、今度こそ守りたいって願っているなら、この言葉を思い出せ。
『人を信じ、生きて戦え』。」
信じろ…………、か。
ヴァルハラ「さぁ、行け。フラン達のために、強くなって来るんだ。」
ガルッチ「…………ありがとう、ヴァルハラ。そして、ごめんなさい。」
ヴァルハラ「……………じゃあね。』
そしてヴァルハラは、僕の目の前から再び消え失せた。………………だったら、もう一度信じようかな。
ん?なんかポケットの中に、何か入ってるような感覚が……………。
『セブンシンカレクイエムガシャット』
『セブンヴァーチェロンドガシャット』
…………なにこのガシャット、こんなの初めからあったか?っていうか、何だろ。此を手にした途端、心が軽くなった気がする…………。しかも、フラン達が今でも傍に居るかのような…………。
…………もしかしたら、今だったら勝てるかもしれない。今度こそ、その傷を負わせてやろうじゃないか!
next episode
-幻夢コーポレーション-
???side
ふむ、そろそろ『仮面ライダークロニクルガシャット』も、海外進出したのはいいが、もっと売り上げが欲しい物だ。
何かいい案があれば良いのだが…………。
「社長。」
???「どうかしたか?」
「少々訪ねたいことがあるのですが、宜しいでしょうか?」
???「…………言ってみなさい。」
「社長は、『空想の世界』があるって、信じますか?」
空想の世界?何だそれは?
???「信じる信じない以前に、私はその『空想の世界』というのが、あまり分からないのだが。」
「『空想の世界』っていうのは、例えば………魔法が有り触れた中世ヨーロッパみたいな世界だとか………、えーっと…………。」
???「つまり、この世界ではあり得ない事が、常に起こり得る世界ということです。『壇正宗』。」
ふむ、なるほどな。ようは異世界と言うべきか…………。
正宗「タドルレガシー、一つ良いか?」
???「はい。」
正宗「そのお前が持ってるそれはなんだ?」
「って此!!永琳!?飛彩先生、一体何処から!?」
飛彩「ただのネクタイですが?」
正宗「………痛いネクタイだな。って、永琳?」
飛彩「何でも、『東方project』の『幻想郷』にいるキャラクターのことを指してるようですが…………。」
正宗「? ? ?????」
分からん、何だか話が分からないのだが?というかタドルレガシー、その痛いネクタイのせいで、奴らが言ってることが全く分からない…………。
「それにしても、海外進出ですか…………。いっそ、異世界にも進出出来たら…………。」
異世界進出?…………だが、その異世界に渡る方法がなければ無意味に…………。いや待てよ?そういえば、『ユクドラシル・コーポレーション』の贈り物の中に、異世界に行ける道具が……………?いやいや待て待て、流石にそれは難しい。其奴らが我々のゲームを興味を持ってくれるのか分からない。そんなときだった。
「社長、そういえばその幻想郷で思い出したのですが、何でも仮面ライダークロニクルガシャットを開発するという情報がありました。」
正宗「何ッ!?」
……………待てよ?それを作ってる業者と協力すれば、利益も上がると言うことか?…………物は試しだな。
正宗「その企業というのは?」
「企業というのは難しいですが、何でもエグゼイドと対抗心を持っているとか何とか。」
正宗「マキシマムマイティXが?……………なるほど。」
面白い、一度その幻想郷とやらの世界に生き、業者のものと取引してみるか。となれば、善は急げ。
正宗「タドルレガシー、護衛を頼むぞ?」
飛彩「はい。その代わり、分かってるだろうな?」
正宗「それは、私の期待通りにしてくれたらだがな。」
と言っても、一体どんな奴等なんだ?