※この作品はR-18です。

神器なき男 (再編集版)   作:もっち~!

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課外授業のデイウォーカー

 

---シュウ---

 

「揉めている原因って何だろう?」

 

原因をヴァレリーに訊いてみた。

 

「私の聖杯で、私達の派閥の吸血鬼の強化をして、もう1つの派閥とのバランスを崩したことで、リゼヴィムという悪魔が兄に近寄って、更なる強化をしているようなんです」

 

「リゼヴィム?ヴァーリの爺ちゃんか?」

 

「また、あいつか?」

 

嫌な名前を聞き、ヴァーリのオーラに怒りが湧き出してきている。

 

「他の種族でおいたしたらいかんな」

 

「なぁ…」

 

ヴァーリが何かを言いかけた。言わないでも分かっているよ♪

 

「おい、みんな戦闘の準備をしろ!」

 

仲間達に声を掛けた。

 

「「「了解!!」」」

 

「悪魔のみなさんにご迷惑をおかけはできません」

 

ヴァレリーが困ったような表情で言って来た。でもね…

 

「大丈夫!僕は魔物だから。悪魔には迷惑かけないよ!ただねぇ、ヴァーリの爺ちゃんが許せないだけだよ。そうだろう?ヴァーリ」

 

「ありがとう、シュウ!」

 

ヴァーリが大きく頷いた。

 

「誰か、リアスに連絡が出来るやついないか?」

 

「私がします。現況を聞けば良いのですよね?……音信不通です」

 

ソーナが連絡をしたが、リアスから返答が無いらしい。

 

「それって、リアスが居眠りしていて、出ないとかでなくて?」

 

まさか、襲われたのか?

 

「その可能性は否定しませんけど、連絡が出来無い状況っていうのも考えれます」

 

「状況がわからないんじゃ、戦力をどう振り分けようかな?……第一陣ヴァイラ眷属。ヴァーリの爺を殺さない程度に叩け!」

 

「了解!」

 

ヴァイラが頷いた。

 

「あと、ベルゼブブ眷属は不測の敵に対応するのと、ヴァレリーの護衛だ。護衛はギャスパーとトスカ。トスカは防御結界張りっぱなしでヴァレリーを守れ。アーシアはギャスパーのアシスト」

 

「了解です!」

 

アーシアが力強い返事を返してきた。

 

「さぁ、行くぞ!!」

 

僕らは空間を切り開いて、亜空間移動した。街の入り口に出たけど…空一杯の邪龍。喰われるヴァンパイア達…ひどい状況だ。ヴァイラ達は城へ向かう。僕達は全力で邪龍を叩く。サマエルを除く総ての龍門、アイツ以外の総ての獣門を展開して召喚をする。僕の両脇にはガイア&シルキーを召喚。先制でガイア&シルキーが撃ち込んだ。だいぶ、撃ち落としたが、全然減らないぞ。アジ、僕、黒歌、ロスヴァイセ、ルフェイであらゆる術式でフルバーストを撃ち込む。これでも減らない。ドラゴンを全部帰還させて、堕天使サマエルを召喚して突っ込ませる。落ちてきた邪龍は陸上部隊で屠る。こっちの方が少し効率がいいけど…シルキーが大規模なダイヤモンドダストを降らせてきた。おぃおぃ。急いでサマエルを龍門にしまい、防御結界をみんなで展開して身を守る。お~い、味方が死んじゃうよ、我が邪邪馬娘よ。シルキーの一撃で空は青空が見えた。街の被害は甚大だけど……ものの善し悪しがわかるまで、こいつらは危険で使えないぞ。満足そうなシルキー。ガイアの負けん気が炸裂。城に向かって聖なる光の矢をフルバーストさせた。あぁ、ヴァイラ達がいるんだぞ。おぃおぃ。僕の近くに、涙目のヴァイラとリアス達が転移してきた。

 

「すごい膨大なオーラが近づいてきたので、逃げてきました」

 

ヴァイラは半べそである。

 

「もう、この子達たら……こわいよ~」

 

リアスは蒼い顔だ…うんうん、確かに恐いよな。悪魔である母親に向けて、聖属性をフルバーストって…

 

城は跡形もなくガレキの山に。ガイアは満足そうだ。トスカの結界に、何かがへばりついている気配がして振り向くと、知らない男性が、結界に入ろうとしていた。

 

「お前は誰だ?」

 

「お前こそ誰だ?俺の妹を返しやがれ!」

 

「マリウス兄さん、私は帰りません」

 

ヴァレリーの兄のマリウスのようだ。

 

「お前らが、妹にいらん知恵を与えたのか?」

 

言いがかりを言うマリウス。

 

「おい、お前は知恵の実の独占の神様か?知恵は平等に得られるんだぞ」

 

僕は、妖刀村雨で居合い斬りをし、マリウスの両腕を切断した。切断面から煙が立ち上る。聖水の効果で焼けているみたいだ。

 

「この程度なら、すぐ回復でき……できない?なんでだ??」

 

余裕ぶった表情であったが、回復しないことで、顔から血の気が引いているマリウス。

 

「切断面に聖水がこびりついているからと、お前にはもう聖杯が無いからだ」

 

「なんだと??ヴァレリー、兄さんを助けておくれ!」

 

「ギャスパー、お願い!」

 

実の兄の命乞いから目を背けたヴァレリー。ギャスパーは、バロールモードになり、ヴァレリーの兄を闇に吸い込んでいく。僕は祝福の聖剣を両手で掲げて黙祷し、ヴァレリーの兄と邪龍の魂を浄化していく。黒くもやもやしていた魂達は、光り輝く魂となり、天上の光の粒子に導かれゆっくりと上っていった。

 

「転生しても悪い人にはならないよ、これでね。あとは、ヴァーリの爺を探してボコるぞ!」

 

「「「了解!!」」」

 

崩壊した城を探したが、ヴァーリの爺のオーラは感じなかった。逃げられたのか、くそっ!ヴァレリー達と対立した派閥の街にいるおっさんへ、連絡をして現況を訊いた。えっ?!向こうでも邪龍が大量発生??

 

僕らは、おっさんのいる街に転移した。空一面邪龍だらけ。戦闘に満足した子供二人はもう家に転送している。さて、どうするか?さっきの戦闘を体験した者達は、現況を見なかったことにして帰りたいにちがいない。でも、それもなぁ。あっ、そうだ!

 

「アーシア、広域のリバースを試してみて」

 

アーシアの新技をお披露目♪

 

「やっと、出番ですね!」

 

アーシアが出番が来たことで、嬉しそうだ。彼女の技により、面白いように邪龍が落ちてくる。それでも、全滅にいたらない。ギャスパーは、さっきバロールモード使って、今はヴァレリーに抱かれて寝ているし。魔術師陣は賢明に魔法を撃ち込んでいる。あっ、そうだ!

 

「リアス、ヴァイラ、ブーメランで邪龍の羽を切っていけ!」

 

「「了解!!」」

 

ブーメラン使いに指示をした。そこに、アジを召喚し、龍化してもらって、僕を乗せて上空に運んでもらう。邪龍へ水平方向からアジの魔法を炸裂させながら、僕はサマエルの剣で禍々しいオーラを放ち、邪龍を撃ち抜いていく。こんなそんなでどうにか全滅にできた。はぁ、疲れた。あっ!!おっさん、見ているだけで、戦わなかったな!

 

「おっさん!戦わないで、見ているだけの場合の拝観料は高いよ」

 

「ここでも請求するか?」

 

文句を言うおっさん。

 

「支払はいつものでよろしく」

 

「グレイフィアに殺されるよ!」

 

蒼い顔になるおっさん。堕天使の総督でもグレイフィアさんには弱いのか?

 

「お兄さんと相談しておいてね。あんまり遅いと、ガイアと取り立てに行くからね」

 

って、おっさんの耳元でささやく僕。

 

ここでも、ヴァーリの爺の捜索をしたが、オーラは確認できず。ここでも、逃げたのか?捜索を断念して、おっさんとリアスを残して、みんなで家に転移した。

 

しかし、あの数の邪龍って、どこからかき集めたのだろうか?そもそも、あんなに邪龍って生息しているものなのか?何か嫌な予感がする。あの邪龍の魂、浄化する事に専念していたから、気にも止めなかったけど、ドラゴンの魂では無かった気がする。試しに、浄化した邪龍の魂を1つ招魂して会話してみると……予想は的中した。あの大量の魂は、ヴァンパイア達のものだった。ヴァーリの爺ちゃんに強化された結果、邪龍になったそうだ。あのじじぃぃぃぃ!なんてことをしやがる。

 

僕が聖杯を奪う前に、あの爺は聖杯で聖杯を作ったらしい。その聖杯を使い、ヴァンパイア達を邪龍へと強化した上、有名な邪龍を数匹蘇らせていたそうだ。

 

僕は、お兄さんへ情報を提供した。そして、家の者達にも事実を伝えた。ヴァレリーが、泣いていた。同胞の最期を哀しんでいるのだろう。ギャスパーとヴァーリの怒りのオーラは凄まじかった。でも、僕も負けないくらいのオーラを、出していたかもしれない。

 

たぶん、我が家に敵という者がいるならば、ヴァーリの爺ちゃんこと、リゼヴィム・リヴァン・ルシファーがそうであろう。僕らの共通の敵だ!

 

 

 

---アザゼル---

 

生き残っているヴァンパイアが数少ない。城にいたはずのヴァンパイアが、まるっきりいない。死体さえも残っていない。何かがおかしい。そこに、サーゼクスから連絡が入った。ボウズからの情報…おい、まじかよ。あちらこちらに残る邪龍の死体。ボウズの情報は正しそうだ。リゼヴィムの野郎、なんてことをしやがった。

 

 

 

---リアス---

 

なぜ、私以外のみんな帰っちゃったのよ~。護衛の祐斗まで帰るなんてぇぇぇぇ~

 

 

 

---シュウ---

 

貞操教育課程を修了して、イリナがバチカンから帰ってきた。自慢げに…なんで、こいつ、天使の翼を持っているんだ?何?…転生天使になったのか。それって、堕天しそうになると翼が点滅して、知らせてくれるからじゃないのか、って冗談まじりに言ったはずが、その通りだった。自分で制御が出来無いのであれば、周囲の者達で制御してあげてくださいって、バチカンからの書簡に書いてあった。おぃおぃ…貞操教育課程を落第か…アイツ、大丈夫か?

 

心配していた傍から…イッセーはイリナの顔を見た瞬間に、Uターンしていった。それを追うイリナ。翼の点滅に気づいたアーシアが追いかける。はぁ、賑やかになりそうだよ。

 

 

 

---サーゼクス---

 

最近、トライヘキサの研究者が行方不明になる事件が相次いでいる。あれって、シュウ君達が解放したんだよな。あっ、世間では知られていないからか。トライヘキサの研究者のリストに知っている名前を見つけた。僕はシュウ君の家へ向かった。

 

 

シュウ君と、名前がリストにあったロスヴァイセ君とで、三人で話をしている。

 

「確かに、学生時代に研究をしていましたが、論文は提出しないで、燃やしたはずです」

 

提出していない?

 

「でも、君の名前でも、論文が出ているぞ」

 

ロスヴァイセ君に、リストを見せた。

 

「そんな…まさか、ルームメイトの友達が、コピーを取っていたから、それを出したのかもしれません」

 

「共同研究者としてか」

 

「私は共同研究なんかしていません」

 

僕は彼女のルームメイトだった者の名前を聞き出し、リストを調べてみたら、載っている上、行方不明になっていた。

 

「行方不明?」

 

心配そうな顔のロスヴァイセ君。

 

「研究者として攫われたのかもしれない」

 

「そんなことしやがるのは、ヴァーリの爺だけだ。誘拐してまでも、アレを呼びたいなんてヤツは」

 

「シュウ君もそう思うかい?」

 

シュウ君の考えと僕の考えは一致した。

 

「次、会ったら、躊躇なく屠ります」

 

リリンに怒りを持っているシュウ君。いや、たぶん、この家の者は全員かもしれない。

 

「誘拐しても無意味って、気づかないのかな?」

 

アレはシュウ君が使役しているし。

 

「たぶん、ダミーの方を見つけたんだでしょ」

 

「ダミー?」

 

「7本の首と10本の角をもつ生物です。7は神または始まりと終わりを表す。10は3+7です。3は三位一体の神の数。そんな聖なる数を形にしないでしょ?本物は666の獣の数ですし」

 

「確かに」

 

アレの一番の研究者はシュウ君だと思う…

 

「実際のアイツは、獅子のような顔、熊のような手足、豹のような身体、龍のような尻尾を持っていますが、見た目は獣のようですし」

 

「実際の?見たことあるんですか?」

 

驚きの声をあげたロスヴァイセ君。

 

「ここだけの秘密だけど、もう封印は解かれている。アイツはシュウ君が使役しているよ」

 

「え?どうやって??」

 

彼女は研究者として、信じられないようだ。

 

「方法は言えないけど、普通の人には無理だと思う。三頭一対が必要だったからね」

 

「まさか…三頭一対も使役しているんですか?」

 

「ロセ、家で何度も会話しているぞ。今は人化して、一緒の家族だもの♪」

 

「え??」

 

絶句状態になったロスヴァイセ君。

 

「そうなると、リゼヴィムはダミーを復活させようとしているのか?」

 

「そうなりますね」

 

「もし、復活したら、君は倒せるかい?」

 

「倒しますよ。その為に、ここにいるんですからね」

 

義弟が心強くいった。彼の言葉に違和感があったのだが、聞き流してしまった。聞き流さずに問い詰めていたら、あのようなことには…後の祭りである。

 

 

 

---シュウ---

 

「そう言えば、グレイフィアさんの弟さん、どうなりました?」

 

「シスコンでね、グレイフィアの尋問を楽しんでいるようで、少しずつ供述が取れてはいるよ」

 

「シスコンかぁ。シスコンが強すぎると、禄な人生を歩めないのかもね♪」

 

「どういうことかな?」

 

思い当たる節のあるお兄さん。

 

「今読んでいる小説『紅髪の少女』で、シスコンが強すぎるあまり、妹を庇って廃人になったって、下りが有るんですよ」

 

「そうなのかい?……今度、貸してくれるかな?」

 

「いいですよ」

 

僕は本棚から読み終えた分を取りだし、お兄さんに貸し出した。

 

 

 

 

 

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