修学旅行から帰ってきて、学園祭シーズンになった。
僕らのクラスでは、何をするのでしょうか??まるで何も決まらない。最終的に決まったのは、何もしないだった。しかし、初めての学園祭を楽しみにしていた副担任だったロスヴァイセ先生に、即断で却下された。あ、担任の先生は修学旅行での生徒達の不祥事に頭を悩まし過ぎて、過労入院中であり、副担任のロスヴァイセが担任代理をしている。一応、学校内では先生とつけて呼んでいる。
桐生は体調不良で入院中。イリナはバチカンへ貞操観念を植え付けられに戻っている。イッセーは、黒歌に鍛えられているので何事も無く、相変わらずだった。
で、頭を悩ました結果、クラスで喫茶店をすることになった。ウェイトレス要員はソーナ、リアス、アーシア、ヴァイラ、ゼノヴィアで、僕は飲み物担当にされた。家で自分用の珈琲や紅茶を淹れていることを、リアスが暴露したせいで…イッセーは買い物担当で、ヴァーリはウェイターだ。
厄介な事には厄介な事が上乗せされる。学園祭の前日に、レーティングゲームがある為、少し憂鬱かな。1試合のみ開催で、冥界ではTV中継されるらしい。どこのチームになるかはまだ決まっていないようだ。僕は無いだろう。ハンディがきつくて、TV中継に耐えられないし。そうなると、学園祭のメンバーに欠員が出る予感だ。あぁ~しわ寄せはきっと、僕に来るんだろうな…あぁ、憂鬱だ…
そうだ。教室を喫茶店に改造しなければならない。僕は夜こっそり一人で学校に行き、創造の扇で、一瞬で喫茶店みたいな内装を作り出した。
翌朝、
「これって、シュウだよね」
眠そうな顔の僕を見るリアス。
「たぶん」
眠そうな顔の僕を、心配そうに見るソーナ。
「すごい。一夜でこんだけ作り込むって」
眠そうな顔の僕を、キラキラした目で見るロスヴァイセ。
みんな感心しているみたいだが、そんな眠そう僕にアクシデントが降りかかる。アジュカ父さんに呼び出されたのだ。
「決まったよ。次回はシュウとサイラオーグ君だ」
何故、僕?とんだ災難だな。
「ハンディがきつそうですね」
「そうだね」
他人事のように言う父さん。
「不戦敗でいいですか?」
「一応TV中継があるんだが…」
苦笑いしている父さん。
「この間、実質1名参加だったんですよ」
「そうだよな。あれより重いハンディだと、『参加するな』になるよね」
「でしょ?」
「試合の前日に2チームだけ招いてのTV中継がある。それに出て欲しい。そのときにルールとハンディが発表される」
そうか、そういう予定が組み込まれていたのか。う~ん…
「はぁ…気が重いです」
「頼むよ!」
父さんの頼みじゃ、断れない。
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試合前日、冥界の放送局のスタジオに、一人で向かう。一人で待つ控え室にレイヴェルが現れた。
「よぉ、レイヴェル」
「緊張されていませんか?珈琲とケーキをお持ちしました」
「サンキュー!」
二人でケーキを食べながら雑談をしていたら、時間になった。
「いってきます!」
笑顔で送り出してくれたレイヴェル。少し、晴れやか気分にはなれた。レイヴェルと別れ、僕はスタジオに向かった。スタジオに入ると、サイラオーグとその眷属達が、僕を睨んでいる。そして、オンエア開始、司会の人が淡々と進行していく。過去の戦いの映像とかを交えてね。
いよいよ、ルールとハンディの発表だ。
僕に課せられるハンディは前回同様だった。僕は一人での参戦、誰も呼べない。刀は使えない。はぁ~
ルールはさいころマッチだ。って、このルールだと僕の負けが決定だろ?サイラオーグは笑みを浮かべている。嵌められた…
「ちょっと、待った!そのルールはおかしいだろ?戦う前から、シュウ君の負けが決まっているじゃないか。実行委員よ、説明してくれ!」
お兄さん、待ったをかけなくて良いよ。僕はやりたくないんだから。
「一応、実行委員での話し合いで決定したことです。いくら魔王様でも、ゲームに関しては、口を挟まないで欲しいですなぁ」
上層部が魔王様に横柄な態度で説明した。あの野郎、屠りたい…
「ならば、子の場で、シュウ君の不戦敗で良いでは無いか?やっても無駄だろ?一人しか参加出来無いのに、一人が連続で戦えないルールでは、2回戦に負けが決まるだろうに」
「この場での不戦敗は認めません。明日、サイラオーグ君の前で土下座をして、腹切りでもしてもらいましょうか。それで不戦敗を認めて差し上げますよ、魔王様」
「…」
上層部の無茶振りに絶句するお兄さん。うん?今…おぉぉぉ~、裏技が使えるじゃん♪
「受けて立つ。弱虫小僧のビビリーなサイラオーグよ。今度こそ屠ってやる!」
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「TV局で、あんなことを言っていたが、勝てるのかい?」
心配そうにお兄さんに訊かれた。
「ハンディを見ていて気づいたんだ。1試合だけなんだよね?」
「あ!まさか…リーアとか僕も?」
僕の言葉で、顔から血の気が失せていく魔王様。
「当然でしょ?制限のひっかからない初期メンバーで臨むよ」
ノートにメンバーを書き出す。
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僕のメンバー
『王』シュウ・ベルゼブブ
『女王』ギャスパー・ヴラディ
『戦車』アジュカ・ベルゼブブ
『戦車』サーゼクス・ルシファー
『僧侶』セラフォルー・レヴィアタン
『僧侶』アーシア・アルジェント
『騎士』兵藤一誠
『騎士』ヴァーリ・ルシファー
『兵士』ルフェイ・ペンドラゴン
『兵士』黒歌
『兵士』白音
『兵士』リアス・グレモリー
『兵士』ライザー・フェニックス
『兵士』ソーナ・シトリー
『兵士』シーグヴァイラ・アガレス
『兵士』アーサー・ペンドラゴン
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「招集を掛けまくらないと」
「確かにこれなら、ハンディでの規制外だな。でも、反則級が多いなぁ」
僕のメンバー表を見て、唸っているお兄さん。
「はぁ?僕に腹を斬れって、生放送のTV放映で言ってのけたんだよ。これくらい認めないと。当日、メンバーを次々に却下して立場が危うくなるのは上層部でしょ?それに反則級が多いのではなくて、反則級ばかりだよ。イッセーはワザの制限が無いし」
「おい、TV中継されるんだそ?」
驚いているお兄さん。冥界のTVにもNGな物があるそうだ。例えば、イッセーの『洋服崩壊』とか『桃色天国』とか『乳語翻訳』とか…イッセーの技の殆どだけど…
「そんなの上層部の責任でしょ?ねぇ、そうでしょ!」
「まぁ、そうだな」
僕の気迫に負けたお兄さんであった。
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「一緒に戦えて嬉しいぞ」
喜んでいるライザー。
「楽しそうな戦いになりそうですね」
楽しそうなアーサー。
「シュウ君の為なら、お姉ちゃんはがんばるよ!」
意気込むセラフォルー。
「ついにこのメンバーでやるとはなぁ」
ワクワク感が漏れている父さん。
「魔王はゲームに口出しは出来無い。でも、参加しちゃダメって、言って無かったもの」
「そうだなぁ、やるからには勝ちに行くよ」
ヤル気満々なお兄さん。
「『兵士』はプロモーションで『女王』で戦ってくれ」
「「「了解!!」」」
---アザゼル---
「デビュー前の若手チームによる全勝同士の対戦。私は実況担当のナウド・ガミジンです。今日の試合はここ空中都市アグレアスにて行われます。プロ同様のゲームとあって観客席は超満員となりました。本日の解説はグリゴリの総督のアザゼルさん、ゲストコメンテーターは帝王ディハウザー・ベリアルさんです。お二方よろしくお願いします」
実況担当のナウドに紹介されて、俺とディハウザーはカメラに向けて、お辞儀をした。
「本日のゲームは、サイコロの目の合計で、試合に出られるメンバーが、変わる形式の戦いとなります。『兵士』は1、『騎士』『僧侶』は3、『戦車』は5、『女王』は9で計算されます。『王』の価値は実行委員会で試合前に発表があります。しばらくお待ちください。で、ディハウザーさん、今日の見所は、どのあたりでしょうか?」
「純血悪魔の若手では、最強といわれるサイラオーグ君がどこまで、私の従兄弟の息子のシュウ君についていけるかですね」
帝王の関係者って知らなかったのか、会場中がどよめいているぞ。
「え?帝王の関係者なんですか?」
ナウドも驚いているし…予習不足だぞ、まったく…
「そうですよ。プロの試合で転々と移動をしていて、最近は逢えないかったけど、今日、彼の成長ぶりを見られるのが嬉しいです」
「アザゼルさんは、知っていましたか?」
「もちろん!」
「では、アザゼルさん、今日の見所はどんなところでしょうか?」
「シュウの軍師としての采配ですね。策士ですから。ここまでのハンデ戦を乗り越えて、今回の対決に登り詰めていますから。今回のゲームでのハンデで、サイラオーグ君の価値がわかるってものでしょう」
俺とディハウザーは、シュウサイドなのを知らなかったのか?
「やっと、実行委員会から『王』の価値が発表がありました……ちょっと、おまちください。確認します。……う~、サイラオーグ君は12、シュウ君は13です。シュウ君は高評価です?」
「おい!ちょっと待て!それって、シュウは出場出来無いじゃないか?」
俺の言葉で、会場からもブーイングが飛んでいる。当然だ。サイコロの目の合計の最大は12なんだから。やるなぁ、実行委員会よ。でも、シュウはそこまでは読んでいたぞ。ふふふ♪
「それって、嫌がらせですね。純血悪魔が勝てるように。これでは夢や希望なんか与えられない。上級悪魔を目指しようにも、その前に潰されちゃいますよね。上層部の利権のたまり場っていわれますよ。脱退して、別団体でも作ろうかな?」
帝王による上層部への批判、シュウの作戦通りだ。腹黒さは上層部より、シュウの方が上手なんだぞ。今回のゲームはサイラオーグを屠ることよりも、上層部への不信感を植え付けるのが主目的だ。
「では、両チームの入場です」
ナウドは何事も無かったように進行している。さすがプロの実況アナウンサーだな。シュウの仕掛けは、これだけで無いからな。覚悟しておけよ、上層部よ。
「まず、サイラオーグ・バアル君とバアル眷属の入場です。メンバーは、
大王バアル家次期当主『王』サイラオーグ・バアル
「番外の悪魔」アバドン家の出身『女王』クイーシャ・アバドン
「元72柱」ブネ家の末裔『戦車』ラードラ・ブネ
「元72柱」バラム家の出身『戦車』ガンドマ・バラム
「元72柱」サブノック家の末裔『僧侶』ミスティータ・サブノック
「元72柱」アンドレアルフス家出身『僧侶』コリアナ・アンドレアルフス
「元72柱」クロセル家の末裔で魔法剣士の『騎士』リーバン・クロセル
馬を司る一族出身の『騎士』ベルーガ・フールカス
『兵士』レグルス
です。いかがですか?アザゼルさん」
「『元72柱』が多いですね。いかにも、上層部の好きそうな悪魔の色合いが、濃いチームかと思います」
「続いてシュウ君の入場です」
シュウは一人だけ入場した。そしてTV局のマイクを持っている。前もって、レイヴェルが用意したものだそうだ。
「上層部の方々の決めたハンデにより、僕はゲームにすら参加出来無くなりました。そこにいるビビリーなサイラオーグの思惑通りの展開で、少し腹が立ってます」
シュウの声が会場とTVのスピーカーから響き渡る。
会場からも『そうだ!そうだ!』という声が多数聞こえる。ほとんどはシュウの仕込みではあるが、一般の観客もブーイングをサイラオーグに浴びせ始めた。
「なので、僕の眷属の2軍メンバーで戦おうと思います。1軍メンバーは強すぎるので、ハンデにより出場停止にされましたから」
会場から『おぉぉぉぉぉ』という歓声が上がった。これは仕込みではない。
「チームベルゼブブ、ここに見参!
聖者『王』僕、シュウ・ベルゼブブ
ハーフヴァンパイア『女王』ギャスパー・ヴラディ
お父さん『戦車』アジュカ・ベルゼブブ
お兄さん『戦車』サーゼクス・ルシファー
お姉さん『僧侶』セラフォルー・レヴィアタン
聖女『僧侶』アーシア・アルジェント
赤龍帝『騎士』兵藤一誠
白龍皇『騎士』ヴァーリ・ルシファー
アーサー王の末裔『兵士』ルフェイ・ペンドラゴン
ねこしょう『兵士』黒歌
ねこしょう『兵士』白音
グレモリー家次期当主『兵士』リアス・グレモリー
フェニックス家三男『兵士』ライザー・フェニックス
シトリー家次期当主『兵士』ソーナ・シトリー
大公アガレス家次期当主『兵士』シーグヴァイラ・アガレス
アーサー王の末裔『兵士』アーサー・ペンドラゴン
」
呼ばれると入場してくるシュウの眷属。会場の観客、実況のアナウンサー、シュウの関係者以外の全員が、目が点になって固まっている。静寂が時間を制覇したようだ。
「え?最強なメンバーだと思えるけど、2軍なんですか?アザゼルさん」
ナウドの声が震えている。彼にとっても、衝撃的なメンバーだったのだろう。
「彼らはあくまで2軍です。1軍メンバーは最凶なメンバーですよ。私やサーゼクス、北の主神のオーディン様でさえ、練習試合で死にましたから」
「死んだ?」
ナウドの顔から血の気が引いている。
「死んでも生き返らせる能力を持っていますから、彼はねぇ。彼らの練習試合は、どちらかが死ぬまで続けられます」
「すごい練習ですね?」
「それを毎日のようにしているんです。それが彼らの強さの秘密です」
「あっ、実行委員会からクレームがつきました。少々お待ちください。」
やっぱりクレームついたか?でも、ルールは破っていない。分厚いルールブックをみんなで手分けして調べたからな。そもそも、ゲームを運営、支援しているアジュカとシュウとティアマットが問題ないって判断したんだし。どうクレームつけるのやら。
サイラオーグに向けて「ビビリー」コールが飛んでいる。さぁ、どうでる?上層部よ