Subterranean Electron World 作:深緑 風龍
-衛宮邸-
翌日の夜、ガルッチは同盟していない陣営に矢文を届けた。時臣に関しては、キャスター討伐後の夜に、言峰によって暗殺され、ギルガメッシュを手に入れる。
要するに、新アーチャー陣営として、再び参加することになった。よって、ライダー、新アーチャー陣営はその矢文を受け取る。内容はこうだ。
『明明後日、冬木市公民館の周辺(冬木大橋を含め)にて聖杯戦争を終わらせようでは無いか。
無論ライダーには最初、冬木大橋にてアーチャーと戦ってくれ。』
まぁ要するに、決戦場所は原作通りって事だね。そしてガルッチは、その矢文を放った後衛宮邸に向かい、衛宮切嗣に会いに来た。
もしもの為に、此方も起源弾が入ったサブマシンガンのVz-61こと『スコーピオン』とリボルバーのS&W M500の2丁を持ってきていた。
ガルッチ「(居るかな、切嗣。一応伝えるだけ伝えないと…………?)」
中には全く居ないと言わんばかりの静けさだけだった。だが………。
『カチャッ』
ガルッチは事前に用意したリボルバーを抜き、後ろを向いて構えた。そこにはキャリコを構えた衛宮切嗣がいた。
元よりガルッチは、聖杯戦争の頃の衛宮切嗣とは相容れぬ者だと分かっている。9を救うために1を切り捨てる衛宮切嗣と、1を守るために9を殺すガルッチとでは、相性が悪すぎるのだ。
切嗣「わざわざそっちから来てくれるとは、此方は想定外だったな。」
ガルッチ「こっちは今戦うつもりはないんだけど?ちょいとあることを伝えに来た。」
切嗣「どうだか、こんな絶好の機会逃すわけがない。よくもまあ、この僕を惑わせてくれたな。おかげでこっちの計画が何時も想定外だ。」
ガルッチ「ツキが来たんじゃないのか?9を救うために1を切り捨てる者への報復を。」
切嗣「恒久平和を望んで何が悪い、血で血を争うこの世の中なんて、まるで石器時代と変わりないだろ。」
ガルッチ「それが人間の、いや生き物にとっての本能だ。血で血を争う、確かにそれは何処へ行っても同じだ。僕は人外ではあるが、それぐらいは分かる。けどそれが如何した?そんなことを気にしていたら、強くなろうという意志は出ないだろ?お互いを蹴落とし、傷付き合うのがこの世の中だ。ならばそれに乗って生き残るのがこの世の中だ。」
切嗣「お前は、平和を望んでいないのか?永遠に血で血を争う世の中になって良いと、お前は言うのか?」
ガルッチ「どうだか。そもそも平和とはどんなものだ?互いに守り合う為に武装化された平和なのか、これ以上戦わないために武器を捨てた平和なのか、またはそのどちらでも無い平和なのか。少なくとも、平和なんて人の捉え方次第さ。
まぁ、僕にとっては、どうでも良いけどね。家族や友人、仲間を守るためだったら、例え善人だろうが、大統領だろうが、殺し続ける。」
切嗣「狂ってるな。まるで狂信者みたいじゃないか。」
ガルッチ「そっちも言えた義理じゃないだろ。そんな中身もスッカスカな正義の味方なんて、反吐が出る。」
切嗣「…………なるほど、どうやら僕達は………。」
ガルッチ「最初っから相容れぬ正義の味方同士だって事だな。」
会話が終わると同時に、お互い行動を始めた。引き金を引こうとする切嗣だったが、ガルッチは左手で腹部を殴る。そのまま足蹴りをし、庭のところへ向かい、壁を作った。切嗣はその壁に向かって引き金を引く。
ガルッチ「(サブマシンガンなら、こっちも!)」
起源弾入りのスコーピオンを取り出し、ガルッチも応戦する。流石に同じサブマシンガンを持っていたのが想定外だった切嗣は、家の壁のところに隠れて戦っていた。
ただし、ガルッチが放っていたのは、先程言ったとおり起源弾入り。つまり………。
ガルッチ「起源、発動!」
弾跡から複数の剣が伸び始め、切嗣も焦った。まさか起源弾入りの銃を持っていたなんて、思ってもみなかったからだ。
切嗣「(まさか、僕と同じ起源弾を持っているなんて。だが、奴の起源…………剣か?)」
ガルッチ「(全く、こんなことならサバゲーに参加するべきだったよ。いや、殺す事が目的じゃなかったな。)」
切嗣「(こうなれば、こっちも起源弾を使うしか………。)」
ガルッチ「(ならば、これを使うか。スモークグレネード!)」
ガルッチは投影魔法でスモークグレネードを複数投影させ、投げつける。
切嗣「(っ!?グレネード!?)」
しかし爆発はせず、代わりに煙が出て来る。それがスモークグレネードだと気付くのが遅くなって、煙を吸い込んでしまい、思わず咳き込む。
ガルッチ「Timealter hexagon Accel!!」
そして切嗣が目を開けたときには、既に銃はなく、しかもぶっ倒れた状態となっていた。そしてその隣には、紙があった。紙にはこう書かれていた。
『明後日、冬木市公民館にて決着をつける。セイバーでも連れて、ランサー、バーサーカーを相手にするが良い。
まぁ、あんたが何をしようが、僕の仲間が妨害するだけの話だけどね。』
切嗣「……………絶対に潰す。」
ただそれだけだった。
だが彼は知らなかった、その日こそ、本当の地獄を見ることに、そして永遠の地獄を味わうことになるなんて、思いもしなかった。
-冬木市上空-
ガルッチside
よし、これでOK。後は帰るだけだな。って、あれは言峰かな?あの様子だと、アイリを殺した後か。
しかし……………。
ガルッチ「僕はとんでもない奴を相手してばっかりだな…………。ちょっと、未来予知でもするか。遠い未来に…………。またとんでもない相手を─────」
だが、僕が見えたのは一瞬だった。多数の人外…………いや、ノアと同じぐらい比較することは出来ないほどの奴ら、それらと戦ってる僕。
ただそれだけだった。
ガルッチ「……………それ以上は見えない。と言うことは、其奴らが最期の相手か、または…………。」
『全ての運命を別ける戦い』か。何故か知らないけど、そう思ってしまう。あの様子だととんでもない戦いを挑んでるのかもな。
イフ『まさか、TOAA達と戦う未来を見るとは。しかもガルッチ、あの姿は一体…………。』
ガルッチ「……………すまないが、それは分からない。ただ、分かるのが、あの戦いこそ、僕の死期かもしれないな。」
イフ『死期?』
ガイア『おいちょっと待て、まさかとは思うが、死ぬのか?』
ガルッチ「…………これ以上の未来が見えないって事は、恐らくそうだろうな。正直、怖いさ。けど、死期は迫ってくる。…………だったら、いやでも立ち向かうしかない。」
イフ『それが、1人だったとしてもか?』
ガルッチ「………………そうなるかもな。」
イフ『お前という男は…………。』
ガルッチ「少なくとも、そうなったらそうなったで、最後の最後まで、信念を貫き通すだけだ。」
……………だが今は、この『ゲーム』をクリアする。そっちを優先しないと。
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