Subterranean Electron World 作:深緑 風龍
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………………どれだけ眠っていたのだろうか?頭がぼんやりしているけど、それはまぁいいか。ともかく、ここは何処だろうか?
天国か?それにしては真っ暗だし、彼女の姿が見当たらない。となれば地獄か?にしては何も無い気がする。
なら、ここは何処だ?
いや、どうでもいいか。復讐を遂げたとは言え、結局待っていたのは、何も無い世界。そこが、僕にとって相応しい場所って事なんだろう。
なら、それでいいか。………………悪い、フラン………………。どうやら、二度と君に会えない────
「ガルッチさん?」
「?」
あれ?こんな世界に誰か居たっけ?そう思い周囲を見渡してみると、何やら神々しい姿をしている少女が居た。
「君は………………一体………………?」
「お忘れですか?私はリリカ・アイモーネ。今は、2代目融合王神となり、この場所にいるものです。」
「リリカ?リリカ………………あ!エデンの世界にいた!?」
リリカ「そうです。あの戦いで私自身のカードを使ったことで、私やセリカは消滅して、今ではここで皆さんの様子を見ています。」
「そうか………………。」
リリカ「………『ガルッチ』さんこそ、何故このような場所に?」
ガルッチ「何でって、てっきり僕は天国か地獄のどっちかに行くかと思ったら、何もないし、ここで消えてなくなるのかなって思ってさ。
そしたら、君がいるし………………。」
一体どうなってる?本当にここは何処なんだ?気配からして、僕とリリカしかいない。ほかは何にもない無の世界。
にしては、今気づいたが、なにかに包まれているような、というより何か乗られている感覚が………。
ガルッチ「なあ、ここは何処なんだ?」
リリカ「詳しくは分かりませんが、ただ………………この場所は『狭間の世界』と言ったほうが良いでしょうか?」
ガルッチ「狭間?」
リリカ「私達の方のガルッチさんから言えば、おそらく夢と現実の狭間のような場所でしょうか。」
ガルッチ「夢と現実の………?そういえば、あっちの僕はどうなったんだ?」
リリカ「こちらのガルッチさんですが、色々あって最終的に封印される事に。」
ガルッチ「封印?どうしてそんな事を?」
リリカ「何でも、『エデンオルタ』よりも最も危険な存在が居て、それを倒す為に一度初心に帰って修行することになったらしくて………………。」
ガルッチ「奴より危険な存在が?」
リリカ「一度見た方が早いかと。」
そうしてリリカが3つのモニターを表示させると、黒幕の名前が描かれた相手の顔が………………!?
ガルッチ「ッ!?」
左のモニターをよくよく見ると、僕にとって良く知ってる人物が映っていた。間違いない。見間違えるはずがない。
ガルッチ「兄さん………………!?」
リリカ「知っているのですか!?」
ガルッチ「知ってるも何も、アレは僕の兄さんだ!!まさかエデン達は、兄さんを!?」
リリカ「待って下さい!!先ずは話を聞いてください。」
ガルッチ「いいが、何で兄さんがこんな場所で?死んだ筈じゃないのか?」
リリカ「そちらでルッチさんがどうなったのかは知りませんし、何故闇創造王神なのかは私もこちらのガルッチさんも分かりません。
恐らく、女神イリアスと関係しているのかと。」
ガルッチ「やつか。傀儡にして、何かしようという魂胆か?」
リリカ「いえ、彼の行動からして、傀儡とは思えません。」
ガルッチ「どういう事だ?」
リリカ「こちらのガルッチさんの夢を覗いたところ、貴方の兄と話をしていたらしく、何やら密会をしていたようです。」
密会!?兄さん、一体何をやっているんだ!?
リリカ「流石に内容までは聞けませんでしたが、後に『創造王神と闇創造王神の歴史に終止符を打つ』事と、『女神イリアスと光の化身キーラの討伐』ってガルッチさんが言ってました。」
ガルッチ「なら、何で兄さんと協力しない───」
リリカ「それだと彼の立場が危うくなるからです。あくまで彼は、こちらのガルッチさんと敵対関係ですし、闇創造王神として選ばれた以上戦うしかないと思っているようです。」
ガルッチ「………………。」
リリカ「それに、本当に傀儡だったなら、貴方のこと思っていないと思います。夢の終盤、立ち去ろうとしていたとき、彼はあなたのことを言ってました。
闇創造王神になっても、恐らくずっと貴方のことを見ていたと思います。」
ガルッチ「兄さん………。って、さっきからどんどん見えなくなっている気が………。」
リリカ「お別れの時間みたいですね。」
ガルッチ「お別れ?」
リリカ「言ったと思いますが、ここは狭間の世界。もし私が見えなくなり始めたのなら、貴方が体験したことは、全部夢の出来事になります。」
ガルッチ「夢?」
けど、夢だとしても生々しすぎる。ベロニカって子は、ルシフェルから聞いたけど本来死ぬはずだったって言ってたし………………。
一体どういう事?僕がやって来たことが全部夢なら、何で触れたんだろう?
リリカ「疑問に感じると思っているけど、多分私達が住んでた世界もまた、現実でもあった。でも、私達が見えなくなり始めたのは、無意識の内に夢だと思い込み始めたからと思う。
目が覚めれば、貴方はあの場所でいた出来事を忘れてしまうと思います。」
ガルッチ「………………そんな。」
リリカ「ただ、ここで私と出会い、話し合ったことは、覚えていると思います。『ガルッチ』さん、これだけは言っておきます。
貴方がこちらに来てくれたおかげで、救われた人、変われた人がいた事を、どうか忘れないでください。
さようなら、本来のガルッチさん。どうか、そちらの世界で、幸せに過ごしてください。」
ガルッチ「待って!まだ聞きたいことが─────」
けれど、彼女の姿がぼんやりとなったと思えば、視界が眩しくなる。それと同時に、僕の意識が消えていった。
気が付くと、真っ白な天井があり、何か付けられているような感覚があった。何があったのか分からず、周囲を見渡す為に、起き上がろうとする。
ガルッチ「!?」
起き上がると、そこには自分の妻であるフランドール・スカーレットが、僕の上に乗って眠っていた。
何があったのか分からず、思い出そうとするが、全然思い出せなかった。ただ、分かるのは、リリカと呼ばれる少女と話をし、忘れないでという言葉だけで、後は何もわからなかった。
けど、何故か知らないけど、だれかと戦ったというか、仇を討つために旅に出てたような?
「失礼します………………………!?」
ガルッチ「?」
「先生!!!!!先生ェェェェェェェ!!!!患者が、患者が起きました!!!」
ガルッチ「患者?」
「んっ、んんん〜………………。」
さっきの大声か、フランが起き上がった。
フラン「もう、一体どうし………………!!」
ガルッチ「フラン………………。」
フラン「あ、あぁぁぁ………………………!!!」
ガルッチ「えっと、僕………………何が起きたのか分かんない────」
フラン「ガルッチが起きたァァァァァァァァァァ!!!!」
フランもフランで大声をあげて、泣きながら僕を抱き締めた。一体僕は、何が起きたのか、誰か教えてほしいほど、混乱していた。
しばらくして、ここが病院だとわかり、何故ここにいるのかを説明してくれた。
何でも、家族と一緒に山に行ったところで岩雪崩が発生し、僕が家族を庇った時に頭に直撃したらしく、意識不明の重傷を負ってたらしい。
下手をすれば、このまま植物状態になってたか脳死の可能性があったとかなんとか。
「正直、目が覚めたとは予想外です。奇跡に近いようなものですよ?」
ガルッチ「そう………………なのか………………。」
フラン「そうよ!!貴方が死んじゃったら、私………………………私………………………!!!」
ガルッチ「一体、どれだけ眠ってたんですか?」
「ざっと、十数年ぐらいかと。筋肉は衰えていると思ったのですが、見た感じそういった事がないようですね。」
「きっと、奥さんが懸命にマッサージをしていたおかげだと思います。夫思いなんですね。」
ガルッチ「そうだったのか。」
「ところで、何故涙を流しているのですか?」
ガルッチ「え?」
あれ?何で僕、泣いているんだ?フランを見た途端、嬉しい気持ちが溢れ返ってきて………………?分からない、わからない筈なのに、フランを見ていただけで、『生きてて良かった』って思っちゃうのは、何で?
フラン「ガルッチ?」
ガルッチ「………………………ッ!」
「えっと、先生。」
「そ、そうだな。暫く、席を外します。退院の話は、また後で話しますので。」
医者たちがいなくなるも、それに気にせず、フランを抱きしめ続けた。
フラン「どうして、貴方も泣いているの?」
ガルッチ「分かんない………………。分かんないのに、分かんないのに………………、君が生きてて、良かったって、思って………………!!」
フラン「………………もう、貴方が守ってくれたお陰で、私は生きてるんだから。大丈夫、私はここにいるから。」
ガルッチ「フラン………………!」
その後、僕がまた眠るまで、ずっとフランの名前を呼びながら泣いていた。その翌日、医者から何もなければ明後日退院していいと言われ、何事もなく退院し、我が家に帰った。
フラン「ガルッチ?何だか凄くやりにくいけど………………。」
「帰ってきて早々ベッタリだな。ガルッチ。」
「どんだけフランの事がゴハァ!?」
ガルッチ「うるせぇ、黙ってろカイザー、アル。」
アルファス「酷くねぇか!?せっかく退院祝に酒買ってきたのに!?」
カイザー「仕方ねぇさ。今ガルッチは、フランニウム不足で、暫くくっつかなきゃならね────」
ガルッチ「カイザー?マジで黙れって言ってるだろ?」
フラン「はいはい、喧嘩しないで。おつまみも用意してあるから。」
っとまぁ、そんなこんなで友人達とワイワイ騒いだあと、2人が酔っ払いながら帰っていき、少しほろ酔いになった僕達はそのまま部屋に入り………………。
『バサッ!』
フラン「ぁぅ………………。///」
ガルッチ「フラン………………、やっと二人っきりに………………。」
フラン「ガルッチ………、何だか凄く積極的………………。///」
ガルッチ「十数年ぐらい眠っていただけだと思うけど、何故か、数万年間君に会えなかった気がして………………。」
フラン「数万会ってなかったって………、流石にそれぐらい経ったら忘れちゃうと思うけど………………。」
ガルッチ「分かってる。分かっていても、分かっていても………………。」
フラン「………………夢で何があったのか分からないけど、貴方がこうして生き返って来た事は、凄く嬉しかったわ。もしこのまま起きなかったらって思うと、私辛くて………………。
ねぇ?貴方も私も、ずっと我慢していたし、今日は………………する?///」
ガルッチ「今日と言うより、一ヶ月いっぱい、したい。駄目かな?」
フラン「もう、しょうがないわね。………………貴方が満足するまで、付き合ってあげる。/// とことん、甘えていいからね?///♡」
ガルッチ「うん。」
そうして、僕はフランの唇を重ね、絡ませて、ずっと離さないまま幸せに暮らした。
結局、僕が見た夢は何だったのかは分からなかったが、これだけは言える。
『僕のおかげで、救えた命、変わることができた人が、いた』って事を。
そうだよね?リリカ・アイモーネ。………………そして、兄さん。できる事なら、もう一度話したかった。
けど、見てて。今度は失わせない。フランを、必ず守ってみせるから。
夢の内容は、もう覚えていない。けど、もう二度と、
Another End
ー始原の城ー
これで、ガルッチの方はハッピーエンドになったな。後は、エデンだけ………………。
そろそろ、このガシャットとお別れかな?
【オーターズノベルZ!】
………………もしもの為に、エデンにこれを渡せば、奴らに対処できるはず。ずっと使い続けた僕が言うから、間違いない。
束!
束「はいはい?」
このガシャット、エデンが起きて君に会ったら、それを渡してあげて?
束「いいけど、これなんのガシャット?」
エデンの切り札になり得るものさ。
ってなわけで、次作の予告を書いてこの作品を完結にしようと思います。最後まで見ていてください。