平和の日々は、どうして続かないんだろうか??
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ギャスパーの故郷で問題が発生したとかで、リアスとおっさんが事態を把握するとかで、ヴァンパイアの国に旅立っていった。リアスの『騎士』である木場も、ガードとしてついていったようだ。ヴァンパイアの世界は悪魔の世界よりも、上下関係の格差が大きいらしくて、眷属には発言権は無いそうだ。僕とガイアでリアスのガードしに行くって言ったら、おっさんに速攻で却下された。なんでだろう?
まぁ、からかいがいのある嫁がいない分、少しヒマ気味の僕。学校も学園祭が終わり、次の楽しみはクリスマスかな?
そんな平和な日常は長く続かなかった。いきなり学校がテロ攻撃にあったのだ。突然すぎて、理科の実験で爆発事故でも起きたのかなって思ったり。
テロとわかったのは、ルフェイが僕達の教室に走り込んできたから。
「大量の魔術師が、私達のクラスを攻撃してきました」
ルフェイは涙をこぼしている。すぐにただ事では無いとわかる。ヴァーリ、ヴァイラ、ゼノヴィア、イッセーが、ルフェイのクラスの教室に向かう。ソーナは生徒会室へ急ぐ。アーシアはルフェイに寄り添っている。
「白音達は?」
ルフェイに状況を確認した。ルフェイのクラスには、白音、ギャスパー、レイヴェルがいるから。
「レイヴェルさん、白音さん、ギャスパー君が捕縛されました。私は……逃げるのが精一杯でした」
唇を噛み締めているルフェイ。彼女が対抗出来無いような数で攻めてきたのか?白音、ギャスパーが居てもダメな数だったのか?念話で被害状況がわかった。ルフェイのクラスのあるブロックは、1階から上が全壊だったそうだ。生徒の生死も不明な者が多いみたいだ。
生き残った者は体育館へ誘導されていく。被害状況を確認していると、理事長を見かけたので、訊いてみた。怒りを殺しながら…
「ここって、防御結界していなかったんですか?」
「してはあったが、破られてみたいだ」
お兄さんも悔しそうな表情である。想定していた敵よりも手強かったのか?最上級魔法使いに近いルフェイが、逃げるのに精一杯だったことから、相手はルフェイ以上が多数いたことになる。最上級クラスの魔術師集団かぁ。普通に組んだ防御結界では、役立た無いってことになるな。
僕は爆心地に向かった。招魂の術で漂っている魂を集め、創造の扇で魂に見合った身体を創造して、魂を器に戻していった。以前、天界で経験しているので、手際良く出来たと思う。こうして、捕縛された3名以外は、蘇生できた。
次に、連れ攫われた仲間を探す。黒歌を召喚して、白音のオーラを探す。しかし、なかなか感知出来無い。結界で囲まれているのかな?あっ…
「僕達が張ったのものでない、結界を探せるかな?」
閃いた事を黒歌に伝えた。
「見つけたにゃん♪地下鉄の駅にゃん」
「その駅の構造わかるかな?ヴァイラ」
「冥界行きの列車が入るホームがあるわ」
「一般人がいるところは、占拠したら大騒ぎになるだろうから、そこだな。僕達の仲間に手を出したヤツは許さない。戦闘準備をしてくれ、みんな!」
「「「了解!!」」」
いきり立っている僕達の前に理事長がやって来た。
「相手から、シーグヴァイラ眷属とリアス眷属だけで来いって。そうすれば、人質は返すと言ってきたよ」
「はぁ?……う~……そうですね。人質が大事だものな。その線で行きましょう」
僕は笑みを浮かべながら理事長に答えた。
「まさかと思うけど……シュウ君も行くのかな?」
顔から血の気が失せていくお兄さん。
「僕達親子はお散歩します」
「おやこ?おぃおぃ…」
お兄さんの声は震えている。
「他の者は手を出すなって、言って来ていないんでしょ?」
「言って来てはいないけど……」
「じゃ、僕は子供を連れて、お散歩に行ってきます♪」
僕は家に転移した。
---ヴァイラ---
シュウは別行動かぁ。まぁ、私達じゃ足手まといになるかも。とりあえず、あちらの指示で動いてみましょうか。
---ソーナ---
私達は指名されていないのね。新戦力が2名入ったのに。駅周辺の地上部分の防御に徹しようっと。
---シュウ---
「おい、貴様達は誰だ?」
つまらん結界を破り、入り口から入ると、反対の壁越しに魔術師の団体様が、うじゃうじゃいる。
「散歩の途中だけど」
「一般人は入れないはずだぞ!」
「おまえらの結界ってなんだ?」
奥にも部屋が有りそうだな。おぉ~!転移陣みっけ♪
「おい、おまえはどこの眷属だ?」
「チームベルゼブブ『王』シュウ・ベルゼブブだ!」
僕が名乗ると直ぐに、先制のダイヤモンドダストを部屋一面に展開したシルキー。間髪入れずに聖なる矢を部屋一面に放つガイア。更に間髪入れずに、目の前のヤツラの頭上から圧搾する。目の前は一面灰まみれの血肉の海となった。
僕らは先の部屋に転移した。
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先の部屋では、顔を腫らしたギャスパーと、涙で瞼を腫らしたレイヴェルと白音を保護した。回復呪文で彼らを癒やしてあげる。回復しきると、僕のことに気づいたのか、三人とも駆け寄って抱きついてきた。僕は一人一人の頭を撫でてあげる。「よく、がんばったね」って♪
そんなホノボノムードを打ち破るように、敵らしいヤツが一人、目の前に転移してきた。
「君は誰だい?僕は、ユーグリット・ルキフグスだよ」
コイツがやったのか?一応、名乗っておくか。
「チームベルゼブブ『王』シュウ・ベルゼブブだ!僕達の家族に手を出したことを後悔させてやる」
「あぁ、偽りのベルゼブブ君って、君かい?よく、ここまで来れたな。はぐれ魔術師で埋め尽くされた部屋は、通らなかったのか?」
「あぁ。雑魚で埋め尽くされた部屋は、通ったけど、魔術師はいなかったなぁ」
「はぁ?なんだと?」
モニタ用魔法陣を発現させて、あの部屋の様子を調べ始めたユーグリット。
「お前ら、ひでぇコトしやがるな」
「もっと、ひでぇ事してみようか?」
目の前の敵が急に倒れた。
「何をしたんだ?」
神経を刺激しないように破壊したので、気づかないユーグリット。
「お前の脚の骨を粉々に砕いてやった」
「どうやって?」
「三人を誘拐した理由を聞かせてくれたら、教えてやるよ」
「魔術師協会が算出したリアスとシーグヴァイラの眷属の評点が気にいらなかった。だから、実際に力を試すために呼び出したんだが…」
「……」
その時、レイヴェルから念話が届いた。僕はレイヴェルからの念話を理解して、ある物を僕らの家に強制転移させた。
「おまえ、レイヴェルに、ひどいことしたみたいじゃないか?」
あいつの指を一本圧搾した。指の付け根から流血している。
「痛っ!ゆ、指がぁぁぁぁぁぁ」
今度は神経ごと潰してやったので、痛みが認識出来たはずだ。
「謝れよ!レイヴェルにさぁ。それとも、もう1本いっとくかい?」
隣の指も圧搾する。
「いてぇ!やめろ!」
激痛で、床を転げ廻るユーグリット。
「謝れ!」
「くそ~!」
ユーグリットは龍門を展開し始めた。ドラゴンを呼ぶみたいだ。僕はサマエルの剣のオーラで龍門を撃ち抜いた。龍門はドラゴンを出す前に木っ端微塵に爆発した。
「え?龍門がぁぁぁぁぁ~!貴様、何者だ?」
「ドラゴンマスターな聖者だよ」
「ドラゴンマスターだと?」
「悪いけど、ドラゴン相手だと無敵だよ」
相手の目が、恐怖に怯えている者の様になったきた。
「次は何を出す?鳩かぁ?それとも、お前の指かな?」
三本目の指も圧搾する。
「うっ!」
あっ!僕はあることに気づいた。
「お前、グレイフィアさんの関係者かな?」
「姉を知っているのか?」
僕は、タイマー24時間の『身体停止』をユーグリットにかけて、怪我を治してあげてから、グレイフィアさんの部屋に強制転移させた。あいつの顔には「テロの首謀者です」って書いてあげたので、グレイフィアさんも用件がわかるだろう。
さて、家に帰ろう。うん?困ったぞ!ガイアとシルキーがまだ戦いたいみたい、どうしよう??この三名では酷だし。あっ、後から来るのと戦えばいいのかな?レイヴェル達を先に家に帰した。
さっきの部屋に戻る、僕達。
---ヴァイラ---
約束の時間に行くと、血生臭い臭いがプンプンする。目の前には、灰まみれの血の海がある。肉片が壁にへばりついていたりする。ここで、壮絶な戦いが遭ったに違いない。惨劇のあったであろう風景を見ていた私達に、攻撃が…この攻撃って…
「緊急脱出して!!」
この前のレーティングゲームに参加した者には、恐怖を埋め込まれているオーラ群。シュウ親子だ。戦いが物足りなかったからって、味方を襲うって、どうなのよ~!私の意識は遠くへ行ってしまった。
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僕達の家のリビングルーム。戦闘に参加した面々とお兄さんがいる
「で、被害多数出たって?大丈夫だったかい?」
ヴァイラに訊くお兄さん。
「まさか、味方にやられるとは…」
ヴァイラが涙目で、僕を睨む。
「そうそう、グレイフィアへの贈り物をありがとう、シュウ君。まさか、彼女の弟が首謀者とは」
頭を抱えているお兄さん。
「たまたま、散歩の途中で会っただけだよ、ヴァイラ♪」
リアスと違い、ヴァイラはごまかせない。お兄さんの声は上の空で、ヴァイラへ意識を集中させている。
「はぁ?散歩?どうして、私を殺すようなことをしたのよ?」
怒り心頭なヴァイラ。いや、怒る理由も分かるのだが、えん罪である。
「僕は手を出していません」
「はぁ?あなたは、彼らの親でしょ?制止しなさいよ!あんな閉鎖空間で、逃げ場が無いでしょ?その結果は目で見るよりも明らかでしょ?!」
「すいませんでした」
ヴァイラの怒りは収まりそうに無い。取り敢えず、謝罪する。非は僕達にある訳だし。しかし…ヴァイラとガイアの目と合った。笑顔のガイアから聖なる光の矢が放たれて、ヴァイラを襲う。彼女は避けてが右手に刺ささり、右手が灰化していく。そんなヴァイラに、間髪入れずにシルキーのダイヤモンドダストが、ヴァイラの頭上に振りまかれた。あぁ……ヴァイラを…彼女の魂を優しく抱き締め、僕の部屋に二人で転移して、彼女を蘇生する。
「ヴァイラ、ごめんよ!」
心の底から謝罪の言葉を、彼女へ捧げる。
「いくら、あなたでも、制止出来無いわね、あれじゃぁ。はぁ…」
溜息を吐くヴァイラ。
「僕の敵って認識すると、アレだからねぇ。はぁ…」
僕も溜息を吐く。
「彼らの前では、冗談でも、あなたを苛められないわね」
僕に笑顔を向けるヴァイラ。
「すいません」
そのまま、僕達は身体を合わせた。
---ソーナ---
シュウ君が、敵のアジトから奪ってきたもの。それは巨大なプラントであった。証拠隠滅が出来るように、爆弾がついていたのでまず外してた。レイヴェルさんが言うには、純血のフェニックス家の者のクローンを作って、それからフェニックスの涙を大量生産するプラントだそうだ。自分達一族のクローンが作られて、涙を絞り取ったら、焼却処分されていたことを聞き、レイヴェルさんは心を痛めたそうだ。こんな物、許せるものではない。
しっかし、こんな大きな施設ごと強制転移させてくるとは。シュウ君って大胆すぎ。でも、おかげで捜査が順調である。どこで作ったものか、誰が絡んでいるものか。捜査の結果、隠居した前フェニックス卿が自身のDNAを売って、それを元にクローンを作っていたみたいだ。
捜査結果は、シュウ君には秘密である。知れば、必ず屠りに行っちゃうから。それでは、証拠隠滅に加担しちゃうし…
---サーゼクス---
リアスから連絡が入った。ヴァンパイアの世界を二分する勢力の片方が、神器を持ったハーフを手に入れたので、もう片方側からギャスパー君を貸せと言う事らしい。ハーフを軽んじる一族だが、絶大な力を持つハーフは道具とか兵器なんだろうな。シュウ君に知られたら、迷わず屠りに行くだろう。ギャスパー君は道具で無いって言いながら。問題は神器を持っている者は、ギャスパー君の知り合いで、彼は助けに行きたいみたいだ。戦力を考えた場合、シュウ君親子は絶対的に必要な人材では有るが…中途半端に攻撃はしてくれないよなぁ。
---シュウ---
ギャスパーに頼まれた。恩人を助けてくれって。居場所を聞いて、空間を破って、ちょっと……連れだし成功!ギャスパーは喜んでいるし。よかった、よかった♪
---サーゼクス---
渦中の神器持ちの者がシュウ君の家に、既にいるらしい。あっ!空間切って、亜空間移動して連れてきちゃったんかな?。あっちで問題にならなきゃいいけど…
---シュウ---
ギャスパーの恩人、ヴァレリーっていうハーフヴァンパイアだった。ギャスパーの身につけていた物とギャスパーの手紙を見せて、信用してもらって、家に連れてきた。そして、なんで揉めているかを、ヴァレリーに訊いてみた。
「私に神滅具『幽世の聖杯』が目覚めたことがきっかけで、兄がクーデターをしたのです。表向きは私がトップですが、実質は兄がトップです。兄は私の身体から研究名目で聖杯を1つ取り出し、超回復能力を身につけたようです」
「あ、腹黒そうな男から、不釣り合いな聖杯のオーラを感じたから、抜いてきたんだ。ヴァレリーに返すね」
僕が聖杯をヴァレリーに近づけると、ソレは吸い込まれていった。
「え?返してもらえるのですか?あなたが使ってもかまいませんよ」
僕の行動に驚いているヴァレリー。
「僕は、再生能力が有るからいらない。たぶん、その神器で出来る事は、殆ど出来ると思うよ。それに僕はハーフでは無いからね」
「僕らの隊長は、神器が無くても強いんだよ。僕にとっては英雄だもの」
「誉めてくれて、ありがとう」
ギャスパーの頭を撫でてあげる。オーフィスが頭をつきだしている。その後ろにアポ、白音、ルフェイ…並んでいる。並んでいるみんなの頭を撫でてあげていると、それまで固い表情だったヴァレリーが柔和な顔つきになった。
「ギャスパーと、こんなに暖かくて、楽しそうな家に住んでも良いのですか?」
「もちろん。ある程度のルールは守ってもらうことになるけどね」