幼少期なので、エロシーンは無いです(^^;;
---朱璃---
あの子、ヤマトは朱乃と共に健やかに育っている。朱乃もヤマトを実の弟のように可愛がっている。ヤマトの本当の親から毎月、養育費と称して様々な物がアザゼルさんを通して送られてくる。この子の親は何かしらの事情で、この子を育てられないのだろう。立派に成人まで育て上げて、産みの親に彼の成長した姿を見せてあげたいと思う。
---シヴァ---
最近、気になる者がいる。あの子、ヤマトを見守っているみたいだ。その者は人間では無くてドラゴンのようなのだが、見た目は少女の姿をしている。どうして、そんな優しい目で見守ってくれるのだろうか?
今日も彼女を見つけたので、私は意を決して、ヤマトの体から抜け出し、その少女姿の者に接触した。
「私は、あの子、ヤマトを守護する者、破壊神シヴァですが、あなたは?」
「我 オーフィス。ヤマト 気になる だから見守っている」
「オーフィスはドラゴンですよね?」
「我 無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)オーフィス」
澄んだ瞳をした龍。この私と目を合わせて話せる度量、穏やかなオーラ。私はこのドラゴンを気に入ってしまった。
「ねぇ、オーフィス。私達と一緒にヤマトの体の中から見守らない?」
私は彼女に提案した。
「いいの? 我 ヤマトとずっと一緒にいたい」
「いいわよ。私達と一緒にあの子を見守りましょう」
頷くオーフィス。私とオーフィスはヤマトの体の中に入った。
体の中といってもヤマトの心に寄り添う感じで存在している。オーフィスの存在を感じたサマエルが声を出した。
「え?オーフィスじゃないか」
「サマエル? なんで神器に?」
「色々あって、この器に入っていないと、周りの仲間を傷つけてしまうから」
私は、二人(匹?)に問いた。
「二人とも知り合いなの?」
「同じドラゴンだもの。知り合いだよ。オーフィスは無邪気で、小さな物に興味を持つドラゴンだよ」
「サマエル 優しいドラゴン。困っているもの 助ける」
「ヤマトになってもらいたい性格を持っているのね。彼が物心つくまで、大人しくここから見守ってあげましょう」
頷く二人。
---ヤマト---
「ねぇ、一緒に遊ばない?」
いつものように、朱乃姉さんと森で遊んでいると、こちらを見る僕と同じくらいの歳の女の子を見つけた。姉さんも気がついて、その子を誘う。
「僕、ヤマト。君は?」
「ヴァーリ」
「ヴァーリちゃんね。私はヤマトの姉の朱乃。よろしくね」
僕に初めて友達が出来た。ヴァーリは恥ずかしがり屋さんみたいで、あまり話かけてこない。僕たちが話しかけると喜んで話をするんだけど。
ある時、ヴァーリが泣いていた。事情を訊いても、なかなか答えてくれない。僕は、僕が泣いている時にお母さんがよくしてくれたように、ヴァーリを優しく抱きしめる。
「え?」
驚いていた彼女。
「泣きたいだけ泣きなさいって、お母さんがよくしてくれるんだ」
「優しいお母さんだね」
「ヴァーリのお母さん、怖いの?」
「ううん。お母さんでなくて、お爺ちゃんが怖いの」
ヴァーリの家にお爺ちゃんがたまに来て、ヴァーリとヴァーリの両親に暴力をふるうらしい。
「僕がヴァーリの家まで送ってあげるよ。ヴァーリのお爺ちゃんは、僕にまで手を出せないだろうからね」
僕はヴァーリの目を見て話すと、ヴァーリは小さく頷いた。
---シヴァ---
ヴァーリと一緒に、ヴァーリの家に行ったヤマト。部屋に入ると、血まみれのヴァーリの両親と思しき者が、息絶えていた。
「ヴァーリ、やっと帰って来たのね。あんまりにも遅いから、お前の両親と遊んでいたよん♪」
ヴァーリの祖父が、いやらしくヴァーリに声をかけた。ヴァーリの目には、たぶん両親の屍が入ったのだろう。祖父を無視して、両親に駆け寄るヴァーリ。それが気にいらないのか、ヴァーリを蹴り上げる祖父。祖父の顔を見て驚く私。
こいつ!あの時の盗掘者だ…私の内に怒りがこみ上げてきた
ヤマトはヴァーリに駆け寄る。華奢なヴァーリの身体は床に叩きつけられて、血が流れている。それを見たヤマトの身体は、闇を纏い始めた…ダメよ!
ヤマトはヴァーリの祖父に向かっていった。が、大人の悪魔と、幼子では力が違いすぎる。吹き飛ばされて柱に叩き付けられた。ヤマトの意識が無くなったので、私達が、あの馬鹿者と対峙する。
「久し振りだね、盗掘者になりさがった悪魔王の息子よ!」
「うん?おまえは、あの時のクソ女か?なんで、ここに??」
「私達が守護する者に、手を出した報いを受けてもらうぞ、リゼヴィム!私は破壊神シヴァ。クソ女ではない!!」
「破壊神だと??なんだと、オーフィスもいるのか??」
あの子達を優しく介抱しているオーフィスに気づいたみたいだ。
「ここで、みんなくたばれ!」
そういうとリゼヴィムは幾重にも魔法陣を展開して、攻撃魔法を発動してきた。私とオーフィスで、あの子たちを安全な場所まで運ぶ。姫島家の玄関まで運ぶと、私とオーフィスはヤマトの体に入った。
---朱璃---
玄関で音がした気がしたので、玄関に向かうと…あの子と女の子が怪我をして倒れていた。私は朱乃を呼んで、二人で家の中に運ぶ。どうすれば、こんな大怪我をするのだろうか?女の子、朱乃から聞いたのだが、ヤマトの友達のヴァーリと言う名前らしい。ヴァーリの全身にはアザが多数。家庭内暴力を受けているみたいだ。そうなるとヤマトはそれに巻き込まれたのかもしれない。
私はバラキエルに連絡をした。バラキエルはアザゼルさんを連れて帰宅した。バラキエルは、あの二人の惨状を見て、ヴァーリという女の子の家に向かった。アザゼルさんは、二人を医療施設に連れて行くという。ヤマトはただの人間でないので、地上の、人間の病院では診療が出来ないとのことだった。
しばらく入院することになったヤマト。いつもは朱乃と三人で川の字で寝ていたのだが、今夜からしばらくできない。あの子の退院が待ち遠しい…
---アザゼル---
朱璃からの連絡で、ボウズ達の怪我を見て戦慄した。幼子二人をここまで痛めつけられるとは、ひでぇことする親がいたもんだ。まして、ボウズは子供の友達だろうに。ボウズ達を天界の医療チームに預けた。
グリゴリ「神の子を見張る者」の提督をしている俺は、部下に命じて情報を収集した。結果、驚愕な事実が…あの二人を傷めつけたのは、前魔王ルシファーの息子であるリゼヴィム・リヴァン・ルシファーで、ボウズの友達はリゼヴィムの孫に当たるそうだ。家のあった場所は更地状態だった。リゼヴィムの野郎、証拠隠滅のためか、魔法で吹き飛ばしやがった。残留思念から爆発直前に、ボウズの友達の両親は死んだみたいだ。たぶんあの二人の目の前でかな?あの二人が生き残ったのは、たぶん守護しているシヴァ様のおかげかもしれない。
あの二人の心に傷がついたのは間違いない。ミカエル、すまない。
その後の調査で、リゼヴィムが息子夫婦、孫に暴力を振るっていたのは、あの盗掘事件が原因で、天界から執拗に攻撃を受け、その鬱憤払しだったことが判明。
ボウズが被害を受けたのは、ある意味、因果応酬って感じか…弱い者にしか手を出せないバカ野郎なんだな、ルシファーの息子っていうのは。
---アザゼル---
ボウズ達は天界の医療チームにより、治療を受け続けて、驚異的な回復をした。そんな二人をミカエルの依頼で俺は秘めたる力を検査した。
「まず、ヴァーリは…なんだとぉ。白いのが宿っているぞ」
「神滅具の白龍皇の光翼かい?」
「そうだ」
次はボウズ
「……見なかったことにしていいか?」
「なんでだい?」
怪訝そうなミカエル
「シヴァ様が睨んでいた……」
「まぁ、いらっしゃるからね」
ミカエルは苦笑い
「シヴァ様以外、オーフィスが…」
「え?無限の龍神様か?」
「神器は「龍喰者」「神器創造」「強奪」「桃色天国」など」
「など?」
「あぁ、奥深くにまだなにか埋まっているが、現状は調べられない。能力は「神器無効化」だぁ。やっぱり、あのイカレ野郎から強奪しているなぁ」
「最凶の神器って何だったんだい?」
「たぶん、「強奪」だな。相手の神器、能力などを相手の知らないうちに奪い取る。禁手化すれば、すべてを奪い取れるかもしれない。記憶、命までもだぁ」
「聖書の神の闇の部分、独占欲が強化されたような感じですね」
「そうだな。奪えなくても、「神器創造」で、作れるのも恐ろしいけど」
「まぁ、あのお方のご子息ですから」
ミカエル、笑いが引きつっているぞ。
「なぁ、ミカエル。グリゴリの監視下に置いていいよな?」
「変な実験とか、解剖は止めて下さいね」
「出来る訳無いだろう。シヴァ様が許してくれないぞ」
さっきのシヴァ様のオーラはびびった。怒らしたら俺は、カンタンに殺されると思う。それにしてもなんで、オーフィスがいるんだ??それが不思議だ。まぁ、退院だし、二人をバラキエルに渡そう。朱璃がヴァーリも一緒に育ててくれるって、言ってくれたのは嬉しかった。目の前で両親を殺された子供を孤独には出来ないからな。
---朱璃---
バラキエルが二人を連れて帰って来てくれた。
「ただいま、お母さん」
「お、お母さん…」
ヤマトとヴァーリを優しく抱きしめてあげる。
「ヴァーリ、あなたは今日から私達の家族よ。困った事があったら朱乃かヤマトに言ってくださいね」
ヴァーリは小さく頷いた。でも、まだ戸惑っているみたいだ。朱乃もヴァーリを優しく抱きしめ、頭も撫でてあげて、緊張をほぐしてあげているみたい。ヤマトは…どうしていいかわからず、難しい顔をしている。私はヤマトの頭を撫でた。
「ヤマト、あなたはいつも通り接してあげて。ヴァーリは大切な友達で、これからは大切な妹になるんですからね」
「わかった。そうだよね。いつも通りで良いんだよね。お母さん、ありがとう!」
我が家は益々賑やかで、幸せ溢れる家庭になるんだろうな。将来が楽しみだわ。
---アザゼル---
「で、なんで、バラキエルさんよ!子供連れでご出勤なんだ??」
バツが悪そうに、バラキエルが子供二人を連れてグリゴリ本部に来た。
「いや、二人から強くなりたいって相談されて…そういうのって、アザゼルが得意だろ?」
そういう事かぁ。
「ヤマト、ヴァーリ、強くなりたいのか?」
「なりたい。ヴァーリや朱乃姉ちゃんを守りたい」
「私も家族を守りたい」
「わかった。鍛錬の方法を教えてあげるから、明日からはバラキエルについてくるなよ」
「「はい!」」
相手が悪かったといえ、あんな目に遭ったんだ。強くなりたいだろうな。神器との接し方と、ベースになる身体の鍛え方を教えてあげた。
---ヤマト---
アザゼルおじちゃんに教わった鍛錬を毎日、ヴァーリと二人で始めた。でもね、僕の身体の中に、友達が入っていたんだ。オーフィスって名前らしい。
最初出て来た時、僕もヴァーリも驚いた。いきなり、僕の身体から、黒髪の女の子が出てくるんだもの。
鍛錬をする時に、たまに手伝ってくれたり、教えてくれたりもしてくれる。おやつの時間は三人で食べる。家に帰る前に、僕の身体に戻っていく。僕の身体が住処らしい。
ヴァーリの身体にもお友達がいる。アルビオンだ。オーフィスがその存在を教えてくれた。アルビオンは身体から出ては来られないけど、お話の相手にはなってくれる。戦い方と、身の護り方とか色々と教えてくれる僕らの先生である。
朱乃姉ちゃんは、身体にお友達がいないんだけど、きれいな黒い翼を持っている。まだ、お空を飛べないみたいだけど。姉ちゃんがお風呂から上がると、僕とヴァーリで翼を拭いてあげるんだ。たまに頬ずりしていると「ヨダレをつけないでね」って姉ちゃんに注意される。以前頬ずりしていて寝ちゃって、ヨダレを…まぁ、失敗は成功の母というし。僕達と姉ちゃんのやりとりをおかぁさんは微笑んで見ている。
お父さんにも黒い翼があるけど、固くて、頬ずりすると痛い…僕も欲しいと思ったら、白い翼が出た。でも、小さくて飛べる様に見えない。ヴァーリは黒い羽が出た。ヴァーリの方は練習すれば飛べそうだけど、見た目が恰好悪いので、姉ちゃん達には伝えていない。
---朱璃---
平和な時間は永くは続かないものなのか?私は、子供達が成長する姿をずっと見守っていたかった。あの人、バラキエルともっと永く生きたかった。それなのに、それは叶わない、儚い夢だったのだ。
ある日、バラキエルはアザゼルさんに急に呼び出されて出かけた。ヤマトとヴァーリが鍛錬に出ていていない時、私と朱乃で夕食の支度をしていた時、その時は訪れた。
玄関が荒々しく壊される音がする。黒頭巾を被った者たちが、家に押し入ってきた。
「朱乃!!逃げて~!」
私と朱乃は奥の部屋に逃げ込むが。黒頭巾の者達は、手に刀を持ち、私達の前に現れた。
「堕天使の娘を出せ!さもなくば、二人共殺す!!」
刀が振り下ろされるのが目に入った私は、咄嗟に朱乃を庇った。
「お母さぁ~ん!」
遠くで朱乃の叫び声が聞こえた。
---ヤマト---
いつものようにヴァーリと鍛錬をしていると、禍々しいオーラを感じた。嫌な予感がして家に戻ると、玄関は破壊されていた。家に入ると、朱乃姉ちゃんの叫び声がした。声の方へ急ぐと…お母さんが…背中を斬り裂かれたお母さんが…血だまりの中に倒れていた。
---シヴァ---
なんてことをしてくれたのだ。また、この子は惨劇に遭遇してしまった。この子の怒りと姉を守りたい心がオーフィス達を動かした。オーフィスは鎧となりヤマトを護る。サマエルは剣となり敵を屠る。ヴァーリもアルビオンが鎧となり彼女を護る。そして、私はこの二人を守り抜く。
---ヤマト---
「お母さんを斬ったヤツは誰だよ?」
僕は刀に、血糊を纏わせている者を睨む。ヴァーリは朱乃姉ちゃんの前に立ち臨戦態勢になっている。
「なんだと?神器を持っている子供が、この家には二人もいたのか?」
相手は驚いている。僕はサマエルの剣を振るう。目の前の二人を切り倒した。オーフィスの声がする。
「うしろ!」
僕は振り向いて魔力弾を放ち、敵を倒す。ヴァーリも、拳に気を込めて次々に倒していく。
あとはお母さんを切り裂いたアイツだけ。僕はサマエルの剣にオーラを込めて、斬りつける。禍々しいオーラが、ドラゴンの姿となりアイツを突き抜けていく。アイツはその場で倒れた。
敵の気配が消えない。家の外にまだいるみたいだ。自力で動けないお母さんをこの場に残していくことは忍びないけど、ここにいたら、僕ら三人とも危ない。お母さんに縋り付いている姉ちゃんを、強引に外に連れ出して三人で逃げる。お父さんがきっと助けに来てくれるはずだから。
---バラキエル---
アザゼルから突然呼び出されて、グリゴリで仕事をしていると、連絡が入った。俺の家から莫大なオーラを検出したと。急いでアザゼルと家に帰ると…家は半壊状態だった。家に入ると血の匂いが漂っている。畳の上にはおびただしい血だまりと黒頭巾の者が横たわっている。先に進むには気が重い。奥の部屋に…最愛の朱璃が…背中を斬り裂かれた朱璃が横たわっていた。俺はその場に泣き崩れた。
---アザゼル---
言葉を失う惨状。こういうことかな。朱璃の遺体は背開きの魚のようになっていた。即死だったろう。おい、子供達がいないぞ。まだ追われているのか?部下に命じて近辺の捜索を始めた。頑強な大男のバラキエルは朱璃の横に泣き崩れている。俺はコイツに掛ける言葉を持ち合わせていない。俺に出来ること、子供達を無事にコイツに引き渡すことだ。捜索部隊の指揮を執るために、外へと出た。