学校に行く前に、シルキーの顔を見に行く。ガイアは僕の知らない間に、グレモリー家で面倒を見るとかで、グレモリー卿に持って行かれたので、未だに会っていない。
僕達のクラスに転入生が1名。ソーナだった。僕達はみんなで歓迎した。本来は一緒に復学の予定だったリアスだったが、子供を冥界に拉致されたから、授乳の為に里帰り中である。
放課後、ソーナは生徒会に復帰しに、生徒会室に向かった。でも何故か、僕は理事長室に呼び出された。
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理事長室には、お義兄さんと、アジュカ父さんがいた。
「なんか、遭ったんですか?」
呼ばれた理由を訊いてみた。
「シュウ君、大事な報告が有るだろう?」
お義兄さんに訊かれたのだが、心当たりが無く、
「僕はまだガイアに一度も会ってませんとか?」
「え?無いのか?僕はあるよ。かわいい孫が出来て嬉しいよ」
え?父さんは会ったのか?なんで…僕だけ会っていないんだ?
「父さんは会ったんですか?お兄さん、なんで僕は会えないのですか?」
お義兄さんは困った顔をして
「なんでと言われても、タイミングが合わないとか」
「案外、グレモリー卿の策略だったりしてね」
「それは…」
お義兄さん、否定しないのね。あのじじぃめ!まぁ、それならそれで、リアスとは結婚しないってオプションは産まれるかな♪
「今日呼んだのは、その件では無いよ。君の出生の話。なんで、僕らには話してくれないのかな?」
あぁ、そっちねぇ。僕が実の息子と会えないのは、些細な事なのか?
「僕は天使と鬼のハーフでした…とか」
「それは、すごい組み合わせだなぁ。あ、だから、君には神器が無いのかもな」
目を輝かしているお義兄さん。
「と言うことは、ガイアも神器は無いってことだよね」
冷静に理解をしている父さん。グレモリー家の目論みは、はずれたか?
「まぁ、神器なんか要らないな。心強い仲間がいるもの」
「そうだな」
父さんが返事をしてくれたのだが、何か、落ち込んでいるお義兄さん。
「父さん、この前、はぐれ堕天使とやりあったとき、見たことない術式プログラムだったよ」
僕は1枚のメモを、アジュカ父さんに手渡した。
「確かに、見たこと無いものだな。これの用途は何だった?」
「神器所持者から、神器を取り出す、そんな感じです」
「そうか、帰ったら解析してみるよ。ありがとう、シュウ君」
僕達は落ち込んでいるお義兄さんを残して、理事長室を後にした。
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夜、セラフォルーお姉さんの家で、シルキーを寝かしつけていたら、リアスから連絡が入ったと、ソーナが知らせてくれた。なんか切迫しているみたいって。
僕はヴァイラと共に、リアスの元を訪れた。
「何の用だよ?シルキーを寝かしつけていたんだぞ」
僕の言葉を聞く前から、なんか落ち込んでいるリアス。こんなリアスは久しぶりだな。
「ごめんなさい。ガイアが連れ攫われたみたいなの」
本当に申し訳なさそうに言うリアス。こんなリアスは初めてだ。いやいや、それよりも、
「はぁ?何で?この家の警備はどうなっているんだ?」
「父上が自慢げに連れ回して、話し込んでいる隙にいなくなったって」
おぃおぃ、あのじじぃ。僕はまだ一度も顔を見ていない息子に、何しやがる。怒りがこみ上げて来た。
「どこで、いなくなったんだ?」
直ぐに探しに行きたいけど…
「父上が教えてくれないので、わからない」
なんで?取り敢えず、僕はヴァイラに頼んで、頼りになる大公様に、事情を話して来てもらうことにした。
「リアスの父親はどこにいる?」
「シュウ…わからない」
「ここには、いないのか?」
「いないわ」
じじぃ、どこに行きやがった!!僕が怒りのオーラを纏い始めると、お義兄さんが現れた。
「シュウ君、すまない」
「すまないじゃ、済まさないよ!」
まだ会っていないのに…
「シュウ君が怒るのも、無理無いのはわかるが、そのオーラはやめてくれないか?」
「じゃあ、リアスの父親を、すぐに連れてきてください。どこでいなくなったかが知りたいんだ!!」
「父上の行方は、今捜している最中だよ」
そうだ!空間を斬り裂いて、家にいる者に指示を出す。
「ガイアが攫われたそうだ。悪いけど捜索に協力してくれないかな?」
「「「もちろん!!」」」
「みんな、ありがとう。ガブ、天界のシステムで、冥界から出ている微弱な天使のオーラを、探してきてほしい」
「了解!!」
ガブは直ぐに天界へと向かってくれた。
「朱乃さん、堕天使領に協力を要請してもらえますか?」
「わかりました」
朱乃さんも快く、堕天使領に向かってくれた。
「アジ、クロウ、黒歌、白音、ヴァーリ、冥界に来て欲しい。」
「「「了解!!」」」
「残りの者は待機していて欲しい。必要に応じて呼び出すから」
僕は空間を閉じた。程無くして、呼んだ5名が武装をして目の前に出現した。
「黒歌、白音は、ガイアに宿る僕のオーラを探してくれ。ヴァーリとクロウは、冥界の怪しい場所を探して欲しい。アジは僕のガードだ」
指示を出した者は、それぞれ活動し始めた。
「なぁ、冥界を危険にされさないで欲しいんだけど…」
冥界に呼び出したメンバーを見て、顔色の優れない魔王なお義兄さん。
「状況に寄るでしょ?万が一の時は、グレモリー家を恨みますよ。特に、お義兄さんの父親に対してね。産まれて間も無い子供を、自慢げに連れ回すとは、どういうことですか?悪魔にとっては、常識なんですか?」
「いや、非常識だ。ガードも無しに連れ回すなんて、ありえない」
「なら、最悪の場合も、想定していてくださいね」
僕とアジは、大公家に転移した。僕の怒りのオーラは消失させてね。
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「大変なことになったなぁ、シュウ君」
転移して直ぐに、大公様が声を掛けてきた。
「グレモリー卿の所在が不明で、ガイアも、どこでいなくなったか、不明です。こんな事って有るんですか?」
「私の知っている限り無いなぁ。いなくなった時点で、私に連絡があってもおかしくないのに、娘から初めて聞いて、驚いていたところだよ」
「父上、どうすれば良いですか?」
ヴァイラが大公様に対処方法を尋ねた。
「グレモリー卿をまず探し出して、問い詰めるしかないなぁ。サーゼクス様も知らないんだろ?」
「お兄さんも見当が付かないみたいです。お付きの者も無しで、連れ出したって」
「なんて事を…そうなると、お付きの者がいると困る場所かな?」
「例えば?」
大公様が、何かに気が付いたようなので、問い詰めてみる。
「う~む、娘の前で言いにくいが…そういう場所か、飲み屋の類いだ」
あぁ、なるほど…
「グレモリー卿って愛人いるんですか?」
「君は言いにくい事を、わかりやすく質問してくるなぁ。私はいたとは聞いた事は無いなぁ」
「愛人かぁ…それは、リアスにも、お兄さんにも言いにくい場所だよな」
ガイアの価値を考えてみる。神器を持つ可能性はあったが、その程度では価値はない。有るとすれば、あの力かぁ
「ねぇ、滅びの力を持っているとして、どこの家が欲しがるかな?」
「それは、本来持つべきだったバアル家だな。グレモリー家に嫁いだ娘の子供には受け継がれたが、バアル家の跡継ぎは引き継げなかったから…まさか?」
大公様は僕の考えに気づいた。
「可能性は1つずつ潰す。ヴァイラ、バアル家に連れて行ってくれ!」
「了解!」
アジを含めた3名でバアル家に乗り込む。
バアル家の当主に面会を申し込むも、拒否された。まぁ、どこの馬の骨か、わからない者とは会わないよな。
それに、ここでは無いなぁ。本家の城で密会は、しないだろうし。次の一手を考えていると
「シーグヴァイラじゃないか。どうしたのだ」
短い黒髪で紫色の瞳を持つ体格の良い男性が、声を掛けて来た。
「サイラオーグ・バアル!」
声の主を見て、その名を叫んだヴァイラ。
「バアル本家の者か?」
ヴァイラに訊いてみた。
「現在の跡取りよ」
跡取りかぁ…当主よりは話し易いかな?
「シーグヴァイラ、紹介してもらえるかな?」
「彼は私の婚約者のシュウ。あちらは仲間のアジよ」
サイラオーグに僕らのことを紹介してくれたヴァイラ。
「初めまして、シュウ君。サイラオーグ・バアルだ」
「初めまして、サイラオーグさん。僕はシュウ・ベルゼブブ。アジュカの義理の息子です」
サイラオーグが自己紹介されてきたので、自己紹介で返す律儀な僕。
「アジュカ様の?その方がなんで、バアル家に用があるのだ?」
「探し物です。今、可能性を1つずつ潰しているところです」
「何を探しているのだ?」
親切そうな顔で訊いてきたサイラオーグ。
「僕の息子…僕とリアスとの間の息子、ガイアです」
「リアスとの間?君はシーグヴァイラの婚約者だよな。リアスは愛人なのか?」
探し物を教えたら、急に激高し始めたサイラオーグ。そして、僕に対して戦闘モードに入った。何でだよ?
「シュウ…言って無かったけど、彼はリアスと従兄弟なのよ」
ヴァイラがサイラオーグに、僕のことを説明しようとしたが、頭に血が上った彼は、聞く耳を持たないみたいだ。流石に従兄弟、リアスに似ているなぁ。従兄弟じゃしょうがないか。僕も戦闘モードに。
しかし彼のパンチは早く、防ぐことが出来ず、僕の顔面を捉えた。痛い、いや痛すぎだろう。僕の顔の左半分が消し飛んでいく。しかし、徐々に再生をし始めたので、僕的には一安心だ。でも、事情を知らない彼の目が点になっている。
「貴様…まさか、フェニックスの血を受け継いでいるのか?」
僕の再生能力をフェニックスの血のせいだと思ったようだ。ハズレです♪
「うん?ライザーは、僕の眷属だよ」
サイラオーグは驚いている。その驚きにより、一瞬の隙が生まれた。僕はソレを逃さずに、妖刀村雨を携え、居合い抜きにより、彼の両腕を肩口で斬り落とす。地面に落ちていく二本の腕。
「なんだと、いつ切り落とされたんだ?」
落ちた音で、腕を無くした事に気づいたサイラオーグ。僕達の戦闘に気づいたのか、お城の中から、彼の眷属とか仕えている者がゾロゾロ出てくる。しかたない。
「アジ、龍化して、あっちを任せる」
「了解!」
アジが龍化し始めた。
「このオーラは…邪龍か?」
アジのオーラを読み取ったサイラオーグの顔が、更に驚いているようだった。その問いはスルーして、更に龍門を展開する。ティアさん、リヴァさん、オーフィス、アポを召喚した。皆、龍化して僕をガードしてくれる。サイラオーグは目に恐怖の色が満ちていた。攻撃しようにも両手はない。目の前には異様なドラゴンが多数。
「答えてもらおう。バアル家であなたを陥れそうな女はいるか?」
村雨の切っ先をサイラオーグに向けて、質問をした。刀身から染み出る聖水が気化して、サイラオーグを襲う。その為、徐々に苦しげな表情になっていく。
「どういう意味だ?」
「可能性なんだが、僕とリアスとの間に生まれた子供。滅びの力は、女性が持っていると遺伝しやすい気がするんだが、バアル家でそれを欲している女性、自分が生んだといいそうな女性がいるか、尋ねているのだよ」
はっとしたサイラオーグ。彼には、思い当たる節があったようだ。
「その女性の居場所を教えてくれたら、ここは何も無かったようにしてやる」
「どういうことだ」
僕の申し出の意味が分からないらしい。
「あなたの家の被害と、あなたの身体を、元に戻すと言われているのよ。あと、私は婚約者3号よ。あなたの従兄弟は婚約者1号だから、彼は騙したりしていない」
そんな僕の舌足らずな申し出を、ヴァイラが捕捉してくれた。
「お前が先に、手を出したから、こうなったんだよ。冥界が消えたら、バアル家のせいと思えよ。僕の戦力を全部呼び出そうか?」
脅し口調でいう僕。大公様の手前、穏便にしたかったけど、顔の半分をいきなり、アレは無いよな。
「おい、誰なんだ?」
「…」
再度、訊いてみたが、無言なサイラオーグ。
身内の恥は話せないか?僕は獣門を開いて、ジズさん、ベヒモスさんを召喚した。彼らも獣化して、バアル家と戦う。城は半壊状態だ。そこへ、サーゼクスお義兄さんが転移してきた。
「どうして、こんな事態に?」
両腕が斬り落とされたサイラオーグ、顔の半分が消し飛んだ僕、全壊に近づいていくバアル家のお城、そんな光景を目の当たりにしたサーゼクスお義兄さんが、訊いてきた。
「いきなりサイラオーグが、シュウの顔半分を消し飛ばしたんです」
って、再生途中の僕の顔を指すヴァイラ。
「サイラオーグ君、何でそんなことをしたんだ?冥界を消滅させる気か?」
お義兄さんが、僕の再生途中の顔を見て、怒りをサイラオーグにぶつけていく。
「魔王様!お言葉ですが、冥界を消滅?そんな事が出来る訳が無いです」
お義兄さんに対しては、強気な態度に戻るサイラオーグ。
「彼には出来るんだよ。1時間もかからないぞ。彼の仲間は、私より強い者ばかりだ」
「まさか…そんなに??」
お兄さんのカミングアウトに近い発言に、驚くサイラオーグ。
「現に、私はレーティングゲームで一撃でリタイヤだった。実戦だったら死んでいたよ」
お義兄さんのカミングアウト発言は、サイラオーグに対して、クリティカルな衝撃を与え、彼には目の恐怖の色が濃くなっていく。
「で、シュウ君、ここで何を?」
サイラオーグに向けていた怒りのオーラは消え、僕には暖かいオーラを向けてきたお義兄さん。
「お義兄さんは、知らない方がいい」
「まさか、ガイアはバアル家に??」
「それを確かめに来たのに、いきなり顔が…」
「なるほど、滅びの力狙いかぁ。サイラオーグ君は受け継げなかったからな」
お義兄さんは理解が早くて助かる。
「お義兄さんでもいいや。サイラオーグさんを蹴落とそうって、野心を持っていそうなバアル家の女性を知らないかな?」
「うん?どういうことか…まさか、父上は…」
理解が早い分、教えたくない事も理解されたようだ。
「可能性の問題だよ。まだ、確定ではないが、それなら、リアスにも、お義兄さんにも話せないし、お付きの者も連れて行けないよね?」
「そうだな。ここは、僕が受け継ぐ。リアスの傍にいてあげてくれるかな?シュウ君…」
お言葉に甘えて、お兄さんにここはおまかせする。なので僕は、召還した者達を龍門、獣門に帰還させた。アジは人化して、僕らの傍に戻って来た。ヴァイラには大公家での情報収集を頼み、僕とアジでリアスの元に向かった。
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「どうしたのよ~、シュウ…」
僕の修復中の顔を見て、リアスが驚いている。いや、普通驚くよな。再生中の顔なんか、滅多に見られないし。
「サイラオーグさんに、出会い頭に左半分を消し飛ばされた」
苦笑いする僕。
「サイラオーグ?あの野郎、私の大事で大切で愛する旦那様を…」
おぉ、なんか久しぶりに見た、闘気あふれるリアスの顔。懐かしを感じていたら、リアスの目の前に突然、会話用の魔法陣が展開した。リアスにガブから連絡があったみたいだ。魔法陣から声が聞こえる。
「見つけました。グレモリー領の古城です。位置は●●●」
位置を聞いたリアスが、
「そこは、使っていないはず。何で??」
って、疑問を持ってしまった。でも、リアスには推理した内容を話せない。なので、リアスの疑問をスルーして、僕とアジはリアスの力で、そこへ転移してもらった。