※この作品はR-18です。

神器なき男 (再編集版)   作:もっち~!

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GWは大騒ぎ Part1

 

待ちに待ったGWだが、僕は今回、あるイベントのため、遠出に行けない…トレーニングルールでは、ヴァイラの指導の下、眷属ごとのレーティングゲームをしたり、邪龍と殺し合いをしたり、様々な鍛錬をしている。ここは今や、4つの眷属の合同鍛錬所と化していた。

 

みんな色々な能力が開花していて、チートな者もいるので、苦情も多い。

 

「シュウ、ヴァーリの新しい能力がチートすぎるだろ?」

 

と、イッセー。

 

「あぁ、あれねぇ。ゲームになれば制限がかかると思うよ」

 

「なぁ、ギャスパーの新しい能力ってチートだろ?」

 

っと、匙。

 

「バロールモード?あれもゲームでは制限かかると思うけどね」

 

「お前が一番チートだろ?」

 

っと、クロウ…ちょっと待て!

 

「邪龍には、言われたく無いよ」

 

公式ゲームになれば、制限がかかる者が多数いそうだ。僕的には、白音が一番チートだ。猫耳モードで甘える顔をされると、僕の戦意がまったく無くなるし。これは制限がかからないと思うので厄介だ。グレモリー眷属戦は要注意だな。

 

------

 

突然、僕は病院に転移させられた。涙目のお義兄さんが抱きついてくる。

 

「産まれたよ~。男の子だぁ~♪」

 

大変喜んでおられる魔王サーゼクス様。

 

「私は姪っ子が出来たよ~。シュウ君、ありがとう♪」

 

大変喜んでおられる魔王セラフォルー様。バカおじ、バカおばの誕生か?

 

そうか、無事に産まれたんだ…あっ、命名の宿題、どうしよ~。忘れていた。僕は、咄嗟に考える。

 

「リアスの子はガイア、ソーナの子はシルキーでどうですか??」

 

咄嗟に考えた結果を二人に伝えた。何の疑いも無く、二人とも頷いている。了承でいいのかな?僕は二人の病室に連れて行かれた。うん?同室なんだ。

 

「産まれたよ~♪」

 

リアスは元気いっぱいだ。

 

「卵だった?」

 

「ちゃんと、子供を産みました!」

 

「おめでとう~」

 

リアスに祝いの言葉を投げた。

 

「シュウ君の子供を、無事に産みました」

 

ソーナは喜びをかみ締めているようだ。

 

「ソーナは大丈夫かい?」

 

ソーナの頭を優しく抱きしめて、彼女の具合を心配する。

 

「ねぇ!ソーナとの扱いの差が気になるけど」

 

リアスが文句を言ってきた。

 

「いつも言っているだろ?リアスは特別扱いだよ」

 

リアスは『特別扱い』って言葉に弱い。それが例え悪い方であっても…

 

「そうそう、命名したよ。リアスの子供はガイア・グレモリー。ソーナとの子供はシルキー・シトリーだ。どうかな?」

 

「絹のような女の子ですね。気に入りました。ありがとうございます」

 

ソーナは気に入ってくれたが…

 

「外野?なんか恵まれない名前なんだけど…」

 

リアスはぶぅ垂れている。コイツ、性格とか頭以外に、耳も悪いのか?

 

「お前、退院したら、グレイフィアさんに幽閉されていろよ!!外野じゃなくて、ガイアだ!大地って意味だよ」

 

「あぅ…また、やらかしてしまった」

 

凹むリアス。でも、リアスのこの表情は大好きだよ♪

 

「リアス、幽閉決定ね!もう少し雑学も学びましょうね」

 

グレイフィアさんから、幽閉決定のお知らせが届いた。しょんぼりするリアス。そんなリアスの頭を小突く。

 

「痛っ!」

 

「元気出せよ。お前の取り柄はそれだけだろ。親が悪い部分を一杯持っていれば、子供には、そういうのは遺伝しないから安心だよ」

 

などと、支離滅裂な励ましをする。人間とは違い、産んでしまえば1週間もしたら復学が出来るみたいだ。でも、授乳させないといけないので、休み時間は家に転移して飲ませる作戦のようだ。家なら、誰かしらいるので安全だし。たぶん、お義兄さん、お義姉さんが、仕事を放棄して面倒を見ていそうな予感がするけど。あぁ、ファルビーさんが頭を抱える姿が浮かぶ…

 

僕が家に戻ると、いきなりクラッカーが鳴り響いた。あっ、懲りずにドラゴン花火している者がいる。また、あいつらは、お説教だな。ふと、見るとアーシアとトスカと白音が線香花火をしている…軽くお説教だな。はぁ~。

 

その夜は、僕の子供誕生を記念したパーティーに。なんで、おっさんがいるんだ?バラキエルさんもいるし、ファルビーさんまで。誰が声をかけたんだ?あっ、八重垣のお養父さん、お養母さんまで…

 

ここでふと、ある疑問が湧き出して来た。いつもより人数が多いはずなのに、手狭に感じられないリビング…なんでだ?僕が悩んでいると

 

「子供が出来たし、リビングの広さを倍にしておいたからね」

 

って、サーゼクスお義兄さんから説明。おい、土地はどうしたんだぁ??

 

「この一帯の土地を買い占めたから、これから先、いつでも増設が出来るよ」

 

笑顔で説明してくれるお義兄さん。はぁ?僕の家は、どんだけの広さを持っているんだ??魔王様のスケールの大きさにタジタジな僕。

 

「ボウズも、親になっちまって。どうだ、親になった実感って有るのか?」

 

おっさんに訊かれた。

 

「まるっきり無いです。子供とまだ会っていなし」

 

会っていないのに、実感なんか無い。担がれている可能性だってある。この人達なら、やりかねないし。

 

「なんだ、会っていないのかぁ?」

 

おっさんの言葉に、頷く僕。

 

「サーゼクス、どういうことだ?」

 

「いや、僕の家族と両親は会っているんだけど、シュウ君に会わす時間が無くてねぇ。僕らで面会時間を使い切っちゃったよ。ごめんな、シュウ君」

 

申し訳なさそうに、頭を下げる魔王なお義兄さん。

 

「いいんです。気にしないでください」

 

宴会は盛り上がっていた。しかし、僕はこっそり抜け出して、屋上で夜風に当たりながら、夜空を見ていた。

 

ふいに後ろから声を掛けられた。ヴァイラだった。

 

「どうしたの?」

 

僕に優しく話し掛けてくれる彼女。

 

「うん?いや、僕を産んでくれた両親をね、思い出しちゃってさぁ。今、どこにいるんだろうって」

 

「小さい時に、捨てられたんだよね?」

 

「うん。家族を卒業したって。これからはそれぞれの人生をって」

 

「顔とかは覚えているの?」

 

「忘れちゃったよ。あれから色々あったからね…僕が産まれた時に、親はどう思ったのかな」

 

「喜んだんじゃないの?」

 

「そうだといいねぇ。そうであって欲しいと言うべきかな」

 

ヴァイラの口が、突然僕の口を塞いだ。ヴァイラの温もりを感じて幸せな僕。満天の星々が僕達を祝福しているように、光輝いていた。

 

------

 

出産した次の日には退院?早くないかぁ?えっ、悪魔だと、こんな感じなのかぁ。

 

「人間とは違いますからね」

 

僕の疑問に答えてくれたグレイフィアさん。

 

「そういうものなら、安心です」

 

僕は今、サーゼクスお義兄さんの家にいる。リアス一人で子育てできるか不安なので、経験者のグレイフィアさんがいるこの家で、しばらくリアスは教育されることに。リアスは授乳中で、隣の部屋で子供と二人でいる。

 

「リアスに子育て出来るか、とっても不安なんですけど」

 

僕は本心をグレイフィアさんに伝えた。

 

「大丈夫よ。私もいるし、朱璃さんもいるんだし。リアス一人では相手させないから」

 

うん?やはり、リアス一人だと危険が一杯なんですね?

 

「リアスのこと、面倒をかけっぱなしで、すみません」

 

「いいのよ。気にしないでね。また、あの部屋で遊んでくれれば問題ないから♪」

 

なんか、怖いことを、さらっと言われたような…聞かなかったことにしようっと。

 

「ソーナの方も行かないといけないので、これで失礼します」

 

僕はサーゼクス邸を後にして、僕の家のリビングを経由して、セラフォルー邸に向かった。

 

そして、シルキーを抱いた。ソーナ似で、かわいい女の子だ。あっ、そういえば、ガイアとまだ会っていない。まぁ、いいっか。うん?お義姉さんが僕を見ている?

 

「ねぇ、私も子供が欲しいよ~、シュウ君」

 

そんなことを言われても…って、いうか実の妹のソーナの前で言う?そこの魔王のお義姉さん…

 

「ソーたんだけなんて、ずるいよ~、シュウ君」

 

僕がタジタジしているところを見て、ソーナが助け船を出してくれた。

 

「お姉様、シュウ君を困らせないでね。私の旦那様なんですから」

 

「じゃあ、私の旦那様にもなってよ~、シュウ君」

 

ソーナのやんわりとした拒否の言葉を、曲解して理解したお義姉さん。

 

「魔王様と結婚は無いなぁ」

 

魔王との結婚…お義姉さんと前例は作りたく無いって言うのが本音だ。

 

「わかった!サーゼクスに言って、魔王を辞めて来る♪」

 

そう言うと、ドアに向かって走り出したお義姉さん。いや、そんな理由で、魔王って辞められないと思うんだけど…

 

「ごめんなさい。私のお姉様、言い出したら聞かないから」

 

確かに、話の内容を正しく聞いてくれないみたいだ。

 

「ソーナ的にはどうなの?」

 

「シュウ君とお姉様?出来るなら、お姉様のワガママをきいて欲しいかな」

 

はぁ?あの姉あって、この妹か?

 

「お義姉さんと同じ旦那でもいいの?」

 

「いいってことでは無いけど。他の人に取られるよりは、まだいいかなって」

 

「考えてみます。でも、あまり期待はしないでねぇ」

 

「シュウ君の無理の無い範囲で、かまわないですよ」

 

僕は今後の課題を抱えて、家に戻った。

 

---

 

屋上で考え事。何かが引っ掛かっている。何だろう??親の事だと思うんだけど…どこかで手がかりを聞いたような…どこだっけ?はて?

 

しばらく考え込み、記憶を思い返してみた。そうだ、バチカンだぁ!僕が振り返ると、心配そうなヴァイラと白音とアーシアがいた。

 

「まだ、シュウを捨てた親のことを考えていたの?」

 

ヴァイラ…

 

「お兄様の気が乱れています。大丈夫ですか?」

 

白音…

 

「私に出来ることがあれば、なんでもおっしゃってください」

 

アーシア…

 

心配してくれる三人を見渡して

 

「大丈夫だよ。ちょっと、バチカンに行ってくる」

 

「一緒に行きますよ。私はあなたの守護する者ですから」

 

「私も行きます。気の回復役は必要かもしれませんから」

 

「私は…」

 

役目が見いだせないで、アタフタしているアーシア。

 

「アーシアも来てくれ。あと、ガブとアポも連れて行こう」

 

僕達6名はバチカンへ転移した。

 

----

 

目の前に、ストラーダさんがいる。

 

「僕の親の事を、知っていますよね?」

 

いきなり、本題に入る僕。

 

「何を根拠に言っているのかね」

 

少し狼狽え気味のストラーダさん。

 

「大聖堂で、僕の祖先を確認出来たって、おっしゃいましたよね?」

 

「あ…それは…」

 

ストラーダさんは、自身のされた失言に気づいた。

 

「僕の親が、わからないと遡れないと思いますが」

 

ストラーダさんは観念したようだった。

 

「わかった。話そう。機密事項なんだが…」

 

僕の後ろにいる者を見て

 

「後ろの者は?アーシアもいるのかね」

 

「お久しぶりです。ストラーダ様」

 

アーシアが挨拶をした。

 

「僕の家族です。同席しても、問題はありません」

 

「そうか。結論から言うと、シュウ君の父親は存命している。母親は残念ながら、もう旅立っている」

 

「そうですか…アレの血筋は父親ですか?」

 

「いや、母親の方だ」

 

本棚から1冊の分厚い本を取り出したストラーダさん。

 

「この家系書に出ている。」

 

本の初めの部分は黙示録の原書が載っていた。その後に、歴代の血筋の者の名前がずらりと書いてあった。一番最後に、僕の本当の名前が書かれていた。僕の1つ前には僕を産んでくれた母親の名前が記されて、バツ印がつけてあった。これって…

 

「代々、君達の一族を見張る者がいたのだ。その一族によって、この書は書かれた。君の母親はその一族の者と一緒になり、君を産んだ。だがなぁ、その一族の者と一緒になることは禁忌だった」

 

ストラーダさんの重い口から、真実が語られ始めた。

 

「僕はイレギュラーな存在?いてはいけない存在ってことですか?」

 

「そうだな。我々教会としては、生かしておいてはいけない存在…だった」

 

「そんな…」

 

僕の存在意味…サマエル達に必要であれば、当然敵対勢力に取っては…わかっていたことだ。だけど…母さんは僕のせいで…

 

「教会の精鋭部隊が迫ったことを知った君の両親は、君を無関係な別の人に保護してもらうために、あえて君を捨てたようだ。そして君の両親達はオトリとして時間稼ぎをしたのだ」

 

僕を捨てた本当の理由…そんなのって…

 

「家族を卒業って…家族として維持が難しくなったから??」

 

僕は初めて知った。産んでくれた両親の愛を。恨みはしてなかったが、心の片隅に追いやっていた記憶の数々。僕は泣き崩れた。心が、オーラが暴走していく…そんな僕を白音、アーシア、ガブ、アポが、それぞれの癒やしの力で、僕を支えてくれたおかげで、暴走はしないで済んだ。

 

「君にとって、つらいことだろうけど、事実だ。シュウ君。母親は逃げ切れずに、粛正された。父親は逃げきって、今も存命しておられるはずだ」

 

えっ?教会の戦士に母親を殺された??

 

「アーシアの件といい、教会の上層部は膿だらけだ。古い慣習などに囚われすぎなんだ。すまない。私が知ったのは、君と知り合って、君のことを調べ始めてからなんだよ」

 

ふと、嫌な予感がわき上がる。

 

「その時の精鋭部隊のリストありますか?」

 

「ここにある。本当に済まなかった、シュウ君」

 

僕はリストを見た。そこにはストラーダさん、クリスタルディさん、そして…八重垣の養父さん、イリナの父親の名前があった。

 

そんな…

 

「アレを継ぐ者は、知恵の精霊が宿ると言われる『世界不思議大辞典』を所持している。ただ、初代と同じ能力が無いと、その本は読めないと言われていたのだ。君はあの本を読んで、初代の見た謎のビジョンを解いて、天界を解放したのだ。私は君が存在してはいけないとは思わない。むしろ、存在すべきなのだ」

 

っと、ストラーダさんが言うが、

 

「でも、父さんと母さんは…」

 

「君は心の発育が不十分だと思う時がある。君の心は不安定だ。幼稚な時もあるし、暴走することも多いし。多感な時期に両親がいなかったからね。すまなかった。上に言われるまま、教会は正義だと思っていたから」

 

申し訳なさそうに言うストラーダさんの隣に、サマエルが出現した。

 

「すまない。我々天界の内紛で、シュウには迷惑をかけ通しだった」

 

「もう、いいです。僕は…僕はもう魔物ですから、家族なんか持っちゃダメですよね」

 

僕は、一人になれる場所に転移した。

 

-------

 

暴走したオーラを放出したら楽になった。僕は記憶の中を彷徨っている。あぁ、やっぱり思い出せない。一度、父親の故郷にいったはずなのに。どこだったかな。僕は誰もいない宇宙空間を彷徨っている。魔物になったので呼吸出来無くても、真空でも、極寒、灼熱でも生きられる。こんな人間とは思えない姿を、父さんに見せていいだろうか?このまま、消えたい…

 

 

 

---ヴァイラ---

 

彼の心は真実に耐えきれなくなって、今、暴走状態だと思う。でも、暴走する前に転移したと思うので、人気のない場所に転移しているはず。暴走状態の被害を出さない為に。私はそう思いたい。

 

「シュウの家族よ。すまない。彼の心を追い込んでしまって…私はどう償えば良いのだろうか?」

 

見ているのがつらい位に、苦悩しているストラーダさん。

 

「生きて、教会の改革してください。これ以上、むやみに犠牲を出さないように」

 

「私のような者を出さないでください。お願いします」

 

私に続いて、アーシアが願いを言う。

 

「私達の天界のせいで、すみませんでした」

 

ガブリエルも謝るのだが、それよりも…

 

「シュウを探さないと」

 

サマエル様の声で、今しないといけないことが、皆に伝わった。私達は、行動に移した。

 

 

 

---シュウ---

 

まだ会っていないけど、ガイア、元気に育てよ!

 

 

 

---ヴァイラ---

 

バチカンから家に戻った。途中、アポは次元の狭間に、ガブは天界に手がかりを調べに行った。白音さんが黒歌さんを見るなり、泣きついた

 

「私が傍にいたのに、お兄様を護り切れなかった…」

 

黒歌さんは優しく抱きしめ、頬をすりあわせた。ヴァーリ達、外遊経験者達は、世界の辺境に散らばった。私達の家の慌ただしさに気づいて、サーゼクス様が顔を出された。

 

「どうしたんだい?臨戦態勢を取って、どこへ次々転移しているんだ?」

 

私はバチカンでの出来事を、サーゼクス様にお話しした。

 

「何だって?シュウ君の母親は、教会に粛正されていたって??あいつ…ミカエルのやつは、とんでもないことをしていたんだな」

 

「ミカエル様が?」

 

「あぁ、ミカエルが事実上の教会のトップだったからね。リーアになんて、話せばいいんだ?まだ、シュウ君に子供を会わせていないのに」

 

「えっ!シュウは子供にまだ会っていないんですか?なんで??」

 

サーゼクス様の言葉に驚く私。なんで、まだ子供に会っていないんだ?

 

「タイミングが悪くてね。僕の両親が独り占めしているとか、授乳中とか。とにかく彼には会う時間が無かった。はぁ…」

 

溜息を吐きながら、サーゼクス様は、自室に戻られて行った。こういう場合、彼はどうしただろう?記憶を辿る。そうだ!アザゼルさんに、会いに行かれることが多かったわ。

 

 

 

---アザゼル---

 

突然、シーグヴァイラが俺の部屋に転移してきた。ボウズが大変なことになっていると言う。一人になれる場所にいるというが、俺にも見当がつかない。

 

「そういや、さっきなぁ、宇宙から膨大なオーラを、観測したって報告があったぞ。なんかの前触れか??」

 

「宇宙から?」

 

シーグヴァイラは思考の海に潜って…突然、転移していった。どうしたんだ?

 

 

 

---ヴァイラ---

 

外に出ている者全員に、会話用魔法陣を開く。

 

「宇宙から膨大なオーラを観測したそうよ。たぶん、シュウの暴走状態のオーラの可能性が大きい。誰か、宇宙を探査出来る人っていない?」

 

誰からも返事はなかった。宇宙は夜空として近くに見えるけど、実際はものすごく遠いし、生きて戻れる保証は無い。悪魔も、ドラゴンも、堕天使も、天使も…

 

 

 

---イッセー---

 

「なぁ、ドライグ。宇宙に俺達は行けるのか?」

 

俺は内なる龍に話し掛ける。

 

「たぶん、無理だな。そんな上空まで飛べないし、そもそも、イッセーが死ぬだろ?」

 

あぁ、俺が死んだらダメだよなぁ。

 

 

 

---シュウ---

 

この宇宙に比べたら、僕なんかノミの糞だよなぁ。広いなぁ。宇宙って端っこどうなっているんだろうか。うん?目の前に動く黒い物体が近づいてくる。なんだろう?

 

「我 シュウ 迎えに来た。帰ろう 我達の家に♪」

 

オーフィスからの念話…迎えに来てくれたんだ。こんな僕の為に…

 

 

 

---ヴァイラ---

 

ダメ元で、通称ガラクタ倉庫、シュウ専用の不思議な物の入った倉庫を物色する。宇宙に行けるための道具を探す為に。倉庫の奥に棺桶のような箱を見つけた。シュウの文字で「シーグヴァイラへ」と書かれている。私はその箱を開けた。中には青いバトルスーツが入っていた。蓋の裏に説明書が貼ってある。これは…これなら宇宙も行けるが、今使う物では無いみたいだ。私と、いつかはするはずの新婚旅行の為のお揃いのバトルスーツ。今使ったら怒るだろうな。でも私は迷わず、バトルスーツを装着していた。

 

そして、2階のベランダから空へ飛んだ。そのまま上昇を続ける。だんだん空が暗くなっていく。月が大きく見える頃、その隣に黒い大きな物体と見覚えのあるオーラを纏った物体が近づいて来た。私は彼らに近づいていく。すると、念話が聞こえてきた。

 

「ごめん。ヴァイラ、それを見つけちゃったのかぁ。サプライズに使うはずだったのに残念」

 

少し凹み気味のシュウ。

 

「これ、宇宙でも大丈夫って、書いてあったから」

 

「いつか、二人で宇宙から、この星を一周しようかと思ってね」

 

「期待して待っているから♪」

 

「あぁ。そうだ、オーフィスも一緒でもいいなぁ。どう、オーフィス?」

 

「我 一緒に 飛ぶ」

 

「了解!」

 

三人で私達の家を目指して降下していった。

 

 

 

---アザゼル---

 

宇宙から飛来物体があると報告を受けて、観測をしていると…おいおい、お前らかぁ。お帰り、ボウズ♪

 

 

 

---ヴァイラ---

 

私達が屋上に着くころに、私達の仲間が屋上に集まっていた。宇宙から帰還した私達を、みんなが笑顔で迎えてくれている。

 

 

 

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